浅尾慶一郎の発言 (環境委員会)

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○浅尾国務大臣 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の浅尾慶一郎です。
 第二百十二回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、所信を申し述べます。
 まず、令和六年能登半島地震からの創造的復興について申し上げます。
 甚大な被害をもたらした地震の発生から一年がたちました。環境省では、地震の発生直後から現地に職員を派遣し、し尿や生活ごみの処理、家屋等の公費解体、災害廃棄物の処理、浄化槽の復旧や、ペットに関する支援等を行ってまいりました。このうち、公費解体については、令和六年八月の公費解体加速化プランで定めた同年末の中間目標である一万二千棟解体完了を達成しました。本年一月末に改定した同プランに基づき、引き続き、きめ細かい支援に取り組みます。
 さらに、創造的復興に向けて、被災した国定公園等施設の復旧、ロングトレイルの創設、トキと共生する里地づくりなど、能登半島の豊かな自然資源を生かしたツーリズムと地域づくりの推進を支援してまいります。
 東日本大震災、原発事故からの復興、再生の推進について申し上げます。
 発災から十四年が経過しようとする中、被災地の復興はいまだ道半ばであり、被災地の環境と被災された方々の生活を取り戻すべく、地域に寄り添いながら全力で取り組んでまいります。
 ふるさとに戻りたいという御意向のある住民の方々の帰還に向けて、特定帰還居住区域における除染等を着実に実施してまいります。また、国としての約束かつ責務である福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けて、今年度中に、再生利用等の基準や最終処分場の構造、必要面積等を取りまとめつつ、来年度以降の進め方をお示しできるよう取り組んでまいります。
 加えて、先般設置した閣僚会議の下、再生利用の推進等に係る基本方針を策定し、各府省庁が一丸となって、再生利用先の創出等に向け、国民の理解醸成を含め、尽力してまいります。
 さらに、住民の不安解消や風評払拭を図るため、引き続き、放射線健康管理やALPS処理水に係る海域モニタリング等を実施しつつ、環境の視点から地域の強みを創造、再発見する福島再生・未来志向プロジェクトを推進してまいります。
 次に、気候変動対策について申し上げます。
 二〇五〇年温室効果ガス排出実質ゼロ、いわゆるネットゼロの実現に向け、二月に地球温暖化対策計画を改定し、一・五度目標に整合的で野心的な目標として、二〇一三年度比で、二〇三五年度六〇%削減、二〇四〇年度七三%削減とする削減目標、NDCを国連に提出しました。新たな削減目標を踏まえ、脱炭素と経済成長の同時実現に向け、環境省は、地域、暮らしの脱炭素化を主導します。
 地域の観点では、脱炭素先行地域の実現や重点対策の全国実施を始めとする、地方公共団体が主導する地域脱炭素の取組等を通じて、地域と共生し裨益する再生可能エネルギーの導入を進めつつ、産業振興や防災力強化等を図ることで、地方創生にも貢献してまいります。
 暮らしの観点では、住宅、建築物の脱炭素化、商用車等の電動化等の支援や、脱炭素につながる各主体の取組を促す国民運動、デコ活を通じ、脱炭素型の製品等の需要を喚起し、環境負荷を低減しつつ、持続可能で楽しく豊かな暮らしづくりとGXの推進に取り組んでまいります。
 さらに、成長志向型カーボンプライシング構想の実施に貢献するとともに、人工光合成等の新たな技術の社会実装を促進していきます。
 循環経済、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組について申し上げます。
 昨年八月に閣議決定された第五次循環型社会形成推進基本計画では、循環経済への移行は、気候変動対策や生物多様性保全といった環境面に加え、産業競争力の強化、経済安全保障、地方創生、そして質の高い暮らしの実現にも貢献する、国家戦略として取り組むべき重要な政策課題と位置づけています。
 昨年末の循環経済に関する関係閣僚会議において、循環経済への移行加速化パッケージを取りまとめました。これに基づき、モデルとなる地域の取組の支援などによる循環資源等を生かした豊かな暮らしと地域の実現、国内外一体の高度な資源循環ネットワークの構築、資源循環市場の創出、拡大に向けた国内外のルール形成に係る取組を着実に実施してまいります。
