伊東信久の発言 (本会議)

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○伊東信久君 日本維新の会の伊東信久です。
 ただいま議題となりました人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案について、日本維新の会を代表して質問します。(拍手)
 本格的な人工知能が登場してから余り時間もたっておらず、まだ不明確な部分が多いこともありますが、ネット社会が発達しているところに登場した新技術でもあり、社会への浸透はこれまでの新技術に比べて速いと考えられています。かつては読みにくかった出力結果が今や滑らかとなり、その進歩に驚かざるを得ません。
 人工知能の急速な技術の進展に対して、法律の整備は著しく遅れています。我が国でもようやく、本法案により、イノベーションを推進するとともに、起こり得るリスクに対応しようとしています。これまでの新しい技術の導入において失敗した事例を繰り返さないようにすべきだということを改めて申し上げまして、質問に入ります。
 政府は、規制と振興の両面から国の政策を支える司令塔として、AI戦略本部を設置することとしています。人工知能の利用は多種多様にわたるため、全ての省庁が関係することになることが想定される中、司令塔機能を果たす部署が必要であることは分かります。しかし、AI戦略本部が実際に必要な施策を主導して行っていけるかどうかについては、大いに疑問を感じます。
 また、人工知能の利用によって国民の権利利益の侵害が生じた場合への対処の方針は、国民に誤解を与えない形で示すことも必要です。そのため、AI戦略本部において主導的立場に立つ人物には、経験はもちろん、洞察力や表現力が求められます。天下りを防ぎ、新たなイノベーションを推進するためには、そうした人材は、官公庁よりも民間企業から採用するのがふさわしいのではないでしょうか。
 以下について、科学技術政策担当大臣に質問します。
 AI戦略本部における主導的立場には、どのような人材が登用されるのでしょうか。そして、民間からの登用を行う予定はあるのでしょうか。その際、どのような基準で判断するのでしょうか。お答え願います。
 政府は、人工知能の開発と社会への実装化を進めるに当たり、AI基本計画を策定することとしています。人工知能の進歩はこれまでの技術革新と比べてとても速いことが予想され、基本計画はすぐに時代に合わなくなることが起こり得ます。基本計画の改定の頻度を増やすことや、新技術の登場などで状況が急変した場合に行うべき改定についてもルールを決めておく必要があると考えます。
 本法案では、AI基本計画の策定と改定の期限の目安がありませんが、技術革新の速さに合わせて、どのような対応を取っていくのでしょうか。この分野で新しい技術が登場した場合に、臨機応変に基本計画改定が行われるのでしょうか。お答え願います。
 人工知能開発の司令塔的役割を果たす機関を設置するに当たって危惧されるのは、政府が必要な人材を集めることができるかどうかということです。また、人工知能の更なる進展に対応するための人材育成を継続的に実施できるかということも大切です。現時点で欧米先進国に対して後れを取っているという現状においては、人材の確保と育成を他国の努力以上に実施していかなければならないことは明らかです。
 省庁組織の中に、人工知能の開発に詳しい特殊な人材を導入することになると思いますが、特に待遇面についてはどのように考えているのでしょうか。人工知能の開発については、これまでの給与基準にとらわれず、優秀な人材を破格の待遇をもって迎えるべきと思いますが、見解を伺います。
 優秀な人材を集めるだけでは組織の運営は難しく、また人件費もかかります。必要な人材を一から育てて一人前にする仕組みも必要です。新しいアイデアを創造し、日本があるべき未来を描き、築いていく組織としては、様々な能力を持つ人たちによって構成されることがポイントであると考えます。
 人材の継続的育成についてはどのように進めていくのでしょうか。また、省庁組織のAI人材だけでなく、ニーズが高まる社会の人材の育成についてはどのように進めていくのでしょうか。お答え願います。
 本法案において、政府が民間などの人工知能開発についての調査権を持つことになります。発展途上にある人工知能の開発にとって、余計な規制は技術開発の障害になります。諸外国でも盛んに開発が進められている現状を考えると、政府の調査権が濫用されることは、国際競争力への足かせになります。調査権の誤った行使は、開発を適切でない方向に向けてしまう可能性があることを危惧しています。
 権力の行使に対して、一般に濫用を防ぐための仕組みが必要ですが、人工知能開発に関する政府の調査権について、行使の濫用を防ぐための規定や仕組みはどのようになっているのでしょうか。調査権行使のためのガイドラインを設定するのでしょうか。お答え願います。
 人工知能の悪用には多くの国民が不安を抱えており、現行の規則や法律で人工知能を安全に利用できると思っている国民は、たった一三%にすぎません。本法案の制定によって、ようやく、人工知能を利用する上で国民の不安を払拭するための道筋ができるものと考えます。悪質な事業者は日本に法人を置かず、日本の法律を守りません。事業者名の公表を行っても、名前を変えて再び同じ行為を繰り返すでしょう。このような事案に対応するためには、悪質な事案の例を国民に周知していくことが肝要と考えます。
