西岡秀子の発言 (本会議)

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○西岡秀子君 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子です。
 ただいま議題となりました石破総理大臣の施政方針演説に対して、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 元日の能登半島地震から一年が経過し、十七日には阪神・淡路大震災から三十年目を迎えました。能登半島においては九月にも豪雨災害に見舞われ、深刻な被害をもたらしました。昨年は、全国各地において自然災害が多発し、多くの貴い命が失われました。改めて、犠牲になられた皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。一日も早い復興復旧に向けて取り組んでまいります。
 まず、手取りを増やす政策について質問いたします。
 さきの総選挙で、国民民主党は、手取りを増やす政策を訴え、多くの国民の皆様から御支援をいただき、議席を増やすことができました。昨年は、大企業を中心に五%を超える高水準の賃上げが実現し、今まさに賃金デフレを脱却できるかどうかの瀬戸際です。
 昨年十二月、百三万円の壁は、百七十八万円を目指して来年から引き上げることが自民党、公明党との三党幹事長の間で合意されました。しかし、自民、公明党からの提案は百二十三万円への引上げで、到底受け入れられず、税制改正大綱には、政府案として、基礎控除、給与所得控除それぞれ十万円ずつ、合わせて二十万円の引上げ、百二十三万円とすることが明記されました。
 大綱を見ると、二十万円の引上げによる減収は平年度ベースで六千五百八十億円となっており、大綱には、この改正は基礎控除や給与所得控除の最低額が定額であることに対しての物価調整を行うことであることを踏まえて、特別の財政措置を要しないと記されております。一方で、国民民主党が引上げを主張すれば、新たな財源が必要だという判断となる。これでは御都合主義ではないでしょうか。果たして幾らまでの引上げなら新たな財源措置が不要であるのか、総理に明快な御答弁を求めます。
 施政方針演説では、百三万円の壁の引上げについて全く言及がありませんでした。一方、百五十万円程度への更なる引上げを政府・与党が検討しているとの報道もあります。これは事実でしょうか。百七十八万円を目指すとの公党同士の三党合意は極めて重いものです。百二十三万円以上の高水準に引き上げる必要が当然あると考えますが、総理自身のお考えを明確にお示しください。
 政府・与党は、百七十八万円まで引き上げると七兆円を超える減収となると言いますが、そもそも、本年度当初予算の税収と来年度当初予算の税収を比べると、十二兆円の増収となっています。消費税率に換算すると五%弱に当たる大幅な税収増です。納税者の立場からすると、一年間で十二兆もの税負担が増えることとなります。この増収は、明らかに税金の取り過ぎです。だからこそ、国民民主党は、百三万円の壁を百七十八万円まで引き上げて、七兆円程度、国民の税負担を軽くすることを提案しています。
 来年度も過去最高の税収となることが見込まれ、今こそ、インフレ等で増え過ぎた税負担を適正な水準に抑制し、物価高騰で苦しむ国民生活を守るべきであると考えますが、総理の基本的な認識を伺います。
 みずほリサーチ&テクノロジーズの調査によると、二〇二四年の家計負担の増加は年間九万円と見込まれています。国民民主党が掲げる百七十八万円への引上げによる減税効果と合致する数字です。百二十三万円では、年収二百万円から六百万円の世帯で年間五千円から一万円程度の減税効果しかなく、物価高騰対策としても、消費の活性化策にも極めて不十分です。
 総理は、最低賃金を二〇二〇年代に全国平均千五百円まで上げるという高い目標を掲げておられます。そうであれば、労働力確保の観点からも必要な施策であるはずです。総理の見解をお伺いいたします。
