中谷元の発言 (本会議)

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○国務大臣(中谷元君) 平岩征樹議員にお答えいたします。
 隊員のモチベーションのアップと採用難についてのお尋ねがありました。
 防衛力の中身である自衛官の確保は政府としての至上命題であり、自衛官が、国防という国家にとって極めて枢要な任務に誇りと名誉、高い使命感を持って専念できる体制を整えるということが不可欠であります。
 そのため、昨年末、関係閣僚会議で取りまとめられました基本方針に基づきまして、手当の新設や引上げ、即応のための営舎内生活等に関する給付金の新設、任期制士の処遇確保のための自衛官候補生の廃止、自衛官の定年退職後の再任用の見直し、並びに事業を営む予備自衛官等に対する給付金の新設などの処遇改善を含む法案を提出をしております。
 こうした処遇の充実によりまして、職業としての自衛官の魅力が向上し、自衛官の募集や隊員のモチベーションへの好影響があると期待をいたしております。
 防衛大臣として自らが先頭に立って、隊員の処遇改善に向けて、基本方針で取りまとめられた各施策を引き続きスピード感を持って全力を挙げて推進をしてまいります。
 次に、自衛官の給与引上げについてのお尋ねがありました。
 昨年末に関係閣僚会議で取りまとめられた基本方針においては、手当の拡充のほか、自衛官の俸給表の改定についても実施をするということにしております。
 具体的には、自衛官の任務や勤務環境の特殊性に見合った給与とするため、勤務実態調査の結果、公平性、公正性を確保するための部外専門家の意見を踏まえまして、また、諸外国の状況も見ながら、自衛官の俸給表の改定を目指すこととしております。
 これを踏まえて、本年二月、防衛省人事審議会に新たな部会、処遇・給与部会を設けまして、早速、部外の専門家による検討体制を確立をしまして、既に二回審議を行い、検討を進めているところであります。
 こうした施策を通じて、入隊前の志願者等に対して、自衛官という職業が魅力あるものであると理解していただき、より多くの方々に自衛官という職業を選んでいただけるように取り組んでまいります。
 次に、任期制自衛官の採用率改善のための取組についてお尋ねがありました。
 任期制自衛官の募集が厳しく、喫緊の課題となっている中、防衛力の担い手である人材の確保は至上命題であります。
 こうした状況を踏まえて、任期制自衛官の処遇改善については、昨年、関係閣僚会議において取りまとめた基本方針に基づき、本法律案において、自衛官候補生制度を廃止をし、新たな任期制士を創設をするということにしております。これにより、非任期制自衛官と同等の対処を確保しております。また、営舎内の居住など特殊な生活環境下での即応のための集団生活を強いられる自衛官への給付金として、指定場所生活調整金を新設することといたしました。これにより、採用から六年経過するまでの間、新たに一年ごとに二十万円支給することといたしました。さらに、任期制自衛官を対象とした自衛官任用一時金の引上げや進学支援給付金制度の拡充を行いまして、任期制自衛官の処遇改善に努めているところであります。
 任期制自衛官について、任期終了の一年前から退職管理教育、職業訓練、進路相談を行いまして、積極的に再就職を支援をしています。これらの支援により、例えば、令和五年度、再就職を希望する隊員に対して約四十倍にも及ぶ求人数を獲得をしておりまして、支援を希望するほぼ全ての退職予定者が様々な業種への再就職先を確保しております。その上で、基本方針に基づいて、退職自衛官が自衛隊で培った知識、技能、経験を生かすことができますように、関係省庁と連携をしまして、再就職先の拡充を図っているところであります。
 そして、自衛官の採用、中途退職抑制、充足率の向上にいかに寄与しているかという観点から、関係閣僚会議において、令和七年中に効果の検証を行いつつ、基本方針でも取りまとめた各種施策の実効性を確保するとともに、人材確保に資する新たな方策についても不断に検討し、任期制自衛官の確保に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、緊急参集要員の負担軽減についてのお尋ねがありました。
