高橋英明の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○高橋英明君 日本維新の会の高橋英明です。
会派を代表し、ただいま議題に上がっております公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案について、全て石破総理にお聞きいたします。(拍手)
我々日本維新の会は、結党より、子供たちが経済的な負担がなく、子供たちの適性に応じた多様で質の高い教育を受ける機会が十分に確保される教育の無償化を求めてきました。教育の無償化を通じて子供たちの無限の可能性を伸ばすことこそが、日本の国際的な競争力を高め、持続可能な成長を実現する原動力になるということは、これまで様々な場面で何度も申し上げてきたとおりでございます。
子供たちの力を伸ばす教育には、学校現場で働く教職員の方々一人一人が児童生徒と向き合う十分な時間を取ることが必要不可欠ですが、今、教員は非常に忙しく、大変不人気。定額働かせ放題、ブラックな仕事の代表例に挙げられ、各地で教員採用倍率が過去最低を更新したというニュースが飛び交っており、早急な改善が求められていることはここにいる誰もが理解しており、我々維新の会も、昨年十月に、教員の労務管理徹底を軸にした働き方改革の法案を提出しましたが、これまで、各党様々な視点から教員の働き方改革は議論されてきました。
今回、政府・与党が提出した改正案は、これら課題を抜本的に解決することが求められています。しかし、この改正案では、何度内容を読んでも、とても解決するとは思えません。
まず、石破総理に伺います。総理は、今回の法改正が学校現場における課題を抜本的に解決できる、又はその道筋が見えたと自信を持って言える改正でしょうか。もっと踏み込んでお聞きするならば、現在ほとんど学校現場で意識されていない労務管理、この感覚を、忙しい現場で負担や混乱が起きないよう徐々に、段階的に導入し、確実に定着することが、働き方改革の筋道であると考えられませんか。
学校には子供たちがおり、混乱が生じますので一気には実施できませんが、やらねばなりません。私立では既に労務管理はできております。総理は、この法案で労務管理の意識が定着すると本気で思っているのでしょうか。民間企業で活躍された御経験のある総理の率直な考えをお話しください。
これまでの改革の振り返りについてお聞きします。
文科省がこれまで教員の働き方改革、処遇改善に対し様々な対策と検討を重ねてきたことは、一定の評価はいたします。しかし、いまだに持ち帰り残業であったり拘束時間の長さは変わらず、現場の負担感は高いままです。
石破総理は、これまでの改革による成果をどのように評価されていますでしょうか。そして、その上で、今一番解決すべきポイントはどこと考えておりますか。教員実態調査に数字があるならば、どこまで改善すべきなのか、具体的に教えてください。
今回の法改正では、各地方自治体の教育委員会による業務量管理・健康確保措置実施計画の策定と公表、そして実行状況の公表が義務づけられました。しかし、これらの義務事項に関しては、その有効性に疑念しか生じません。
計画は実施状況の公表が義務づけられていますが、公表することによって、少しでも進んでいる、うまくいっていると見せるため、数値改ざん、隠蔽につながり、更なるブラック化を招くおそれがありますが、そうした懸念はどう払拭するのでしょうか。なぜこのようなことを聞くかというと、これまでの学校現場を見ていると、例えば、いじめの隠蔽等が実際にあり、とても開かれているとは思えないからです。計画の実行状況がよろしくない際にされる都道府県教育委員会の指導助言は努力義務であり、実行できなければそれまでといった仕組みですが、罰則規定はないのでしょうか。
次に、教育委員会改革についてお尋ねします。
今回、各地方自治体の教育委員会に対して計画の策定を義務づけし、指導も都道府県の教育委員会から行われるものとなりました。実際の働き方改革の責任の所在を明らかにしているわけで、教育委員会は、首長や議会といったものとは別の、独立した存在であります。このように責任も所管もそもそも独立した組織であるならば、各地方自治体がそれぞれに教育委員会を持つことは負担でしかありませんが、教育委員会を例えば三十万人程度の人口単位で広域化し、人材確保や管理コストを効率化することはできないのでしょうか。改革の可否を教えてください。
次に、教員の処遇改善における新たな職階と学級担任への加算についてお聞きします。
