斉藤鉄夫の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。
私は、公明党を代表して、石破総理の施政方針演説に対し、石破総理そして国土交通大臣に質問をいたします。(拍手)
国際社会における対立が深刻化し、また、国内においても分断と対立が激化している多くの国が存在します。我が国が、分断による不信と憎悪をエネルギー源とするような政治ではなく、議会制民主主義の本旨である熟議と合意形成の政治が行われ、世界の範となることができるかどうか、日本の民主主義の真価が問われる国会になると思います。
公明党は、どこまでも生活者目線で、合意形成の要役、政策実現の推進力として、国民の期待にお応えする政治の実現に全力を挙げてまいります。
以下、具体的に質問いたします。
まず、経済の好循環の実現について三点質問いたします。
まず、いわゆる年収の壁への対応について伺います。
所得税がかかり始める百三万円の壁については、昨年末、与党として、百二十三万円に引き上げる案を示しました。これは、食品など生活必需品を多く含む基礎的支出項目の物価が二〇%程度上昇していることを根拠としています。
その上で、物価上昇が今後も続いていく中で持続的な経済成長を実現するためには、家計所得の持続的な向上が不可欠です。こうした観点から、就業調整を招いている年収の壁は取り除くべきであり、所得税の課税最低限についても更なる引上げへ議論を続けていきたいと考えています。その議論の大前提は、引上げの根拠と財源が明確であることであると強調しておきたいと思います。
就業調整という意味では、本当の壁は社会保険の壁であると言えます。厚生労働省の令和三年の調査によると、配偶者がいる女性で就業調整を行っている方の五七・三%が百三十万円の壁を理由に挙げており、百三万円の壁を意識していると回答した方の割合を上回っています。
社会保険の壁の対策については、以前から公明党も主張しており、年収の壁・支援強化パッケージが実施されています。就業調整をしている方の割合に、しかしながら、大きな変化は見られず、十分な効果が出ていないとの指摘もあります。
今後、最低賃金の上昇や被用者保険の適用拡大に伴って新たに被用者保険の対象になる方が発生することも踏まえ、この支援強化パッケージの更なる周知と利用促進を行うとともに、誰もが壁を意識せずに働くことが可能となるような制度設計を行うべきです。
また、年収の壁が解消されたとしても、育児、介護などで働きたくても働けない方々の悩みは解決されません。年収の壁対策とともに、仕事と家庭の両立支援など、働きたい方が持てる力を十分に発揮して働くことができる環境整備も喫緊の課題です。
家計の所得向上に向けた年収の壁への対応について、総理の答弁を求めます。
経済についての二点目の質問です。
働く人の七割、約三千三百万人が働く中小企業において持続的な賃上げが定着できるかどうかが経済の好循環を実現する鍵であり、その原資を確保するためのあらゆる支援が求められています。
公明党が発表した中小企業等の賃上げ応援トータルプランで、労務費の適切な価格転嫁のための指針の作成、公表、徹底を提案したのを受けて、公正取引委員会が重点的なフォローアップ調査を行っています。
昨年の調査では、全体として前年より労務費等の価格転嫁率は上がっています。ところが、道路貨物運送業や、映像、音声、文字情報制作業、ビルメンテナンス業、警備業、放送業といった取引価格が上がっていない業種の回答を見ますと、同じ業種間の取引で価格転嫁ができていないという回答が多くなっています。つまり、これらのサプライチェーンには、多重委託構造、多重下請構造と言ってもいいかと思います、が存在し、かつ価格転嫁が円滑に進んでいないことが明らかになったのです。
こうした課題を解決し、中小企業の構造的な価格転嫁を実現するためには、委託を二次、三次までに制限するなどの措置や、事業所管省庁の警告、勧告等の執行権限の拡充や、受注側が発注側の横暴を告発しやすい環境整備が重要だと考えます。
多重委託構造業種の価格転嫁など、中小企業の賃上げ支援について、総理の答弁を求めます。
経済について三点目です。
我が国の成長戦略の柱である科学技術、イノベーションについて伺います。
