向山好一の発言 (本会議)
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○向山好一君 国民民主党・無所属クラブの向山好一でございます。
地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。(拍手)
まず、石破内閣の基本認識について伺います。
先日、二月七日に総務省が発表した家計調査によりますと、二人以上の世帯が消費に使った一世帯当たりの月間の平均額が三十万二百四十三円、実質で前年を一・一%減少したということです。賃金がそれなりに上がり、物価が上がっているにもかかわらず、消費額が減少しています。これは、手取りが上がっていないあかしではないでしょうか。個人消費が伸びないとGDPが伸びるはずがありません。
さらに、二〇二四年のエンゲル係数が二八・三%まで上昇し、一九八一年以来の高水準になったということでございます。アメリカ一六%、ドイツ一九%、イギリス二二%、お隣の韓国は一二%、日本はOECD主要国の中で断トツ一位になっているわけであります。
この家計調査は、国民負担が高くて、手取りが増えずに、物価高に苦しめられていながらも、毎日何とかしてやりくりしている、このような国民生活の実態を如実に映し出しているのではないでしょうか。この国民のSOSは、政府に届いているんでしょうか。
この状況から抜け出すためには、現在四五・一%と高止まりしている国民負担率を下げる、つまり減税を実施することが必要不可欠だと思いますが、石破内閣にはこういった御認識がおありでしょうか。まずはお伺いいたします。
次に、地方税法の改正について伺います。
今回の改正の内容は、所得税の基礎控除等の百三万の壁を引き上げることに対応した改正になっております。しかし、その額は、私たち国民民主党が切実な声を受け止めて、手取りを上げる政策として掲げ、そして、昨年十二月十一日に三党で合意した、百七十八万円まで引き上げるからほど遠い、百二十三万円を前提としたものであります。これは国民への裏切りではありませんか。
先週、街頭で街頭演説をしていますと、ある若い女性から歩み寄ってこられまして、切実な要望をお聞きいたしました。その方は母子家庭の母親で、毎日一生懸命働き月給が二十二万円、税金等の公的負担が差し引かれ手取りが十五万円程度、そこから家賃や光熱費、教育費などを支払って月八万円で生活しているとのことです。この物価高で、最低限の生活をしても足らないです、何とかしてほしいと切実におっしゃっておられました。
厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査によると、令和三年度の数値で、一人親世帯の平均年収、就労収入が二百三十六万円。先ほどの話は特別なものではなく、国民生活のまさしく実態なのであります。
今回提案されている個人住民税の減税額は年間一万円、月に換算するとたったの八百円程度にしかなりません。これでは全く国民の悲鳴に応えたことにならないのではないでしょうか。政府は、基礎的支出の物価上昇に対応したものと胸を張っておられますけれども、この案なら消費者物価上昇の対応にもならないのは明らかであります。
改めて、住民税の基礎控除等の更なる引上げを政府に求めます。
この国民民主党が求める百七十八万円までの引上げに対して、政府は、地方税の減税額が四兆円程度と試算し、国と地方を合わせた財源に大きな影響を与えると、ネガティブな情報を発信しています。しかし、果たしてそのとおりでしょうか。
今年一月十七日に内閣府が発表した中長期の経済財政に関する試算を見てみますと、生産性上昇率が直近の景気循環の平均値〇・五%を想定した過去投影ケースで、国と地方を合わせた基礎的財政収支、プライマリーバランスが、来年度は少し悪化して四・五兆円の赤字となるものの、二〇二六年度からは平均して一・五兆円の黒字を予想しています。
その中で、地方財政の収支を見てみますと、例えば、二〇二六年度が八・二兆円、二〇二七年度が八・五兆円、今後ずっと約八兆円程度の黒字を見込んでおられます。この試算は、所得税の控除額を百二十三万円まで引き上げることを織り込んだ数値であります。
さらに、生産性上昇率の前提を過去四十年の平均値一・一%と想定する成長移行ケースとすれば、プライマリーバランスの黒字額は更に大きくなります。
政府自ら、好調な税収を背景に国と地方を合わせた財政が相当に改善していくことを発表しているにもかかわらず、なぜその恩恵を国民に還元しないのでしょうか。御見解をお伺いいたします。
さらに、百七十八万円まで引き上げた場合の地方税の減収に対し、地方公共団体の首長さんから、保育所サービスができなくなるのではないか、ごみ収集ができなくなる、あるいは福祉の切捨てになるのではないかといった懸念の声が上がっております。果たしてそのようなことが起こるのでしょうか。
地方財政の仕組みとして、税制改正による地方税減収分は、基準財政収入の減少を通じて普通交付税で補填されます。結果として、臨時財政対策債が増加するかもしれませんが、基準財政需要額は確保される制度になっているんです。
先ほど例示しました行政サービスの低下は、現行の財政ルールが変更される以外にはあり得ないことなんです。地方税の減税をこれ以上引き上げない要因の一つがそこにあるなら、極論や飛躍し過ぎた議論はやめていただきたいし、いたずらに住民の皆さんの不安をあおることはやめるべきだと思います。
