萩原佳の発言 (本会議)
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○萩原佳君 日本維新の会の萩原佳です。
会派を代表し、ただいま議題となっていますガソリン暫定税率廃止法案に対し、断固たる賛成の意を表明し、討論を行います。(拍手)
長引く物価高騰は、国民生活の隅々にまで深刻な影を落としています。その中でも、高止まりし続けるガソリン価格は、特に地方で暮らす国民の暮らしをむしばんでいます。燃料の高騰は、日々の通勤や買物に自動車が不可欠な方々だけの問題ではありません。それは、我が国経済の動脈である物流を滞らせ、食を支える農林水産業を疲弊させ、人と物の移動を前提とする全ての産業のコストを押し上げる、まさに経済の血栓であります。
この切迫した状況を打開するために、我々日本維新の会は、ガソリン暫定税率の一刻も早い廃止こそが、国民の手に暮らしを取り戻す、最も直接的で有効な手段の一つであると確信しております。この信念に基づき、我が党は、与党を含めた各党との真摯な協議の扉を開きました。立憲民主党、国民民主党を含む五党に呼びかけ、応じていただいた自民党、公明党との間で、この三か月、六回にわたり、建設的な議論を積み重ねてまいりました。
協議の中では、多くの点で認識を共有できたはずです。ガソリン価格の高騰が国民生活を圧迫しているという問題意識、そして、この暫定税率という制度自体に恒久的な見直しが必要であるという点。我々は、与党が懸念を示した地方税収への影響や、小売店の損失発生といった課題にも真摯に向き合い、地方財政への影響を最小限に抑え、庫出課税の問題にも具体的な解決案を盛り込んだ、実行可能性の極めて高い法案を練り上げてまいりました。
しかし、どうでしょう。協議の最終盤戦、我々が目の当たりにしたのは、信じ難い与党の姿でありました。我々が、今年七月の廃止が無理なら、一体いつならできるのかと迫ったのに対し、返ってきたのは、いかなる条件をつけても廃止の時期は明言できないというゼロ回答だったのです。そもそも、この協議の場に着いたときから、暫定税率を廃止する意思などみじんもなかったのではないかと強く疑わざるを得ませんでした。
しかし、その疑念は、衆議院財務金融委員会における与党の対応で確信に変わりました。あろうことか、与党は、委員会の開会要求に応じず、審議拒否を行い、本院で史上初めて常任委員会の解任決議案が可決されている事態を招いたことは、与党の不誠実な対応に対する本院からの断罪にほかなりません。
そもそも、この暫定税率とは一体何なのでしょうか。
その正体は、五十年もの長きにわたり国民を欺き続けてきた歴史的な虚偽であります。一九七四年に、道路整備の財源不足を補うべく、二年間の臨時措置として揮発油税と地方揮発油税に計五・八円の上乗せがなされたことに始まり、累次にわたって引き上げられてきました。以来、暫定税率は、環境政策や地方財源、インフラ整備などの役割が次々と課されて、半世紀にわたって存続してしまったのが今の暫定税率の実態です。しかも、二〇〇九年、政府が自らの手で道路特定財源を廃止し、この税を一般財源化したにもかかわらずです。もはや、ガソリン暫定税率は、ゾンビ税制と呼ぶ以外にありません。制度としての正当性が失われているこのゾンビが、今、日本の経済と地方の暮らしをむしばんでいるんです。
環境に悪いという後づけの言い訳も、もはや通用いたしません。これが本当に環境税だというのであれば、その歳入はなぜ環境対策に使われていないのですか。ドイツでは、エネルギー税の税収を社会保険料の引下げに充て、汚染に課税し、雇用を促進するという賢明な政策を行っています。目的のはっきりしない、ただ国民を苦しめるだけのこの税を、環境税と呼ぶには余りにも不誠実です。
政府・与党は、我々の提案に対し、判で押したように、財源がないと繰り返します。しかし、これもまた国民を欺く詭弁です。経済対策と称して毎年何兆円ものばらまき給付を行う財源は、どこから出てくるのですか。国民一人当たり二万円を配れば二・五兆円。これだけの財源がありながら、国民生活に直接届き、経済の血流をよくする一リットル二十五・一円の減税ができないというのは、一体どういう理屈でしょうか。
そもそも、政府・与党が固執する補助金や現金給付という手法は、不誠実で場当たり的な対症療法にすぎません。補助金や現金給付というのは、本質的に不確実性と恣意性を持つ政策手段です。いつ始まり、いつ行われるのか、あるいはいつ終わるのか分からない補助金や現金給付に、国民、事業者、地方自治体は振り回され、安定した生活設計や経営計画など立てようがありません。
そして、不透明な仕組みは、国民の政治に対する深刻な疑念を生み出します。特定の業界団体への利益誘導ではないのか。我々の税金が、企業・団体献金と引換えに、一部の業界を潤すために使われているのではないか。参議院議員選挙直前の現金給付は、我々の税金を使った選挙買収ではないのか。政治と金の問題に国民の厳しい目が注がれる今、このような不透明な税金の使い方は、政治不信の火に油を注ぐだけです。
対して、野党が提案した本法案、この減税という手段は、公平、透明、そして確実です。全ての国民が、ガソリンスタンドでその恩恵を即座にひとしく受けられる。そこに、いかなる政治的思惑や恣意的な判断も介在する余地はありません。どちらが国のための、生きたお金の使い方か。もはや議論の余地はないはずです。
今こそ、歴史的な決断のときです。我々の前にある選択肢は、単なる法案の採決ではありません。それは、五十年続いた国民への欺瞞と経済を停滞させる過去の惰性にしがみつくのか、それとも、その不条理に終止符を打ち、国民とともに、正直で活力ある未来を切り開くのか、この選択です。
我々日本維新の会は、有言実行の政党です。国民との約束を、断じてほごにはいたしません。何があろうと、このガソリン暫定税率の廃止を実現することをお誓い申し上げ、本法案への賛成討論といたします。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)