私は、高校の授業で自然現象が単純な数式で表現される物理の美しい世界に感動し、科学者を目指しました。しかし、大学の先生からは君の成績では無理だと言われ、諦めました。その代わり、科学技術を目指す若い人たちをサポートする側で頑張る決意をいたしました。
日本の科学技術の裾野を広げるためには、小中学校の段階からあらゆる生徒が科学技術、イノベーションの面白さを体験する機会を得られ、若者や女性、障害者など多様な人材が活躍する流れを産官学でつなげていかなければならないと強く実感しています。学生や若者は、本来、可能性に満ちた、創造性豊かなイノベーション人材であります。我が国の思い切った人材育成の施策として、産学官による奨学金等の教育費の支援や博士人材の研究費の支援など、諸外国に負けない支援体制の構築を提案します。
現在、第七期科学技術・イノベーション計画が検討されていますが、日本の科学技術、イノベーションの基盤構築には、研究力の高い研究大学群の形成や人材育成、研究環境の整備、若者が挑戦できるスタートアップ支援など、世界に負けない投資が重要だと考えます。また、産学官に開かれた人材の交流、就職、キャリアアップの仕組みなど、若者が安心して飛び込める、そういう世界にしなければなりません。
科学技術、イノベーションによって経済の好循環をいかに生み出し、世界に負けない日本の勝ち筋を伸ばしていくためにどのような取組をしていくのか、総理のお考えを伺います。
次に、防災立国の実現について三点伺います。
まず、能登半島から一年が経過し、私は、一月五日に石川県かほく市、珠洲市に入り、被災者の方々からお話を伺ってまいりました。中でも、深刻な液状化被害に見舞われているかほく市では、対策工事に最短でも五年程度かかるとの声を聞き、本格復旧に向け、国による全面的な支援が必要だと改めて感じました。地震と豪雨により度重なる被害を受けた珠洲市では、家が土砂で埋まり、もう住めないとの痛切な訴えを聞き、なお一層、被災者に寄り添った支援をしていかなくてはならないと深く感じたところです。
総理、是非とも、いつまでに能登の復興を成し遂げるという強いメッセージと、生活再建がイメージできる具体的な道筋を示し、不安を抱える皆様に希望を届けていただきたい。
公明党は、これまで、被災自治体ごとに担当の国会議員を配置し、多い議員では四十回以上その担当自治体に入り、首長や地域住民の方々から直接お話を伺い、現地の課題に対応してまいりました。引き続き、被災地の皆様と心を通わせながら、復旧復興に全力で取り組んでまいります。
能登半島地震の復興加速に向けた総理の決意を伺います。
今年は、阪神・淡路大震災から三十年の節目を迎えました。この三十年間に我が国を襲った大災害の教訓を踏まえ、今こそ、防災立国を築き上げなければなりません。そのためには、災害関連死を防ぐ取組が極めて重要だと考えます。能登半島地震では、災害関連死が約三百人に上り、直接的な災害死を上回る状況となっています。特に、災害時に取り残されることの多い高齢者や障害者等の要配慮者への対応が重要であり、個々の状況に応じたきめ細かい支援体制の確立が求められています。
しかしながら、現行の災害救助法では、避難所の供与や物資の提供といった救助の種類が列挙され、その範囲で福祉的支援も実施されているものの、まだまだ不十分です。また、在宅避難等の要配慮者の方々への福祉的支援に関する規定はありません。さらに、災害対策基本法にも、医療に関する文言はありますが、福祉という視点は明記されていません。災害関連死を防ぐため、災害関連法制に福祉の視点を取り入れ、あらかじめ支援体制を整備することが必要不可欠です。
災害関連法制における福祉的視点の導入について、総理の御見解を伺います。
三点目です。
防災・減災、国土強靱化については、これまでの継続的な取組により、その効果が全国各地で発揮されてきました。一方、激甚化、頻発化する台風や豪雨などの自然災害や、切迫する南海トラフ地震等の対応に万全を期すため、更なる推進が急務です。残り一年となる五か年加速化対策を着実に推進するとともに、五か年加速化対策後については、近年の資材価格の高騰の影響等を考慮しながら、必要十分な予算を確保し、取組を最大限加速すべきです。
改正法に基づく実施中期計画を早期に策定するとともに、次の五か年対策では、これまでの規模を上回る二十兆円規模の予算確保を求めます。総理、いかがでしょうか。
次に、国際社会の平和と安定について四点伺います。
