福田徹の発言 (憲法審査会)

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○福田(徹)委員 国民民主党の福田徹です。
 発言の機会をいただき、ありがとうございます。一期生議員ではありますが、長年我が国のために尽くされました諸先輩方とともに我が国の根幹である憲法について議論させていただけることを光栄に思うと同時に、感謝申し上げます。
 憲法前文には、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と記されています。私たちは、厳粛に、そして国民の権威を汚さず、むしろ高めるような政治を、国民の利益のために執り行うことが求められています。私は、この憲法前文の価値観に基づき、この憲法審査会の場で議論させていただくことを誓います。
 私からは、国民投票期日前十四日から投票日までのネット広告規制について意見を述べさせていただきます。
 現行の国民投票法において、放送CMについては、投票期日前十四日から投票日まで国民投票運動CMの放送が禁じられているのに対して、現時点でネット広告については規制が全くありません。
 インターネット広告費は、二〇一九年にテレビ広告費を、二〇二一年にテレビ、新聞、雑誌、ラジオのマスコミ四媒体の広告費の合計を上回っています。このように国民がインターネットを通して多くの情報を得ている現代において、ネット広告が何の規制もなく流されている状態において放送CMを禁止することそれ自体に意味がなくなるという意見があります。
 また、この憲法審査会において何度も発信されておりますとおり、アメリカの大統領選などにおいてフェイスブックの大規模な個人データを活用して政治広告が打たれたケンブリッジ・アナリティカ事件など、ネット広告が選挙に多大な影響を与えるという事例が起きています。プロファイリングやアテンションエコノミーの効果で民主主義に多大な影響を与えるものになっており、令和四年十二月八日に慶応義塾大学の山本龍彦参考人が発言された、混沌とした言論空間において選挙権者が適切に選挙権を行使できるかという懸念は、国民投票においても起き得ると考えられます。
 また、外国からの介入で我が国の言論空間がねじ曲げられる可能性も考えられます。
 以上の理由から、投票期日前十四日から投票日までのネット広告を禁止することは、一定の社会的公益性にかなうのではないかと考えられます。
 一方で、ネット広告を禁止したとすると、テレビやラジオを使わずインターネットのみから情報を得ている者に、国民投票に関する情報が届かなくなってしまいます。ネット広告の制限又は制約を検討する場合は、インターネット上でも、公職選挙法における政見放送や国民投票法における国民投票広報協議会による広報のように、広く公平公正な情報を提供する手段の検討が望ましいと考えられます。
 他方で、禁止ではなく自主規制がよいという意見もあります。日本民間放送連盟、民放連の放送基準や憲法改正国民投票運動の放送対応に関する基本姿勢、国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインといった自主規制は、一定の到達点と考えられます。
 ただ、ネット広告の自主規制は難しいという意見があります。日本インタラクティブ広告協会、JIAAがインターネット広告全般に対して定めたインターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドラインがあるものの、選挙や国民投票を対象にしたものはありません。ネット広告を出稿する仕組みが複雑であること、JIAAに加盟しない中小事業者や個人も多く存在すること、以上から、令和四年十二月八日、JIAAの橋本浩典参考人は、事業者に対して特定の規制に従うよう強制し得る権限は有していないと述べております。
 これらの理由から、ネット広告において自主規制で実効性を確保することは難しいと考えられていますが、国民投票広報協議会が国民投票運動CMに関するガイドラインを掲示するならば、自主規制の後押しができると考えております。
 さらに、もし国民投票法でネット広告を禁止したとしても、すり抜けが多く起こるという意見があります。例えば、広告主の悪意によって、国民投票運動ではないように装った内容のネット広告が流されたり、広告の内容自体は問題ないが、広告のリンク先が国民投票運動に関する内容である、そういう広告が流される可能性があります。
 ネット広告に関しては、野放しにしていては結果の正統性が疑われるほどの影響を与え得る、でも、実効性のある自主規制が難しい、そして、禁止してもすり抜けが起こるという難しい状況です。その中で、どのように健全な言論空間をつくっていくのか、表現の自由と社会的公益性のバランスを考えながら議論を進めていく必要があると考えます。
 どのような手法を取るにせよ、広告主、広告事業者、そして広告を見る国民、これら全てが、正確で多角的な情報を基に、自由な意思と冷静な判断で投票するという理想を共有し、皆がその実現に向けて努力することが欠かせないと考えます。
 この憲法審査会の議論がその取組の背中を押すものとなることを期待して、発言を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 福田徹

speaker_id: 9190

日付: 2025-04-03

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会