塩川鉄也の発言 (内閣委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、いわゆる能動的サイバー防御法案に反対の討論を行います。
第一の理由は、通信の秘密を根本から覆す違憲立法だからです。
本案は、サイバー攻撃の実態把握のためと言って、送受信者の同意なく、政府が通信情報をコピーできるとしています。さらに、自治体を含む基幹インフラ事業者に加え、あらゆる民間事業者と協定を結び、その利用者の情報を吸い上げることを可能とします。国民の通信の秘密侵害法案にほかなりません。
自動選別によりIPアドレスなど機械的情報のみを分析すると言いますが、機械的情報も通信の秘密の対象であることは政府も認めております。
また、収集した情報は、外国政府など第三者提供も可能です。そもそも、個人情報の原則は、必要以上に収集しないこと、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得ることです。政府がこれらをことごとく無視するのは極めて重大です。
国民への監視強化の危険も深刻です。協定で得た情報は、目的外利用も可能で、その範囲に制限はなく、警察や自衛隊などが自らの業務に使用することも政府は否定しませんでした。まさに公安警察が個人情報を収集、保有、提供したことについて違法と断じた大垣事件の判決をないがしろにするものであり、全く容認できません。
第二に、自衛隊と警察が、憲法と国際法が禁じる先制攻撃に踏み込む危険があるからです。
政府も認めるように、サイバー攻撃に関する世界の共通認識はいまだ形成途中です。そのような中、アクセス・無害化措置を海外の機器に対して行えば、相手国から主権侵害と受け取られる危険があります。政府は、国際法上の緊急状態によって違法性を阻却できると言いますが、国際社会の共通認識とはなっていません。にもかかわらず、相手国の同意もなく、しかも疑いがあるだけでそのような措置に踏み切れば、国際法違反の先制攻撃と評価される危険は否定できません。
さらに、政府は、自衛隊が、いわゆるグレーゾーン事態や重要影響事態で、米軍が軍事行動を行う相手国のサーバーに措置できることを認めました。日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、先制的に無害化措置や通信防護措置に踏み切ることになれば、日本の側から参戦してきたとみなされかねません。憲法九条を踏みにじり、日本に戦争の危険を呼び込むもので、断じて容認できません。
また、警察が犯罪処罰を超えて安全保障に関わる域外の実力行使に踏み込むことは、日本の警察の在り方を根底から覆すものです。こうした行為を裁判所の令状さえなく、第三者機関の承認などというまやかしで容認することは、令状主義の形骸化と警察権力の肥大化をもたらすもので、全く認められません。
なお、修正案は、法案の問題点を改めるものではなく、賛成できません。
以上、憲法と国際法を踏みにじる本法案の廃案を求め、討論を終わります。