 また、昨年成立した再資源化事業等高度化法の円滑な施行を進めるとともに、使用済太陽光パネルのリサイクル促進等に向けた制度的対応を検討してまいります。あわせて、持続可能で強靱な廃棄物処理体制を構築すべく、災害廃棄物対策の体制整備、一般廃棄物処理施設や浄化槽の整備等を進めてまいります。
 自然再興、ネイチャーポジティブの達成に向けた取組について申し上げます。
 二〇三〇年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるというネイチャーポジティブの達成は、我が国の経済社会の基盤となる自然資本を守り育む最も重要な課題の一つです。二〇三〇年までに陸、海の三〇%以上を保全する目標、いわゆるサーティー・バイ・サーティー目標の実現を目指し、昨年成立した地域生物多様性増進法の円滑な施行を進め、自然共生サイトの認定を促進します。
 また、企業の自然資本の維持向上の取組が企業価値向上に結びつくよう、昨年三月に取りまとめたネイチャーポジティブ経済移行戦略を具体化するため、自然関連財務情報開示の促進、企業の取組の見える化に関する自然関連データの基盤の整備等を行い、国際的なルール形成、市場創造にも対応してまいります。
 さらに、ネイチャーポジティブな地域づくりを進めるとともに、国立公園の魅力向上及び利用促進に取り組むことで、自然の保護と利用の好循環により、地方創生に貢献してまいります。
 環境外交について申し上げます。
 昨年末に開催されたCOP29の成果を踏まえ、全ての国に温室効果ガスの着実な削減を呼びかけるとともに、JCMについて、国際的な排出削減、吸収量の確保に向けた取組を加速し、パリ協定六条実施パートナーシップも活用して、各国における質の高い炭素市場の構築に貢献してまいります。
 また、グローバルサウスとのパートナーシップを戦略的に強化すべく、アジア・ゼロエミッション共同体構想の実現に貢献するとともに、アフリカにおける廃棄物管理事業の形成を支援し、我が国の質の高い循環インフラの輸出推進を図ります。
 このほか、プラスチック汚染に関する条約交渉や、資源循環分野における企業の情報公開スキーム等の国際的なルールづくりに貢献してまいります。
 次に、環境省の原点である、人の命と環境を守る基盤的な取組について申し上げます。
 水俣病を始めとする公害健康被害対策や、石綿健康被害の救済、子供の健康に影響を与える環境要因を解明するエコチル調査に、引き続き真摯に取り組みます。
 また、PFAS対策を推進します。特に、水道水におけるPFOS、PFOAについては、専門家の御意見を踏まえながら、水道法に基づく水質基準への引上げを含め、今春を目途に対応の方向性を取りまとめ、国民の安全、安心を確保してまいります。
 さらに、熊類等による人身被害等を防ぐため、人の生活圏に熊類等が出没した場合に、地域住民等の安全確保の下での銃猟を可能とするための法案を今国会に提出しました。このほか、ニホンジカやイノシシ等の鳥獣保護管理対策、ヒアリ等の外来種対策、希少種保全、動物愛護管理等にも取り組んでまいります。
 また、既存工作物の建て替え事業に係る環境影響評価手続の見直し等に関する法案を本国会に提出します。
 原子力防災等について申し上げます。
 万が一の原子力発電所の事故に対応するための備えに、終わりや完璧はありません。東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をしっかりと胸に刻み、今後も安全神話にとらわれることなく、内閣府特命担当大臣として、関係自治体等と一体となり、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化等を図り、訓練や研修等も通じて、原子力災害対応の実効性向上に取り組んでまいります。
 また、原子力規制委員会が、独立性の高い三条委員会として、科学的、技術的見地から公正中立な立場での規制を進められるよう、環境大臣として予算及び体制面でサポートします。
 以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
 近藤委員長を始め、理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 浅尾慶一郎

speaker_id: 14944

日付: 2025-03-11

院: 衆議院

会議名: 環境委員会