 近年、大規模かつ長期間の災害派遣活動が増えておりまして、災害派遣活動に従事する隊員や緊急参集要員には、従来以上に、精神的、肉体的な負担が増大をいたしております。そのため、災害派遣に従事した隊員にはしっかりと災害派遣等手当を支給するとともに、各種装備品の充実などに取り組んでいるところであります。
 昨年末に関係閣僚会議で取りまとめられた基本方針に基づきまして、緊急参集要員等が災害派遣に従事した場合に支給される災害派遣等手当については、一人当たり日額千六百二十円から二千百六十円に引き上げるということにいたしました。
 防衛大臣として、緊急参集要員等の自衛隊員が特殊な状況に置かれているということを考慮しまして、これらの隊員の処遇や生活、勤務環境の改善に向けて取り組んでまいります。
 次に、予備自衛官等の理解醸成の取組についてのお尋ねがありました。
 予備自衛官等の大半は、平素は他に本業を持ちながら訓練等に従事しているために、訓練等への参加には、雇用企業等の御理解と御協力が不可欠であると考えております。
 このため、防衛省としましては、予備自衛官等である企業等の従業員が災害派遣の活動で招集に応じた場合に、その使用者に対して、予備自衛官等の職務に対する理解と協力の確保に対するための給付金といたしまして、雇用企業協力確保給付金を設けております。また、本法律案において、自ら事業を営む予備自衛官等に対しても、災害派遣の活動で招集に応じた場合に、その事業の継続に資するための給付金として予備自衛官事業継続給付金を新設することといたしました。
 加えて、自衛隊から雇用企業等に対して訓練などの情報を提供する制度や予備自衛官等の制度の説明を通じまして、雇用企業等の理解促進に努めるとともに、幅広い国民の皆様に予備自衛官制度の理解を深めていただけるように、より積極的に動画広報などの取組を行ってまいります。
 そして、防衛省としましては、予備自衛官等が誇りを持って職務に専念できますように、家族や職場、さらに、広く社会全体の御理解を得るための取組を行いまして、予備自衛官が安んじて活動できる環境づくりを進めてまいります。
 次に、予備自衛官等の処遇改善についてのお尋ねがありました。
 予備自衛官等の処遇改善につきましては、昨年、関係閣僚会議で取りまとめた基本方針に基づきまして、本法律案において、予備自衛官手当及び即応予備自衛官手当等を大幅に引き上げるほか、新たに予備自衛官に対して勤続報奨金、これを支給できるようにすることとしております。これによりまして、一任期勤めた場合に支給される手当額については、予備自衛官は現行の二十七万円から六十八万円の約二・五倍、即応予備自衛官は三曹であれば現行の百七十一万円から二百七十四万円の約一・五倍となります。
 また、現在では、自衛官と同様に功績のあった予備自衛官又は即応予備自衛官に対しては、その功績をたたえ、賞詞及びそれに伴う防衛記念章、これを授与しております。
 防衛省としましては、引き続き、予備自衛官等が安んじて活躍できる環境づくりを進めてまいります。
 次に、部隊改編についてのお尋ねがありました。
 今般の法律案では、補給統制本部の補給本部への改編、海上自衛隊における水上艦隊の新編、情報作戦集団の新編などの部隊改編を実施することといたしております。
 補給統制本部の補給本部への改編は、従来、各方面総監が指揮監督を行い、補給統制本部が統制を行うとしていた体制を改めまして、補給本部が全国の各補給処を一元的に指揮監督する体制を構築をするものでありまして、これにより、補給処が所在する方面の警備区域をまたいで、より円滑な補給の実施や装備品等の整備を行うことが可能となります。
 水上艦隊の新編は、護衛艦隊、掃海隊群等に所属する水上艦艇を集約をするものでありまして、これにより、高い迅速性と活動量を継続的に遂行することが可能な体制となります。
