前原誠司の発言 (本会議)

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○前原誠司君 日本維新の会の前原誠司です。
 会派を代表して、石破総理の施政方針演説について、全て総理に質問いたします。(拍手)
 初めに、教育政策について伺います。
 人を育てることが国家経営の要諦であることは、いにしえの時代から変わりはありません。
 一年の計画は穀物を育てるのに勝るものはなく、十年の計画は木を育てるのに勝るものはなく、終生の計画は人を育てるのに勝るものはない。紀元前の中国の書物、管子にこうあります。人を育てるには長い年月を必要とするが、逆に、一度育てれば、人は何よりも多くの価値を継続的に生み出し、貢献できる存在であるため、教育こそが国家経営において最も重要だと説かれています。ほかには、長岡藩の米百俵もしかり。教育や人材育成の重要性を説く逸話や教えに事欠くことはありません。
 しかし、翻って、近年の自公政権が教育の重要性を真に理解して政策遂行を行ってきたとは到底思えません。このことこそが、今日の日本政治の最大の問題点であり、失われた三十年の主因だと考えます。
 日本のGDPに対する教育機関への公的支出は二・九%と、OECD三十五か国中三十四位。OECD平均の四・二%を大きく下回る水準です。このような状況が長年続いているから、国際競争力が低下しているのではないでしょうか。総理も、人づくりこそ国づくりと述べておられます。であれば、より一層、教育に対する財政支出が必要だと考えますが、総理の見解を求めます。
 所得制限をなくすことは、ばらまきだ、金持ち優遇だという意見があります。しかし、所得の多い人ほど、多くの税金を納めています。その人たちがサービスを受けられなくなると、その制度自体に批判の目を向け、せっかくの支援制度に理解が得られなくなってしまいます。社会の分断をなくし、実効性のある支援策とするためには、所得や居住地域にかかわらず、全ての子供にひとしく教育、子育て支援を国は行うべきだと考えますが、いかがですか。
 子供は、親にとって宝であるだけでなく、国家においても宝なんです。子供たちの無限の可能性を伸ばす。政府は教育への公的支出を増やし、家庭の負担を減らす。日本の競争力を高め、持続可能な成長を実現するためにも、教育の量と質を向上させる政策を推し進めなければなりません。
 以下、具体的な提案を幾つか行います。
 まず、高校の無償化です。
 日本の高校進学率は九八%、うち約三五%が私立高校に通っています。私立高校の年間学費は平均で約百万円を超え、子育て世帯の大きな経済的負担となっています。このため、私立高校を含めた無償化は、教育の公平性を確保し、全ての子供たちが平等に学ぶ機会を持つために不可欠です。
 大阪府や東京都は既に、私立高校も含めた高校無償化に取り組んでいます。本来であれば、国全体で高校の無償化を進め、全国一律で教育水準を引き上げ、教育、子育ての大幅な負担軽減を実現するべきではないでしょうか。来年から、私立を含めた所得制限のない高校無償化を実現すべきだと考えます。総理の決断を求めます。
 次に、幼児保育や給食費の速やかな無償化を求めます。
 近年の少子化の進行はすさまじく、まさに国家存亡の危機です。昨年の出生数は七十万人を下回り、六十八・五万人程度になると見込まれています。二〇一六年に出生数が百万人割れしたあの衝撃から、まだ十年もたっていません。十年足らずで、出生数が三割以上も減ってしまいました。もはや、次元の異なる少子化対策などという言葉遊びのスローガンのみを振りかざし、中途半端な施策を小出しにしている時間的な余裕はありません。
 現に、日本の教育費に占める私費負担割合は六三・五%。OECD平均が二八%ですから、日本では親や子供の自己負担がいかに重いかは明らかです。しかも、実質賃金は下がり続けているのです。一般的な子育てにかかる費用は社会が見てくれるのだと若い世代が感じられるような支援パッケージを可及的速やかに行うべきではないでしょうか。
 ゼロ歳から二歳の保育料については一人目の子供から所得制限のない無償化を、併せて給食費の無償化を、遅くとも来年四月、可能であれば来年度から実施すべきです。総理の決断を求めます。
 次に、高等教育に関して申し上げます。
 大学などの高等教育への投資は、経済成長や国力の向上に必要不可欠です。一人当たりの高等教育費用を増やせば増やすほど、労働生産性が上がると言われ、また、高等教育を受けた人材の生涯賃金は、未修了者に比べて約七千五百万円高くなるとの調査結果もあります。国が積極的に高等教育を支援し、質の高い人材を育成することは、日本の将来に対する投資であると位置づけるべきです。