本年は、広島、長崎への原爆投下から八十年の節目の年ですが、昨年、日本被団協の皆様がノーベル平和賞を受賞されたことは、人類の希望であります。
唯一、核兵器の悲惨さ、被爆の実相を知っている日本は、核兵器のない世界の実現に向けて、特別な使命を負っています。この被爆八十年の意義ある年に、日本がいかにその使命を果たし、核兵器のない世界に向けた取組を主導していくかが問われています。
総理は、昨年十二月の衆議院本会議において、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を継続、強化していくと答弁されました。核戦争のリスクが高まっている今、重要なことは、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約と位置づける核兵器禁止条約への関与を核保有国にも広げていくことです。
そこで、政府がこれまで進めてきた核軍縮、核廃絶への取組を新たなステージに高めるためにも、まずは日本自身が、三月に開催される第三回締約国会合にオブザーバー参加し、核保有国と非保有国の双方との対話を通じて、橋渡しの役割を果たしていくべきです。このオブザーバー参加が日米安保や米国の拡大抑止を否定するものではないことを明確にしつつ、主体的に判断すべきと考えます。
公明党は、核兵器禁止条約締約国会議にはこれまで第一回、第二回共に国会議員を派遣してきました。第三回会議にも参加することを申し添えます。
また、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している今こそ、紛争を未然に防止するため、アジアにおいて多国間で安全保障を話し合う枠組みが必要ではないでしょうか。欧州の安全保障協力機構、OSCEのように、大使級が毎週顔を合わせて対話できる地域機構の創設を、日本が主導してアジアにつくるべきだと考えます。
核兵器禁止条約締約国会合へのオブザーバー参加について、また、アジア版OSCEの創設について、総理の御見解を伺います。
二点目です。
米国では、一月二十日にトランプ大統領が就任しました。かつてなく強固になった日米関係を新たな高みに引き上げるべく、首脳会談の早期の実現を期待いたします。
日米両国の経済的な結びつき、安全保障政策、人的交流が日米同盟を支える要素となっており、どれも必要不可欠です。今後、石破総理、政府には、日米同盟があってこそ米国にもメリットになるのだということを、具体的かつ丁寧に説明していくことをお願いしたい。
また、首脳レベルでの関係強化はもちろんのこと、トランプ新政権との間でも幅広いレベルでの意思疎通を行っていくことが重要であり、例えば議員外交についても促進していくべきと考えます。
さらに、アジアや欧州地域を含む米国の同盟国や他のパートナー国との間でも連携し、国際秩序を維持していく努力を絶え間なく行っていくことが肝要であると考えます。
今後の日米関係について、総理の見解を伺います。
日中関係についてです。
今月、六年三か月ぶりに日中与党交流協議会が再開され、公明党から参加した西田幹事長は、中国共産党の要人との会談で、日中に横たわる懸案の一つとして邦人拘束問題を取り上げました。これまでに何度も中国を訪問していたビジネスマンや学術関係者から訪中するのが怖いという声をよく耳にするとして、どういう言動が中国の法律に抵触するのか明確なガイドラインを示してほしいと求めました。これに対して、中国側からは、この問題を重視するとの発言があったと聞いています。
国の交わりは民の相親しむにありとの言葉のとおり、これまでの日中関係は国民同士の交流に支えられてきました。民間交流を活発にしていくことは両国の国民感情の改善につながり、そうした基盤の上に首脳同士の往来が実現していくと思います。
世界経済や東アジアの安全保障という観点からも、日中関係は極めて重要です。建設的で安定的な日中関係に向けて、邦人拘束問題も含めた両国の懸案解決について、総理の見解を求めます。
四点目です。
ガザ情勢に関して、米国、エジプト、カタールの仲介によって、先般、人質の解放と停戦に関する合意が発効されました。今回の合意を双方が誠実かつ着実に履行することが重要であり、恒久的な停戦、和平につなげなければならないと思います。
この合意では、軍事活動の停止や人質の解放のみならず、人道支援活動の増加なども定められています。停戦後の復旧復興支援が大きな課題の一つです。