 総理は、トラス・ショックのことを引き合いに百七十八万円への引上げを牽制されていますが、トラス・ショック時、英国の財政赤字の対GDP比は約六・四%で、前年比、三・九%から二・五%悪化していた状態でした。これに対し、日本における二〇二五年度の国の財政赤字の対GDP比率は約二・七%で、前年比、二〇二四年の四・五%から大きく改善しています。したがって、トラス・ショック当時の英国と比較するのは、過度に不安をあおるもので不適切と考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 国民民主党は、他党に先駆け、二〇二一年の衆議院選挙の公約として、トリガー条項凍結解除を訴え、また、五十年以上据え置かれたままの暫定税率廃止、二重課税廃止を一貫して主張してきました。今回、三党幹事長間でガソリンの暫定税率廃止を合意したことは大きな前進です。
 ガソリン、軽油、灯油、重油を対象油種として、その高騰対策として、政府は、二〇二二年一月から石油元売への補助金の延長を繰り返してきました。現在、価格抑制の補助金が暫時縮小されており、今後、ガソリンの店頭価格が百八十五円を超えて高騰することが予想されています。離島地域においては既に二百円を優に超えています。国民生活、特に地方の暮らしに車は必需品です。家計の負担増に直結します。速やかに、ガソリン価格の高騰対策の出口戦略としても実現すべきです。総理の看板政策である地方創生にも最も効果があるのではないでしょうか。総理のお考えをお伺いいたします。
 能登半島災害対策について御質問いたします。
 昨年成立した補正予算等に我が党が被災地の現場からお預かりした声を盛り込むことができましたが、今なお、元の生活に戻ることができず、多くの方々が苦難の中におられます。今後も、現地の声をしっかり受け止め、被災者の皆様に寄り添い、復旧復興に万全を期していただくことを政府に求めます。
 また、野党三党で被災者生活再建支援法改正案を提出していますが、現下の物価高騰を受けて、支援金を現行の最大三百万円から六百万円に倍増することなどが盛り込まれています。二十一年間この金額が変わっておらず、この改正案を成立させるべきです。総理の見解をお伺いいたします。
 能登半島においても、災害から守られた大切な命が避難を続ける中で失われる災害関連死が、災害で亡くなられた方を上回る事態となっています。調査によると、七十代以上が九割を占め、体調悪化の主な場所として避難所が多く、寒さや断水などライフラインの途絶による生活環境の悪化、避難場所を移動することによる負担などが指摘されています。過去の災害でも繰り返し課題とされ、今回の教訓も含めて、避難所等の環境整備は待ったなしの課題です。避難所のスフィア基準に合致した質の向上のために、予算措置も含めて、徹底した政府の取組が必要です。
 衆院選後、自民、公明両党との三党協議の中で、全国の避難所となる公立小中学校体育館の空調設備の早期導入とランニングコスト支援を我が党からも要望し、補正予算等に盛り込むことができました。昨年九月時点で設置率は僅か一八・九%、年間平均の進捗率も三・四%にとどまっており、令和十七年度までに九五%整備するという現在の目標では対応が遅過ぎます。児童生徒を熱中症のリスクから守る意味でも、設置の加速化が必要です。総理の見解をお伺いいたします。
 能登半島災害では、交通網の寸断による集落の孤立や、広範囲そして長期間にわたる断水など、ライフラインの復旧に長期間を要するなど、半島という地形特有に起因する脆弱性が明確となりました。この教訓を防災対策に生かし、改善していく今後の方向性について、総理にお伺いいたします。
 また、早急な被災者の救助や支援のためにも、過酷な状況の中での救助や、被災地に入りライフラインの復旧に当たる方々、応援の自治体職員、ボランティアなど、必要な支援に従事していただく方々への支援体制の強化も重要です。今後の対応を総理にお伺いいたします。
 先日、南海トラフ巨大地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の一部でも発生率が引き上げられ、首都直下地震も含めて万全の備えが急務です。令和八年度中に、防災庁の設置によって、我が国の防災体制がどのように変わり、どのように強化されるのか、内閣府防災との役割、また、地方創生二・〇の中で、防災庁など政府機関の地方移転、国内最適立地を推進しますと記されておりますが、その全体像について、総理にお伺いいたします。
 次に、政治改革についてお伺いいたします。
