亀井亜紀子の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○亀井亜紀子君 立憲民主党の亀井亜紀子です。
私は、会派を代表し、政府四演説に対して質問いたします。(拍手)
まず、地方創生二・〇について伺います。
これまでの地方創生と地方創生二・〇は何が違うのでしょうか。十年間で成果を上げた政策、更に発展させたい事業はありますか。
若者の地方からの流出を抑えるため、産官学が連携して地方大学を強化する、地(知)の拠点大学による地方創生事業がありました。地域産業や雇用創出につながるような有望な事例は出てきましたか。これからどのようにフォローアップするのかも含めてお答えください。
私は以前から、地方創生について、国会での議論の方向性が、人口減少を止めることより、当面進行する人口減少社会をデジタルでどう補うかという経済産業の方に向いていると感じています。
デジタル社会を推進する際、個人情報やプライバシーを配慮する必要があります。今、顔認証や位置情報の提供が進んでいますが、私は、スーパーシティー法案の審議のとき、監視社会につながるという視点から海外で計画が頓挫した例を紹介しました。行政が導入したシステムに住民全体が管理されるということではなく、利用したい人が利用できるように利便性を高める、選択肢を増やすという視点が大事だと思いますが、総理の御所見を伺います。
総理の施政方針演説では、楽しい日本を実現するための政策の核心は地方創生二・〇ですと述べておられますが、若者が地方に帰らない理由は、仕事がないからだけではなく、地方はつまらないから帰りたくないという声は確かにあります。
では、つまらなくない町をどうつくるのかというとき、私は文化が大事だと考えています。健康で文化的な生活を地方でも享受できること。映画、演劇、音楽、美術等に親しむ場があること。そこで偶然の出会いも生まれるでしょう。行政主導の婚活イベントより、文化予算を増やす方が健全で住民全体の利益に資すると思うのですが、総理の見解を伺います。
この度、二千億円に倍増するという地方創生交付金は、国の総合戦略に基づき、自治体にも数値目標を入れた地方版戦略を求め、自治体の計画を国が認定審査する交付金であり、自由に使途を決められる交付金ではありません。私は、地方創生こそ、地域が自ら考え、使途制限なく使えるお金にすべきだと思います。
かつて竹下総理の時代に、全国の市町村に一億円を交付したことがありました。この事業の評価は様々ですが、ユニークな使い方をした自治体もあります。島根県益田市は、重要文化財である雪舟筆益田兼堯像を購入し、これを「中世日本の傑作 益田を味わう」というストーリーにして、二〇二〇年、日本遺産に認定されました。
総理、地方創生交付金は自治体が自由に使途を決められる交付金にするべきだと考えますが、御賛同いただけませんか。
選択的夫婦別姓制度について伺います。
選択的夫婦別姓は、女性の社会進出に伴い、大半の女性が改姓せざるを得ないことによる弊害が指摘されてきましたが、氏を変えることによる女性のアイデンティティーの喪失と、結婚に際しては男性ではなく女性が姓を変えるのが一般的であるとする固定観念が対立することもあり、長年議論が進んできませんでした。
不本意な改姓を強いられることが多い女性のキャリアの断絶などを防ぐとともに、私は、夫婦の氏を共に次世代に残すためにも必要ではないかと考えています。実際、子供が女の子だけの家庭の場合、氏を残そうとすると女性の結婚が難しくなります。少子化の原因として晩婚化、未婚化が指摘されていることを鑑みれば、選択的夫婦別姓制度を時代が求めていると私は思うのです。法務省の調査では、夫婦同姓を義務化している国は日本しかありません。選択的ですから、現行の夫婦同姓を選択することに問題は生じないはずです。
選択的夫婦別姓制度について、総理は公明党代表に対し、できるだけ早く自民党としての考え方をまとめ、協議を行いたいとの考え方を示したとの報道がありますが、今国会中盤ぐらいから議論できるよう、できれば賛成の方向で早くまとめていただけませんか。総理の御決意を伺います。
タレントの中居正広さんと女性のトラブルにフジテレビ社員が関与したとの週刊誌報道をめぐり、フジテレビへのCM差止めを決めた企業が七十社以上に上ると伝えられています。中居さんは芸能界引退を表明しましたが、事態が収まる気配はありません。これは、女性の人権問題であり、企業統治の問題だからです。フジテレビ幹部が関わるとされる別の会食の問題も報道されています。
