坂井学の発言 (本会議)

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○国務大臣(坂井学君) 市來伴子議員の御質問にお答えいたします。
 六名の会員候補者を任命しなかった理由についてお尋ねがありました。
 これまでも当時の内閣総理大臣や官房長官が国会で答弁しているとおり、二〇二〇年の日本学術会議の会員任命については、日本学術会議法に沿って、任命権者である当時の内閣総理大臣が総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断を行ったものであり、既に一連の手続は終了しているものと承知しております。
 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関することであり、お答えを差し控えさせていただきます。
 学術会議を特殊法人とする理由についてお尋ねがありました。
 特殊法人とは、一般的に、特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人等であって、独立行政法人以外のものと定義されます。ホームページの御指摘の記述は、全ての特殊法人に係るものではなく、特殊会社を念頭に置いた例示であり、学術会議についてはこの例示に該当しないものと理解しています。
 この法案では、学術会議が拡大、深化する役割に実効的に対応していくため、その機能強化に向けて独立性、自律性を抜本的に高めることを目的としており、それにふさわしい組織形態として学術会議を法人化するものであります。
 日本学術会議総会での声明及び決議についてお尋ねがありました。
 先日、日本学術会議総会において、日本学術会議法案に関し、御指摘の決議と、国会において十分に慎重な審議を望むこと等を内容とする声明が決定されたと承知しております。
 この法案は、有識者懇談会の報告書を踏まえ、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化のために学術会議を法人化するものであり、アカデミーの自由な活動を阻害するというようなものではないと考えています。
 また、総会後の記者会見において、日本学術会議会長から、法人化自身に反対することではない旨の発言があったと承知しており、国会審議においては、学術会議を法人化するこの法案の趣旨、内容をしっかり説明してまいります。
 「独立して」の文言を省いた理由についてお尋ねがありました。
 現行法では、行政機関である学術会議が、関係省庁との調整等により自由な意思表出等ができなくなることを避けるため、独立して職務を行うと現行法では規定されておりますが、法人化により、学術会議の独立性が組織面でも明確になります。海外アカデミーと同様に、政府とは完全に別な立場で活動できるようになります。
 なお、国の責務として、日本学術会議の自主性、自律性に常に配慮しなければならない旨も条文に明記しているところです。
 法人化後の学術会議に対する政府の関与、監事等に政府関係者が就く可能性についてお尋ねがありました。
 この法案は、有識者懇談会の報告書を踏まえ、学術会議の機能強化に向けて独立性、自律性を抜本的に高めるため、よりよい役割、機能の発揮にふさわしい組織形態として特殊法人に移行するものです。
 一方、国が設立し国の財政的支援を受けて運営される法人である学術会議について、活動、運営を国民に説明する仕組み、活動、運営が適法、適正に行われるための仕組みなどを法定して制度的に担保することは、国が設立する他の法人でも同様に設けられている仕組みであり、活動の学術的な価値や独立性の尊重とは別な、財政民主主義からの要請によるものです。
 法案については、懇談会からも、国民からの負託に実効的に応えるための体制整備と、国の財政的負担により運営される法人としての説明責任の担保が、学術会議の独立性、自律性を尊重しつつ実現されたものであり、最終報告書に沿って適切に法案化されたものだと評価していただいたところでございます。
 具体的な人選については、法案の成立後にそれぞれの任命権者が適切に判断するものと考えておりますが、選定助言委員及び運営助言委員は学術会議が選任するものです。
 なお、監事は、法人の役員であることから、政府又は地方公共団体の職員が就任できないよう、欠格条項を規定しているところです。
 監事の再任についてお尋ねがありました。
 監事は、法人の業務が適法に行われていることを監査することを職務とするものです。法案における監事の所掌事務に関する規定も、他の法人における監事と同じく一般的なものであることから、任期についても他の法人と同様に制限を設けておりません。
 監事の在り方についてお尋ねがありました。