 昨年、民主主義の土台である政治の信頼が大きく失墜しました。いまだその原因究明もなされておらず、国民の信頼は回復されていません。昨年、政策活動費の廃止、旧文通費の公開と残金返納、第三者機関の設置を含む政治改革関連三法案が成立し、企業・団体献金についても、三月を目途に議論し成案を得ることになっております。議論を加速する必要があります。法律は成立しましたが、これからがスタートです。今後いかに法律を実効性のあるものにしていくのか、今国会での議論、取組を国民が注視しています。
 従来、度々政治とお金にまつわる事件が繰り返されてきたその悪循環を断ち切るためにも、特に第三者機関の在り方が極めて重要です。これまでの政治行動で金権政治に厳しく対峙し、政治改革に取り組んでこられた総理として、先頭に立って取り組む責任があると考えますが、総理の決意をお伺いいたします。
 持続的な賃上げが中小・小規模事業者、非正規で働く皆さんにも波及するための環境づくりについては、商慣行の見直しとともに、適正な価格転嫁を徹底し、適正な価格設定をサプライチェーン全体に定着させることが不可欠です。これまで、下請Gメンの増員や、一昨年、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針が示されましたが、ガイドラインの遵守と周知の徹底、不適切な取引の改善等の更なる対策強化が必要です。
 下請法の改正案を提出される方針ですが、執行強化も含めて、今後、価格転嫁の実効性をどのように高めていく方針であるのか、総理にお伺いいたします。
 人づくりこそ国づくり、これまで国民民主党が政策の柱として掲げてきた理念です。しかし、他国が教育費や科学技術に係る予算を倍増している一方で、我が国は横ばい、微増にとどまっており、過去二十年間、人への投資を怠ってきたことが、現在の教育現場が抱える課題や国際競争力低下の大きな要因と言えます。資源のない我が国にとって、人が財産であり、未来に向けて、今、人への投資を倍増していかなくては、我が国の未来は描けません。
 一方で、現状、硬直した予算の中でのつけ替えでは、必要な予算を確保することは困難です。国民民主党は、借金の先送りではなく、教育や人づくりに対する支出は将来の成長や税収増につながる投資的経費と捉え、財政法を改正し、これらの支出を公債発行対象経費とする教育国債を提案し続けています。総理御自身の見解をお伺いいたします。
 幼児教育、保育の無償化、高校の無償化等、いずれも所得制限が付されています。我が党は従来から、子供に係る給付金、政策に関しては所得制限を撤廃することを訴えてきました。児童手当の所得制限撤廃と高校生までの拡充が実現したことは大きな一歩です。
 一方で、年少扶養控除の復活については、今回も税制改正に盛り込まれませんでした。人口減少、少子高齢化の急速な進展の下で、子供に対する支援を強化し、子供を社会全体で育む方向性を明確にすべきです。一人親世帯の児童扶養手当の所得制限も、物価高騰が長期化する中で、より深刻な課題です。総理の見解をお伺いいたします。
 高校までの授業料完全無償化を進めるとともに、野党三党で法律を提出した、公立小中学校の給食費無償化は国が進めるべきです。
 給食は子供たちの健やかな成長に極めて重要な役割を果たしており、近年は、子供の貧困問題が深刻となり、給食が唯一栄養を摂取する貴重な機会となっている児童が増加していることや、自治体間競争、自治体間格差が生じていることは問題です。重点支援地方交付金の迅速な執行がうたわれておりますが、住んでいる場所にかかわらず、子供たちが安心して給食が食べられる環境整備、あわせて、みどり食料システム戦略のオーガニック事業の中で、有機食材を使った給食、食育への支援が位置づけられており、無償化の制度設計の中で、地産地消、有機食材の活用も盛り込んで進めるべきです。総理の見解をお伺いいたします。
 教員を取り巻く環境整備について伺います。
 危機的な状況にある教員を取り巻く状況を改善すべく、教職調整額の率を令和十二年度までに段階的に一〇%へ引上げを行うための給特法改正、また、学校における働き方改革を強力に進め、本来業務以外の時間の抜本的削減、中学校の三十五人学級推進、教職員定数の改善、平均時間外在校時間を月二十時間、短縮することなど、大臣折衝で六項目が合意されました。
 残業代の代わりに教職調整額を上乗せされたとしても、働き方改革を確実に進めていかなければ、今教育現場が抱えている課題を解決することはできません。教員のウェルビーイングの観点からのアプローチも重要です。同時に、教職員定数の改善を着実に進めることが重要で、教員が本来業務に専念できる環境をつくっていかなければ、教員のなり手不足は改善しません。専門人材の確保、育成も急務です。
