浅野哲の発言 (本会議)
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○浅野哲君 国民民主党の浅野哲です。
私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、ガソリン暫定税率廃止法案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
まず、討論の前提として、私たち国民民主党は、二〇二一年時点から、ガソリン価格の上昇が国民生活を圧迫していることに強い問題意識を持ち、トリガー条項の凍結解除によるガソリン販売価格の抑制策を提案してまいりました。
そして、昨年十二月十一日には、自由民主党、公明党、国民民主党の三党幹事長により、いわゆるガソリンの暫定税率は廃止すると正式に合意を交わしたという厳然たる事実があります。また、我々との合意の後も、与党は日本維新の会とも三党協議の場を設け、先ほどもありましたが、六回にわたり協議を行ったと承知をしております。しかしながら、我々との合意から半年が過ぎた今に至ってもなお、政府・与党からは何らの具体策も示されず、三党合意は事実上ほごにされつつあります。
そのような状況において、海外では国際紛争が激しさを増しており、特に中東地域におけるイスラエルとイランの武力衝突は、今後の国際エネルギー供給にとって大きな懸念材料となっています。我が国の国民生活の現状や国際社会の動向と照らし合わせても、本法案の内容は、その必要性が十分あるものと言えると考えます。
そもそも、ガソリンにかけられている一リッター当たり二十五・一円の当分の間税率は、一九七四年に、道路特定財源として、かつ、時限的なものとして導入されました。当時は、自動車は高級品だったため、いわゆる富裕層に対する課税との認識で国民の理解も得られたものと推察します。
現在は、一般財源化され、既に当初の課税根拠は消滅していることはもちろん、今や国民の約八割が自動車を保有し、地方においては生活の足として自動車の不可欠性が確立されており、その燃料価格が高騰していることからも、国民生活を底支えする点においても、当分の間税率の廃止は妥当であります。
むしろ、私たち立法府が考えるべきは、この当分の間税率を廃止した上で、中長期的に我が国にとって望ましいエネルギー供給構造を丁寧に描き、その方向性に沿った燃料課税の姿を再構築していくことではないでしょうか。政府・与党には、五十年以上の年月の中で変化を続けてきた我が国の生活様式や、極めて厳しい物価高を乗り越えるため、既存の枠組みにとらわれない大きな視野で、この法案の有用性を捉えていただきたいと思います。
他方、財源については本日午前中の財務金融委員会においても与党側から多くの指摘、質問がありましたが、財源についても、私たちは既に具体的な方策を提案してきました。
まずは、燃料油価格激変緩和対策事業の基金を活用すること。
加えて、強調させていただきたいのは、近年の国、地方の税収が、毎年、過去最高税収を記録し続けている点であります。過去十年間、我が国の名目GDPの伸びはプラス一二%。これに対して、国、地方の税収はプラス二二%と、明らかに政府は経済の伸び以上の税収を国民から預かっている状態にあります。さらに、本年は、昨年の税収百十八・三兆円から更に十二兆円の税収増加を見込んでおり、その額は百二十六・八兆円になることは政府の予算計画の中でもはっきりと明示されています。これを国民に還元してほしいと、私たちは累次にわたって政府に要請してまいりました。
加えて、政府の一般会計不用額は、二〇二三年六・八兆円、その前年の二〇二二年は十一・三兆円と、データが確認できる直近二〇一九年から二〇二三年までの五年間の平均不用額は約六兆円に上ります。つまり、国、地方が国民から預かった税金を物価高に直面している国民に還元するという考え方だけでなく、毎年度の予算の精査により、当分の間税率廃止によって生じる減収に対応することは十分に可能ではないでしょうか。
さらに、一言申し上げるならば、先日、政府・与党が突如として掲げた国民への二万円給付事業は、その財源として二〇二四年度税収の上振れ分を活用するとのことですが、これは、物価高対策という衣をまとった参議院選挙前のばらまきだとの指摘が後を絶ちません。大手の報道機関各社が行った最近の世論調査でも、約六割の国民が政府の二万円給付事業をネガティブ評価している状況となっています。
私たちは、改めて、集めた税金を返すくらいなら、最初から税金を取るべきではないことを強く求めます。納税者、生活者の立場に立てば、おのずと答えは減税に至ります。この選択こそ、広く国民の理解を得られる政策であると確信しております。
また、本法案が成立することで、ガソリンスタンドなど生活現場で混乱が生じるのではないかという指摘もあります。私たちは、二〇〇八年の事例を踏まえて、当初の考え方としては、事前に補助金を一リッター当たり二十五・一円に設定し、ある時点で補助金から減税にスイッチする方法も検討してはきました。しかしながら、本法案を他党、他会派の皆様と共同提出する協議の中で、差額支給によって対応することとなりました。
しかし、直近の政府の補助金単価は一リッター十円であり、本法案が施行された場合には、七月一日以降は政府の補助金が入った現状の販売価格よりも値段が下がり、その状態が今後も継続することとなるため、国民の皆様にとって一定の予見可能性は確保されるものと考えます。また、ガソリンスタンドには、これまでも補助単価の異なるガソリンが混在する状況の中で日々の販売価格が決定されてきたことを踏まえれば、販売価格の変化は連続的なものとなることも想定されます。したがって、直前直後の買い控え、駆け込み需要というものについては、許容できないほどの深刻な状況には至らないものと考えます。
最後に、この法案が提出された後に、財務金融委員会が開催されず、先日、財務金融委員長が解任され、昨日から新たな委員長の下で審議が行われてまいりました。これを野党の暴挙とおっしゃる与党議員もおられるようでありますが、それは違います。この法案の成立を求めているのは、ほかでもない国民の皆様です。
都内で日々物資を輸送してくださっている企業の皆さんや、地方で暮らし、毎日子供や家族の送り迎えをしている親御さん、暑い日差しの中で畑を耕し、軽トラックで野菜などを運ぶ農家の皆さんなどの姿を思い浮かべてください。
私たちは、こうして毎日頑張ってくれている人々の暮らしを支えるために、昨年の総選挙で私たち野党に票を投じてくださった国民の皆様の総意として、この法案を提出してきました。その重みをしっかりと認識し、この議場にいる皆様の御理解の下、本法案の成立を強く望んで、賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)