田村貴昭の発言 (本会議)
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○田村貴昭君 私は、日本共産党を代表して、国民年金法等改正案に反対の立場から討論を行います。(拍手)
物価高騰が国民生活を脅かしている中で、年金生活者の暮らしは特に大きな影響を受けています。その原因は、物価が上がっても年金給付水準は引き上げないとするマクロ経済スライド制にあります。本法案の最大の問題は、このマクロ経済スライドによる年金削減を今後も数十年にわたって続けるとしていることです。
政府・与党は百年安心の年金と言い続けてきましたが、マクロ経済スライドの導入からこの二十年間で、公的年金の給付水準は実質約一割も削減され、さらに、昨年の財政検証によれば、過去三十年の経済状況が続く前提では、マクロ経済スライドによる給付調整は二〇五二年度まで継続する見込みとされています。その結果、年金給付水準は、現在から実質一五%引き下げられます。多くの年金生活者にとっては年金削減が生涯続くと言っても過言ではなく、国民の年金制度に対する不安感や不信感は増すばかりです。
マクロ経済スライドの長期化による年金給付水準の低下が大きな問題であることは、党派を超えて広く認識されているところです。しかし、その対策として、自民、立憲、公明による修正は、給付水準低下の原因であるマクロ経済スライドを直ちに止めるものではなく、早期終了の措置を講じたとしても、今後十年以上にわたって実質一〇%削減、年金給付水準が引き下げられていきます。これで果たして真に国民が安心できる年金、暮らせる年金と言えるでしょうか。
調整期間が長期化することで、現在の受給者や就職氷河期世代の一部にとっては年金の実質価値は生涯減り続け、減らされる年金が若い世代にも引き継がれることになります。このような仕組みは絶対に認めるわけにはまいりません。
日本共産党は、長引く物価高騰の中で年金生活者の暮らしを守るとともに、現役世代の大幅減額を避けるために、マクロ経済スライドを直ちに停止するための修正案を提出しました。公的年金制度の財政基盤を強化し、マクロ経済スライドを速やかに終了させるためには、厚生年金の積立金を活用し、基礎年金の早期終了の措置を講じた上で、現在年収一千万円が上限となっている厚生年金保険料の上限を医療保険並みに年収二千万円に引き上げる、短時間労働者の更なる適用拡大を行うことがどうしても必要です。
また、法案は、遺族厚生年金の給付削減、配偶者加算年金の引下げを盛り込んでいます。配偶者に先立たれた遺族や新規年金受給者の生活を不安定化、困窮化させるもので、容認できません。
この四月に、二〇二四年度の障害年金の不支給が前年度の二倍以上に急増し、約三万人になることが明らかになったと報道されています。収入の少ない障害者にとって、障害年金の可否は死活問題です。年金制度の信頼を揺るがす事態であり、事実関係をきちんと調査、公表し、是正することを求めます。
公的年金は社会保障の根幹を成す制度でありますが、今回の法改正でも、無年金、低年金の問題は解決されていません。就職氷河期世代など無年金、低年金の方が増加することが懸念されていますが、この問題の解決には最低保障年金制度の創設、導入が不可欠です。国連社会権規約委員会からも、最低年金を公的年金制度に導入することが度々勧告されています。この勧告に応えて、最低保障年金制度の導入に踏み出すべきです。
以上で討論を終わります。(拍手)