武藤容治の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(武藤容治君) 斉木議員にお答えする前に、先ほど池田議員から、PFASについてお答えする中で、取水先と言うべきところを取引先と申し上げました。大変失礼しました。取水先に訂正をさせていただきます。
 それでは、斉木議員の質問にお答えをさせていただきます。
 半導体産業へのこれまでの公的支援の投入額や効果、今後の投入額やその内訳についてお尋ねがございました。
 半導体産業等に関しましては、半導体・デジタル産業戦略を策定をした二〇二一年六月以降、これまでに、特定半導体基金、経済安全保障基金、ポスト5G基金を通じて、合計約五・二兆円の予算を措置してきたところであります。
 こうした支援を通じて、例えば熊本ではTSMCが先端ロジック半導体の量産を開始しており、我が国におけるミッシングピースの一つを埋めることができたと評価しています。また、九州地域では昨年度の設備投資額の伸びが過去最高を記録したほか、熊本県では十年間で関連産業全体で一万人以上の雇用効果が見込まれるとの試算もあるなど、大きな経済波及効果が表れています。
 今後については、昨年の経済対策で策定したAI・半導体産業基盤強化フレームに基づき、半導体、AI分野に対して、七年間で十兆円以上の公的支援を行い、十年間で五十兆円を超える官民投資を誘発してまいります。
 このフレームの支援対象には、次世代半導体からレガシー半導体、製造装置、部素材、AI等が含まれますが、個別案件の選定は、産業競争力や経済成長につながること、そして、経済安全保障上の重要性、公的支援がなければ投資が行えないこと等の観点に基づき、優先順位をつけた上で実施します。その上で、毎年度、支援に要する予算について国会で御審議いただくことを想定しています。
 このため、現時点で、いずれの対象に幾らの支援額といった内訳をお示しすることは困難であることを御理解ください。
 次世代半導体の開発の成功とは何を意味するのか、量産化の成功とみなす際の具体的な判断基準、そして、その際の製造能力についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、国からの委託研究開発としてのラピダスプロジェクトの成功は、二〇二七年に二ナノ世代の次世代半導体の量産化を実現することです。
 一方で、ラピダスが量産事業で成功するために、どのタイミングでどれだけの歩留りや製造能力を達成すべきかについては、企業の競争上の機微情報に当たり、他社の状況や市場の状況等を踏まえた判断が必要となるため、現時点でお答えは差し控えさせていただきたいと思います。なお、これらの製造情報は、TSMC等の海外トップ企業も開示していないものであります。
 経済産業省としては、今般の法案に基づく公募、選定プロセスの中で、歩留りを含めた進捗状況の確認方法や支援継続に関する判断方法について、今後、外部有識者の意見も踏まえながら検討を行ってまいります。
 次世代パワー半導体の開発支援についてお尋ねがありました。
 パワー半導体は、電動車や鉄道、電力インフラなどに必要な部品です。このため、経済産業省では、炭化ケイ素や窒化ガリウムなどによる次世代パワー半導体についても、高性能化や低コスト化を目指した研究開発の支援を行っています。
 また、足下で必要となるパワー半導体の量産設備投資についても支援を行っており、引き続き、サプライチェーンの強靱化に取り組んでまいります。
 安定した地元雇用の拡大と維持についてお尋ねがありました。
 半導体の大規模投資は、関連企業の進出や雇用創出など、地方経済に波及効果をもたらします。例えば、TSMCの進出を契機に、昨年度の九州における設備投資額の伸びは過去最高を記録しており、十年間で、関連産業全体で一万人以上の雇用効果が見込まれるとの試算もあります。
 地元経済への波及効果を拡大するため、政府としても、地元企業と半導体関連企業とのマッチング支援や、人材育成、確保支援を実施しているところです。
 また、今般の法案においても、支援対象事業者に対し、地方公共団体等との連携や地域経済活性化への寄与を求めることとしており、政府として、こうした観点からも事業者から提出される計画を審査してまいります。
