石破茂の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(石破茂君) 亀井亜紀子議員の御質問にお答えを申し上げます。
地方創生二・〇についてお尋ねをいただきました。
私が初代地方創生担当大臣として十年前に地方創生の交付金創設などに取り組んで以降、全国各地で様々な好事例が生まれたことは大きな成果であったと考えております。
一方、地方創生一・〇では、優良事例が点の取組で終わり、面的な広がりにつながる化学反応は十分には起きなかったところであります。そのため、地方創生二・〇は、令和の日本列島改造として、五本の柱で日本全体の活力を取り戻すべく、強力に進めてまいります。
御指摘の地(知)の拠点大学、これは知恵の知と地方の地と両方の字を当てますが、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業につきましては、例えば、島根大学、島根県立大学、松江工業高専と島根県、地元経済界などが協力し、歴史や文化などの地域資源を活用した新たな地域づくりに向けた教育などに取り組み、卒業生の地元定着などにつながっております。今後、こうした好事例の普遍化に一層力を入れてまいりたいと考えております。
行政システムの利便性向上などについてでありますが、政府といたしましても、デジタル社会形成基本法に基づき閣議決定をいたしました重点計画に記載のとおり、デジタル社会の推進において、個人情報やプライバシーに配慮する必要があると考えております。
その上で、行政のシステムについて、利用者の方々の目線に立ち利便性を高めていくことが重要である、このように考えております。
楽しい日本を実現するための政策の核心は地方創生二・〇であり、都市も地方もその魅力を高めていくため、新たな重点として、官民連携により文化芸術の振興を図ってまいります。
令和七年度予算案におきまして、御指摘をいただきましたような、舞台芸術、映画、漫画、アニメなどのメディア芸術、アートなどの芸術文化の振興、地域における特色ある文化芸術拠点の形成や伝統行事の継承などへの支援による地域文化の振興などの施策も盛り込んでおるところでございます。
地方創生交付金についてでありますが、この交付金を用いまして、全国各地で様々な取組が行われております。ドローンを活用した買物支援サービス、高齢者向けオンデマンド乗り合いタクシーなどが生まれておるところでございます。
一方、ソフト事業とハード事業が別々に実施されているといった課題もございまして、新しい地方創生交付金につきましては、政策目的を効果的に実現できることを前提として、地域の意欲的な取組を柔軟に後押しできるようにいたしてまいります。
選択的夫婦別氏制度についてでございますが、夫婦の氏の在り方につきましては、内閣府が行いました令和三年の世論調査を見ましても、国民の皆様方の御意見が分かれております。また、選択的夫婦別氏制度の導入を求める立場の中にも、制度の具体化に当たりましては、例えば、お子さんの氏をどのように定めるのかといった点を含めまして、様々なお考えがあるものと認識をいたしております。
政府といたしましては、家族の形態や国民意識の変化、家族の一体感や子供さんへの影響など、様々な点を考慮の上、国会において建設的な議論が行われ、より幅広い国民の御理解が形成されることが重要であると考えております。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、選択的夫婦別氏制度の是非は、国民の関心が極めて高いテーマでもあり、いつまでも結論を先延ばししてよい問題とは考えておりません。党としての考え方を明らかにすべく、議論の頻度を上げ、その熟度を高めてまいりたい、このように思っております。
放送事業者に対する対応、放送業界全体の人権問題の把握についてのお尋ねをいただいております。
御指摘の事案につきましては、一月二十三日、総務省からフジテレビに対し、第三者委員会において早期に調査を進め、結果を踏まえた適切な対応を行うよう要請しておるところでございます。
御指摘の人権に関わる問題の把握につきましては、放送事業者から構成される日本民間放送連盟において、共通の課題が見つかれば委員会の設置などを検討することなどが確認された、このように承知をいたしております。この取組を注視してまいりたいと考えております。
下請法の改正についてお尋ねを頂戴しました。
中小企業の皆様方が、利益を上げていただき、物価上昇に負けない賃上げを実現していくためには、取引の上流から下流まで、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁などを実現することが重要でございます。
協議に応じない一方的な価格決定の禁止や、下請という用語の変更などを盛り込んだ下請法の改正法案を今国会に提出をいたします。
買いたたきなど下請法違反行為に対しましては、公正取引委員会や中小企業庁におきまして、引き続き、執行力の強化を図り、厳正に対処いたしてまいります。
インボイス制度についてでございますが、複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを廃止することは考えておりません。
御指摘の経過措置などにつきましては、あくまでインボイス制度の円滑な導入や定着を図るために設けられているものであり、その延長などにつきましては、こうした目的なども踏まえて、慎重に検討する必要があると考えております。
インボイス制度に対する御不安、御懸念を抱かれておられる方もおられますので、事業者からの御相談に引き続き丁寧に対応いたしてまいります。
鉄道によります地域活性化、ローカル鉄道に対する国の支援についてお尋ねをいただきました。
議員が御提案をなさいました鉄道遺産認定制度によります地域活性化の趣旨に近いものといたしまして、地域の観光コンテンツと連携した企画列車の運行や観光列車の導入などへの支援を行っておるところでございます。
ローカル鉄道を維持してまいりますためには、地域の方々に積極的に御利用いただくことも重要であります。令和五年度に、地域交通法を改正するとともに、予算措置を拡充いたしました。これによりまして、社会資本整備総合交付金のメニューとして、ローカル鉄道を上下分離し、線路などの施設、整備などを、保有する自治体によるハード整備を支援することを含めるなど、地域交通の再構築を推進してまいりたい、このように考えておるところでございます。
郵便局のユニバーサルサービスの担保についてのお尋ねをいただいております。
郵政民営化法等では、日本郵政及び日本郵便に対してユニバーサルサービス提供の責務を課すとともに、亀井議員御指摘の金融二社の株式処分に当たりましても、この責務の履行への影響などを勘案するよう規定されており、ユニバーサルサービスの維持を前提としておるところでございます。
政府といたしましては、日本郵政、郵便を適切に監督することなどを通じまして、郵政事業のユニバーサルサービスの安定的かつ継続的な提供の確保に努めてまいります。
自動車運送業の二〇二四年問題及び運転者不足対策についてであります。
二〇二四年問題につきましては、物流革新に向けた政策パッケージに基づきます、積載率の向上などに向けた官民での取組が成果を上げており、懸念された物流の深刻な停滞は起きておりません。
今後懸念されます運送業のドライバー不足の問題に対しましては、運賃改定や価格転嫁の促進と省力化支援、荷主などへの規制などを導入した改正物流効率化法の円滑な施行、日本版ライドシェアなどによります一般ドライバーの活用、外国人ドライバーの早期受入れなどの生産性向上と賃上げ、働き方改革に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。
ライドシェアについてでありますが、全国での交通空白の解消に向け、骨太方針に従い、日本版ライドシェアや公共ライドシェアの施策の実施効果を検証しつつ、地域交通の担い手や移動の足の確保の取組を強力に進めてまいる所存でございます。
中山間地の農業と米農家の所得補償についてであります。
中山間地の農業につきましては、生産条件の不利を補正する中山間地域等直接支払いによる下支えに加え、農産物の高付加価値化、六次産業化、スマート化による生産性の向上、農泊、ジビエなど地域資源の活用を図り、農業所得の向上と地域の活性化につなげてまいります。
米政策や直接支払いの在り方につきましては、今後、新たな食料・農業・農村基本計画の策定や、令和九年度に向けた水田政策の在り方の検討の中で議論を深めてまいりたいと考えております。
米価等への対応や農業者への支援の在り方についてでございますが、消費者の皆様方に米を安定的に供給し、価格を落ち着かせるため、一定期間後に買い戻すことを条件といたしますが、政府備蓄米を集荷業者に売り渡すことができる仕組みを導入いたします。
あわせまして、販売状況や在庫量などに関する流通、販売事業者への調査について、昨年夏より頻度を上げて実施し、需給情報を消費者に分かりやすく発信するとともに、産地に対し、需給、価格などに関する情報を丁寧に発信し、産地自らの判断の下、状況に応じた的確な生産を行えるよう後押しをいたしてまいります。
農業者への支援の在り方につきましても、今後、新たな食料・農業・農村基本計画の策定や、令和九年度に向けた水田政策の在り方の検討の中で議論を深めることといたします。
食料自給率と種子の安定供給についてでありますが、我が国のカロリーベースの食料自給率は三八%であります。種子の国内自給率につきましては、稲は一〇〇%、麦類及び大豆は九九%を超えておるのは御承知のとおりでございます。
種子の安定供給のため、気候変動に対応した品種や多収性の品種など新規品種の導入に向けた栽培実証の支援などを行い、食料安全保障を強化いたしてまいります。
