中川宏昌の発言 (本会議)
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○中川宏昌君 公明党の中川宏昌です。
私は、公明党を代表して、災害対策基本法等の一部を改正する法律案について、以下、坂井防災担当大臣に質問をいたします。(拍手)
私自身、能登の被災地に何度も足を運びました。ほとんどの避難所の生活環境水準は、人道援助の国際基準、スフィアスタンダードをはるかに下回っており、戦前と現代の避難所の様子を比べても大きな変化がないとの識者の指摘もあるように、生活と命を守るための福祉的な避難環境が不足していた現実がありました。
また、特に被害の大きかった石川県珠洲市、輪島市の高齢化率は五五%と高く、御近所同士の助け合いにも限界がありました。避難行動の遅れ、体調悪化のリスクや認知症、障害のある方への対応など、全国で高齢化を迎える中で、被災者支援の今後の大きな課題となりました。
こうした教訓を踏まえ、公明党として、災害関連法制の救助の種類に介護などの福祉が含まれていないことを指摘し、災害から命を守り、災害発生後の災害関連死を防ぐため、災害法制に福祉を明記するよう、重ねて訴えてまいりました。
災害救助法は一九四七年に施行され、本来は社会保障的な支援制度として設計されていたのにもかかわらず、その後の制度の運用では福祉との接続が失われ、被災者が孤立する構造が続いてきました。本改正において福祉の理念が初めて明記されたことは、戦後の災害法制において歴史的な転換点であると評価しています。
そこで、災害対策基本法等に福祉の視点を明記したことにより、救助の現場や避難所、ひいては地域社会において、今後どのような変化をもたらすと考えているか、被災者支援の実効性を高める観点から、その具体像をお伺いいたします。
今回の改正では、福祉サービスの提供が新たに救助の種類として追加をされます。これにより、従来の避難所の供与や物資の提供といった物の支援から、人と支援を届ける仕組みへと大きく転換が図られることになり、中でも、災害派遣福祉チーム、DWATなど福祉専門職の役割はますます重要となります。
能登半島地震では、DWATによる避難所支援、介護職員の広域派遣、仮設住宅での見守り活動が行われましたが、一方で、避難所外避難である在宅避難者や車中泊避難者など、支援が届きづらい層に対する支援には限界がありました。今回、福祉の視点が明記されることにより、福祉サービスの提供があらかじめ整備されていきます。
そこで、今回の改正による、DWATによる在宅避難者、車中泊者への支援の強化がなされますが、現実の人材不足、自治体間の格差、平時からの準備不足といった課題にどう対応していくのか、また、平時からの育成や訓練、財政措置など、厚生労働省の取組も含め、政府全体の取組をお伺いいたします。
今回の改正では、被災地における支援の担い手として、民間企業やNPO、ボランティア団体などの団体を事前に登録し、発災時には、地方自治体等と連携をして、避難所運営や炊き出し、被災者の相談支援などに迅速に従事できるようにする新たな登録制度が創設をされます。
能登半島地震では、発災直後から、経験豊富なNPOやボランティア団体が、行政の手が届かない地域で被災者支援を懸命に行ってくださいました。しかし、制度上の連携体制が十分でなく、活動費の確保や現地入りの調整、情報共有の不足など、現場では多くの困難がありました。また、被災自治体では、自治体の職員自らも被災している中、慣れない災害対応に懸命に対処していただいた現状もありました。
これらの経験からも、より効果的な災害対応を行っていくには、官民連携の強化が重要であり、地域に精通する民間、団体との連携や官民の役割分担を明確にすることで、災害対応の実効性を高められ、被災自治体の負担軽減につながると考えます。今回の、災害対応における指定公共機関の拡大と官民連携の強化についてお伺いをさせていただきます。
また、NPOやボランティア団体の登録制度について、どのような基準、要件で団体を登録し、災害時にいかに迅速に現場へ展開されていくのか、あわせて、登録団体に対する資金支援や研修、平時からの連携体制づくりなど、実効性を担保するための政府の具体的な取組についてお伺いをさせていただきます。
能登半島地震の支援現場では、制度自体を知らない、罹災証明の意味が分からないという声も数多く聞かれ、支援団体の現場からは、社会福祉士などが被災者宅を訪問し、制度の説明や生活再建の選択肢を示すことが、結果として、被災者の精神的負担を軽減し、災害関連死の防止にもつながると強く訴えられております。
こうした訪問型、アウトリーチ型支援の必要性について、政府はどう制度的担保を講じていくのか、また、自治体で進めている個別避難計画の策定とその連動、自治体の地域福祉計画との整合性の確保をどう進めるのか、お伺いをいたします。
また、避難所の環境整備も大きく改善すべきです。
避難所に関するガイドラインが改定をされ、トイレや段ボールベッド等の整備が推進される見込みでありますが、各自治体の取組には大きな差があり、実効性にも課題があります。避難所の質を全国一律に底上げをするため、人道救助の国際基準であるスフィア基準を踏まえた避難所の最低基準を明確に法令や指針に定め、必要な財政的、人的支援を講じる必要があると思いますが、この点についてお伺いをさせていただきます。
今回の改正を第一歩として、安心、安全な防災大国を目指して、より機能する防災庁の設置にも公明党として最大の努力をしていくことを申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇〕