市來伴子の発言 (本会議)
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○市來伴子君 立憲民主党の市來伴子です。
ただいま議題となりました日本学術会議法案について、会派を代表して、全て坂井学内閣府特命担当大臣に質問いたします。(拍手)
本法案は、七十六年もの歴史を刻んできた日本学術会議を、国の特別の機関から特殊法人に変更する法案ですが、そもそも、学術会議を法人化する立法事実はどこにあるのでしょうか。菅義偉政権において、二〇二〇年十月に、学術会議より推薦された六名の候補が任命されなかったことが判明し、その直後に法人化の検討が行われました。つまり、この任命問題が法人化の端緒となっています。そのため、法案審議に当たっては、まず、任命拒否の経緯を明らかにする必要があります。
なぜ六名の会員候補者の任命を拒否する事態となったのですか。石破総理は、御自身の著書「保守政治家 わが政策、わが天命」において、任命拒否問題について、今回どういう手続が踏まれたのかも明確にしておいた方がいいと述べていますが、任命拒否について、明確な理由を坂井大臣に伺います。
その上で、今回、なぜ学術会議を特殊法人に変更する必要があるのか、お答えください。総務省ホームページにおける説明によると、特殊法人は企業的経営になじむものとありますが、学術会議は企業的経営になじむのでしょうか。伺います。
今週四月十五日、学術会議は総会を開き、科学者の代表により起草された現行法を廃止し、日本学術会議の理念や組織の骨格を定める内容の法案を政府が提出したことは遺憾と言わざるを得ないなどとの声明を発表しました。また、総会において法案修正を求める決議が承認され、光石会長は、七十六年の歴史の中で極めて重要な決議と述べています。学術会議のこれらの声明や法案修正を求める決議に対する見解を伺います。
本法案で学術会議の独立性をどのように担保するのか、伺います。
学術会議の業務を定めた本法案三十七条には、現行法三条の「独立して」の文言がありません。なぜ「独立して」の文言を省いたのですか。伺います。
新法人に関する組織体制は極めて複雑です。内閣総理大臣が任命する監事、内閣府に置かれる評価委員会、外部有識者が務める選定助言委員会、運営助言委員会が設置されます。監査、評価、助言と、多重な監督により学術会議への関与を強め、管理強化となるおそれはないですか。見解を求めます。また、二百五十人の組織に少なくとも二十二人もの外部の者が関与することになりますが、これらの委員や監事などに天下りを含めた政府関係者が就く可能性はあるのでしょうか。伺います。
内閣総理大臣が任命する二人の監事は、報告、監査のみならず、学術会議が総理大臣に提出する全ての書類を調査し、会長又は総理大臣に意見を提出できるとあり、三十五ある他の特殊法人の中で最も強い権限を持つとされています。監事の任期は三年ですが、再任に制限はなく、実質的に一人の者が務め続けられる唯一の役職です。なぜ監事には再任の制限がないのでしょうか。再任制限を設けるべきではないですか。伺います。
会長の行為が利益相反事項に当たる場合、監事は学術会議の代表権を行使できるとされています。監査役である監事が代表権を行使するのはふさわしいのでしょうか。伺います。監事に権限が集中しないよう、代表権を有する者を総会が事前に定めておくなど、他の方法を講ずるべきと考えますが、見解を伺います。
このような監事の強い権限は、学術会議の活動を萎縮させる可能性はありませんか。政府の意向が監事を通して活動全般に及ぶことのないよう、監事の在り方を見直すべきだと思いますが、見解を求めます。
発足時に新会員を選考する候補者選考委員会の委員は、内閣総理大臣が指名した有識者と学術会議会長が協議の上任命するとしていますが、なぜ発足時に政府が関与する特別な選考を行うのでしょうか。会員選考がゆがめられるおそれがあり、極めて不自然です。候補者選考委員会の委員は現会員の中からも選定できるのか、伺います。
発足時の候補者選考委員会は、三年後の会員候補者選定委員会にそのままスライドすることになっており、同じ委員が二回にわたり会員を選定することになります。現学術会議の会員は三年後の会員更新時に再任されないため、実質的に現会員との連続性はなくなり、学術会議を変質させるのではないかと危惧するものです。会員選考に当たっては、政府側の恣意的な選考とならないように、候補者選考委員会をやめて、学術会議が選考すべきと考えますが、見解を伺います。
選定された新会員の候補者は、内閣総理大臣が権限の一部を委任した設立委員が指名するとしています。つまり、新会員は実質的に内閣総理大臣が指名することになるとの疑念が拭えません。他の特殊法人において、内閣総理大臣が全ての構成員を指名する法人はあるのでしょうか。伺います。
