武藤容治の発言 (本会議)
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○国務大臣(武藤容治君) 池田真紀議員の御質問にお答えをします。
過去の半導体政策の反省及び今後の適切な投資の方針についてお尋ねがありました。
過去の政府支援については、例えば、国内企業の再編や日の丸自前主義の技術開発に注力する傾向にあり、技術開発や販路開拓の面での海外との連携やグローバルな技術動向への対応が不十分であったこと、機動的かつ適切な投資支援策を講ずることができなかったことなどの反省点があると認識しておるところであります。
現在の半導体政策は、こうした過去の反省を踏まえた上で、例えば、ラピダスプロジェクトにおいて、米国のIBMやベルギーのimecといった海外トップクラスの機関との密接な連携を進めるとともに、顧客開拓にもつながる設計開発支援を行っています。また、機動的に適切な規模の支援を実施できるよう、本法案により、AI、半導体分野へ七年間で十兆円以上の公的支援を行う財源フレームを措置いたします。これらを通じて、適切な投資支援を講じてまいります。
次に、国家プロジェクトにおいて、補助のみならず、国が大型出資者となれば国の責任が明確になるとの考えについてお尋ねいただきました。
補助や出資といった政策手段が異なる場合であっても、政府が支援を行った主体として責任を負っていることに変わりはありません。
その上で、AI・半導体産業基盤強化フレームでは、支援対象となるプロジェクトによって、研究開発や設備投資といった事業フェーズ等が異なることが想定されています。適切な政策手段は個々のプロジェクトの事業フェーズに応じて変わり得るため、一概に国の出資が適切であるとは考えていません。
個々のプロジェクトの事業フェーズ等を丁寧に見極めた上で、国による出資を含めて、適切な政策手段を講じてまいります。
財投特会投資勘定から繰り入れる理由と公債の使途についてお尋ねがありました。
財投特会投資勘定からの出資は、収益性の見込める事業を対象としています。今回の法案では、補助や委託等を通じて、次世代半導体の生産を行う産業の育成等を支援し、将来の投資勘定からの出資や収益確保につなげていくことを目的としています。そのため、補助や委託等の実績が豊富なエネルギー対策特別会計に新たな勘定を設け、財投特会投資勘定から資金を繰り入れることとしました。
また、新たに発行する公債の使途は、半導体、AI施策に限定します。
次に、既存基金からの国庫納付金の活用について、経産省所管の既存基金に限定する理由についてお尋ねがありました。
AI、半導体分野への支援は、中小企業を含めた我が国の各産業の競争力強化や、それに向けた経済基盤の維持につながるものです。
既存基金からの国庫納付金の活用については、AI、半導体分野への支援と同じ目的で措置された基金を活用することが適当です。
そのため、産業競争力の強化やそれに向けた経済基盤の維持を目的に予算措置を行ってきた経済産業省所管の既存基金に限定することとしました。
GX経済移行債を活用する理由についてもお尋ねがありました。
GX経済移行債を活用した先行投資支援は、基本原則として、民間のみでは投資判断が真に困難で、産業競争力強化、経済成長及び排出削減のいずれの実現にも貢献する分野を対象としています。
今後、AI、半導体の活用を通じ、DXの加速がGXの効果を最大化すると想定をされます。また、今後増大するデータセンターの電力需要への対応には半導体の高度化が不可欠です。このような点が基本原則に一致すると考えられることから、GX経済移行債を活用することとしました。
これまでも、パワー半導体や関連部材の設備投資、AI半導体の設計等への支援に関する予算措置では、基本原則に合致するものとしてGX経済移行債を活用しており、これらとも整合的と考えています。
AI・半導体産業基盤強化フレームの支援事業の透明性確保についてお尋ねがありました。
AI、半導体関連予算については、財政当局の査定や国会の審議を経て、必要な予算措置を講じた上で、外部有識者の審査等を経て採択決定を行います。
また、事業のモニタリングについては、行政事業レビューなどに加えて、大規模な支援事業は、第三者の評価の下で、事業計画の策定と併せてマイルストーンを設定し、その達成状況を確認しつつ、事業計画の見直し等を判断する枠組みを構築し、支援を講じてまいります。
こうしたモニタリングの結果については、事業者の営業上の機密事項にも配意しつつ、可能な限り公表することで透明性を確保してまいります。
5G促進法の支援対象との区別、重複についてお尋ねがありました。