これらについて徹底的な調査を行い、再発を防止する必要があります。当初否定していた日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置が先週ようやく決まりましたが、調査期間は僅か二か月。調査が十分にできるのか、不安が残ります。
総理に伺います。
フジテレビが二三年六月に問題を把握しながら番組を続けたことは、放送法に定める編集責任に関わる問題ではありませんか。政府としても、資料提出など、放送法に基づく一定の措置は取り得ると思いますが、いかがですか。放送業界全体としてこうした人権に関わる問題が起きてこなかったのか把握をして、問題があれば、放送業を所管する総務省を通じて改善させる必要があると考えますが、いかがですか。
中小企業支援について伺います。
物価高を上回る賃上げが必要であることは現在の物価高を乗り切るためにも明らかですが、現実には実質賃金が下がっています。日本の屋台骨を支える中小企業の賃上げは、大企業の賃上げ水準に及んでいないのが現状です。先日、丸山島根県知事と意見交換をしたところ、都市と地方の格差とは、すなわち、大企業が立地する都市と中小企業で働く人が大半を占める地方との賃金格差であり、この差が埋まらない限り地方の人口流出は止まらないし、少子化も止まらないと指摘されました。
中小企業が賃上げの原資を確保するためには、下請法の改正が必要です。下請という表現をやめる、協議を適切に行わない代金の額の決定を禁止するといった法改正と、買いたたきなど不適切な行為に対しては公正取引委員会の取締りを強化することは必要だと私たちも考えますが、総理の御所見を伺います。
インボイス制度が始まって一年が過ぎました。想定されたとおり、事務負担も納税額も増加し、中小零細事業者の経営を圧迫しています。特に食料の生産者は、肥料や梱包材等、生産コストの上昇も重なって追い詰められています。
こうした現状に鑑み、インボイス制度は今からでも速やかに廃止すべきと考えます。中小企業者からは、少なくとも、来年十月まで免税事業者からの仕入れでも八割を控除できるようにしている経過措置などを延長、できれば恒久化してほしいという切実な要望が寄せられていますが、対応していただけませんか。
国鉄分割・民営化から三十年以上が経過しました。公的役割を持つ企業が民営化されるとき、不採算地域に対するサービスをどこまで維持するのか、株主が存在し、収益性が求められる企業の公的責任とは何かという究極的な問題に突き当たります。
今、全国のJR赤字ローカル線が存続の危機にあります。改正地域交通法により、自治体、公共交通事業者、地域の関係者が話し合う再構築協議会を設置することができますが、これは鉄道の存続を前提としていないので、沿線自治体や関係者は警戒しています。山陰でも、JR西日本が木次線を議論の俎上にのせようとしており、山陰本線も一部区間の輸送密度の低さが指摘されています。
そこで、鉄道ファンとして知られる石破総理に伺います。
SL、トロッコ列車、スイッチバック方式等、鉄道は文化的な価値があると思うのですが、例えば、鉄道遺産という認定制度をつくり、地域活性化を国が支援する、海外と姉妹鉄道を結んでインバウンドにつなげるなど、積極的に活用するべきではないでしょうか。また、海外では、鉄道の運行とインフラの管理組織を分ける上下分離方式など、行政が公共交通を支える仕組みがあります。ローカル線が消える前に国の支援を求めたいのですが、是非見解をお聞かせください。
次に、郵政事業についてお伺いします。
二〇二四年十月から郵便料金が大幅に上がりました。郵政が民営化された二〇〇七年は、封書八十円、はがき五十円でしたが、現在は、封書百十円、はがき八十五円です。今年から年賀状じまいをした人も一気に増えたように思います。大幅な値上げは、デジタル化による郵便物の減少や人件費、輸送コストの上昇が原因だと言われますが、それだけでしょうか。
全国津々浦々、およそ二万四千局ある郵便局を維持し、全国一律、いわゆるユニバーサルサービスを提供する郵便事業は、日本郵政公社の時代には、貯金と保険事業の収益で支えられ、税金を一円も使わずに三事業一体で成り立っていました。つまり、郵便事業を単体の会社組織にしたら不採算になることは初めから明らかであり、実際に、民営化されてから郵便事業の赤字が膨れ上がっています。
現在は、日本郵政がゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を保有することで郵便事業の赤字が補われていますが、日本郵政が将来、金融二社の株を放出すれば、小学校の統廃合のように郵便局の統廃合が進み、農協やコンビニもない全国の過疎地が唯一の金融機関を失うことになります。年金を引き出すこともできなければ、その場所での生活は続けられません。