 そして、情報作戦集団の新編は、艦隊情報群、システム通信隊群等に分散している情報戦に係る機能を集約をするものであり、これにより、横断的に情報収集、分析して、それに基づく迅速な対処が可能となります。
 今般の部隊改編を通じまして、部隊の即応性を一層高めるとともに、改編後も引き続き同盟国、同志国との連携を深化をさせ、我が国の防衛に万全を期してまいります。
 次に、現場の隊員の負担への対策についてのお尋ねがありました。
 自衛官の定数は、自衛隊の任務遂行に必要な自衛官の人員数を積み上げたものでありまして、防衛計画、整備計画においては、自衛官定数を総計を維持するということにいたしております。
 一方、我が国は深刻な人手不足社会を迎える中で、自衛隊全体の充足率は令和五年度末には約九〇%、中でも、各種任務を直接遂行する立場にある士の階級の充足率は約七〇%となっており、現場の隊員の業務負担が増大をしているということは事実であります。
 これを解消すべく、様々な負担軽減策に取り組んでいるところでありますが、令和六年度に、艦艇乗組員の代休の取得の促進を図るために、停泊中の一部の業務を民間企業へ委託をするということを検討する調査研究のほか、帰港中に行っていた業務を帰港前の洋上で処理できるようにするための艦艇内業務端末の増設などを行っております。
 また、必要な人材を確保すべく、関係閣僚会議で取りまとめた基本方針に基づき、自衛官の勤務の特殊性を踏まえた給与面の処遇改善や、若い世代のライフスタイルを踏まえた生活、勤務環境の改善などに取り組んでいるところであります。
 さらに、民間委託等の部外力を引き続き積極的に活用するとともに、定員が従来の汎用護衛艦の半分程度である「もがみ」型護衛艦など、省人化、無人化装備の導入による装備体系、組織の最適化といった取組を進めております。
 このような様々な取組によりまして、厳しい安全保障環境において引き続き円滑に任務に遂行できるように万全を期してまいります。
 そして、同志国との協力強化に向けた装備移転や研究開発のための関係法令の適用除外規定の整備についてお尋ねがありました。
 我が国の平和と安全を確保するために、同盟国のみならず、一か国でも多くの国々と連携を強化することが極めて重要であります。
 現在、こうした同志国等との連携強化に資する我が国の航空機や船舶の装備移転について、一定の引き合いがあるほか、研究開発の重要性が高まっております。
 今回の法改正におきましては、装備移転の対象として製造される航空機や船舶、いわゆる装備移転航空機や装備移転船舶の製造に関して、関係法令の適用除外規定などを設けた上で、防衛大臣の下で、安全性を始めとした基準への適合を一元的に確保いたします。これによりまして、円滑な装備移転や研究開発の環境整備をし、同志国等との連携強化、ひいては我が国自身の防衛力の強化につながると考えております。
 最後に、航空法の適用除外の範囲の在り方についてのお尋ねがありました。
 自衛隊の使用する航空機や船舶は、構造、設備、運用方法等が一般の航空機や船舶と異なることから、これまで、自衛隊法に基づき、防衛大臣が安全基準を定めて、その管理の下で航行の安全を確保してまいりました。
 今回の法改正におきましては、装備移転航空機や装備移転船舶等についても、自衛隊の使用する航空機や船舶と同種のものであるということから、航空法や船舶安全法等の適用除外を規定をしますが、自衛隊の使用する航空機や船舶と同様に、防衛大臣が装備移転航空機や装備移転船舶の安全基準等を定めまして、その適合を確認するなどの必要な措置を取ることで、航行の安全確保にもしっかりと対応してまいります。
 その上で、同志国等との連携の強化や、防衛生産・技術基盤の維持強化の観点から、装備移転や研究開発を円滑かつ効果的に進めてまいります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 中谷元

speaker_id: 2715

日付: 2025-04-04

院: 衆議院

会議名: 本会議