 日本法人を置かない海外の悪質な事業者に対する対応として、迅速に必要な調査を行うためにどのような施策を取っていくのでしょうか。また、警察庁など他の省庁と連携し、全省庁的に調査分析に当たるべきと考えますが、どのような対策を実施するのでしょうか。お答え願います。
 海外に目を向けますと、欧州連合、EUは、二〇二四年五月にAI法を策定し、容認できないリスクを持つAIの使用、提供を禁止するなど、禁止や罰則を明示した法律を施行しています。一方、本法案においては、開発者や企業に対する罰則規定がありません。
 人工知能の開発や利用だけでなく、不正利用への対応という側面においても、海外の専門家や政府との連携は不可欠です。罰則の有無の違いや政府の姿勢の違いが国際協力を進める上で水位差を生じさせ、連携にそごを来す可能性があります。
 不正の取締りにおける国際協力が不十分であると考えますが、本法案で十分にできるようになっているとお考えでしょうか。お答え願います。
 石破総理は、AIの研究開発や社会実装を世界で最も進めやすい国を目指し、世界のモデルとなるAI制度を構築すると力説されました。人工知能技術はインターネットを介して世界とつながるものであり、国際的なルールに直接関わります。安全に利用することにおいて、また安全保障上の観点においても、日本が国際的ルールの構築に関わることは重要です。
 日本が国際的ルール作りにより深く関わる必要性については、どのようにお考えでしょうか。それを実現するための方策としては何を考えているのでしょうか。お答え願います。
 AIのリスク評価について、事業者に対して、ガバナンスポリシーの作成、販売前のリスク想定、発売後の情報収集を規定しています。しかし、こうした事業者任せの対応ばかりではなく、政府から、AIリスク評価に関する情報提供を積極的に行っていくべきではないでしょうか。
 事業者に求めているレッドチームテストの手法ガイドや評価ツールについてのガイドブックなどについて、人工知能の安全性の評価手法の検討を行う機関であるAIセーフティ・インスティテュートから情報提供を行うべきだと考えますが、具体的な方策として、どのように進めていくのでしょうか。お答え願います。
 米国は、バイデン前政権においては、人工知能開発に関して法規制をする方向で動いていました。ところが、トランプ政権は、人工知能のリスク管理などを企業に求めた前政権の大統領令を廃止して、規制緩和による人工知能開発の推進を打ち出す新たな大統領令を発効しました。世界全体が共通認識を持つ状況ではなくなり、国として方向性を定めることがますます重要性を帯びています。EUは、禁止や罰則を入れたAI法を策定して運用中であり、日本は、対EUと対米国とで異なる対応が求められる複雑な状況に直面しています。
 人工知能の開発をめぐり、先進諸外国の間では異なる方向性を目指す施策が講じられています。中途半端な方策は、国際競争でしのぎを削る革新的技術を進める意味では好ましくないと考えます。人工知能開発を推進していく立場から、国際社会にどのような働きかけを行っていくのでしょうか。お答え願います。
 続いて、総務大臣に質問します。
 二〇二三年G7広島サミットにおいて、AIの開発や利用に関する広島プロセスが合意されました。G7首脳により包括的政策枠組みが承認され、それに基づいて広島AIプロセス・フレンズグループが発足しました。
 総務省は、このフレンズグループに関して、米グーグル、マイクロソフトなど、日本ではKDDI、NECなどの民間企業が加わった、安全なAIの利用に関する新たな組織を立ち上げることを発表しました。
 広島AIプロセス・フレンズグループに構築される民間企業を交えた新組織は何を目指しているのでしょうか。そして、現時点で、その実行可能性をどの程度に考えているのでしょうか。
 次に、経済産業大臣に質問いたします。
 ネット社会の進展によるデータセンターの増加により、必要とされる電力が増大することが予測されています。日本は二〇五〇年カーボンニュートラル実現を目指して様々な取組を進めていますが、人工知能が社会に取り込まれていくことによる進展に合わせた電力の供給が必要とされるようになると考えられます。
 増大が予想される電力量に対応するために、どのような対策を実施するのでしょうか。お答え願います。
 日本維新の会は、人工知能技術を、新たな産業として育て上げるべき分野であり、技術と創造性の両面から大きな花を咲かせるための適切な法整備を実施すべきことを改めて主張いたしまして、私からの質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございます。(拍手)
    〔国務大臣城内実君登壇〕

発言情報

speech_id: 121705254X01720250408_032

発言者: 伊東信久

speaker_id: 23221

日付: 2025-04-08

院: 衆議院

会議名: 本会議