 まず、監事による代表権の行使については、会長等と法人の間に利益相反関係が生じた場合に、監事が法人を代表するものであり、独立行政法人等においても同様の仕組みが定められております。
 総会は会長に対する任命権を有することから、総会が定めた者は会長との関係で第三者性を満たしません。このため、利益相反関係が生じた場合、監事が代表権を行使することが適切です。
 監事の在り方については、監事は、法人の業務が適法に行われていることを監査することを職務とするものであり、法人の運営に職務として直接携わることはできません。法案における監事の所掌事務に関する規定も、他の法人における監事と同じものです。
 候補者選考委員会の委員についてお尋ねがありました。
 新法人発足時の会員の選定方法については、平成十七年制度改正時を参考にして、現会員だけによるコオプテーションではなく、多様な視点からよりオープンに慎重かつ幅広く選考する方法により行うこととしています。
 その上で、今回は、コオプテーションの要請を尊重し、平成十七年制度改正時とは異なり、現会員が候補者選定委員会の委員になることも可能としたところでございます。
 候補者選定委員会についてお尋ねがありました。
 有識者懇談会最終報告書においては、新法人発足時の会員の選定方法について、新分野、融合分野への対応などの観点から、現会員だけによる候補者の精査では必要十分な選考を行うことは難しく、大幅な見直しを行った平成十七年制度改正時を参考にして、現会員だけによるコオプテーションではなく、多様な視点からよりオープンに慎重かつ幅広く選考する方法により行うことが適当であるとされています。
 このため、この法案では、平成十七年制度改正時と同様に、新たに会員となる二百五十人の選考、選任は、オープンに慎重かつ幅広い方法で行うこととしました。
 その上で、学術会議の意見にも十分に配慮して、コオプテーションの要請を尊重し、平成十七年制度改正時とは異なり、現会員が候補者選考委員会の委員になることが可能であり、総会による承認、推薦の手続も追加していることから、新会員の選定に現会員の意向が反映されることになっています。
 新法人発足時に任期が残っている会員にも、引き続き会員として活躍していただくことになっており、組織としての継続性にも十分に配慮しているところでございます。
 新法人設立時に会員となる者の指名についてお尋ねがありました。
 新法人設立時に会員となる者の指名については、法人化後の学術会議の会員の選任に国が関与しないことを踏まえ、設立委員のうち、学術会議の会員と同じ、優れた研究又は業績を有する科学者である者に内閣総理大臣から新会員を指名する権限を委任しておりますので、内閣総理大臣が新会員の指名について指示をすることはできません。
 候補者選考委員会の委員は、現行の学術会議の会長が任命し、候補者選考委員会で選考された候補者については、現行の学術会議の総会の承認を経てから、候補者として設立委員に推薦されることになっております。
 よって、内閣総理大臣が新会員を実質的に指名するとの御指摘は当たりません。
 先端的、学際的又は総合的な研究分野の指すもの等についてお尋ねがありました。
 有識者懇談会の報告書では、法人発足時の会員について、既存の学問の分野や分類にとらわれない新分野、融合分野への対応や、大学、研究機関、民間企業などの所属にとらわれず、優れた研究又は業績がある科学者を選任することが求められていたところです。
 その上で、先端的、学際的又は総合的な研究分野の内容を始め、具体的な選考の方針や人選については、候補者選考委員会で御判断いただくものと考えています。
 連携会員についてお尋ねがありました。
 連携会員については、有識者懇談会の報告書において、法定事項とはせずに学術会議の内規により運用することとする方が法人化のコンセプトに沿ったものとなるとされており、組織運営の自律性、弾力性を高めるため、法定しないこととしたものです。
 日本学術会議評価委員会の評価の対象についてお尋ねがありました。
 日本学術会議評価委員会は、日本学術会議が中期的な活動計画の期間及び年度ごとに作成する自己点検評価書に記載された自己点検評価の方法及び結果について調査審議することとしております。
 自己点検評価は、中期的な活動計画やこれに基づいて作成される年度計画に基づいて学術会議が行うものです。中期的な活動計画に対しては、独立行政法人等とは異なり、国からの目標の提示や認可はありません。
 学問の自由との関係についてお尋ねがありました。
 憲法第二十三条に定められた学問の自由は、広く全ての国民に保障されたものであり、特に大学における学問研究の自由、その成果の発表の自由、教授の自由を保障したものであると承知しております。
 国が設立し国の財政的支援を受けて運営される法人である学術会議について、活動、運営を国民に説明する仕組みを法定して制度的に担保することは、国が設立する他の法人でも同様に設けられている仕組みであり、学術会議の活動の学術的な価値や独立性の尊重とは別な、財政民主主義からの要請によるものです。