 また、今日の大学や専門学校などの高等教育課程への進学率は七五%程度まで上昇しており、今の子育て世代は、子供が高等教育課程まで進学をすることを想定するのが一般的です。であれば、幾つかの前提の下、教育の無償化に高等教育を含めるべきだと考えます。
 まず一つ。勉強もろくにしない、遊びやアルバイト三昧、こういった学生が無償化の対象になることは、納税者の理解が得られるとは到底思えません。大学の門戸は広く、卒業は厳しく。真面目に勉強した学生のみが無償化の対象となる仕組みが不可欠です。
 また、淘汰されるような大学が生き残ることも、あってはなりません。無償化は学生への支援であって、大学への支援でないことを明確にすべきです。
 三人以上の多子世帯のみ、所得制限のない大学の無償化が来年度から始まります。大学教育の質や競争環境を抜本的に強化することを前提としつつ、子供一人からの無償化を実施すべきです。また、国際卓越研究大学の設置目標を、数校程度ではなく、十校程度にすべきだとも考えます。併せて総理の決断を求めます。
 次に、社会保障改革について伺います。
 今、本来は豊かな社会をつくるはずの社会保障が、若者に過度な負担となってのしかかっています。例えば、年収三百五十万円の単身世帯を想定すると、所得税は年間約七万円である一方、社会保険料は年間五十万円にも上ります。支え合いだといいながら、これだけの負担を負わせては、結婚や子育てをする自信も同時に奪ってしまうでしょう。
 若者だけではありません。今、いわゆる就職氷河期世代が五十歳代に突入しています。大学受験や就職、キャリア構築など、人生のあらゆる場面で苦難を受けてきた世代であり、ある調査によると、五十歳代一人世帯の貯蓄額の中央値は三十万だそうです。
 総理は、この社会保険料こそが、現役世代の生活を圧迫し、前向きな人生設計を阻んでいる大きな要因であると思いませんか。彼らの活力を奪うことは、我が国全体にとっても不幸なことです。現役世代に過重な負担を負わせる制度は、たとえ制度として持続できたとしても、我が国の国力を先食いしているだけではないでしょうか。今こそ、社会保障制度の負担と給付の在り方に抜本的な改革が必要ではありませんか。
 次世代のための党を標榜する日本維新の会は、日本を支える屋台骨である現役世代の社会保険料負担を引き下げることを目指します。
 現役世代に改革の効果を実感していただくには、医療の質を高めつつ、数兆円単位で社会保障給付費を削減しなければなりません。もちろん、これは緻密に編まれた既得権益を解きほぐす作業であり、非常に困難な道のりと言わざるを得ません。しかし、若者や子育て世帯、働く人々の負担を下げるため、この取組に我が党は全力を傾注してまいります。
 この改革に当たっては、受益と負担の明確化がセンターピンになると我々は考えています。
 保険は緻密な数理計算の上に成り立っており、給付の裏には誰かの負担があります。自立した個人が自分の意思で選択するという民主主義の根本に立ち戻れば、各個人が社会保障に係る負担をどれだけ負い、どの程度受益してきたか、政府は国民一人一人に伝える必要があるのではないですか。我が党としては、これまで提案してきたデジタル歳入給付庁の設置による抜本的な改革が必要だと考えますが、今すぐにできる方策として、社会保険の事業主負担分を給与明細等に記載し、社会保険負担の全体像を国民にお伝えすることも効果的と考えます。総理のお考えをお聞かせください。
 受益と負担の観点からは、応能負担についても検討すべきです。
 そもそも、社会保険は強制加入であり、その保険料の水準には個々人の負担能力も考慮されています。しかし、資産額が異なれば、負担能力も当然異なるのではないでしょうか。総務省の資料によれば、世帯主が七十代の金融資産残高は平均で千七百万円ほどある一方、三十代はその三分の一以下にすぎません。医療にかかる際の窓口負担にこれら金融資産の額を考慮するというアイデアについて、どのようにお考えですか。
 もちろん、資産額の把握はすぐにはできません。一方で、平成二十八年一月以降、証券会社における新規口座開設や住所変更等の手続にはマイナンバーの提出が必要となっています。これを全ての売買取引に拡大すれば、証券口座を通じた取引による金融所得の全数把握が可能となります。個人の負担能力を適切に評価するため、これを実現するおつもりはありますか。
 医療サービスの提供体制も、当然、検討の俎上にのせるべきです。例えば、シンクタンクや団体等の提言でしばしば指摘されるのが、OTC類似薬の取扱いです。
 リスクの高低という観点からはOTC医薬品と同程度であるにもかかわらず、医療用医薬品として区分され保険が適用されてしまうOTC類似薬は、年間一兆円に上るとする試算があります。加えて、セルフメディケーションを阻害することにもなり、これを公的医療保険で支弁するのは、公正さに欠けるのではないでしょうか。OTC類似薬について、保険適用を除外する方向で議論すべきではありませんか。
 効率性の点から申し上げれば、我が国で急ぎ進めなければならないのが、医療に関するビッグデータの活用です。
 そもそも、医療費は、介護費と合わせて日本のGDPの約一割を占め、規模でいえば自動車産業と同等ですが、その内実は、価格が公定され、大半が税と社会保険で賄われるいわば官製市場であり、自由市場の価格調整メカニズムは働きません。経済学やデータサイエンスなどの知見を活用しつつ、政府が資源配分や効率性の問題に目を光らせる必要があります。しかし、その判断を行うためには、根拠となるデータがなければなりません。
 貴重な医療情報であるカルテデータの共有は、順調とは言い難い状況にあります。我が国における電子カルテの導入率は五割程度であり、また、電子カルテの標準化も始まったばかりです。既に一〇〇%に近いイギリス、約八割であるフランスから、大きく水を空けられています。
 パーソナル・ヘルス・レコードを整備し、いわば一国民一カルテ体制を構築することは、医療の効率性を向上させるのみならず、国民がどこにいても地元と同等の医療を継続的に受けられることで、医療の質を飛躍的に向上させることにつながります。これを速やかに実現すべきではないでしょうか。総理のお考えを伺います。
 社会保険制度が抱えているもう一つの大きな問題が、年収の壁の問題です。
 日本の経済を成長させるためには、働ける人を増やし、元気にすることが必要であり、働き控えを助長するような今の制度は本末転倒です。百三万円の壁への対処は税負担の軽減策として重要ですが、加えて、年収が増えているのに社会保険料負担によって逆に手取りが減る百六万円、百三十万円の社会保険料の壁を解消することは絶対に必要です。
 中長期的には、そもそも壁が生まれないような税、社会保険料の抜本改革が必要です。一方、当面の対応としては、第三号被保険者の方が百六万円、百三十万円の壁を越えても手取りが減らないような対策が必要です。
 その際、今の政府が実施している年収の壁対策は、企業への補助金であり、労働者に直接給付されるものではありません。そのため、実際に手続を行って活用するところまでに至っていないケースが多いと思われます。より実効性の高いマイナンバーを活用した上で、労働者への直接給付により、百六万円、百三十万円の壁によって手取りが減る分について穴埋めを行うとともに、別途、事業者負担も措置する方策を取るべきだと考えますが、総理の決意を伺います。
 次に、賃上げについてお伺いします。
 総理は、施政方針演説で、賃上げの原資となる生産性の向上と述べられました。そもそも、現状認識が間違っているのではありませんか。過去四半世紀で時間当たりの生産性は三割上昇しましたが、実質賃金はほぼ横ばいです。生産性を上げる必要性はもちろん否定しません。しかし、生産性が上がっても賃金は上がっていないのです。
 同じく、過去四半世紀で企業の利益は約五倍増えましたが、設備投資は一・二八倍、人件費に至っては一・〇九倍にとどまっています。片や、配当金は八・一五倍。そして、内部留保は六百兆円を超えました。賃金の原資は、企業の利益であり、過大に積み上がった内部留保ではないでしょうか。賃金を上げるために、企業の利益、内部留保を賃上げに回すような仕組み、分配政策が必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
 政府は、近年、二度にわたって法人税減税を行ってきましたが、潜在成長率は低下の一途をたどっています。また、設備投資促進税制や賃上げ促進税制は、現状を見る限り、効果があったとは到底考えられません。設備投資や賃上げにつながるような好循環を生み出してこなかった過去の政策をどう総括しますか。今後、今までの反省に基づいて、賃上げと設備投資の好循環をいかに実現させるか、具体的な施策についての答弁を求めます。
 日本維新の会は、規制改革を進め、様々な産業分野で新たな主体が事業に参画することを促し、経済の新陳代謝を進めていくことが特に重要だと考えています。
