岩谷良平の発言 (本会議)

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○岩谷良平君 日本維新の会の岩谷良平です。
 会派を代表し、ただいま議題となっております令和七年度予算原案三案及び一般会計予算に対する修正案並びに特別会計予算に対する修正案について討論を行います。(拍手)
 昨年十月の衆議院選挙の結果、衆議院は与党過半数割れとなり、自民党、公明党だけでは予算はおろか法律案一本たりとも成立をさせることができなくなりました。
 同時に、この与党過半数割れの状況は、我々日本維新の会のようなキャスチングボートを握っている政党が、自公政権が進めてこなかった日本の国家国民にとって真に必要な改革を少しでも前に進めるチャンスでもあります。それが、日本維新の会に大切な一票を投じてくださった有権者を含め、衆議院選挙で自公を過半数割れに追いやった民意に応える政治の責任だと確信しています。
 このような認識の下、この数か月にわたり、与党・政府との間で、複数の分野において、予算修正や改革実現に向けた真摯な協議を重ねてまいりました。結果として、教育の無償化などの子育てや人への投資の拡充、そして社会保険料を下げる改革について与党との間で合意するに至り、関連する所要の修正が予算案に加えられたことをもって、我々日本維新の会は、全てに賛成ではありませんが、国民の暮らしを守るため、そして次世代と日本の未来のため、責任ある野党として令和七年度予算案に関して賛成します。
 以下、賛成の理由に関して、今般の日本維新の会と自公との間での合意内容に基づき申し述べます。
 まず、教育の無償化などの子育てや人への投資の拡充についてです。
 この国の最大の課題は何でしょうか。失われた三十年と呼ばれる成長しない経済と少子高齢化に伴い、国民負担だけが増え、実質賃金は伸びない、GDPは人口が日本の三分の二しかないドイツにも抜かれ、経済の国際競争力の低下は火を見るより明らかです。次代を担う人材の育成をないがしろにし、少子化対策にも十分な対策を講じてこなかったツケが、国民の暮らしに今重くのしかかっています。
 教育は国家百年の大計です。子供は国にとって宝であり、子供たちの無限の可能性を伸ばすことが、ひいては日本の競争力を高め、持続可能な成長を実現する。そのために、政府は、子育てに係る家庭の負担を減らし、教育への公的支出を増やし、教育の機会確保と質の向上を実現できるよう、予算の拡充を含めた教育改革を推し進めなければならない。このことは、長年、再三にわたり日本維新の会から申し上げてきたとおりです。
 今般の与党との合意では、我々日本維新の会が結党より掲げてきた教育の無償化、とりわけ私立高校を含む高校の無償化、給食の無償化、そしてゼロ歳から二歳を含む幼児教育、保育の支援について、政府・与党が年限を決めて具体的な実現を約束し、まずは令和七年度予算として一千六十四億円の修正が実現しました。
 子供たちが親の所得にかかわらず主体的に自らの進路を選択し学べる社会を実現するための大きな一歩であり、現役世代の教育や子育てに関する経済的な負担を軽減して手取りを増やす、経済対策や少子化対策としても重要な政策の進展です。
 教育の無償化にまつわる様々な懸念を解消し、子供たちにより質の高い教育を提供できるようにするため、日本維新の会は、政府・与党との協議を続け、制度改善にこれからも責任を果たしていく所存ですので、子育てや人への投資の拡充という目標を掲げられている他の野党の皆様にも、大局的な視点から、是非建設的に議論へ御参画いただきたいと思います。
 なお、これらの施策の実現に当たっては、政府全体で徹底した行財政改革を行うことにより安定的な財源を確保することが合意文書には明記されました。教育の無償化などの教育、子育てに関する予算をせっかく増やしても、さらにこの上、赤字国債を発行し、次世代に負担を負わせるようなことをしてしまえば、それは本末転倒です。財源確保に当たっては、増税をせず、安易な国債発行に頼らず、徹底した行財政改革など歳出面での改革を追求することで、将来世代にツケを残すことがないよう、政府・与党とも協議を続けてまいります。
 次に、社会保険料を下げる改革についてです。
 少子高齢化とともに上がり続けた我が国の国民全体の所得に占める税金と社会保障費の負担の割合のうち、特に増えているのが社会保険料の負担です。例えば、独身で年収三百五十万円のケースでは、所得税の負担は年約七万円である一方、社会保険料は年五十万円にも上り、現役世代の大きな負担となるばかりか、同額を事業主も負担することから、中小企業に賃上げが波及しない要因にもなってしまっています。
 国民の安心や生活の安定を支えるセーフティーネットであるはずの社会保障制度が、社会保険料の過度な負担を現役世代に課すことで、社会の活力を奪い、ひいては、医療、介護を含む社会サービスの持続可能性自体に懸念を生じさせる事態になっています。
 特に、医療保険などによる給付のほか、公費負担、患者負担によって支払われた医療費の総額である国民医療費は、令和四年に四十六兆円に及び、なおも毎年一兆円規模で増え続けています。本年、令和七年には、団塊の世代全員が七十五歳以上の後期高齢者となることを踏まえれば、早急に医療と健康保険の在り方にメスを入れ、上がり続けている社会保険料負担を引き下げることが、現役世代の負担を抑え、経済に活力を取り戻し、そして制度を持続させる上で必要不可欠であるということは、否定しようがない事実です。
 今回の日本維新の会と与党との三党協議では、現役世代の社会保険料負担を軽減し、持続可能な社会保障制度を構築するため、具体的な改革を進めることで合意に至りました。