 なお、海外アカデミーの状況は国によって様々でありますが、我が国のような特別な地位、権限及び国による財政的支援ができることが法律で明記されている国はないと承知しております。
 選定助言委員会についてお尋ねがありました。
 有識者懇談会の最終報告書においても、アカデミア全体や産業界等から会長が任命する会員等以外の科学者を委員とする選定助言委員会を法定し、会員選考の方針の案等を作成するに当たって意見を聞くことは、学術の独立性や日本学術会議の自律性、コオプテーションの理念と、外部の知見を取り入れる必要性、分野や選考の固定化、既得権益化の抑止、議論や決定過程の透明化、国民への説明責任などを調和させる工夫として、極めて優れた仕組みであると評価されているところです。
 選定助言委員会の委員は総会が選任し、意見に法的な拘束力はありません。個別の会員の選考について意見を言わないことも、条文上明らかです。
 運営助言委員会についてお尋ねがありました。
 有識者懇談会の最終報告書において、運営助言委員会は、会長が実効的な助言を求める専門性と機動性の高い組織として設計、運用されることが望ましいとされております。
 これを踏まえ、学術会議のよりよい役割発揮のため、業務の改善やプレゼンスの向上に、会長の諮問機関として活用いただきたいと考えております。
 事務局の人選についてお尋ねがありました。
 法人化後の学術会議の事務局の職員については、法人が雇用することとなり、公務員の出向の要否も含め、学術会議がお考えになることと考えます。
 財源についてお尋ねがありました。
 学術会議に対する国からの財源措置については、これまでも予算編成過程のプロセスを経て必要な金額が措置されているところであり、今後も必要な財政的支援は行っていくことになります。
 なお、法人化することにより、財政基盤を多様化し、自律的に活動を拡大する可能性が広がると承知しており、政府としては、学術会議が財源の多様化に向けた取組ができるよう、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
 賠償責任及び守秘義務についてお尋ねがありました。
 どのような場合に賠償責任が生じるか一概にお答えすることは困難ですが、賠償責任に係る規定は、国が設立する法人が適法、適正に運営されることを担保するため、法人に一般的に設けられているものです。
 同様に、守秘義務に係る規定についても一般的に置かれているものでありますが、学術会議においては特に、法人化後も政府に対し資料の提出、意見の開陳又は説明その他の協力を求めることができることとしており、国が法人に対して円滑に重要な情報を提供するためには、守秘義務規定を整備する必要がございます。
 是正措置や罰則規定についてお尋ねがありました。
 主務大臣による立入検査や違法行為等の是正の求めについては、国が設立する法人が適法、適正に運営されることを担保するため、一般的に置かれている規定です。
 同様に、法人のガバナンスの確保の観点から、認可や承認、届出、公表を義務づける規定に関して罰則を設けることは一般的なものであり、萎縮させることを意図したものではありません。
 学術会議の目的、使命についてお尋ねがありました。
 学術会議の在り方については、これまで様々な場で検討いただき、御意見をいただいてきましたが、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会において、学術会議の会長等にも毎回御参加をいただきながら、学術会議に求められる機能及びそれにふさわしい組織形態の在り方を検討し、昨年十二月に最終報告書を取りまとめたところです。
 この法案は、この報告書の内容を踏まえ、学術会議の独立性、自律性を抜本的に高めることによる機能強化と、国が設立し国の財政的支援を受けて運営される組織としての説明責任の担保を主な内容とするものです。
 報告書においては、「近年、いわゆる「政策のための科学」が強く求められるようになっていることも世界的な潮流であり、海外のナショナルアカデミーの使命・目的の中で大きなウェイトを占めるに至っている。」とされていると承知しています。
 この改革を通じて、学術会議が、サイエンス・フォー・サイエンスのみならず、サイエンス・フォー・ソサエティーやサイエンス・フォー・ポリシーなどの役割に主体的にチャレンジし、国民の期待に応えていくことを期待しております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 121705254X02220250418_017

発言者: 坂井学

speaker_id: 24099

日付: 2025-04-18

院: 衆議院

会議名: 本会議