 教員を取り巻く環境整備は、まさに次世代を担う子供たちの成長に直結する極めて重要な課題です。今後の方針を総理にお伺いいたします。
 公定価格が給料決定に影響する介護職、看護職、保育職等の方々に、他産業と比べて遜色のない賃上げが行われることは急務です。
 保育士、幼稚園教諭の方々の給与については、昨年取りまとめられた総合経済対策に一〇・七%引き上げられる改善策が盛り込まれましたが、一層の改善が求められます。
 一方、人手不足が深刻で、極めて厳しい現実と向き合っている介護等の現場からは切実な声が上がっています。介護職の方々に対しても、次期改定を待つことなく、報酬を引き上げることが急務です。
 東京商工リサーチの調査によると、昨年の介護事業者の倒産、休廃業、解散が百七十二件と過去最多で、中でも、休廃業は訪問介護事業者が七割を占めています。基本報酬額のマイナス改定や人手不足がその要因となっています。移動時間が多いという業務上の特殊性や、小規模事業者や地方の過疎地域の事業者の厳しい状況に対して、きめ細やかな支援が必要なことは明らかです。基礎報酬引下げの撤回も含めて、報酬体系の見直しを早急に取り組むべきです。総理の御見解をお伺いいたします。
 食料・農業・農村基本法が改正され、食料安保の概念が盛り込まれました。食料自給率の低下、国際的な食料供給の不安定化、農地及び担い手の減少、価格形成の課題など、農業を取り巻く困難な課題が山積しています。燃料油の高騰、生産資材、肥料等の高騰が長期化する一方で、価格転嫁が進まない現状は深刻です。
 国民民主党は、もうかる農業への転換を図るために、農業の多面的な役割に着目し、営農継続が可能となる、農業全般が対象の直接支払い制度、食料安全保障基礎支払いの創設を提案しています。また、水田活用直接支払交付金の五年に一度の水張り要件については、離農と耕作放棄地が増える要因となるため、地域の事情に応じて柔軟に緩和すべきです。総理の見解をお伺いいたします。
 また、持続的な水産業の発展は、海洋国日本の安全保障上も極めて重要です。漁業者の収益性の向上、競争力の強化、漁業施設の整備、養殖業の支援強化等の取組が急務です。総理の御見解をお伺いいたします。
 地域公共交通について伺います。
 少子高齢化、人口減少が進展する中で、人手不足が深刻化し、地域公共交通が大変厳しい状況です。物価高騰の長期化も深刻な影響を及ぼしています。
 一昨年施行された改正地域交通法において、自治体、公共交通事業者、地域の多様な主体など、多様な関係者の共創による地域のリデザインの取組が盛り込まれました。地域住民の移動をどのように守っていくか、チーム公共交通としての総合的な取組が重要です。また、観光振興、インバウンドの推進、二拠点居住の推進においても、地域公共交通の果たす役割は重要です。これまでの、事業者、自治体任せから、国がしっかりと支援していくべきです。採算だけで地域公共交通は語ることができない、重要なインフラと言えます。
 また、災害が頻発化、激甚化する中で、鉄道事業の大規模災害時の復旧については、公共性の高さを鑑み、道路、河川等の公共土木施設等と同等の支援が必要であると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 就職氷河期世代への支援強化について伺います。
 連日、大企業の初任給が三十万円以上に引き上げられることが報道される中で、氷河期世代の皆さんからは悲鳴に似た声が上がっています。氷河期世代の就職率は、二〇〇三年に過去最低の五五・一%。千七百万人が厳しい雇用の中でたまたま就職の時期を迎えたために、現在も多くの皆さんが安定した職に就くことができなかった世代です。自己責任では到底論じてはならず、国がしっかり現状を踏まえて対策を強化していく必要があります。
 国民民主党は、昨年、党内にプロジェクトチームをつくり、提言をまとめました。実態調査とこれまでの政府施策の検証、厚生年金の過去遡及給付と最低保障年金制度構築、公務員採用の拡大、求職者ベーシックインカムの導入、親介護世代に直面する世代となっている現状を踏まえて、ビジネスケアラー支援策の充実等を盛り込みました。
 この問題に対して、総理は本気で取り組む意思をお持ちでしょうか。今後の方針をお伺いいたします。
 次に、デジタル民主主義についてお伺いします。