私たちは、理不尽な制度を提案しているわけではありません。ましてや、地方財政に悪影響を与えるようなことがないように対策を打つことが大前提であることは明確に何度も申し上げております。その上で、ちゃんと理にかなう、これまで取り組んでこなかった税制の是正を求めているのであります。政府に御見解を求めます。
次に、地方財政の偏在化の是正について伺います。
一月三十一日に公表された総務省住民基本台帳人口移動報告によりますと、二〇二四年の転出超過が四十道府県、東京都は約八万人の転入超過となっています。明らかに東京一極集中が加速しているのです。
そのことの地方財政への影響は、財政偏在化の進展です。これまでにも、幾度となく、地方法人税の税制改正等でこの偏在化是正の取組をされてきました。しかし、令和四年度での数値ですが、全国での人口一人当たりの最大税収格差が、トップの東京都と比べると、個人住民税で二・五倍、固定資産が二・三倍、対策を打ってきたはずの地方法人二税は何と五・九倍と逆に広がっております。
東京一極集中の是正は引き続きやらなければいけませんが、目の前の現実を直視すれば、地方財政の持続的安定化のためには税制上の更なる対策が必要になってきているのではないでしょうか。石破総理の看板政策でもある地方創生二・〇の前進のためにも、検討すべき時期に来ているのではないかと思います。御見解をお聞きいたします。
次に、ふるさと納税について質問いたします。
この制度は、平成二十年度に導入され、今年で十七年が経過いたしました。導入時の寄附額は八十一億円でしたが、令和五年度には一兆一千百七十五億円まで膨れ上がっています。その要因は魅力的な返礼品です。このことで、当初の趣旨、目的から逸脱しているのではないか、自治体の税収に大きな影響を与えているなど問題点が指摘され、制度の改善あるいは廃止などの要望が自治体からも出てきております。
そこで、私から二点質問をいたします。
毎年、年末になると、大手EC事業者から、テレビ等でふるさと納税を促すコマーシャルが流れます。これに私は違和感を覚えております。現在、ふるさと納税の五〇%、約五千億円が募集費用で失われています。そのうち、一二%がEC事業者への手数料等です。額にして一千億円以上、納税事務が営利目的に利用されていることになっているんです。
国や自治体が、現在の民間が運営しているサイトと同様のサービスを行うことは難しいことではないように思います。貴重な税収の五割が返礼品、ポータルサイトの手数料、送料や広告費に消えている現状を改善すべきではないでしょうか。お考えをお伺いいたします。
二つ目は、以前から指摘されている、高額納税者、つまり高額所得者ほど有利な制度になっている点です。
総務省の試算では、二千円を除いた全額が控除される目安として、夫婦と大学生、高校生の子供二人の家庭で、年収三百万の家庭ではゼロです。一千万円で十四万四千円、二千五百万円で八十一万七千円となっています。これは、高額納税者が優遇され過ぎているのではないでしょうか。せめて、全額控除される上限額を設ける、例えば五十万円に設定するなどの税の不公平感の解消を行うべきではないかと強く思っております。御見解をお伺いいたします。
最後に、軽油引取税について質問いたします。
私ども国民民主党は、他党に先駆けて、ガソリン税のトリガー条項の凍結解除、つまり、暫定税率分の減税を訴えてきました。その背景は、ウクライナ紛争や円安等の影響で燃料費が高騰し、輸送費を含め、家計を圧迫している現状を鑑み、暫定的に始まり、五十年以上も続いている上乗せ分をやめるべきだという政策判断なんです。もちろん、物流に大きな役割を担っている軽油も同様の状況になっております。
帝国データバンクが昨年末に発表した報告書によりますと、二〇二五年の見通しとして、一月から四月までに値上げが決まっている飲食料品は約六千品目、昨年の六割増です。年間では一万五千から二万品目が値上げされる見通しだということです。さらに、この値上げの要因の第一位が原材料費高の九三・二%、その次が物流費高の七八・四%。人件費四九・三%や円安一九・二%を大きく引き離し、値上げの大きな要因となっているものが物流費なのです。逆に言えば、物流費が下がれば大半の物価を下げることができます。
その物流を担うトラックの燃料の大半が軽油です。しかし、軽油には、今なお一リットル当たり十七・一円の暫定税率が上乗せされています。ガソリンとともに軽油に課されている暫定税率の存在は、今や国民生活に直結する大きな問題となっています。国民のSOSに応えるために、暫定税率は即刻廃止すべきではありませんか。
昨年末の三党合意の中には、いわゆるガソリン税の暫定税率は廃止すると明記しています。国民の皆さんは期待しているんです。三党合意の重みと国民の皆さんの悲鳴を真摯に受け止めるべきです。物価高騰への即効薬である軽油引取税の暫定税率の廃止を、ガソリンとともにいつ実施されるおつもりなのでしょうか。明確な御答弁を求めます。
以上、地方の暮らしに根づいた質問を、税金を使う側じゃなくて、税金を納める側から行いました。国民生活を直視した誠意ある答弁を求め、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣村上誠一郎君登壇〕