 例えば、ライドシェアは、地方の交通の担い手不足や移動手段の不足を補う役割も期待されており、一層の活用に向けた制度改正が求められます。ライドシェアを導入している国の先行事例もよく研究しながら、また、既存のタクシー事業者との競争環境がどちらか一方に不公平にならないように注意をしながら、本格的なライドシェアの解禁など、様々な分野での規制改革について推し進めていくことが重要だと考えますが、見解を伺います。
 また、規制改革とは、官僚や政府、東京といった中央が周辺に対して物事を差配する力を弱めることで、個人や地域、新興企業といったあらゆるアクターが創造性を発揮し、活動の幅を広げるための土壌を整えることにほかなりません。規制改革の一環として地方創生を考えると、単に補助金を増額するだけのやり方が、地方に抜本的な転換をもたらすとは到底思えません。石破総理の持論の楽しい日本をつくるためには、地方創生は更なる分権と税源移譲とセットでなされるべきではないでしょうか。
 次に、外交、安全保障政策について伺います。
 ドナルド・トランプ氏が、第四十七代アメリカ合衆国大統領に就任されました。心から祝意を表します。
 ただ、世界中の多くの人々がトランプ政権の行く末に懸念を抱えているのではないでしょうか。他国に関税をかけてディールを求めるというやり方を、総理はどのように評価されますか。パリ協定やWHOからの脱退表明について、日米首脳会談では翻意を促すべきではありませんか。
 トランプ大統領は、北朝鮮を核保有国だと明言しました。外務省は、核拡散防止条約で核保有を認める核兵器国とは違うとの見解のようですが、言葉遊びにすぎません。北朝鮮の核保有は絶対認めない、朝鮮半島の非核化を目指すのだと日米首脳会談で確認すべきだと考えますが、いかがですか。
 総理は、施政方針演説で、対ウクライナ支援、対ロ制裁を今後とも強力に推し進めますと述べておられます。トランプ大統領はロシアに戦争終結を強く求めていますが、現時点で停戦になれば、ロシアは、ウクライナの占領した地域からは撤退しないでしょう。日本政府は、クリミアを含め、現在ロシアが占領している地域もウクライナの領土と考えるのか、答弁を求めます。
 石破総理は、自民党総裁選の際に、日米地位協定の改定に言及されました。まずは、トランプ大統領と会談を重ね、信頼関係を築くことが大切だと考えますが、総理は、自らの信念として、いつかは日米地位協定の改定を行うべきだと考えておられるのか、考えておられるならどこを見直すべきだと考えておられるのか、見解をお示しください。
 いずれにしても、自由、民主主義、人権、法の支配といった共通の普遍的な価値観の下、手を携えてきた日米同盟は、アジア太平洋地域はもとより、世界の平和と安全に貢献し、経済的な繁栄を築く上で死活的に重要な二国間関係です。どのようにトランプ米大統領との関係を築いていくおつもりか、見解をお聞かせください。
 日本やアジア太平洋地域の平和と安全を維持していくために日米同盟は死活的に重要とはいえ、いついかなるときでも自分の国は自分で守るという根本的な考え方に基づき、防衛力、抑止力の強化を不断に行っていかなければなりません。
 しかし、円安や物価高により、令和四年に策定した総額約四十三兆円の防衛力整備計画で目指している防衛力の整備は未達に終わり、自衛官の処遇改善も十分に実現できないのではないかと懸念されています。五か年の防衛力整備計画は、何があってもやり切ると明言していただきたい。総理の答弁を求めます。
 北朝鮮による日本人拉致被害者の御家族は高齢化が進み、被害者はもちろん、多くの方が心身共に厳しい状況に置かれています。拉致被害者の救出を切に願う声は日に日に大きくなっており、解決に向け、あらゆる外交手段を尽くすことが国民共通の願いです。言葉だけではなく、これまでの反省を踏まえ、総理は拉致問題の解決に向けてどのような取組を具体的に進めるおつもりか、答弁を求めます。
 企業・団体献金の禁止など、政治改革についてお尋ねします。
 昨年十月の衆議院選挙で与党過半数割れとなった最大の要因は、紛れもなく自民党の裏金問題です。有権者の過半数以上が政治と金の問題を片づけてほしいと願っていることは、この選挙結果からも明らかです。
 昨年末の臨時国会では、政策活動費の全廃や旧文通費の使途公開など、法制化が実現し、政治資金の透明化に向けて一定の成果を得ることができました。しかし、積み残しとなっている政治改革の課題がたくさんあります。