今回、新たに主務教諭という役職が新設されます。また、学級担任に対して、新たに給与の加算がなされます。学級担任の負担が重いことは理解できますし、主務教諭が特別な手当が必要であることも理解できます。しかし、これら役職に手当を施すことが、現場で求められている、頑張っている人を評価してほしいというニーズに応えるものなのでしょうか。
例えば、病気や急な休暇による欠員のフォローは、空き時間のある先生が代わりに授業する補教といった形で、学校にいる全ての先生が少しずつ負担するわけで、例えば、この補教について、実施分だけ追加ボーナス等で特別加算するような配慮はできないのでしょうか。
補教については具体的に時給が発生しないとしても、組織のために汗を流しているわけで、これらのちょっとずつの負担が現場を何とか回すことができています。自分さえ我慢すれば何とかうまくいくといったこの状況こそが、教員はブラックと呼ばれるゆえんではないのでしょうか。この点が非常に重要ですので、しっかりとお答えください。
主務教諭や学級担任ではない方法で評価することができないか、その可能性と、固定の役職では納得が得られない現場の不満について、総理自らの見解をお答えください。
これら問題の解決のために人員拡充が図られていることは理解しています。ただ、満足できるまで人員拡充できる財源があればよいのですが、それにも限界があります。今や、どの業界でも直面している日本の課題でもあります。人手不足の世の中で必要なのは、分業、適材適所による専門化、そして、新たななり手の開拓です。
そのために、四つ御提案をします。
一つ目は、分業です。例えば、教員にとって特に大きな心理的負担となっているのは保護者対応です。一人の怪物のような保護者対応で疲弊すれば、業務全体が滞ってしまうようなことも考えられます。そこで、保護者対応の分業として、地域にいる元校長、元教員といった人材を活用し、学校内に専門的な対応をする人材チームを設立したり、スクールローヤーの助言をもらいながら保護者対応を充実させる取組を行ってはいかがでしょうか。
二つ目は、インセンティブです。部活動を地域展開するといった形で教員の負担を軽減させる取組を進めているのは存じていますが、適材適所や処遇改善の意味では、部活動を進んで引き受ける教員には副業的にしっかりと対価を支払い、インセンティブが働く仕組みを創設するのはいかがでしょうか。
三つ目は、機会の拡大です。教員採用試験においても、海外大学のスケジュールも考慮して、春と秋の二期制を広く一般化するのはいかがでしょうか。
最後、四つ目に、新たな免許制度の創設です。現状の教員免許は持っていないが専門的な知識を持つ人材が新たに教員免許を取得できる制度や、教員として先に採用し、その後、研修、経験を積み、実務経験にて教員資格を得る制度等、緩和した形の新たな教員免許制度を創設するような工夫はできないでしょうか。
世の中の実情に応じた臨機応変な仕組みが人手不足を解消する糸口となりますので、是非、自治体の裁量を拡大するといった前向きな回答を求めます。
るる申してまいりましたが、最後に、この給特法の冒頭、教員に優れた人材を確保する必要性に鑑みと始まる記述について申し上げます。
この記述では、優れた人材に教員になってもらうと、優れた人材を探すように解釈できます。しかし、社会経験のない新人にそれを求めるのは無理です。仮にいたとしても、そのような人材は現況では教員になりません。
この記載、元々優れた人材を探すのではなく、優れた教員を育てる必要性に鑑みという形で、人材を育てていくという思考に変えることはできないでしょうか。たくさん応募があるから面接で落として、優秀な人が教員になればいいという状況ではございません。
人づくりなくして国づくりなし、これは子供たちにも教員にも言えることです。どんな仕事でも、余幅がなければ仕事はできません。余幅のある教育環境をつくることこそが大切です。国家百年の大計は教育にあり。今年は戦後八十年。今こそ、我が国の教育を見直し、美しき誇り高き国日本、これを世界に示すときです。総理のお考えをお聞かせください。
そして、これは質問ではございませんが、今年は十年に一度の学習指導要領改訂の年です。しっかりと見直しをお願いしたいと思います。
この法改正が次世代のために真に必要な制度改正となるよう、しっかりと議論をすることをお約束し、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