郵政民営化の是非をここで問うことはしませんが、今後もユニバーサルサービスが担保されるよう、日本郵政がやがて金融二社の株を放出することになっている現行法を改正する必要があるのではないでしょうか。総理の見解を伺います。
今、バスもタクシーもトラックも、運送業全般で運転士が不足しています。そのため、地方では、バス路線の廃止や減便が始まっています。タクシーも見つからない時間帯があり、免許を持たない高齢者や学生の通学の足を確保することが自治体の喫緊の課題です。先ほど鉄道の話をしましたが、バスに転換するのも運転士不足で難しいのが地方の現状です。原因として、長時間労働、低賃金など労働条件の悪さや、宅配便の増加が指摘されています。
運送業の時間外労働を規制した二〇二四年問題もあり、今二〇二五年を迎えていますが、二〇二四年問題の影響をどう分析しているか、また、運転士不足を解消するための施策についてお答えください。
いわゆるライドシェアについては、韓国、トルコ、台湾などの諸外国等でも禁止されており、一旦認めた国でも、諸問題や裁判の判決等により禁止や再規制を行う傾向にある国が、OECD加盟三十八か国中で八割に及びます。持続可能な地域公共交通の実現とも矛盾する政策であると考えます。
これまでの政府見解である、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保、利用者保護等の観点から問題がある、特区でも認めないという見解と、私たちは同じ立場です。そして、その議論に際しては、都市部や地方部、さらには過疎地域の実情を鑑み、それぞれに応じた対策が必要であると考えております。
そこで、総理にお伺いします。
タクシー事業者の管理の下で運送サービスを提供する日本版ライドシェアが令和六年四月から開始されていますが、タクシー事業者以外の者が行うライドシェアの導入について、政府としてはどのような方向性を考えておられるのか、お答えください。
好きな言葉は関税というトランプ氏がアメリカ大統領に就任しました。言うまでもなく、関税は自国の産業を保護するための価格政策ですが、自由貿易協定や経済連携協定が広がる中、農業については、関税の引下げに伴い、所得補償制度が各国で採用されています。
日本においても、主食の米農家を守るため、民主党政権は農業者戸別所得補償制度を導入しましたが、自公政権により廃止されました。立憲民主党は、かつて実施された農業者戸別所得補償制度を農地に着目した新たな直接支払いに転換し、我が国農業の中心である家族経営や集落営農等を積極的に支えるべきだと訴えてきました。
昨年の臨時国会の本会議で、所得を補償する政策は、農業者の創意工夫や日々の努力にブレーキをかけ、農地の集積、集約化が進まなくなるおそれがある等の指摘もございますという石破総理の御答弁がありましたが、むしろ、私は、集約化できない中山間地の農業をどう守るのかということが、食料自給率を支え、これ以上、地方を衰退させないために重要だと考えます。現行の中山間地直接支払い制度では足りません。
私たちの主食を生産する米農家の所得補償がなぜ問題なのか、中山間地の農業をどう守るのか、総理に伺います。
昨年は、令和の米騒動がありました。昨年の夏以降現在まで、値上がり期待から売惜しみの動きがあると思われ、米の流通量が不足し、米価が上がり続けています。どこかにたまっている米を消費者に届けるために、一時的に備蓄米を放出すれば、価格が頭打ちし、高値で売り抜けたい業者が在庫を放出し、流通が増え、米価が落ち着く可能性があるのではないでしょうか。また、今後もインバウンド需要は増え続け、米の供給増が進まない場合には、今後継続的に米不足となる可能性があるのではないでしょうか。総理の御所見を伺います。
そもそも、高い米価で米農家を支えるというやり方は、米の需給と価格の適正化を図る上で限界を迎えているのではないでしょうか。価格は市場に任せ、立憲民主党が訴えてきているように、米農家は所得補償で支えるべきではないでしょうか。併せて総理にお聞きします。
食料安全保障と種は直結しており、農家は種を購入して生産するので、種の高騰や供給システムが崩れると、私たちは食料危機に陥ります。種を制する者は世界を制すとも言われており、世界の種苗業界は今、遺伝子組み換え、ゲノム編集といったバイオ技術を持つ巨大産業による再編が進んでいます。
まず、日本のカロリーベースの食料自給率と主要農作物である米、麦、大豆の種の国内自給率をそれぞれお答えください。今回の施政方針演説で総理は食料自給力という言葉を使われていますが、緊急時に学校の校庭など、そこら中に芋を植えるような自給力ならば自慢できる政策ではないと思いますので、あくまでも食料自給率でお答えください。