肥料に関しましては、本年の春用肥料の製造に必要な原料は、無事、海外からの調達を終えていると承知をいたしております。国際情勢の変化を受けづらい構造に転換できますよう、原料を海外に依存する化学肥料の使用低減に向けた適正施肥や有機質肥料の活用、原料の備蓄、国産化に向けた製造施設の整備を進めてまいります。
酪農経営に関しましては、余剰乳製品の在庫削減対策による需給改善を通じ、累次にわたり生乳取引価格の引上げがなされていると承知をいたしておりますが、引き続き、状況を注視をいたしてまいります。肥料同様、国際情勢の影響を受けづらい構造への転換に向け、国産飼料の生産、利用拡大を進めてまいります。
また、令和六年度補正予算では、農業生産資材を含む物価高対策として重点支援地方交付金を措置しており、地方自治体に積極活用を働きかけておるところでございます。
漁獲可能量や不漁の要因、対応についてお尋ねをいただきました。
漁獲可能量をベースとする資源管理につきましては、漁業現場から不安のお声をいただくこともある中、科学的な根拠に基づく資源評価を踏まえ、今後とも、現場から丁寧に御意見を承りながら進めてまいることといたしております。
資源管理の推進により乱獲を防止する一方、海水温や海流などの海洋環境の変化を主な要因として、スルメイカの不漁やブリの分布域の北上などの水産資源の変化が生じているものと認識をいたしておるところでございます。我が国水産業の発展に向け、スマート化や海業の全国展開を進めますとともに、海洋環境の変化に対応した魚種、漁法の追加、転換や養殖業への転換などを支援いたしてまいります。
医師の確保や医療機関への支援についてでありますが、医学部に地域枠を設けるなどのこれまでの医師確保の取組に加えまして、今後、都道府県と連携した実効性のある医師偏在対策を総合的に推進する法案を提出いたしてまいります。
また、物価高騰などの急激な変化の中でも必要な医療提供体制を確保するため、先般の補正予算におきまして、重点支援地方交付金を積み増したところでございます。更なる賃上げなどに向けた支援や診療所の承継、開業支援も補正予算に盛り込んでおり、これを着実に執行しながら、経営状況なども丁寧に把握をし、適切に対応いたしてまいります。
訪問介護につきましては、人手不足や燃料代などの高騰などにより、厳しい状況にあると認識をしております。御指摘のとおりでございます。
御党の御提案が提出されました際には、御意見を十分に拝聴させていただきます。政府といたしましては、令和六年度の介護報酬改定で措置した処遇改善加算の更なる取得促進に向けた要件の弾力化、先般の補正予算によります賃上げに向けた支援や経験年数が短いヘルパーへの同行支援の強化、重点支援地方交付金によります燃料代などの支援等、地域の特性や事業者の規模などに応じたきめ細かい対策を講じており、これを着実に進めてまいります。
保育士などの処遇改善についてでございます。
御党の御提案が提出されました際には、これも御意見を十分に拝聴させていただきます。保育士などの処遇改善が重要である、そのような考え方は共有をいたしておりまして、政府といたしましては、令和七年度予算におきまして、保育士などについて、一〇%を上回る大幅な処遇改善を行うことといたしております。また、放課後児童クラブの支援員なども、処遇改善の支援を継続的に行っておるところでございます。
引き続き、こども未来戦略などに基づきまして、民間給与動向を踏まえた更なる処遇改善に取り組んでまいります。
半島振興法についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
議員立法であります半島振興法の延長に向けましては、これまで与党におきまして能登半島地震などの教訓を踏まえた議論を精力的に重ねられておりましたが、近く与野党合同での検討が開始される、このように承知をいたしております。
政府におきましても、これらの御議論を踏まえ、道路、港湾、空港、上下水道などの防災対策、井戸や再生可能エネルギーの活用など、自立分散型の地域づくり、半島地域の税制措置の延長などを通じまして、安心して暮らし続けられる災害に強い半島地域を実現をいたしてまいります。
原子力災害時の避難計画についてのお尋ねでございますが、原子力発電所の立地地域におきましては、地域の実情を踏まえ、自然災害と原子力災害との複合災害を想定して、道路が寸断した場合の避難経路を含め、緊急時対応を取りまとめ、あるいは取りまとめに向けた検討を進めておるところでございます。
お尋ねの避難道の整備促進につきましては、内閣府、国交省、経産省など関係省庁連携の下、地元ニーズを踏まえ、必要な支援を検討いたしてまいります。
原子力発電所につきましては、安全性の確保を大前提としつつ、地元の御理解を得た上で再稼働してまいるのが政府の方針であり、原子力防災体制の充実強化を図りながら、エネルギー政策を進めてまいります。
以上でございます。(拍手)
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