 台湾には、六十日で五千人以上の賛同が得られたものについては、政府は二か月以内に検討し、書面によって回答することが義務づけられている、Joinという政策提言プラットフォームがあります。
 国民民主党は、これまでも、SNS上で寄せられた多くの国民の皆様の声を政策に反映し、活動に生かしてきましたが、一月十六日、これら台湾の仕組みを参考に、AI等デジタル技術を活用して、党に寄せられた意見を可視化し、二十四日に公表しました。
 総理、AI、デジタル技術をフル活用し、国民の声を速やかに集約して政策に生かす新たなデジタル民主主義の可能性について、総理の御所見を伺います。
 地方創生についてお伺いいたします。
 総理が施政方針演説の中で一番多く時間を割かれたテーマが地方創生二・〇です。石破政権の最も重要な柱であり、令和の日本列島改造を進めていくとされています。これまでも歴代政権がいろいろなスローガンを掲げて地方創生に取り組んでこられましたが、残念ながら、これまで十分な成果が得られているとは言い難い状況です。コロナ禍で地方回帰の流れが出てきたものの、再び東京一極集中が進展しています。
 総理自身も初代の地方創生大臣として取り組んでこられましたが、これまでの政府の取組をどのように評価、検証されているのでしょうか。総理が取り組まれる地方創生は、これまでの施策と何が違うのでしょうか。令和の日本列島改造、その核となる施策は何であるのか、総理にお伺いいたします。
 次に、総合安全保障についてお伺いいたします。
 新型コロナの世界的な流行によって、デジタル化の遅れ、サプライチェーンの過度な他国依存、ワクチンが自国で作れないなど、我が国の脆弱性が明確になりました。それを踏まえて経済安全保障推進法が成立しましたが、一方で、エネルギー自給率は僅か一〇%、食料自給率は四〇%に満たない現状では、新たなパンデミックや大規模な自然災害の頻発、また、国際社会における紛争激化や極端な自国第一主義の国家が台頭する中で、いろいろなリスクに対応することは大変難しいと思います。
 経済も含め、食料、エネルギー、医薬品、医療機器、人材、人権、文化など、幅広い広義の総合安全保障の重要性を国民民主党はこれまでも訴え、法案も提出してきました。総合安全保障の視点に立った国家戦略を明確に立案し、取組を進めることが急務であると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 外国人の土地取得規制の強化について伺います。
 我が国における土地等の取得、利用、管理をめぐる最近の現状を踏まえて、我が国の安全保障に支障を及ぼすおそれのある土地取得、利用、管理の規制に関する施策について、総合的に推進していくことが必要です。令和三年に重要土地等調査法が成立しましたが、安全保障上重要な施設の周辺等に限られており、更なる法整備が必要です。
 国民民主党は、土地だけではなく、建物又は水源地等の国土保全分野に係る土地等の規制、国の責務、事前届出に基づく取引の事前審査等の立入り審査権限の付与等を内容とする外国人土地取得規制法案を共同提出しています。早急な対応が必要であると考えますが、石破総理の見解をお伺いいたします。
 施政方針演説で、能動的サイバー防御を可能とする法案を提出する方向が明言されました。国民民主党は、既に法律案を提出し、議論を先取りしてきました。近年、国内外において、国家の関与が疑われるサイバー攻撃、その脅威が深刻となっています。重要インフラに対するサイバー攻撃によって、国家を揺るがす懸念が増大しています。
 今まさに、サイバー安全保障を確保するための能動的サイバー防御等に係る体制整備を総合的に推進するための法整備が必要です。今国会で十分な議論を行い、法整備を急ぐ必要があると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 第二期トランプ政権がスタートいたしました。トランプ大統領との日米首脳会談開催の見通しと、今後、信頼関係をいかに築いていくのか、総理にお伺いいたします。
 また、トランプ政権の訴える関税引上げや米国第一主義の結果、インフレが再燃し、日米の金利差が再び開き、円安になる可能性があります。つまり、アメリカのインフレが我が国に輸出され、更なる物価高につながりかねません。この対策は、手取りを増やすことで国民生活を支えるしかないと国民民主党は考えます。総理のお考えをお伺いいたします。