新会員の候補者の選定に当たって、先端的、学際的又は総合的な研究分野、行政、産業界等との連携などと配慮事項が明記されていますが、先端的、学際的又は総合的な研究分野とは何を指すのか、伺います。行政、産業界等との連携とありますが、民間企業の研究者が会員となることを想定しているのでしょうか。伺います。
現在約二千人が所属する学術会議の連携会員について、何ら規定されておりません。連携会員については廃止するのでしょうか。伺います。
内閣総理大臣が任命する外部有識者による評価委員会は、学術会議の自己点検評価の方法及び結果を評価し、学術会議は、自主的に策定する中期的な活動計画に評価委員会の意見を反映させなければならないとしています。評価対象となる具体的な範囲と内容について伺います。
政府が学術を評価することは、憲法二十三条で定められた学問の自由が脅かされかねません。日弁連は、本法案について、独立性、自律性というナショナルアカデミーとしての生命線ともいうべき根幹を損なうものであり、学問の自由に対する重大な脅威ともなりかねないと警鐘を鳴らしていますが、学問の自由との関係をどのように考えているのか、見解を求めます。また、独立性が担保されるべきナショナルアカデミーを政府が評価する国はほかにあるのか、伺います。
選定助言委員会は、アカデミア全体や産業界等から会長が科学者を任命し、会員選考方針案などに意見を述べるとされていますが、会員の選定は、学術会議が独立性、自主性を確立するための中心的な要素であり、適当でないと思いますが、見解を伺います。また、選定助言委員会は個別の会員選考には介入しないという理解でよいか、伺います。
外部の知見を取り入れるために設置される運営助言委員会について、政府は、会員ではカバーし切れない分野の人たちから適切なサポートを受けていくために活用されることが想定されていると説明していますが、業務の肥大化を招くのではないでしょうか。見解を伺います。
新法人の事務局体制について、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会では、アカデミアと政府、産業界などの実務をつなぐ、いわばファシリテーターのような役割としてリサーチアドミニストレーター等を配置する必要性があるとされていますが、事務局の人選に政府が関与する余地はあるのか。事務局の人選は学術会議が行うべきではないですか。伺います。また、事務局に官僚は出向するのか。出向する場合は、その規模を伺います。
学術会議の財源について、政府から長期的に十分な補助が行われるのか、伺います。世界の学術から孤立しないよう、国際学術団体への分担金を支払う十分な財源を補助すべきと考えますが、見解を伺います。また、自主財源に関する規定はありませんが、どのように考えているのか、伺います。
役員及び会員に対し、任務を怠ったときの損害賠償責任を課していますが、どういった事案を想定しているのでしょうか。伺います。また、職務上知ることのできた秘密に守秘義務を課していますが、現学術会議は人事案件以外の議論については公開が原則です。人事案件以外に守秘義務の対象となる秘密とはどのようなものを想定しているのか、伺います。
本法案四十九条では、内閣総理大臣が必要と認めたときは、職員が学術会議の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他必要な物件を検査できるとし、五十条では、不正行為のおそれがあると認める場合にも是正措置を講ずることを求めることができるという、強力な介入が明記されています。政府の介入が極めて強い立入りや是正措置は見直すべきと考えますが、見解を伺います。さらに、罰則規定を設けていますが、この規定は役員及び会員を萎縮させるものでしかなく、必要性が見当たりません。見解を求めます。
今回の法改正により、科学者の国会とも言われるナショナルアカデミーの存在意義が揺らぐのではないかという懸念があります。現学術会議の使命として前文でうたわれた、科学者の総意の下に、平和的復興、人類社会の福祉に貢献の文言を削る一方、新法人の目的を、学術に関する知見を活用して社会の課題の解決に寄与するとしていますが、政府の言う社会の課題の解決に寄与することは何を指すのでしょうか。伺います。
二〇二二年十二月に内閣府が発出した日本学術会議の在り方についての方針にある、政府等と問題意識や時間軸等を共有することが本法案に維持されているのか、伺います。
学術は、独立した自由な営みがあってこそ進歩すると考えます。時の政府の政策を誘導するために都合よく利用するものであってはならず、耳の痛いことでも真摯に向き合うことこそが、民主主義のあるべき姿です。こうしたことが守られるのか徹底的に審議することを求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇〕