石破茂の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(石破茂君) 八幡愛議員の御質問にお答えを申し上げます。
対米投資と国内投資の促進についてでございます。
日本にとりまして、米国は、対日直接投資の約四分の一を占めます最大の対日投資国でございます。日米の緊密な経済関係を更に拡大、発展させる余地は大きく広がっているものと考えております。こうした中で、首脳会談の結果も踏まえまして、ビジネス環境が維持、そして改善されますと、両国間の投資の拡大を通じまして日本企業のビジネスが拡大され、日本国内におきましても新たなイノベーションの喚起、国内雇用の拡大が実現するなど、我が国の国益に資することになる、このように考えております。
国内における投資の更なる拡大は、私どもの内閣が進めております賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現に向けましても、極めて重要と考えております。二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という新たな官民目標の実現に向け、企業の成長投資を後押しする規制・制度改革や、DX、GXなど成長分野における設備投資を促進するためのインセンティブ措置等を通じまして、国内投資を積極的に促進してまいりたいと考えております。
南西諸島における日米二国間のプレゼンス、沖縄の基地負担軽減についてお答えを申し上げます。
共同声明におきます日本の南西諸島における二国間のプレゼンスの向上は、南西地域における自衛隊の部隊配備など、我が国としての努力と同時に、同盟の抑止力、対処力を強化しますため、南西地域における共同訓練を増加させるなど、日米協力の強化につきましても不断に取り組んでまいることを確認したものでございます。その際、自衛隊と米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動することが前提でございます。
また、南西地域の防衛強化を含みます防衛力の抜本的強化、日米同盟の対処力の強化は、抑止力を向上させ、我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させることにつながります。地元の皆様の御理解を得られますよう努めつつ、着実に取組を進めてまいります。
同時に、沖縄の基地負担軽減の観点から、沖縄統合計画に基づきます米軍施設・区域の整理縮小等の取組についても着実に進めてまいります。
在日米軍によります性犯罪、日米地位協定及び普天間飛行場代替施設の建設についてでございます。
首脳会談におきましては、まずは強固な信頼関係を築くことを重視し、安全保障分野を含みます日米関係全般につきまして意見交換を行い、同盟の抑止力、対処力を高め、日米が直面する地域の戦略的課題に緊密に連携して向き合っていくことで一致をいたしました。また、私から沖縄の負担軽減の必要性を説明したところでございます。
米軍関係者によります事件、事故は、地元の皆様方に大きな不安を与えるものであり、あってはならない、このように考えております。米側に対しましては、在日米軍の綱紀粛正、再発防止の徹底を働きかけており、引き続き、こうした働きかけを行うとともに、日米間で緊密に協力をいたしてまいります。
普天間飛行場代替施設建設事業の地盤改良工事につきましては、沖縄防衛局におきまして、有識者の助言を得つつ検討を行いました結果、十分に安定した護岸などの施工が可能であることが確認されております。米側との間でも、埋立工事前に地盤改良工事を実施することについて既に合意をいたしておるところでございます。
首脳会談におきましても、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設及び同飛行場の返還を含みます沖縄統合計画に従った在日米軍再編を着実に実施してまいる旨、確認をいたしたところでございます。
能動的サイバー防御についてでございますが、御指摘の国際慣習法における開戦法規や安全保障のジレンマについて確たる定義はない、このように承知をいたしております。
この度、法整備を目指しております能動的サイバー防御は、そもそも、国連憲章や日本国憲法第九条に規定する武力の行使と評価されるものではございません。
能動的サイバー防御につきましては、国や重要インフラなどに対します重大なサイバー攻撃を認知し、人の生命、身体、財産への重大な危害を防止する緊急な必要がありますときに、攻撃サーバーなどにアクセスして不正プログラムを無害化する措置などを想定しているところでございます。これは、公共秩序の維持の観点から、警察権の範囲内で必要最小限度の措置として行うものでございます。
外国に所在する攻撃サーバーなどの無害化措置を行います際にも、そもそも国際法上禁止されていない合法的な行為に当たる場合や、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できるような措置に限って実施することとなります。
このように、能動的サイバー防御は国際法上許容されている範囲内で行うものでございまして、他国における安全保障上の脅威認識をいたずらに増大させるものでもないことから、御指摘は当たらないものでございます。
北東アジアの非核化についてでございますが、我が国が、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面し、現実に核兵器などの日本に対する安全保障上の脅威が存在いたします中で、こうした脅威に対応するためには、我が国自身によります防衛努力に加えまして、米国が提供する核を含みます拡大抑止が不可欠である、このように考えております。
このような考えに基づきまして、今般の日米首脳共同声明におきましては、核を含むあらゆる能力による米国の拡大抑止について再確認をいたしました。
北朝鮮情勢について認識を共有し、核、ミサイル問題に共に対処する必要性、北朝鮮の完全な非核化に対する確固たるコミットメントも確認をいたしたところであります。
国民の生命財産を守り抜くために、現実を直視し、我が国にとって不可欠である米国の拡大抑止を含め国の安全保障を確保しつつ、同時に現実を核兵器のない世界という理想に近づけていくべく取り組むことは決して矛盾するものではなく、共に取り組んでまいります。
対話と信頼醸成の多国間枠組みについてでございますが、国際秩序に挑戦がもたらされ、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面いたします中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持は、ますますその重要性を増しておると考えております。
こうした中、ともすれば抑止力か外交力かの二択の議論になりがちでございますが、この二つはどちらも適切に備えていかなければ意味がございません。
すなわち、我が国といたしまして、積極的な外交を展開し、各国との対話を重ね、信頼醸成を図っていく努力は間違いなく必要であります。
同時に、同盟の抑止力及び対処力の維持強化や、同盟国、同志国との連携により、我が国にとって望ましい安全保障環境をつくり出していかなければなりません。今般の共同声明におきましても、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた絶え間ない協力の決意を表明し、その一環として、日米豪印、日米韓、日米豪、日米比といった多層的で共同歩調の取れた協力を推進することを確認したところでございます。
こうした姿勢を貫き、日米同盟を基軸に、友好国、同志国の輪を広げますとともに、各国との対話を重ね、地域及び国際社会の平和と安定に寄与すべく、外交努力を重ねてまいります。
パナマ運河、グリーンランド及びガザ地区に係るトランプ大統領の発言についてでございますが、一連の発言については承知をいたしておりますが、これはアメリカ国内におきましても様々な議論がある現段階におきまして、大統領によります発言の逐一について、日本政府として見解を述べることは適切ではございません。
引き続き、その推移を見極めてまいりますとともに、必要に応じて両政府間で意思疎通を図るなど、適切に対応してまいりたい、このように考えておるところであります。
以上でございます。(拍手)
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