本法案で公募対象となる半導体については、極めて大量の情報を極めて高速度で処理することを可能とする半導体であること等の要件に該当するものを指定するため、5G促進法の対象と比較して、対象範囲をより先端的なものに絞ることを想定しています。
また、本法案における金融支援については、民間からの資金調達を促す観点から、出資による財務基盤の強化等が有効であると判断し、措置するものです。
一方、5G促進法等による補助金支援は事業コストを低減するために有効な措置であるところ、支援の目的や内容は異なるもので重複しておりません。
いずれにしても、必要な予算については、毎年度、予算案を国会に提出し、御審議いただくことになります。
公募により選定される事業者の数、選定、評価の方法についてお尋ねがありました。
次世代半導体の量産に向けた金融支援を行うに当たっては、政策資源を集中的に投下し、次世代半導体の量産を迅速かつ確実に実現させるため、指定した半導体に対して、最も適切な事業者を公募により一者のみ選定し、支援を講じることとします。
また、客観性を担保するために、事業者の選定に当たっては、産業構造審議会に設置した次世代半導体等小委員会において、半導体の技術、経営、金融等に関して高い知見や経験を有する外部有識者の意見を踏まえ、事業計画等を精査した上で決定することとします。
デジタル人材と半導体人材の養成についてお尋ねがありました。
IPAは、現行法の規定の範囲で、情報処理技術者試験の実施や運営、デジタル人材育成に関する指針の策定等の取組を行ってきました。
今回の法改正でデジタル人材の育成を業務追加することにより、例えば、IPA独自の人材育成コンテンツの作成や提供等を新たに行うことができるようになります。
また、半導体の人材育成については、大学、高専、高校といった地域の教育機関と協働することも重要です。経済産業省では、各地域で半導体人材育成等を担うコンソーシアムを設立しており、今後も、これらの教育機関を含む地域の産学官と連携しながら、地域の実情に応じた人材育成、確保の取組を推進してまいります。
地域産業構造転換インフラ整備推進交付金の進捗状況と使途の範囲についてお尋ねがありました。
地域産業構造転換インフラ整備推進交付金は、内閣府の下、関係省庁が連携して支援を行うものであり、令和六年度補正予算においても、北海道、岩手、広島、熊本の四つのプロジェクトを対象として所要額が配分されたところです。
このうち、経済産業省としては、工業用水道整備事業として、令和五年度補正予算及び令和六年度補正予算において約十九億円を執行しており、これまでも、地方公共団体から提出のあった実施計画に沿って進捗状況の確認を行っているところであります。
また、お尋ねの交付金の使途の範囲については、交付金の趣旨を踏まえ、必要に応じて、それぞれの分野を所管する関係省庁と連携をして、その要否を含めて検討してまいります。
半導体関連産業の集積についてお尋ねがありました。
半導体への大規模投資は、地方経済に広範な波及効果をもたらします。例えば、TSMCが進出をしている熊本県では、TSMCの進出決定以降、公表されている情報だけでも八十六社の企業が熊本県への進出又は設備拡張を決定しています。
経済産業省としても、国内外の関連企業に近隣への進出を呼びかけており、例えば北海道では、海外のASMLやアプライドマテリアルズなどが新たに拠点を設置しています。
また、関連インフラの不足が集積を阻害することとならないよう、関係省庁や地元自治体と連携をし、TSMCやラピダス等の拠点整備に必要な工業用水や道路等の整備を支援しています。これらの取組を通じて、関連産業の集積を進めてまいります。
ラピダスの排水に含まれるPFASとその対応についてお尋ねがありました。
ラピダスでは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律により使用が禁止されているPFOS、PFOA、PFHxSについては使用しておりません。
また、取引先にPFOSとPFOAが含まれる場合に備え、ラピダス社と北海道庁との間で、これらの合算値について、水道水の暫定目標値の一リットル当たり五十ナノグラム以下で排水する協定が締結されています。
経済産業省としても、ラピダスが本協定を含め関係法令等をしっかり遵守するとともに、地域住民に丁寧な説明を行っていくよう、引き続き指導してまいります。
また、今年度から、PFASの代替技術等に関する最新動向、社会実装に向けた課題等の調査、分析を実施しています。こうした取組を通じて、民間の研究開発を促してまいります。PFASの代替材料が開発された際には、ラピダスが品質等を評価した上で活用を検討すると認識しており、経済産業省としても必要に応じて対応策を検討してまいります。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇〕