石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 野田佳彦議員の御質問にお答えをいたします。
 米国のWHOやパリ協定からの離脱の影響とそれへの対応についてお尋ねをいただきました。
 政府といたしましては、国際社会が協力して保健に関する課題や気候変動問題に対応することが重要であると考えております。
 今般の米国の決定の影響につきましては、今後の米国の動向を含め、慎重に分析、評価していく必要があり、現時点で拙速にお答えをすることは差し控えますが、我が国としては、引き続き、米国を含む各国と連携し、これらの諸課題に取り組んでまいります。
 北朝鮮の非核化についてでありますが、北朝鮮による核・ミサイル開発は、我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認はできません。
 我が国としては、米韓を始めとする国際社会とも協力しながら、関連国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めていく考えであります。
 他国の首脳の発言について説明する立場にはなく、また、そうした発言の一つ一つにコメントすることは控えますが、いずれにせよ、私とトランプ大統領の間を始め、トランプ政権との間で強固な信頼、協力関係を構築し、北朝鮮への対応に当たっても緊密に意思疎通を図ってまいります。
 戦略的な経済外交についてであります。
 ルールに基づく自由貿易体制の維持拡大は我が国の経済外交の柱であり、日本経済を含む世界経済の成長に不可欠な基盤を提供してまいりました。世界で保護主義や内向き志向が強まる中、我が国が自由貿易の旗振り役としてリーダーシップを発揮することは、ますます重要となっております。
 このような観点から、御指摘のCPTPPの加入拡大への対応は重要であり、戦略的観点や国民の理解も踏まえつつ進めてまいります。RCEPにつきましても、透明性のある協定の履行確保等にしっかりと取り組む考えであります。
 CPTPPの事務局についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 CPTPPにおける事務局の設置の可能性につきましては、毎年の議長国の事務負担を軽減するなどの観点から、締約国間で議論が行われているところであります。
 現時点では常設の事務局を設置するか否かは決定しておりませんが、CPTPPに至る交渉をリードした我が国の経験等も生かしつつ、各国と議論を続けてまいりたいと存じます。
 USスチールの買収についてでありますが、バイデン前大統領の判断につきましては、日米双方の経済界から今後の投資の予見可能性について強い懸念の声が上がっており、政府としてもこれを重く受け止めておるところであります。
 強固な経済関係は二国間関係の土台を成すものであり、企業が安心して投資できる環境が整えられることが重要であります。
 揺るぎない日米関係の下で企業が安心して投資を行うことができるよう、政府としても取り組んでまいります。
 南鳥島沖の海底資源開発についてお尋ねがありました。
 鉱物資源のほぼ全量を海外に依存している我が国にとって、排他的経済水域等に存在する海洋資源は、商業化がなされれば、我が国の自給率の向上に資する貴重な国産資源であります。
 政府といたしましては、海洋基本計画に基づき、南鳥島沖の排他的経済水域内に存在するレアアース泥やコバルトリッチクラスト等の海洋資源開発を進めております。今後も、深海六千メートル海域でのレアアース泥の採鉱実証試験を行うなど、取組を拡充してまいりたいと存じます。
 国境離島の維持管理の強化についてであります。
 国境離島は、我が国の領海や排他的経済水域の外縁を根拠づける離島であり、その保全、維持管理を適切に実施することが重要であります。
 国境離島の数が減少した原因については、例えば、新たな低潮高地の把握等により、これまで国境離島と位置づけられていた島が国境離島ではなくなったことなどが挙げられますが、我が国の領海及び排他的経済水域の面積につきましては、約四百四十七万平方キロメートルで変更はなかったところであります。
 今後とも、昨年四月に決定した海洋開発等重点戦略に基づき、空中写真撮影の頻度向上や航空レーザー測量の新規導入などにより、国境離島の保全、管理の強化に取り組んでまいります。
 ガソリン税についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 昨年十二月、自民、公明、国民民主の三党ではありますが、幹事長間におきまして、いわゆるガソリンの暫定税率は廃止する、具体的な実施方法等については引き続き関係者間で誠実に協議を進めるとの合意がなされております。
 令和七年度与党税制改正大綱におきましても、引き続き政党間で真摯に協議を行うとされており、政府といたしましては、その結果を踏まえた上で、適切に対応いたしてまいります。
 中小企業の社会保険料についてであります。
 中小企業に対して社会保険料の事業主負担を助成すべきとの御提案につきましては、社会保険料が医療や年金の給付に充てられ、労働者を支えるための事業主の責任であることなどから、慎重な検討が必要であると考えております。
 また、非正規雇用労働者を正社員に転換した事業主には、キャリアアップ助成金による支援など、中小企業への支援を行っております。
 大切なことは、賃上げが実現できるよう、中小企業に利益を上げていただくための適切な価格転嫁や生産性向上を支援しながら、社会保険につきましては、年齢にかかわらず適切に支え合うことを目指す改革を着実に行うことであり、これらを実行しながら、多くの御賛同が得られますよう、説明を尽くしてまいります。
 学校給食費についてのお尋ねをいただきました。
 現在の物価高などの状況を踏まえ、地域の実情に応じた保護者負担の軽減の観点から、学校給食費の支援も行えるよう、令和六年度補正予算において重点支援地方交付金を追加しております。
 低所得世帯では既に無償となっており、その割合は児童生徒の約一四%となっております。昨年末に整理、公表した課題もございます。こども未来戦略の加速化プランに基づき、児童手当の抜本的拡充や高等教育費の負担軽減などを進めているところであり、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要もあると考えております。
 現在進めております子供、子育て政策について効果検証を丁寧に行った上で、今後の対応を検討いたしてまいります。
 高校授業料無償化についてお尋ねをいただきました。
 高校進学率が九九%に達する現状におきまして、どこまで家計の負担軽減を図るべきかということにつきましては、子供、子育て加速化プランにおいて児童手当の抜本的拡充や高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考える必要があります。
 さらに、教育の質の向上や、基盤としての国の制度、地域の実情を踏まえて地方自治体が独自に実施する支援とのバランス、安定的な財源の確保といった論点も考える必要があります。
 各党の御主張も十分に拝聴し、今後、議論を重ねてまいりたいと存じます。
 基礎的財政収支についてでありますが、今回の内閣府の試算では、二〇二五年度の基礎的財政収支は黒字化しない見込みが示されたものの、二〇〇一年度に目標を掲げて以降、最も赤字幅が縮小する見通しとなっております。これまでの経済財政運営の成果もあって、着実に財政状況は改善しているものと考えております。
 引き続き、経済あっての財政の考え方の下、成長率の引上げに重点を置いた政策運営を行うとともに、歳出歳入両面の改革を継続し、早期の基礎的財政収支の黒字化を実現することにより、我が国財政に対する市場の信認を確保いたしてまいります。
 令和六年度補正予算は、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものとするため、経済あっての財政の考え方の下、必要な施策を積み上げたものであり、規模ありきで策定したものではございません。
 補正予算については、これまでも、財政法第二十九条の規定にのっとり、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に充てるために編成してきたところでありますが、歳出歳入両面の改革を継続する中で、補正予算も含め、引き続き真に必要な政策対応を行ってまいります。
 財政健全化についてでありますが、金利のある世界となります中、大災害や有事に備えた財政余力を確保する観点も踏まえ、経済・財政新生計画の枠組みの下、本年の骨太方針において、早期の基礎的財政収支の黒字化実現を含め、今後の財政健全化に向けた取組を示します。
 独立財政機関の設置についてのお尋ねをいただきました。
 これを国会に設置すべきとの御提案でありますが、国会の在り方につきましては国会において御議論いただくべきものと考えております。
