石破茂の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(石破茂君) 田中健議員の御質問にお答え申し上げます。
 税収の還元についてお尋ねをいただきました。
 先日の答弁では、令和六年度当初税収との比較で令和七年度税収が八・八兆円増加していますのは事実でございますが、一方におきまして、現下の厳しい財政事情等を踏まえた議論が必要であるということを申し述べたところでございます。
 具体的には、令和七年度の国の歳出は、給与改善や物価動向の反映などを行いつつ、政策的予算を適切に確保した結果、百十五・五兆円と過去最高となっております。その結果、過去最高と見込まれます税収を歳出に充てましてもなお、赤字公債を含め、二十八・六兆円の新規国債を発行いたしておりまして、令和七年度末の国の債務残高が約千百二十九兆円、GDP比で一七九%に上る見込みでございます。
 国民の皆様方にお返しできるような状況にあるかどうかにつきましては、厳しい財政事情だけではなく歳出による給付等も考慮する必要があることから、具体的にお答えすることは困難でございますが、税収が増加していることのみをもって税金を取り過ぎているとの御指摘は、必ずしも適切ではないものと考えております。
 政府といたしましては、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現することが基本である、このように考えておりまして、引き続き全力で取り組んでおるところでございます。
 百三万円の壁の引上げについてお尋ねをいただきました。
 政府といたしましては、生活必需品を多く含む基礎的支出項目のものを含め、最後の基礎控除の引上げ以降の物価動向等を勘案し、基礎控除の額と給与所得控除の最低保障額を十万円ずつ引き上げ、合計百二十三万円とすることといたしたものでございます。
 このいわゆる百三万円の壁に関しましては、昨年十二月二十日、三党の幹事長間で十二月十一日に合意した内容、すなわち、百七十八万円を目指して引き上げることなどにつきまして、引き続き関係者間で誠実に協議を進めることが確認をされております。合意を踏まえた対応につきましては、財源も含め、引き続き政党間で協議が進められているもの、そのように承知をいたしております。
 ガソリン税についてでございます。
 昨年十二月、自民、公明、国民民主、三党の幹事長間におきまして、いわゆるガソリンの暫定税率を廃止する、具体的な実施方法等については、引き続き関係者間で誠実に協議を進めるとの合意がなされております。
 令和七年度与党税制改正大綱におきましても、引き続き政党間で真摯に協議を行うとされておりまして、政府といたしましては、その結果を踏まえた上、適切に対応いたしてまいります。
 ガソリン価格につきましては、小売価格が全国平均でリッター当たり百八十五円程度になるよう、激変緩和事業で支援を継続しておるところでございます。
 定額減税及び給付金についてでございます。
 給付金、定額減税一体措置に伴い必要となる給付金といたしまして、令和五年度補正予算、令和五年十二月の予備費と令和六年度補正予算によりまして、合計約二・八兆円を措置をいたしております。
 このうち、定額減税し切れないと見込まれる方への調整給付につきましては、迅速な給付、自治体の負担軽減という観点から、令和六年中に入手可能な前年の課税情報を用いて給付額を算定することといたしました上で、支給を一万円単位としたものでございます。
 この結果、定額減税と給付金の一部が重複することなどにつきましては、公平性に配慮することは重要であります一方、一時的な措置でありますことから、企業や地方自治体の事務負担にも配慮することも重要であるとの考え方の下で進めていくことといたしたものでございまして、重複を認めないといった考え方には立たなかったもの、このように承知をいたしております。
 実績が判明し、見込みで給付した調整給付だけでは不足する場合等におきます不足額給付につきましては、自治体に対して円滑な執行に必要な情報の提供を速やかに行っておるところでございまして、支給を一部開始している自治体もあるもの、このように承知をいたしております。自治体の事務負担を軽減する観点から、デジタルの積極活用により、引き続き、可能な限り速やかな給付に向け、努力をいたしてまいります。
 定額減税の実績と効果の分析をしていくことは重要であると考えておりまして、令和六年分の税務統計がまとまります来年度末以降、速やかにその分析を開始し、結果を公表したい、このように考えております。
 デジタル貿易赤字についてでございますが、いわゆるデジタル貿易赤字につきましては、年々拡大をいたしておりまして、二〇二三年では約五兆円となっております。これが拡大し続けていくことは、我が国の経済成長や経済安全保障の観点からも好ましくないと考えております。
