浅野哲の発言 (本会議)

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○浅野哲君 国民民主党の浅野哲です。
 ただいま議題となりました令和七年度予算案の回付案に関連して質問いたします。(拍手)
 衆議院は、三月四日の本会議において、令和七年度予算案の修正案を可決いたしました。この議決に至るまでに、衆議院では予算委員会における審議を様々な視点から重ねてまいりました。特に高額療養費制度については、当事者の意見を聞くことなく決定した経緯もあって、野党各党から再三にわたり制度見直しの再考を求められ、多数回該当の自己負担額を据え置く結論を得た上での採決でありました。しかし、衆議院での採決後、たった三日のうちに、石破総理は、この予算案の中身を変更し、高額療養費制度の見直し全体を見合わせるという意向を表明したのであります。
 我が国の国会は、二院制を取っています。その本旨から、参議院での予算案の再修正は当然あり得るものです。しかし、なぜたった三日で判断が変わったのか、その際の判断指標は何だったのか、石破総理が今回の決断をした最終的な根拠、これら三点を併せて総理に伺います。
 そして、当事者と面会したことで総理の判断が変わったのであれば、これは政府の政策決定プロセス自体にそもそも問題があるということになります。今回の経過を踏まえ、今後の本制度見直しの際には、当事者の参画や意見聴取の機会を設け、十分な判断材料を得ておく必要があると考えます。少なくとも、この秋までの検討では、高額療養費制度利用者の代表を検討メンバーに加えるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 また、政府は、当初、少子化対策の財源の一部に高額療養費制度の見直し分、二〇二五年度発現分として六百億円程度を見込んでいたと思いますが、今回の制度見直しの全面凍結によって修正を要した予算額は百六十億円にとどまりました。この理由について御説明ください。また、少子化対策の財源を欠損させないための方策についても御説明をお願いいたします。
 続いて、今般の予算案について見直された所得税課税最低限、いわゆる百三万円の壁の見直し内容には、その後多数の指摘がなされていることを踏まえ、以下二点についてお伺いいたします。
 まず一点目は、度々指摘されているように、課税最低限に所得制限を複数段階で設けたことにより、従来よりも制度がかなり複雑になってしまった点です。これは、年収にかかわらず減税額をなるべく均一にしようとした結果だと思いますが、所得税には累進性があるので、所得控除額の調整で減税額をそろえようとすること自体が間違いです。
 政府・与党は、自公国の三党協議においても、物価上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げることとしました。物価高対策が目的であれば、年収にかかわらず公平に負担を軽減できる定額減税や税額控除で対処する方が適していますし、働き控えへの対策を目指すのであれば、今回のような制度の複雑化は絶対に避けなければならなかったはずです。
 改めて、今般、政府が行った百三万円の壁の見直しの目的を御説明ください。また、なぜ所得税の減税額をそろえようとしたのか、そして、そのための方法として、基礎控除や給与所得控除での調整を選択する合理的な理由があるのか、お答えください。
 二点目は、今回の見直しによって、所得税と住民税の課税最低限の大幅な乖離が理屈づけできるのかという点です。今回の見直しで、年収二百万円未満の労働者は、所得税の課税最低限は百三万円から百六十万円に引き上がりますが、住民税の課税最低限は現行の、これまでの百万円から百十万円までしか引き上げられません。これでは働き控えの解消を目指す上で大きな障壁となってしまうと思いますが、今回の見直しによって働き控えがどの程度改善すると見込んでいますか。
 また、基礎控除や給与所得控除にはそれぞれ制度の目的があり、これらは、当然、最低生計費への非課税を趣旨に含みます。よって、所得税と住民税で額が大きく乖離している状況は税体系として極めて不自然なものと思いますが、財務大臣の見解を伺います。
 また、住民税の課税最低限は、今後、所得税の課税最低限に近づけていくのでしょうか。総理に伺います。
 続いて、経済対策についても質問します。
 石破総理は、先日、参議院の予算委員会での審議が行われている最中にもかかわらず、予算成立後に強力な物価高対策を新たに打ち出す意向を示し、参議院での予算審議を混乱させたとして陳謝されました。
 まず、総理が本予算の審議を行う中においてもより強力な物価高対策を行う必要性を感じた理由についてお聞かせください。
 現下の国民が直面する厳しい実情を踏まえれば、より強力な物価高対策の必要性については同意するところです。
 そこで、国民民主党は、三月二十六日に新しい経済対策を発表させていただきました。主な柱は、減税、社会保険料引下げ、電気代・ガス代の値下げ、米の価格安定の四つです。
 中でも、百三万円の壁については、現在の政府案では、手取りを増やす効果や働き控えへの対応、共に十分な効果が得られるとは思えません。基礎控除に関する所得制限は全て撤廃し、課税最低限は百七十八万円を目指して更なる引上げが引き続き必要だと思います。
 また、大人には様々な控除制度や現金支給制度があるのに対し、子供に対しては児童手当しかないことなどを踏まえれば、子供に対する国家の生存権保障機能の強化は必須です。年少扶養控除の復活、障害児福祉施策に関する全ての所得制限を撤廃し、子供や子育て世代を徹底的に支えるべきです。
 また、今夏は猛暑となることが予想されています。各家庭における光熱費負担の軽減が非常に重要になります。そのためにも、再エネ賦課金の徴収停止や原子力発電所の早期の再稼働などを始めとする電気代、ガス代等の負担軽減策の早期実現を求めます。そして、ガソリン暫定税率は六月までに廃止し、夏までに、地方の暮らしや地域経済を徹底的に支えるための環境整備が必要です。
 今、国民は、子供を育てるために奔走し、食べる米も手に入りづらく、電気代やガス代、ガソリン代の支払いに困っています。総理、今こそ、仁徳天皇の言葉、民のかまどの教えを肝に銘じていただきたいと思います。
 先日、アメリカのトランプ大統領は、日本を含む世界各国に対して、自動車の追加関税策を公言しました。二五%の追加関税による我が国産業への影響は計り知れません。この問題については、武藤大臣を筆頭に、日本政府としてもアメリカ政府への是正の申入れを再三にわたり行ってきたところですが、現下の状況を踏まえた本件に関する総理の見解を伺います。
 最後に、石破総理にお伺いします。
 我が国が現在置かれている状況は、国民生活を直撃する物価高、高騰するエネルギーコストや諸外国との取引環境の不確実性の中で、日本経済を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。
 そのような中、令和七年度に我が国が見込む税収は、昨年の六十九・六兆円を大幅に上回る七十七・八兆円です。これを、国民の皆様、国内産業界にもっと返していきませんか。
 税収が増えたのは、国民の一人一人の皆様が頑張っているからです。その税収を、国民の手取りを増やし、成長分野へ積極的に投資するために使いませんか。総理が目指している楽しい日本に近づきたいのであれば、勇敢なる決断をすべきです。そのことを期待し、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

発言情報

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発言者: 浅野哲

speaker_id: 393

日付: 2025-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議