米、麦、大豆など、主要農産物の種の生産や試験を都道府県に義務づけていた主要農産物種子法が、二〇一八年に廃止されました。根拠法はなくなりましたが、公共の種を安定的に供給すること、気候変動に耐える品種開発を国の予算で行うこと、在来種を守ること、種の国内自給率を上げることは、食料安全保障の観点から重要であると考えます。国が推奨した民間の米品種みつひかりは、異品種を混入させ発芽率を偽ったことで農家に甚大な被害を与え、これを供給した企業は刑事告発され、その後、起訴されています。
種を守り、国内自給率を上げることは国の責務であり、食料安全保障の根幹だと考えますが、総理の認識を伺います。
肥料や飼料等、農業生産資材の上昇により生産費は増加する一方、農産物への価格転嫁ができず、生産者の経営が悪化しています。
肥料については、為替の影響に加えて、ウクライナ戦争や中国が原料の輸出規制を行ったこと等、外的要因で争奪戦になっています。米の価格が上がっても肥料の高騰で経営が厳しいとの声が農家から聞こえます。肥料の価格高騰と品薄に対する農業者への支援をどのように行いますか。
配合飼料の価格も高騰しています。酪農家の六割が赤字で離農が進み、昨年十月、日本の酪農家戸数は初めて一万戸を割りました。生乳の価格形成において、買手の大手企業と交渉ができるほど酪農家の立場は強くありません。このまま放置すれば、国産の新鮮な牛乳がスーパーやコンビニで手に入る今の環境が当たり前ではなくなるでしょう。酪農家への支援を国はどのように行いますか。お答えください。
二〇二〇年に七十年ぶりの漁業法大改正がありました。国際的に採用されている資源管理の仕組みが導入され、漁獲可能量が個別の漁船に設定されるようになりました。漁船の大型化を規制するトン数制限もなくなりました。漁業には、沖合に出て大きな網で魚群を囲い込むまき網漁や沿岸の定置網漁、一本釣りなど、様々な形態があります。漁獲可能量について、当初から、大型船に有利ではないか、沿岸漁業に魚が回ってくるのかといった不安の声がありましたが、現在、どのように評価していますか。
また、昨今、資源管理以前に、そもそも魚がいない、捕れなくなったという声が聞こえてきます。特に、一本釣りなど小規模漁業者や沿岸漁業者への影響が大きいようですが、気候変動や乱獲等、考えられる要因について、政府の見解と対策、漁業者への支援策についてお聞かせください。
医師に二年以上の臨床研修が必修化された新医師臨床研修制度の導入から二十年がたちました。この制度は、様々な診療科の研修を受ける総合診療方式、スーパーローテートを採用するとともに、研修先で疲弊する医師の働き方改革でもありました。一方、弊害として、研修制度が充実した一部の病院に医師が集中し、大学医局による地方病院への医師供給システムが崩壊したと指摘されています。
今、地方の医師不足が深刻です。県が主体となり、医師の確保やキャリア形成支援などを行う地域医療支援センターが国の予算で設立されました。大学医学部に地域枠をつくり、地域医療に従事する学生を選抜し養成する仕組みもできました。それでもなお、地方の医師不足は深刻です。県任せにせず、国が医師の確保に積極的に関わるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
また、二〇二四年の医療機関の倒産は六十四件、休廃業、解散は七百二十二件となり、それぞれ過去最高を更新しました。診療所の経営者の高齢化と後継者不足、医療材料費、人件費の増大に対して診療報酬が低過ぎる等、医療現場の状況は深刻です。国の支援策を求める声が高まっていますが、総理の回答を求めます。
政府は、令和六年度介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬をおよそ二・四%引き下げました。二〇二四年の訪問介護事業者の倒産は、東京商工リサーチの調査によると過去最多となっており、その要因の一つに、訪問介護の基本報酬部分の引下げの影響が指摘されています。特に地方においては、ガソリン代を使って広い範囲を訪問するので、採算が取れません。サービスつき高齢者住宅で次々に部屋を回るのとは条件が違うのです。
立憲民主党は、他の野党とともに、訪問介護事業者に支援金を支給すること、その上で、次回の介護報酬の改定を待たずに訪問介護の介護報酬の改定を行うことを盛り込んだ、訪問介護緊急支援法案の再提出を準備しています。これ以上の訪問介護事業者の倒産を食い止めるためには、一刻も早く実行すべきです。立憲民主党などの提案に応えていただけますか。総理の回答を求めます。