 日本国内に事業基盤を持つ事業者によってデジタルサービスが提供されるようにしていくことが重要であり、政府といたしましては、令和七年度当初予算も活用し、デジタルサービスの研究開発投資、データセンター等のインフラ整備、AI分野を始めとする人材育成やスタートアップ支援など、デジタル産業基盤の強化に取り組み、デジタル赤字の拡大抑止、さらには赤字の改善につなげていきたい、このように考えております。
 グローバルサウスとの関係強化でございますが、国際社会が対立と分断を深めます中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、貧困、保健、気候変動といった様々な課題への取組をリードしていくために、グローバルサウスとの連携を強化していくことは極めて重要であります。御指摘のとおりでございます。
 私自身、そうした問題意識を踏まえまして、年始には、ASEAN議長国を務めますマレーシア、この地域で最大の人口と経済規模を誇るインドネシアを訪問し、安全保障協力や資源外交等の分野で具体的成果を得た、このように考えております。
 我が国自身の安定と成長も念頭に、海洋安全保障、災害対応、脱炭素化等の分野で実務的な協力を一層進めていくべく、グローバルサウスの国々との間で積極的な外交を今後とも展開をいたしてまいります。
 暗号資産の税制、制度についてでございます。
 社会問題の解決や生産性を向上させる観点から、暗号資産等のデジタル資産分野の健全な発展に向けて、利用者保護を確保しつつ、ブロックチェーン技術を基盤とするイノベーションの進展を踏まえた環境整備を進めていくことは極めて重要であると考えております。
 これまでも、我が国は、世界に先駆け二〇一七年に暗号資産の交換業者に登録制を導入するなど、利用者保護を確保しつつ、イノベーションを促進するための環境整備に取り組んでまいりました。
 政府といたしましては、今後とも、暗号資産税制の在り方、個人向け暗号資産デリバティブ取引、暗号資産ETFに係る規制の在り方を含めまして検討いたし、必要な取組を進めてまいる所存でございます。
 賃上げ促進税制につきましてであります。
 政府といたしましては、令和四年の衆議院、参議院の委員会での御決議を踏まえ、政府税制調査会の下に設置されました専門家会合等において議論をいただくなど、賃上げ促進税制の効果検証に取り組んでまいりました。
 その結果、客観的なデータによる分析からは、因果関係の特定に課題があり、今後、必要なデータの整備、蓄積や更なる分析手法の精査が必要とされております。こうした結果も踏まえまして、税制の適用企業の実態につきましてのアンケート調査などの更なるデータ収集、分析を進めてまいりました。
 令和六年度税制改正では、教育訓練費に係る上乗せ税額控除の適用実態データを踏まえまして、賃上げ促進税制の制度の見直しを行ったところでございます。
 今般、会計検査院から、教育訓練費に係る上乗せ税額控除について、その効果及び措置の妥当性の検証を行い、見直しを検討することが重要との指摘があったことは承知をいたしております。こうした指摘を踏まえまして、教育訓練費に係る上乗せ税額控除がもたらす賃上げへの政策効果を検証するための追加的なデータの収集方法や分析手法などについて直ちに検討を開始したところでございまして、よりよい制度となりますよう、議論を深めてまいります。
 社会保険料の事業主負担の軽減につきましては、社会保険料が医療や年金等の給付に充てられ、労働者を支えるための事業主の責任であることなどから、慎重な検討が必要である、このように考えております。
 今後の法人税の在り方についてでございますが、我が国の法人税につきましては、世界的な法人税率の引下げ競争が展開されます中、二〇一〇年代に、投資や雇用、賃上げの促進等を図るため、税率を二三・二%まで引き下げ、経済界にはその趣旨を踏まえた国内投資の拡大や賃上げを求めてまいったのでありますが、企業部門では、収益が拡大したにもかかわらず、現預金等が積み上がり続けておりまして、このような状況をどのように転換させていくかが課題となっております。
 令和七年度与党税制大綱におきましても、議員御指摘のような評価が下されておりまして、今後の法人税の在り方につきましては、法人税率を引き上げつつターゲットを絞った政策対応を実施するなど、めり張りのある法人税体系を構築していくとされております。
 政府といたしましては、このような与党税制改正大綱で示された考え方や、経済情勢の変化、国際的な動向等を踏まえながら、不断の見直しを行っていく必要がある、このように考えておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――

発言情報

speech_id: 121705254X00520250214_027

発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-02-14

院: 衆議院

会議名: 本会議