上村英明の発言 (本会議)
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○上村英明君 れいわ新選組の上村英明です。
私は、いわゆる能動的サイバー防御二法案について、れいわ新選組を代表し、反対の立場から討論いたします。(拍手)
現在、特に海外からのサイバー攻撃に日本がさらされており、重要な社会インフラを守る必要があることは一定理解します。しかし、それが、現在の受動的サイバー防御やその強化という枠組みを超え、サイバー版敵基地攻撃能力ともやゆされるアクセス・無害化、また、人権の侵害や治安管理、監視社会化につながりかねない、令状なしに通信情報を政府が収集、分析する活動を含む、今回の能動的サイバー防御になぜ飛躍するかが、今回の質疑の本質です。
両案が国会審議入りした三月十八日の本会議で、両案の問題点について、大きく四点を指摘いたしました。第一に、アクセス・無害化が他国の主権侵害とみなされる危険性が極めて高いこと。第二に、憲法第二十一条第二項後段が保障する通信の秘密を守るための規定が全く不十分であること。第三に、この活動を公正中立に、また効果的に監視しなければならないサイバー通信情報監理委員会の実効性、独立性が担保されていないこと。そして第四に、能動的サイバー防御の前に、現在の中小規模組織の情報セキュリティー対策の根本的底上げが最優先になるなどです。こうした問題が山積みであることです。
しかし、これまでの審議を経ても、一定の前進があったとはいえ、上記の問題点を払拭できる法案にはなっていません。例えば、アクセス・無害化が紛争や戦争に拡大しないためには、問題があると言われる政府を含めた信頼醸成措置の構築や国際法の共有化が不可欠です。しかし、現在、最大の同盟国アメリカの信頼も揺らぐ中、法案では同盟国、同志国との国際協調ばかりが強調され、現実には軍事部門のサイバー攻撃共同演習も行われています。軍事同盟の強化と言われても仕方がありません。
また、法律が施行されれば、これらの活動は市民の目からは見えなくなります。その点、人権や国際法を遵守する目的で、サイバー通信情報監理委員会の独立性や国会への報告義務などが十分担保される仕組みも不可欠です。しかし、日本学術会議問題が示すように、そもそも日本では、政府の下にありながら政府から独立した第三者機関が設置された例はまれです。現在想定されている組織で、この独立性が担保されるかは甚だ疑問だと思います。
さらに、三百三十万を超える中小規模の民間企業や病院等の情報アクセス対策が貧弱であることは明らかで、そのサプライチェーンがサイバー攻撃に対する脆弱性の要因であるにもかかわらず、積極的な財政支援など、新たな改善策の表明はありませんでした。
選択肢は、アメリカやイギリスなどのいわゆるファイブアイズを目標に、政府自らがハッカーになってサイバー攻撃を行う能動的サイバー防御ではありません。進めるべきは、回復力、レジリエンスの強化を含めた受動的サイバー防御力の向上に重点を置き、中小企業など社会基盤組織の情報セキュリティー対策を抜本的に底上げするとともに、問題とされる政府との関係を含む、広範で国際的な信頼醸成措置の構築こそが、平和国家日本が取るべき政策であることを改めて強調します。日本は平和国家であることを我々は忘れてはならないと思います。
れいわ新選組を代表して、反対討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)