 全ての拉致被害者の即時一括帰国は、我が国にとって最重要課題です。御家族そして拉致被害者御本人も御高齢となる中で、一刻の猶予もありません。
 これまで総理の発言からは、この問題を何としても解決する不退転の決意が伝わってきません。初めて米朝首脳会談に挑んだトランプ大統領の再任を踏まえて、拉致問題に対する米国との連携強化を図り、総理がリーダーシップを持って取り組むことが極めて重要です。総理の決意をお伺いいたします。
 薬価中間改定の廃止についてお伺いいたします。
 四年間にわたり、適時適切に国民や患者が医薬品にアクセスができない状況が続いています。日常的な薬から手術等で使う薬剤、慢性疾患の治療薬まで多岐にわたり、国民の生命が脅かされています。
 医薬品の供給不足を解消するために、診療報酬改定がない年の薬価改定、いわゆる中間年薬価改定を廃止し、薬価制度の見直しに取り組む必要性について、既に我が党から総理に申入れを行っています。総理の御見解と今後の取組を伺います。
 昨年、日本被団協の皆様がノーベル平和賞を受賞されました。被爆という筆舌に尽くし難い被害を受けながらも、国内外に自らの体験を語り、被爆の実相、核兵器の非人道性、核兵器廃絶を訴えてこられた長年の御活動に、ただただ心からの賛意と敬意を表します。
 長崎で被爆された九十二歳の田中熙巳様は、オスロの授賞式ですばらしいスピーチをされました。核兵器と人類を共存させてはいけない、核のタブーが崩壊しつつある現状へ、自らの経験に基づいた警告とともに、これまでの運動を未来に継承してほしいという強い思いを発信されました。
 ちょうど四年前、被爆者の思いが国際社会を動かして発効したのが核兵器禁止条約です。政府は一貫して、米国の傘の下にあること、条約に核兵器国が参加していないことから、署名、批准、締約国会議へのオブザーバー参加にも慎重な立場を取り続けてきました。
 被爆から八十年の大きな節目の今年、日本被団協のノーベル平和賞受賞を契機として、三月に行われる第三回締約国会議へオブザーバー参加をした上で、唯一の戦争被爆国として被爆の実相を伝え、核兵器の使用は人道上絶対に許されないというメッセージを国際社会に発信し、日本にしかできない貢献をすべきです。
 被爆者の平均年齢は八十五歳を超え、被爆の実相を直接聞くことができない時代がすぐそこまで来ています。多くの関係者からの要請にもかかわらず、二十六日には、政府は締約国会議のオブザーバー参加を見送り、締約国会議に自民、公明の議員を派遣する方向で調整に入ったとの極めて残念な報道がありました。
 総理、オブザーバー参加は見送られるのでしょうか。オブザーバー参加すべきであると考えますが、この報道の事実関係について明確にお答えください。
 旧長崎市の行政区域を基本につくられた国の援護区域外で被爆したために、今なお被爆者と認められない被爆体験者の救済について、被爆体験者が求めていることはただ一つ、被爆者として認めてほしいということです。広島の黒い雨訴訟の上告断念により政府が示した新しい被爆者認定の基準が、同じ被爆地長崎に適用されないのは大きな問題です。被爆八十年の今年、総理に解決へ向けての政治決断を心から求めたいと思います。見解をお伺いいたします。
 国民民主党は、今後も、二〇二〇年九月に衆参十五名、志を同じくする地方議員と立ち上げた結党の理念、政策をぶれることなく、新しく議席をお預かりした多くの議員の仲間とともに、今後も地道に、真摯に国民の皆様の声をお聞きしながら、真面目に働けば給料が上がる、そんな当たり前の社会実現のために、皆様とお約束した公約実現に邁進してまいる決意です。この決意を申し上げ、質問を終わります。
 最後に、被爆八十年の節目の今年、一人でも多くの世界のリーダーに被爆地長崎、広島に来ていただき、原爆資料館の訪問や被爆者の話を直接お聞きいただいて、この被爆の実相に触れていただく機会を是非つくっていただくことを切に願い、そして、本日議場におられる石破総理を始めとした各議員にも是非その機会をつくっていただくことを心からお願い申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

発言情報

speech_id: 121705254X00320250128_008

発言者: 西岡秀子

speaker_id: 27066

日付: 2025-01-28

院: 衆議院

会議名: 本会議