日本政府には、人道状況の改善に向け、関係国、国際機関等と緊密に連携しつつ、ガザ地区の人々への必要な支援を力強く進めていただきたいと考えます。ガザ地区における人道、復興支援等での日本の役割について、総理のお考えを伺います。
全世代型社会保障について、二点伺います。
まず、医療提供体制の強化についてです。
社会保障の一つの節目となる二〇二五年を迎えました。これまで公明党は、住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、団塊の世代が全て後期高齢者に入る二〇二五年に向けて、地域医療構想や地域包括ケアシステムの構築を進めてきました。
今後、二〇四〇年に向け、現役世代は急速に減少し、高齢者人口はピークを迎えていきます。少子高齢化、人口減少といった大きな変革期にあっても、国民一人一人が安心して医療、介護サービスを受けられる環境を構築しなければなりません。
そこで、まず医療制度改革について伺います。
二〇四〇年に向け、高齢者の救急搬送の増加や在宅医療ニーズの高まりが見込まれます。患者のニーズは複合化、多様化していきます。今国会では地域医療構想の見直しなども含めた法改正も検討されていますが、医療機関において、必要な病床数を確保するだけでなく、入院早期からのリハビリテーションを充実させたり、介護との連携や在宅医療を強化し、退院後の生活に安心して移行できる体制を整備するなど、地域の医療提供体制の課題を解決するための法改正とすべきです。その際、地域ごとに異なる医療需要に対応できる医療従事者を確保することも重要です。
医療提供体制の強化について、総理の答弁を求めます。
介護保険制度について伺います。
要介護認定に要する平均日数について、原則である三十日を上回る自治体が九割を超えるとの調査結果が昨年末に発表されました。高齢化の進展により今後も申請件数の増加が見込まれることを踏まえると、要介護認定の簡素化や効率化は不可欠です。認定期間の短縮に向けた具体策を国が責任を持って示し、迅速に認定結果を受けられる環境を整備すべきです。
また、要介護認定を受けてもケアマネが見つからず、すぐに介護サービスが受けられないとの声も伺います。現在のケアマネの年齢構成を考えますと、十年以内にケアマネが急減するとの指摘もあり、介護保険制度の要であるケアマネの確保や負担軽減は喫緊の課題です。法定研修の見直しを含めたケアマネの負担軽減を図るとともに、他産業に見劣りしない処遇改善を進めるべきです。
一方で、介護保険制度創設以来増え続けていた介護職員数が、令和五年に初めて減少したとの調査結果も公表されました。多くの人が不安を感じており、介護現場で働く人材の確保は待ったなしです。最重要課題として政府を挙げて取り組んでいただきたい。
安心の介護保険制度の構築に向けて、総理の答弁を求めます。
活力ある地域づくりについて、三点お伺いします。
地方には、歴史や伝統、豊かな自然があります。私は、郷土を守り、人を生かし、地域の潜在力を引き出すことが政治の役割であり、地方創生であると考えます。
一方、地方では過疎化が進み、女性や若者の地方離れは深刻な課題となっています。政府は、女性や若者に選ばれる地方をテーマに掲げて、交付金の予算も倍増し、大規模な地方創生策を進めるとしています。しかし、当事者から聞こえてくるのは、地方には働く場所がない、女性の役割を求められるといった言葉です。まずは、こうした声に真摯に耳を傾けることが、女性や若者に選ばれる地方となるための大きな一歩です。
女性や若者の働き方、生き方はますます多様化しています。やりがいのある仕事、楽しい地域をつくるために何が必要なのか。職場や地域などにおけるジェンダーギャップ、男女間賃金格差をどのように解消していくのか。職場や地域などにおけるジェンダーギャップなどの問題に適切に対応する必要がありますし、成功事例を持つ自治体の取組等も参考にしながら、徹底した検証が必要です。これまでの地方創生に足りなかった効果的な対策が進むよう、女性や若者の声が反映できる仕組みを取り入れるなど、国がしっかりとサポートしていただきたい。
女性や若者に選ばれる地方の実現について、総理の答弁を求めます。
二〇二四年の訪日外国人旅行者数は約三千七百万人と過去最多を大きく更新し、訪日外国人消費額も八・一兆円と過去最高となりました。二〇三〇年の旅行者数六千万人、消費額十五兆円という政府目標に向けて、更に推進すべきと考えます。