 ラピダスが成功する裏づけ、技術開発における見極め、二〇二七年に量産化が実現しなかった場合の対応についてお尋ねがありました。
 ラピダスプロジェクトでは、高い歩留りの実現が重要になります。このため、ラピダスから約百五十名の技術者が米国IBMの拠点に派遣され、現地の技術者とともに二ナノ半導体の製造技術開発に取り組んできたところです。
 こうした製造技術の開発状況等については外部有識者による委員会で評価することとしており、昨年十月に実施した委員会では、順調に進捗していると評価されております。
 また、顧客獲得には継続的な技術開発が重要であり、同社においても、二ナノ以降も、一・四ナノや一ナノの半導体について研究開発を実施する方針ですが、これは民間資金を活用しながら実施していくものと承知をしております。
 他方で、二ナノを含めた次世代半導体については、海外のトップ企業も含めてどの事業者もいまだ量産に至っていない野心的な取組でもあり、二〇二七年より開発が遅延するリスクも存在するものと認識しています。
 経済産業省としては、半導体の技術や経営などの外部専門家等を交えて事業計画等を精査し、適切なマイルストーンを設定した上で事業の進捗を確認することとしており、開発が遅延した場合には、こうした見極めも踏まえつつ、必要な対応を行ってまいります。
 最先端半導体の市場開拓、アプリケーション志向の先端半導体開発、競合他社との競争優位性についてお尋ねがありました。
 経済産業省としても、半導体を活用する需要側の市場開拓やアプリケーション志向の開発は重要と考えています。このため、例えば、需要側の先端半導体の活用を促す取組を支援しています。具体的には、自動車用先端半導体など、アプリケーション志向の半導体の設計開発に対する複数の支援を実施しており、令和六年度補正予算と令和七年度当初予算案に関連予算を計上しています。
 競合他社との競争に際しては、半導体需要の多様化が進むと見込まれる中で、短納期製造の需要を機動的に確保することが重要になります。ラピダスは、新たな生産方式等による短納期製造を目指しており、この点でインテル等の競合他社との差別化を図り、競争優位を確保する方針です。
 大企業がラピダスへの追加出資に踏み切らない理由と既存出資者等による追加投資の計画についてお尋ねがありました。
 ラピダスが開発する二ナノの次世代半導体の量産は、海外のトップ企業もまだ実現に至っていない野心的な取組です。
 これまでは、まだ研究開発の初期段階にあることや、量産を開始し売上げや利益を上げるまでに相応の時間がかかる状況であることもあり、現時点では、トヨタ等による民間企業からの出資は合計七十三億円となっています。
 しかし、現在は、量産準備の開始が近づいており、既存株主等の企業とラピダスとの間で一千億円規模の追加出資に関する調整が本格化していると認識しているところです。
 ラピダスの個人株主に関する情報開示についてお尋ねがありました。
 個人株主の情報開示については、プライバシー保護の観点を踏まえて慎重に対応する必要があります。
 一方、ラピダスに対する支援については、これまでも、毎年度、外部有識者による厳格な審査を踏まえて決定しており、今後も同様に外部有識者の確認を経ることを想定しています。そのため、政策決定過程がゆがめられることはないと考えます。
 投資回収の確実性と担保についてお尋ねがありました。
 本法案に基づき、公募を通じて選定された事業者への支援については、外部有識者に確認いただきつつ、適切なマイルストーンを設定し、事業計画等を精査した上で実施していきます。また、必要となる予算については毎年度国会に提出し、御審議いただきます。
 その上で、事業者に出資を行った場合の株主については、市場の動向や事業者の経営、財務状況等を注視し勘案しながら、適切なタイミングで売却していくこと等により、公的資金の回収を最大限図っていくことを想定しております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

発言情報

speech_id: 121705254X01120250325_023

発言者: 武藤容治

speaker_id: 5964

日付: 2025-03-25

院: 衆議院

会議名: 本会議