 その上で申し上げれば、政府といたしましては、経済財政諮問会議におきまして、専門的、中立的な知見を有する学識経験者なども参画する形で、経済財政の見通しを含めて経済財政運営について議論を行っており、引き続き、この体制の下で適切に政策運営を行ってまいります。
 企業・団体献金の禁止についてお尋ねをいただきました。
 いわゆる企業・団体献金禁止法案につきましては、衆議院の政治改革特別委員会において令和六年度末までに結論を得ることとされており、我が党としても、各党各会派との真摯な議論を続けてまいります。
 その上で、自民党の基本的な考え方をあえて申し上げれば、我が党としては、平成元年の政治改革大綱でも述べたとおり、自由主義経済によって国家、社会の存立と国民の福祉向上を実現している我が国において重要な役割を担う法人などの寄附を禁止する理由はないとの立場で一貫しております。また、献金によって政策がゆがめられることを防がなければならないという点におきましては、企業・団体献金も個人献金も違いはなく、企業・団体献金自体が不適切とは考えておりません。
 企業・団体献金の規制の強化につきましては、憲法と最高裁判例で保障されました企業等の政治活動の自由にも関わることから、その必要性や相当性をよく議論する必要があるものと考えております。
 我が党といたしましては、禁止より公開との考え方により、企業・団体献金も含めた政治資金の透明性を確保する取組を進めております。昨年十二月には、我が党議員の提案により政治資金規正法が改正され、国会議員関係政治団体等の収支報告書について、検索可能なデータベースを公表する旨の規定が設けられました。また、透明性を更に向上させるための法案について、党内での議論を進めております。
 引き続き、この課題について率先して議論を進めてまいります。
 選挙制度改革について論じる時期についてのお尋ねを頂戴しました。
 選挙制度の在り方は、議会政治の根幹に関わる問題でありますことから、各党各会派において御議論いただくべき事柄であると承知をいたしておりますが、有権者に判断材料が正しく提供され、それに基づき、より幅広い世代のより多くの民意が適切に反映されることは、民主主義において極めて重要であります。
 自民党総裁としてあえて申し上げれば、選挙活動についてこれまで想定されなかったことが起きていること、現行の小選挙区比例代表並立制の導入後、約三十年間で社会が変化したことなどを踏まえ、改めて、党派を超えてあるべき選挙制度を議論していただきたいと考えております。
 昨年十二月には、衆議院議長の下に全ての会派で構成される衆議院選挙制度に関する協議会が設置されるなど、国会内でも選挙制度見直しの機運が醸成されてきておると承知をいたしており、各党各会派における積極的な議論が行われることを期待いたしております。
 清和政策研究会の元会計責任者の参考人招致についてでありますが、お尋ねにつきましては、国会において御議論、御判断いただくべき事柄であると考えてはおりますが、現在御審議をお願いしております予算は国民生活に関わる重要な議案でありますことから、政府といたしましては、その円滑な御審議を是非ともお願いしたいと考えております。
 政治団体、都議会自民党の不記載事案等についてでございますが、お尋ねの東京都議会議員選挙における公認につきましては自由民主党東京都連において判断するものでありますが、今回の事案を受け、不記載のあった政党支部の支部長のうち一定の職責を有していた者につきまして、政治不信を招いた政治的な責任を重く捉え、非公認とすることとしたものと承知をいたしております。
 党本部といたしましては、今回の事案を受け、各都道府県連等において同様の問題が生じていないか必要な調査を行ったところですが、現時点においてほかの不記載事案は把握されておらず、再調査について今は考えておりません。
 選挙の日程についてのお尋ねをいただきました。
 参議院議員通常選挙は、公職選挙法により、議員の任期満了日と国会の閉会日に応じて、これを行うべき期間が定まることとなります。その上で、当該期間中の特定の日が選挙の期日として閣議決定を経て公示されることとなるのは、御承知のとおりであります。
 このように、本年予定されております参議院通常選挙の日程は、今国会の会期に関わることであり、まだ決定をされてはおりません。
 被災者生活再建支援金についてであります。
 能登半島地震の被災者の生活再建につきましては、引き続き、被災者生活再建支援金と地域福祉推進支援臨時特例交付金、さらには、復興基金を活用した事業という総合的な枠組みにより支援してまいります。