一方、目標達成は困難であるという見方もあります。その理由の一つが、外国人延べ宿泊者数の約七割が三大都市圏に集中していることです。
インバウンドの経済効果を全国に波及させるためには、地方誘客を促進することが重要です。そのためにも、日本固有の文化など地域資源を生かした観光コンテンツの造成に対して、地方への支援を強化すべきと考えます。また、地方航空便の回復、地方空港のグランドハンドリングや保安体制の強化など、受入れ環境の整備も進める必要があります。加えて、オーバーツーリズムを未然に防止する取組も求められています。
インバウンドの地方誘客及び持続可能な観光立国の推進について、国土交通大臣の見解を伺います。
三点目、農業支援について伺います。
私は、先日、兵庫県を訪ね、中小農家では国の支援がなかなか受けられない、助言機関が十分に整備されていないなど、数多くの声を伺ってきました。
日本の食と農業を支えているのは個人経営体であり、少ない農地でも生産、販売に取り組む中小・家族農家の皆様です。こうした農家の皆様に対して国の施策が届くよう、プッシュ型の情報提供や相談体制の整備、申請手続の簡素化など、各種補助制度の柔軟な運用を取り組むべきです。
また、六十五歳以上の個人経営体の約七割が後継者を確保できていないなど、人手不足も深刻な課題です。未来を担う若い世代が農業に参入できるよう、経営承継の円滑化や農機具の購入、新規就農者への継続的な支援など、所得向上に向けた施策を抜本的に拡充すべきです。
食料安全保障の確立に向けた農家支援について、総理の答弁を求めます。
政治改革についてお伺いします。
昨年末、公明党が一丁目一番地として進めてきた、政治資金を厳しくチェックする第三者機関の設置法が成立しました。今国会では、実効性を担保する制度設計について議論を深め、合意を目指したい。
政治と金の問題は、物価高騰が直撃し、苦しい生活を余儀なくされている国民から見れば、議員だけが甘い汁を吸っているとの怒りや不信につながっており、信頼回復は容易ではありません。引き続き、議員自らが範を示し、最後まで改革を成し遂げなければなりません。
私の地元広島では、国会議員の有罪が確定し当選が無効となったものの、数千万円にも上る歳費を受け取っていたことに対して、住民から返還を求める訴えが上がりましたが、国が歳費の返還を請求できる規定がなく、政治不信を深める一因となりました。
当選無効の場合、歳費等の返納義務化や一時的に支給を停止できるような法改正も急ぎ進める必要があると思いますが、総理のお考えを伺います。
公明党は、個人の尊厳を守るため、選択的夫婦別姓制度の導入を訴え続けてきました。
結婚して姓を変えることで、多くの方が何らかの不便や不利益を感じています。国際的にも、夫婦同姓を義務化しているのは日本だけです。国連の女性差別撤廃委員会は、昨年、我が国に四回目の勧告を行いました。経済界からも導入を望む声が相次いでいます。
一方、制度を導入するに当たっては、複数の兄弟がいたときの姓の決め方や、戸籍制度の改革を伴うため、細部について具体的に詰めていく必要があります。そのため、私は、昨年十二月、総理に、与党における協議の場を設けることを提案いたしました。こういう国の根幹、制度に関わることについては、基本的に閣法ですし、まず与党が案を決め、そして野党の皆さんに相談する、これが筋だと思います。総理は、自民党内で検討すると前向きな姿勢を示していただきました。自民党内でも検討が始まったものと認識しております。
選択的夫婦別姓制度の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、総理の答弁を求めます。
最後になりますが、少数与党において様々な政策課題を解決するには、与野党が共に責任を持ち、幅広い民意を集約して合意をつくり出すプロセスが極めて重要です。冒頭にも申し上げましたが、今、世界で分断と対立が激化している中、まさに熟議と合意形成の国会にしていかなければなりません。
長期に及ぶ物価高で生活が大変な世帯が増える中、公明党は、これまで以上に生活現場の声を聞き、一つ一つ政策に反映することで政治の信頼を取り戻し、国民本位のよりよい政治へと不断の改革を進めていくことをお誓いし、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