 特に重要な残されたテーマの一つが、企業・団体献金の問題です。総理は、全ての企業・団体献金が悪とは限らないといった理屈で、企業・団体献金の禁止に背を向け続けています。確かに、企業、団体にも政治活動の自由があり、彼らが望む政策、予算の在り方の実現を求めて政治に関与することは当然の権利です。しかし、お金の力を使ってまで企業、団体が政治に影響を及ぼすことを、主権者たる国民は求めているとお考えですか。
 そもそも、リクルート事件に端を発した一九九四年の平成の政治改革において、企業・団体献金の禁止は政党交付金の創設とセットであると与野党で合意していたことを、当時の総理と自民党総裁が今でも繰り返し証言されています。それでも合意がなかったと強弁する石破総理の姿勢は極めて不誠実であり、石破内閣もこれまでの自民党政権と変わらず、政治改革に全く後ろ向きだと断ぜざるを得ません。
 国民全体の利益にかなった最善の政策を行うために、三十年間放置されてきた企業・団体献金の禁止は、今国会で必ず合意しなければなりません。できなければ、政治と金をめぐる問題が今後も繰り返し生起することは火を見るよりも明らかです。政治の信頼回復に向けた企業・団体献金禁止に対し、今国会で石破内閣がどのように取り組んでいかれるのか、お答えください。
 あわせて、政治団体の代表者の名義を変えたり、政治団体間で資金を移したりすれば、相続税や贈与税を払わず政治資金を親族などに引き継ぐことができる、世襲議員に特に有利に働く特権的な取扱いを廃止すること、また、議員定数の削減を行い、幅広く有権者、納税者から信頼を取り戻すための改革を行っていくべきだと考えますが、答弁を求めます。
 最後に、憲法改正について伺います。
 今年は終戦八十年の節目を迎えます。
 現行憲法は、GHQの強い影響力の下、一九四七年五月三日に施行されました。日本の再軍備阻止を目指し、第九条が作られたのは間違いありません。しかし、米ソ冷戦の顕在化、熾烈化とともに、アメリカの考え方にも変化が生じます。日本防衛を担っていた米軍の日本駐留部隊が朝鮮半島に出動することになり、警察予備隊がまず組織化され、一九五四年七月一日に防衛庁・自衛隊が発足します。つまり、日本国憲法施行後、七年余り後にようやく自衛隊が生まれているのです。
 つまり、日本国憲法は、自衛隊という実力組織を全く想定していません。だからこそ、自衛隊は軍隊ではない、戦力ではないという詭弁を政府は発信し続けているのです。
 石破総理に問いたいと思います。
 日本国憲法で最も実態に即していない条文は第九条ではありませんか。本来なら、自衛隊が発足したときに憲法改正をしておくべきだったとも思いませんか。個人の自然的権利である基本的人権の尊重が憲法には書かれていますが、自衛権は国家の自然的権利であると考えますが、憲法には書かれていません。自衛権の明記の是非を含め、石破総理の憲法九条に対するお考えをお示しください。
 本院の憲法審査会では、緊急事態条項の創設について五会派の方向性はおおむね一致しており、改正原案の策定など、歩みを着実に進めるべきです。
 しかるに、自民党総裁たる石破総理は、十月、臨時国会の所信表明演説で、国会発議の目標について総理在任中と明言されましたが、以後の国会での発言等からは目標期限が一切なくなりました。これはなぜですか。
 日本維新の会には、時代の変化に即して機能する政府を実現するための憲法改正を目指し、結党以来、積極的な憲法論議を行ってきた自負があります。石破総理には、自民党総裁として、憲法改正議論の結論を得るために指導力を発揮するとの決意を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 失われた三十年。国民の多くは将来に不安を抱えています。目先のことだけではなく、すぐに結果が出なくても、やり続けることが将来を大きく変えるという胆力と大局観を政治は持たなくてはなりません。国家百年の大計は教育にあり、人づくりは国づくりを単なるお題目にしてはなりません。教育、研究開発予算を大幅に増やし、人への投資を行い続ける。教育無償化が目的ではなく、教育の質を、大学の在り方を大きく変えていく。
 日本維新の会は、次世代への責任を担う政党です。教育無償化とともに、社会保険料を引き下げ、持続可能な社会保障制度の実現に特に力を入れて取り組むことを国民の皆様方にお誓いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

発言情報

speech_id: 121705254X00220250127_020

発言者: 前原誠司

speaker_id: 10284

日付: 2025-01-27

院: 衆議院

会議名: 本会議