武藤容治の発言 (本会議)
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○国務大臣(武藤容治君) 岡野純子議員の御質問にお答えをさせていただきます。
関税措置を契機とした下請事業者へのしわ寄せや、グローバルな観点での本法案の意義についてお尋ねがありました。
適切な価格転嫁、取引適正化が着実に継続されることは、日本国内のサプライチェーンの強靱化のみならず、日本企業のグローバル競争力の強化の観点からも極めて重要であり、本法案の意義もまさにこの点にあります。
関税措置により、日本国内の中小・小規模事業者に対ししわ寄せが来ることがないよう、千七百の業界団体、経済団体に要請文を発出したところです。また、受注者への一方的な負担のしわ寄せは、不公正な取引として、引き続き、下請法、下請振興法により、厳正に対処してまいります。
また、今回の下請法等の改正案は、発注者による一方的な価格決定といった課題に対処するものです。我が国産業のサプライチェーンを支える中小企業への適切な価格転嫁を後押しし、我が国企業の競争力の強化にもつながるものと考えているところです。
次に、足下の景気対策についてお尋ねがありました。
米国の関税措置については、石破総理から既に、その内容を精査するとともに、我が国への影響を十分に分析すること、そして、引き続き米国に対して措置の見直しを強く求めていくこと、同時に、国内産業、雇用への影響を勘案し、資金繰り対策など必要な対策に万全を期していくこととの指示が関係閣僚に出されており、政府を挙げて対応しています。
そして、経済産業省としては、プッシュ型で現場に出向き、関税措置の影響の把握を行っているところです。影響を把握した上で、その実態に即した対応を検討してまいります。
また、物価上昇に負けない賃上げを実現をし、これを投資と消費へとつなげていくため、令和六年度補正予算や令和七年度予算に盛り込んだ投資促進策や生産性向上策などを着実に実行し、確実に効果を発揮するよう取り組んでまいります。
物価高に対応するため、重点支援地方交付金や燃料油価格激変緩和事業などを講じていますが、引き続き、物価動向などを注視しつつ適切に対応してまいります。加えて、物流効率化に資する取組への支援なども実施していきます。
引き続き、あらゆる政策を通じて、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものにしてまいります。
次に、価格転嫁についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、中小企業庁の調査では、直近の価格転嫁率は四九・七%といまだ半分程度であり、更なる価格転嫁の促進が不可欠です。
経済産業省としては、今回の下請法の改正で、協議に応じない一方的な価格決定の禁止などを行うとともに、年二回の価格交渉促進月間に基づく社名公表や大臣名での指導助言などの価格転嫁対策を粘り強く継続してまいります。
また、御指摘の下請かけこみ寺に加え、全国に四十七ある、よろず支援拠点に価格転嫁に関する相談窓口を設置するとともに、交渉のポイントやチェックリストをまとめたリーフレットの作成や更なる周知など、価格交渉、転嫁のサポート体制も整備しております。
引き続き、発注者、受注者双方に対してきめ細やかな施策を講じ、一層の取引適正化を進めてまいります。
合理的な転嫁の義務づけについてお尋ねがありました。
価格転嫁の義務づけといった価格そのものに対する規制は、生産性や質を高めて自ら価格を決めようとする意欲をそぐことになることから、慎重に検討すべきと考えているところです。
今回の下請法改正においては、コストの変動等が生じた場合において、一方的に価格を設定して受注者の利益を不当に害することを禁止することとしております。これにより、企業間の積極的な交渉に基づく合理的な価格決定を促してまいります。
また、官公需の価格転嫁については、国や地方公共団体自身が率先して取り組むべき重要な課題です。国などが発注者として少なくとも年一回以上の価格協議を行うように努めること等を盛り込んだ令和七年度の基本方針を早期に閣議決定し、国や自治体等へ周知徹底してまいります。
次に、取引調査体制についてお尋ねがありました。
経済産業省では、取引実態の把握のため、三百三十名体制の下請Gメンによる年間約一万件を超えるヒアリングを行っています。
また、下請Gメンに加えて、全国各地で小規模事業者も含めて取引実態を把握すべく、四十七都道府県に設置された下請かけこみ寺の調査員も活用した情報収集体制も強化してまいります。
加えて、今回の下請法改正では、事業所管省庁との連携強化を図ります。具体的には、例えば、国交省のトラック・物流Gメンが、実態調査の場で下請法の観点からも指導を行ったり、現場で得られた取引情報を中小企業庁や公正取引委員会に共有をし、更に詳細な調査につなげるなど、各省庁が保有する取引情報を効果的に下請法の執行ができるように活用してまいります。
続きまして、企業文化や取引慣行を変えるための啓発についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、下請法の改正、厳正な執行に加え、発注側の、安く調達するべきだ等の意識や、それに基づく取引慣行も含め、改善に取り組むことが極めて重要です。
こうした観点から、定期的に価格交渉を行うといった取引慣行の定着を目指した価格交渉促進月間、業界自らの取引適正化自主行動計画の改定、徹底などの取組を今後も粘り強く進めてまいります。
さらに、長年しみついた価格転嫁を阻害する商慣行を一掃するため、関係業界団体に、私自身も含めてハイレベルで要請しているところです。意識や取引慣行の改善に向けて、粘り強く取り組んでまいります。
次に、取引最上位企業からの取引適正化の働きかけについてお尋ねがありました。
サプライチェーンの取引段階が深くなるほど価格転嫁の割合が低くなる傾向があり、そうした深い段階まで価格転嫁を浸透させることが重要な課題です。
そのため、サプライチェーンの頂点となる企業や業界団体に対して、直接の取引先の更に先まで価格転嫁が可能となるよう価格決定と、その旨をサプライチェーン全体へ情報発信してもらえるよう、ハイレベルでの要請を進めております。先日、電機・電子業界、産業機械業界、そして自動車業界のトップに対して、私から直接、取引適正化についての要請を行ったところです。
今後は、こうした取組の実施状況についてしっかりフォローアップをし、サプライチェーンの頂点企業から隅々の企業までの取引適正化を進めてまいります。
最後になりますが、物流業界の人手不足対策、運送事業者の声を反映する仕組みづくり、荷主への税優遇についてお尋ねがありました。
経済産業省は、多くの荷主を所管する立場であり、議員御指摘の改正物流関連二法について、今後も周知等を精力的に行うなど着実な執行を進め、物流の効率化を進めてまいります。
また、今回の下請法改正では、発荷主と運送事業者間の運送委託を新たに規制対象に加えることとしています。これにより、荷主から運送事業者への代金減額等を厳正に規制してまいります。さらに、国土交通省のトラック・物流Gメンが把握した運送事業者からの訴える声も、下請法の執行に活用してまいります。
標準的運賃については、国土交通省と連携しながら、関係業界に対して周知を行い、協力を要請しているところです。議員御提案の税制優遇措置については、現状では必要と考えておりませんけれども、様々な支援策を講ずることで、物流の効率化と物流における取引環境の改善に向けた取組を後押ししてまいります。
以上です。(拍手)
〔国務大臣伊東良孝君登壇〕