保育士の処遇改善も急務です。全国的に保育サービスの需要は高まっているものの、保育士人材が不足しており、供給体制に課題があります。潜在保育士と言われる、保育士の資格を持っていても保育士として働いていない方の数も多く、厚労省の調査によれば、百万人を超えます。
立憲民主党は、保育所や幼稚園、放課後児童クラブや児童養護施設等で働く全ての職員に対し、まずは緊急的な措置として月額一万円、年額十二万円の処遇改善を行う、保育士・幼稚園教諭等処遇改善法案の再提出を準備しています。まずは政府に、この法案の内容に関する見解を伺います。
能登半島地震から一年が過ぎました。地震に加えて昨年九月の集中豪雨も重なり、復興は遅れていると言わざるを得ません。元々、半島地域は離島と同様に条件不利地とされ、半島振興法によって支援が行われてきました。能登半島は、能越自動車道や能登空港等、半島地域の中でも比較的交通インフラの整備が進められてきた地域ですが、それでも今般の地震では、道路や港湾等の大規模な損壊、ライフラインの寸断、途絶等、甚大な被害と集落の孤立が発生しました。
昭和六十年に制定された半島振興法は、令和六年度末に期限を迎えます。半島振興法を延長するとともに、半島防災の理念を明確に規定し、災害対策に必要な予算と財源を十分に確保すること、半島地域の税制優遇措置についても延長を行うこと等、地域から要望が寄せられています。総理の回答を求めます。
今回はたまたま停止中であった志賀原子力発電所は、地震によって、変圧器の油漏れなど、施設の一部が損傷しました。志賀町が定める原子力災害避難計画では、「避難にあたっては、災害の状況に応じ、自家用車をはじめ、自衛隊車両や国、県、町の保有する車両、民間車両、海上交通手段などあらゆる手段を活用する。」とされています。他の自治体もほぼ同様の規定となっていますが、万が一、志賀原子力発電所で事故が発生した場合に、自動車中心の避難が本当に可能なのでしょうか。避難計画をしっかりと検証し、実効性のある避難計画がないのであれば原子力発電所を動かすべきではないと考えますが、答弁を求めます。
同じく半島に位置する松江市の島根原子力発電所二号機は、昨年十二月二十三日に再稼働し、今月十日から営業運転が再開されました。島根原子力発電所は、全国で唯一、県庁所在地に立地しており、県庁までの距離は十キロ以内、三十キロ圏内には隣の鳥取県民も含めておよそ四十五万人が生活しています。能登半島とは異なり、島根半島には高規格道路もありません。原子力発電が国策である以上、少なくとも避難道路の整備については国が直轄事業で行うべきではありませんか。
財政力の乏しい自治体に原子力発電所を次々に建設し、実効性のない避難計画で住民の安全は二の次にするこの国のエネルギー政策を、地域住民は怒りと諦めの気持ちで見ていることを、総理、是非認識していただきたいのですが、御所見をお聞かせください。
以上、地方が抱える課題、中小企業や農林水産業など、日本の産業や食料を支える方の立場に立って質問をしました。
楽しい日本と言われましても、今述べてまいりましたとおり、それどころではないというのが地方の状況です。明らかに地方が衰退しており、人口減少の影響を受けております。
例えば、島根県におきましても、昨年の一月に県唯一の百貨店が閉店をし、その跡地の活用についてまだ全く決まっておりません。目に見えて県庁所在地の駅前が衰退していることを地域住民は実感をし、心を痛めております。ですので、なかなか、楽しい日本と言われましても気持ちがついてこないというのが、私たち地域に住む者の実感でございます。
中小企業や農林水産業など、日本の産業や食料を支える方の立場に立って質問をいたしました。
中小企業の従業員も給料が上がり、一次産業の従事者が本業で生計を立てることができれば、地方からの人口流出は止まります。
ですから、私たちが今抱えている目の前の問題、公共交通に誰が責任を持つのか、この先、郵便局がそこにあり続けるのかどうか、農林水産業に携わる方々が赤字をつくりながらも使命感でなりわいを続けておられる、その状況にもっと振り向いていただきたいと切に願います。そして、もうからなくても生活に必要なサービスは税金で行うこと、それが公の役割であり、私は政治だと思います。
地方こそ成長の主役と公言されている石破総理、全国で一番人口の少ない鳥取県を代表される石破総理の前向きな答弁を期待して、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