水野信次の発言 (厚生労働委員会)
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○水野参考人 おはようございます。日比谷パーク法律事務所の弁護士の水野信次と申します。
私は、企業法務を専門としておりまして、日頃から民間の企業様から御相談をたくさん受けております。そうした経験に基づきましてお話をさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、企業の支援のための指針、それと各種の制度の整備の必要性、それについて意見を陳述させていただきたいと存じます。
そのために、まず、女性活躍の推進と両立支援の推進のため、こうした制度のために明確な指針を政府が定めて、そのための制度を整備してこられた、そのことの成果としての好事例、そして先進的な取組をしている企業様について、株式会社マツキヨココカラ&カンパニー様と株式会社ダッドウェイ様、こちらのお取組について御紹介をさしあげたいと存じます。
その上で、ハラスメント対策の強化に向けて、明確な指針を政府に更に示していただくとともに、企業支援の制度、これについての整備をしていただきたく、お願いをさしあげたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
お手元の資料の右下に一、二と通し番号をつけておりますので、そちらを参照していただきながら御説明をさしあげたいと存じます。
まず、めくっていただきまして、株式会社マツキヨココカラ&カンパニー様のお取組について御紹介をさしあげます。こちらは、プライム市場に上場しておられる会社様でございます。大企業のグループとしてのお取組をお示しさしあげたいと存じます。
二のページを御覧ください。こちらにおいて、同社の女性活躍推進の取組の全体像についてお示しをしてございます。今現在、既に女性管理職比率二五%、こちらまで高めておられます。国の指針としては三〇年に三〇%というところをお示しされておられますが、こちらに向けて着々と取組をしておられます。そうした各種の全体像がこちらのページで記載されてございます。
以下のページに、具体的な施策を幾つかお示しさしあげております。まず、チャレンジ店長、薬局長制度を導入されておられます。こちらにおいて、幾つかの各種の取組をしていることの事例をお示しさしあげております。
また、これの実績に伴って、四ページ以降に、どういった成果が上げられてきているのかということを実例としてお示しをさしあげております。十年で一〇・八%アップまで参りました。こちらも、政府の明確な指針とえるぼし認定制度、こちらの制度を活用した好事例であるというふうに認識しております。
五ページ目、更にめくっていただきまして、女性管理職の座談会。今度は、管理職がどういった形で意識を高めて取り組んでいくことができるのかについて、その悩みなどを共有するような、企業の中での取組について御紹介をさしあげております。
六ページ目では、具体的な取組についての事例についての御紹介でございます。
さらに、単独の企業だけではできない認識交流だとかを異業種の中でするような形としまして、七ページ目ですね、管理職候補者の異業種交流会などに派遣をしたり、各種の制度を活用している事例でございます。
また、八ページ目にお示ししているのが、今般取り組んでおられるメンター制度ですね。男性の上級の管理職の方が、新たに管理職になられた女性の方を支援するという制度でございます。
めくっていただきますと、こちらの九ページ目にも、取り組んでおられる事例についてお示しさしあげております。こちらについては、両立支援の推進に関しての厚生労働省様の制度を活用した事例でございます。
次に、株式会社ダッドウェイ様のお取組について御紹介をさしあげたいと思います。
ページが飛びまして、十六ページ目を御覧ください。こちらは上場企業ではございません。民間の企業でございます。従業員としては二百九名程度。それでも、ここに掲げられた全体像として各種の取組をせられて、女性の活躍また両立支援についての取組をしておられます。
こちらの会社様がこういった形で積極的に取り組んでこられたのは、もちろん経営者の方々の、創業者の社長様が、非常に意識の高い御夫婦でお取り組みになられたというところではあるのではございますが、やはり、政府の制度、こういったものを活用することができたということが一つの一因となっております。
