篠原豪の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○篠原豪君 立憲民主党の篠原豪です。
 会派を代表し、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
 まず、本法案を束ね法案として審議することに、国会軽視であると抗議をいたします。
 本法案の内容は、人的基盤の抜本的強化策、自衛隊の組織改編、同志国等との関係強化の三分野にわたり、それぞれ、八項目、四項目、二項目と、多数の内容が含まれております。
 防衛省や自衛隊の活動は重要であり、それを国会が慎重に審議するためにも、束ねはできる限り回避するべきであります。特に、今回の物品役務相互提供協定、通称ACSAですけれども、別の法案で出すべきだったのではないかと思います。なぜならば、束ね法は国会軽視と批判されている上に、内閣法制局の審査基準では、政策の統一性、条項の関連性、こういったことが求められています。
 そこで、まずお伺いいたします。
 本法案も含めて、なぜ束ね法案として国会に提出をできるのか、その理由及び国会軽視との批判に対する政府の御見解をお答えください。
 加えて、法案を束ねて国会の審議を形骸化するようなことを避けるように主張しているにもかかわらず、政府は今後も束ね法案の問題を解決する努力を行わぬまま国会に提出するつもりでしょうか。それとも、この矛盾を解消するように各省庁に働きかけるおつもりがあるのかどうか、官房長官にも御答弁を求めたいと思います。
 さて、自衛隊の人的基盤の強化についてです。
 自衛隊の人的基盤の抜本的強化については、自衛隊の役割は、国の防衛や災害派遣に加え、諸外国との共同訓練や国際支援活動など多岐にわたり、求められる任務も増える一方です。その一方で、自衛官は慢性的な人員不足に陥っています。
 こうした状況を踏まえ、石破総理は、自らが議長となり、自衛官の処遇、勤務環境の改善等に関する関係閣僚会議を設置をし、十二月に基本方針が策定されました。本法案で改正される手当の新設、拡充などの処遇改善や、隊舎の個室化等の勤務環境の改善などは、この基本方針に盛り込まれている施策です。
 そこで、この基本方針で示された施策が、自衛官の採用増や中途退職の抑制に、どの程度の期間で、どの程度の効果が見込めると考えているのかをお伺いいたします。
 また、政府は、当面、この処遇改善策を、防衛力整備計画に基づく五年間の総額四十三兆円、この中で工面する方針です。しかし、昨今の円安や原材料価格が高騰する中で、果たして支障なく達成できるのか、甚だ疑問です。
 そこで、自衛官の採用率や充足率などの改善が見込まれなくなった場合にはどのように対処なさるのか、また、追加の費用はどのように捻出するお考えなのかをお伺いをいたします。
 次に、予備自衛官等についてもお伺いいたします。
 予備自衛官制度は、有事の際に迅速に防衛力を増強するという、国家防衛力を支える重要な制度です。しかし、予備自衛官等の現在の充足率は、予備自衛官が約七〇%で、即応予備自衛官が約五〇%と低迷をしています。この状況に対応すべく、本法案には、予備自衛官及び即応予備自衛官に対する手当の額の引上げが盛り込まれています。
 予備自衛官の手当の引上げは三十八年ぶり、即応予備自衛官の手当の引上げは平成九年の制度開始後初とのことですが、なぜこんなにも長い期間、手当の額を引き上げなかったのでしょうか。理由をお尋ねいたします。
 また、これまでに充足率向上のためにどのような施策を行ってきて今の実態につながってしまったのか、その評価と、それを踏まえた上での今後の改善の見込みもお聞かせください。
 次に、自衛官の定数の変更についてお伺いいたします。
 自衛官の定数の総計については、直近十年以上にわたり二十四万七千人強の水準で横ばい状態であることに加え、防衛力整備計画において、二〇二七年度末まで現行水準を維持することが定められています。
 その中で、いわゆる基盤的防衛力構想が長らく自民党政権の下で続いてきましたが、民主党政権時の二〇一〇年に、冷戦時代のソ連による北海道侵略を陸上で食い止めるための体制を、南西諸島の防衛強化が重要という観点から、動的防衛力に変え、その後、名称は統合機動防衛力に変わりましたけれども、考え方はほぼ引き継がれております。
 本法案は、海上自衛隊、航空自衛隊等の増員所要に対応するため、三百六十四人の陸上自衛官の常備自衛官の定数を振り替えることとなりました。しかし、陸上自衛隊では、二〇二三年度末において約一万六千人の欠員がございます。他方で、陸自部隊には、米海兵隊と連携して島嶼部への侵攻に対処する役割を果たすことも求められています。
 ついては、陸上自衛隊の定員のあるべきレベルについて、どのような構想をお持ちなのか、お考えをお聞かせください。
 他方、無人機やサイバー攻撃などを駆使した現代戦においては、今以上に限られた人材を適切に配置する必要がある中で、現行の定員や陸海空の人員バランスの抜本的な見直しを行う必要があるのではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。
 次に、統合作戦司令部の発足について伺います。
 在日米軍の指揮権はハワイの米インド太平洋軍司令部が握っているため、日本側は、在日米軍の作戦指揮権を持つ司令部を日本国内に置き、自衛隊との連携を強化するように要望してきました。
 このため、日本側は、この三月、陸海空の三自衛隊の各部隊を一元的に指揮する防衛省の常設組織、統合作戦司令部を発足させましたが、トランプ政権が在日米軍再編を停止する可能性が報じられたため、日本側に懸念が生じていました。
 もちろん、三月三十日に行われた中谷防衛大臣との会談で、ヘグセス米国国防長官は在日米軍の統合軍司令部への移行の第一段階が開始されたと発表しましたので、懸念は払拭された感が多少はありますけれども、統合軍司令部の発足の時期は実は示されていません。
 そこで、政府は、在日米軍の再編停止の懸念が完全に払拭されたと判断しているのか、そうであるならば、その根拠は何かをお聞かせください。
 在日米軍の統合軍司令部の司令官は、自衛隊の統合作戦司令部と同格の大将ではなく、中将になるのではないかとされています。また、神奈川県に司令部を置く米海軍第七艦隊、そして在沖縄海兵隊を管轄する第三海兵遠征軍といった主要部隊を指揮するかどうかの権限を持つかどうかも定まっていません。これでは、作戦運用の最終決定者は結局インド太平洋司令官になり、調整の手間が増えることが懸念をされています。
 そこで、今後、どのような方策を、この点をしっかりと払拭していくために取られるのか、お聞かせください。
 そして、大きな課題が、指揮統制の連携強化で自衛隊と米軍が一体的に運用された場合、有事に日本側の指揮権の独立性が果たして担保されるのかという懸念があることです。
 米軍は自衛隊に比べ圧倒的に多くの情報と装備を持つため、自衛隊が事実上、米軍の指揮統制下に置かれるという懸念は拭い切れません。
 そこで、たとえトランプ政権から日米の指揮権を統一すべきとの要求があっても、従来どおり、一貫してこれを拒否をし、有事でも自衛隊と米軍がそれぞれ独立した指揮系統で行動することを堅持するということを御確約いただけるかどうか、防衛大臣に伺います。
 次に、同志国等との協力強化についてです。
 物品役務相互提供協定、ACSAについて伺います。
 これまで、新たな国とのACSAが締結された場合、ACSAの国内実施法に締結国の国名を追加するなどの改正を行ってきました。しかし、本改正案でACSAの国内実施法を共通規定化すると、今後は、法改正という形で国会でチェックができなくなります。安全保障委員会で審査することも困難になりかねません。
 そこで、締約国とはどこなのか、法文上入れなくていいという理由をまず御説明ください。
 また、政府は、共通規定化の目的として、国民への分かりやすさを挙げています。しかし、国会の審議を省略することで、国民にとって分かりやすい法制と言えるのでしょうか。このことについても御見解を伺います。
 二〇一七年の日豪及び日英ACSAの国内実施法の審査の際、これは四月二十一日の衆議院の安全保障委員会でのことですけれども、当時の稲田防衛大臣は、締約国ごとに別個の条文を規定する理由として、1豪軍及び英軍に対する物品、役務提供の根拠規定、自衛隊法第百条の八及び第百条の十は、豪側及び英側それぞれとの議論を踏まえ、それぞれの相手国軍隊と自衛隊が物品、役務を提供し得る活動類型のメニューを規定したものであって、結果的に内容が同じになったにすぎず、そのような立法経緯を踏まえれば、それぞれ別個の独立した条文とすることは自然である。2仮に、今後、日豪又は日英間の議論により当該メニューに変更が生じた場合、第百条の八と第百条の十とで内容に違いが生ずる可能性もあると御答弁されています。
 稲田防衛大臣が述べたこの理由は、本改正案における共通規定化とは逆の考えを述べていると考えます。政府は、共通規定化するに当たり、これらの課題をどのように克服をし、結論を出したのか、御説明をお願いいたします。
 今後、新たに物品役務相互提供協定を締結する国が増えた場合の政府の国会の対応について伺います。
 今回の法案が仮に成立した場合にも、今後、外務委員会だけでなく、安全保障委員会でも、従来どおり、新締約国との間で締結されたACSA協定の国内実施に関し審議できることが極めて重要だと考えますが、この点に関する政府の基本的な考え方を伺います。
 最後に、世界の安全保障が激動する中、日本も前例のない事態に直面しています。我々政治家は、柔軟かつ慎重に対応し、日本の未来と国際秩序を守るために、今こそ、責任ある議論を深め、確かな道を切り開いてまいりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣中谷元君登壇〕

発言情報

speech_id: 121705254X01620250404_009

発言者: 篠原豪

speaker_id: 9650

日付: 2025-04-04

院: 衆議院

会議名: 本会議