 国民医療費総額年間最低四兆円の削減と一人当たり年間六万円の引下げという維新の主張がアジェンダとして位置づけられ、新たに設置される三党の協議体では、OTC類似薬の保険給付の在り方の見直し、応能負担の徹底、医療DX、医療、介護産業の成長産業化などを通じた効率的で質の高い医療の実現など、社会保障改革のための具体的な柱に基づいた議論を進め、早期に実現可能な具体策については令和八年度から実行に移し、社会保険料の引下げにつなげてまいります。
 健康保険の本来の意義とは、予測困難な健康上の問題を前にした国民が、高額な医療費で治療を諦めることがないようにすることです。まさに健康保険の機能を象徴する高額療養費制度のような制度を守るためにも、軽微な症状は自分で治す、処方箋なしで薬局で買える医薬品は保険を使わず買っていただく、ジェネリック医薬品を選択してもらうなど、少しの不便を全世代の国民で分かち合っていただくと同時に、医療提供者側にも、DXを通じた効率化や、過剰な医療については是正を求めるような改革を実行していきます。
 この改革は、企業・団体献金を受け取っておらず、しがらみなく、どんな立場の方々に対しても率直な意見を申し上げることができる日本維新の会だからこそ、批判を恐れずに実現を目指せる改革であります。国民の命を守る医療を守り、社会保険料を下げて現役世代の生活を守る、このことに我々日本維新の会は真正面から取り組んでいきます。
 さらに、今回の三党合意では、年収百三十万円の壁による手取り減、働き控えの問題についても、賃上げや就業延長による収入を増加させる事業者への支援策の拡充を図ることも盛り込まれました。壁を意識しない働き方についても、目的を同じくする方々とも知恵を結集し、実現に邁進してまいります。
 いわゆる百三万円の壁の対策については、我々は、今回の改正案を減税という観点からは一歩前進として賛成するものの、それで決して満足はしていません。
 そこで、昨日、私は、自民党の森山幹事長、公明党の西田幹事長と会談し、三党で合意文に署名いたしました。その内容は、自民党、公明党に対し、国民民主党と合意したいわゆる百三万円の壁の百七十八万円までの引上げについて誠実に対応することを求めるものです。改めて、与党には、本件について国民民主党と真摯に協議していただくことを求めます。
 また、我々がかねてから主張しているいわゆるガソリンの暫定税率については、昨日、令和八年度から廃止する独自法案を衆議院に提出し、自公の幹事長と、これについても今後実現に向けて協議を行うこと、さらに、同じく廃止を掲げる立憲民主党、国民民主党にも協議への参加を呼びかけることに合意しました。立憲民主党の皆さん、国民民主党の皆さん、是非、協議に御参加いただき、力を合わせ、共にガソリン暫定税率の廃止を現実的に実現しようではありませんか。
 以上、申し述べさせていただいたように、我々日本維新の会は、責任ある野党として、教育の無償化などの子育てや人への投資の拡充、そして社会保険料を下げる改革という、重要かつ緊急的な国家的課題に関して一定の政策的な成果を得たことをもって本予算案に賛成することを決めました。
 もちろん、全てにおいて賛成ではございません。例えば、高額療養費制度の問題、地方創生のための補助金、防衛増税の入口となるようなたばこ税の増税、そしてそもそも不十分な行財政改革などに関しては、日本維新の会としては従来から反対の立場であり、今後もその態度を示してまいります。また、三党合意に関して、その内容が不十分であるといった御批判があれば、そのことには真摯に耳を傾け、よりよい政策の実現につなげていきたいと考えています。
 しかし、少数与党の状況の今、政策実現と引換えに予算案に賛成することをもって、自民党、公明党に助け船を出しているとか、他党の政策実現を妨げているといった批判があるとすれば、そのことには反論をさせていただかなければなりません。手取り増につながる減税は進めなくてよいのでしょうか。教育の無償化は、社会保険料の引下げは、百三十万円の壁対策はしなくてよいのでしょうか。
 国会議員それぞれが国民から選ばれた代表であり、各党は異なる政策を掲げているからこそ、与野党に分かれ、別々の政党として活動しています。どの意見も傾聴に値するし、ほとんどの場合、どちらの意見が正しいか間違っているかという、単純な二元論では処理できない複雑な課題ばかりを私たちは扱っています。議員間、政党間の意見の違いを尊重し、真摯に協議や議論を行い、一定の一致点を見出し政策実現につなげていくことが、国民、有権者の信託を受けた我々議員の役割ではないでしょうか。
 我々日本維新の会は、責任野党として、国家国民のため、次世代と未来の日本のため、政策実現を追求しました。我々は、公約の実現と合意にある政策の実現に最後まで責任を果たしてまいります。
 我々日本維新の会は、次世代のための党として、社会保険料の引下げと教育の無償化、統治機構改革、経済成長、そして憲法改正を実現します。我々は、結果を出すことにこだわります。他党を敵視するのではなく、国民の利益と国益の実現を共に目指すよきライバルとして、敬意を持って向き合ってまいります。
 明日の日本を少しでもよくしていくとの思いの下、次世代のために共に全力を尽くしていくことを本院議員の皆様にお呼びかけして、日本維新の会を代表しての私の討論を終えさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 岩谷良平

speaker_id: 33412

日付: 2025-03-04

院: 衆議院

会議名: 本会議