めくっていただきまして、十七ページ、これは厚労省様のお取組、こちらの方で、両立支援の制度を活用したことで御紹介をいただいて、お褒めいただいたというようなことで、政府の資料にも掲げていただいております。それが十八ページにございます。さらに、十九ページ、こちらの方に、厚生労働省様のホームページに御紹介をいただいておる事例として掲げさせていただいております。
こういったことが、民間企業、上場企業ではない企業で、そのプレゼンスがないそういった企業様にも、政府の中でこういった形で取り上げていただくことがインセンティブになって、非常に頑張ってするモチベーションになっておられます。
このように、制度を準備し、指針を明確に定めることによって、女性の活躍の推進、今回の改正においても斬新的な形で更に指針を見直されておられるとは思うんですけれども、それについて、民間においてもこのような形で、しっかり取り組んでいって、追いつこうというふうな形で頑張っておられます。
他方で、これは、民間の自律的な取組だけでは、やはり費用の問題、また、どうやって取り組めばいいか、そういった知見の問題において不備がございます。とりわけカスタマーハラスメントに関しての取組に関しては、先般、厚労省様がガイドラインを示してくださいましたが、それについての取組に関してはまだ緒についたばかりで、どうしたらいいのかということは、各企業様においても非常に手探りな状態で、日々悩みを抱えておられます。
ですから、そのカスタマーハラスメント、ハラスメント対策について、今後、指針を示していただきながら各種の制度を整備していただくべく、お願いしたい点が五つございます。
まず一つ目が、明確な法的定義の定めをいただきたいというふうに考えております。確かに法律においてそういった定めがございますが、カスハラやセクハラの定義が民間の方々にとっては分かりにくい、具体的な対策を講じにくいということがございます。そのために指針を示していただきたいというふうに考えております。
またさらに、二つ目、悪質なハラスメント行為、先ほど御紹介事例もございましたけれども、非常に大変な思いを現場ではされておられます。そのための防衛手段、こういったものも御用意いただきたいというふうに考えております。具体的には、法制度、仮処分制度、こういったものが利用できる、そういったものについてまだ御理解が足りないです。ですので、そういったことを御紹介いただく、若しくは、例えば法制度として費用の支援をするだとか税額控除をするだとか、そういったことの対処をいただければというふうに考えております。
その点に関しまして、三つ目、これも独立してお願いしたいことではございますが、対策費用への税額控除、また助成金等の企業支援、そういったことを明確に定め、制度化していただきたいと存じます。具体的には、ハラスメント防止のための研修費用、また相談窓口の設置費用、システム導入費用など、そういったものへの税額控除、助成金等の支援をして、企業の取組を積極的に後押しいただきたく存じます。
また、先ほども申し上げましたが、実は、ハラスメントというものに関しましては、カスハラ、カスタマーハラスメントに関しては、特に訴訟など、紛争が長期化することがございます。企業様にとっては、それでたとえ勝訴を得ても、何かを得られるということは特になくて、それに、裁判に訴えてまでやるかということについては非常に消極的でございます。そうしたことから、そういった訴訟についても、政府の方で何らか支援する制度、そういった形で手当てをいただければというふうに考えております。
また、企業そのものが、先ほどの事例もございましたけれども、お客様の方が大事なゆえに、積極的な取組ができないという場合もございます。そうした観点から、公的な、第三者的立場から支援するような相談窓口、中立的、公的な相談窓口のような整備をしていただければというふうに考えております。
以上、五点のお願いを申し上げました。
私は、国費助成で国立大学に通わせていただきまして、また、日本育英会、中山報恩会という奨学金をいただいて、苦学生として、口にのりをしてまいりました。そうしたことから、公的支援制度、そういったものの重要性を大変認識しております。
つきましては、今回御紹介さしあげた企業様としては好事例ではあるんですが、このような会社様ばかりではない。従業員のために取組をしたいというふうに考えておられても、施設、費用だとか、そういったものに関してまだまだ十分な準備ができない、そういった企業様もございます。ですので、そういった企業様のお気持ちを酌んで、制度について積極的に御支援賜りたく、何とぞ御審議をいただければというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。(拍手)