 御党提出の法案の取扱いにつきましては、国会で御議論いただくべきものと考えておりますが、被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するものとしてではなく、いわゆる見舞金的な性格のものとして、被災者を側面的に支援するものと位置づけられております。
 この拡充等につきましては、都道府県の基金を活用しており、その財源の半分を全国の都道府県が負担していること、東日本大震災等の過去の震災や現在も支給が継続されておりますほかの災害における被災者との公平の確保といった点について、よくよく考えなければならない課題であると考えておるところでございます。
 東日本大震災からの復興に関する財源の確保についてでありますが、現時点で、福島国際研究教育機構、F―REIと申しますが、この本格稼働や、特定帰還居住区域におきます除染の進展などにより、次の五年間における復旧復興事業の規模は一兆円台後半と見込まれております。これにより、福島県につきましては、県や市町村が進めている事業を十分に確保した上で、次の五年間の全体の事業規模が今の五年間を十分に超えるものになると見込まれております。
 御指摘のように、本年夏頃をめどに、次の五年間において必要な事業や事業実施に必要な財源をお示しできますよう、今後、検討を進めてまいります。
 能登地域の復旧復興に係る予備費の支出についてお尋ねをいただきました。
 令和六年度予算の予備費につきましては、さきの臨時国会における令和六年度補正予算案の修正を経て、その残額のうち一千億円を能登地域の地震、豪雨被害からの復旧復興に充てることが予算総則に明記をされました。
 国会での御議論を踏まえて明確化されました予備費の活用につきましては、今後、被災地のお声をよく聞いた上で、具体的な内容を検討いたしてまいります。
 安定的な皇位継承等についてのお尋ねをいただきました。
 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に関する有識者会議が取りまとめた報告書におきましては、皇族数確保の具体的方策について、一点目として、内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持すること、二点目として、皇族の養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とすること、三点目として、皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすることという三つの方策が示されました。また、一点目と二点目の方策について、具体的な制度の検討を進めていくべきではないか、三点目の方策は、一点目と二点目の方策では十分な皇族数を確保をすることができない場合に検討する事柄と考えるべきではないかとの考えも示されたところであります。
 政府といたしましては、これを尊重することとし、令和四年一月に国会に報告したところであり、私としても、引き続きこれを踏まえて対応していく考えでございます。
 現在、衆参両院議長の下で検討が行われているものと承知をいたしており、立法府の総意が早期に取りまとめられるよう、国会において積極的な議論が行われることを期待しております。
 選択的夫婦別氏制度についてお尋ねを頂戴いたしました。
 夫婦の氏の在り方につきましては、内閣府が行った令和三年の世論調査を見ても、国民の御意見が分かれているところでございます。また、選択的夫婦別氏制度の導入を求める立場の中にも、制度の具体化に当たっては、例えば、子供の氏をどのように定めるのかといった点を含め、様々な考え方があるものと認識をいたしております。
 政府といたしましては、家族の形態や国民意識の変化、家族の一体感や子供への影響など、様々な点を考慮の上、国会において建設的な議論が行われ、より幅広い国民の理解が形成されることは重要であると考えております。
 その上で、自民党総裁としてあえて申し上げれば、選択的夫婦別氏制度の是非は、国民の御関心が極めて高いテーマでもあり、いつまでも結論を先延ばしてよい問題とは考えておりません。党としての考え方を明らかにすべく、議論の頻度を上げ、その熟度を高めてまいりたいと存じます。
 残余の御質問につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣岩屋毅君登壇〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-01-27

院: 衆議院

会議名: 本会議