小寺裕雄の発言 (予算委員会)
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○小寺委員 今お話しいただいたようなところでありますけれども、私の方からつけ加えるとすると、二〇〇三年ぐらいがピークであった書店の数は約二万八百八十店舗、それが二〇二三年には一万九百十八店舗、まさに半減しています。市場規模は、一九九六年がピークで二兆六千億、去年は紙と電子媒体を合わせて一兆五千七百億、紙媒体だけですと約一兆五十六億円、毎年五%ずつ減少している現状があります。
実は、私はかつて書店を経営しておりました。今から四十年近く前、最初が、二十五歳のときに四十坪で開店しました。一九八六年から二〇〇四年までの十八年間、とてもいい時代でした。書籍だけではなくて、レンタルビデオやCD、ゲームソフトなども取り扱っていましたので、一番いいときには、三店舗で年商十億円を超えておりました。毎週月曜日には少年ジャンプが何百冊も売れましたし、男性向け週刊誌や写真週刊誌も本当によく売れた時代でした。二〇〇〇年ぐらいがターニングポイントだったように思います。
書籍と同じように、CDやゲームソフトもだんだん売れなくなっています。それにつれて、書店はもちろんのこと、CDショップやゲームショップ、あるいはレンタルビデオ店もどんどんなくなっています。レンタルビデオも、ネットフリックスなどに顧客を奪われています。この委員室にも、恐らく、CDを買ったことのない人やビデオを借りたことのない人がおられるのではないでしょうか。
書店に戻しますと、書店のビジネスモデルはまさに危機に瀕しています。中小の独立書店にとって、週刊誌等の雑誌とコミックの売上げが経営の柱でしたが、スマホに取って代わられてしまいました。象徴的なのが駅前の書店です。かつては、どこの駅前にも、規模はさほど大きくはないけれども、店頭はいつも立ち読みでごった返しているような書店がありました。雑誌を買うことが習慣としてある人たちは、定期的に書店に立ち寄り、ついでに書棚を見て面白そうな本を買うといったようなルーティンがなくなり、書店は主要な顧客を失っていったのです。
あわせて、ネット書店の台頭です。買い求める書籍が決まっている人や、仕事に必要な書籍を急いで欲しい人たちにとっては、ネット書店の便利さは、リアルな書店と比較すると圧倒的な差があります。現在、ネットで販売される書籍の割合は約二〇%ですが、書店の数が毎年減少しているのですから、その割合は今後ますます高まっていくことでしょう。
雑誌離れでもう一つ象徴的なことを申し上げますと、近くローソンとファミマからは、雑誌がこの三月からなくなっていきます。全ての店舗からではありませんが、かなりの店舗からなくなるのではないでしょうか。以前は雑誌目当てのお客さんがたくさんいたのですが、とにかく雑誌が売れないこと、また、物流二〇二四年問題とかが相まち、縮小、撤退が決まりました。雑誌を扱う問屋である取次ぎも、雑誌を運ぶ運送屋さんも、実は赤字です。
リアルな書店が厳しいという話をさせていただいておりますが、書店だけが厳しいわけではありません。出版社も厳しいことに変わりはありません。昨年一年間で倒産した出版社は二十四社、三十八社が休廃業ないしは解散しています。現在、六百七十五社ある出版社のうち、三分の一以上が赤字経営という報告があります。書籍や雑誌を書店に卸す取次会社も赤字経営、一部の大手出版社を除いては、出版業界全体が危機に瀕しているのです。
そうした中、私は、町に書店を残さなければならないと考えていますし、書店を残すためには様々な形で支援をしなければならないと考えています。
去る二月七日付の読売新聞を御覧になった方もおられると思いますが、一面のトップに、「書店振興 官民で」という大きな見出しつきで、書店に関する記事が掲載されていました。あわせて、三面では消えていく書店の現状を、十八面と十九面では書店活性化に向けた様々な提言が掲載されていました。
私は、「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」の事務局長を務めさせていただいておりますが、議員連盟で積み重ねてきた議論と読売新聞の提言はほぼ同じ方向性であるというふうに考えています。
なぜなら、議員連盟の名称にあるように、書店は、私たちにとって、本を通じて知識や教養をつなぐ機会を提供してくれる地域の文化拠点であり、書店を守ることが日本の文化を守ることにつながると考えているからです。目的もなく、時間潰しにふらりと入った書店で偶然に手に取った一冊の本との出会いが、その後の人生に大きな影響を与え、職業選択に大いに役立ったというような機会を提供してくれるのが書店なのです。
皆さんも振り返ってみれば、子供のときから学生時代を通じて、自宅の近くに行きつけの書店があったのではないでしょうか。しかし、全国各地で書店が減少している現状においては、私たちが経験してきたように、歩いて、あるいは自転車で書店に行って気軽に立ち読みをしたり、本を探したりといった経験をしたことがない子供たちがどんどん増えており、読書離れに拍車がかかっています。幼少時から絵本を手に取り、活字文化に親しむためには、生活圏に書店が必要なのです。
ところが、現実はどんどん望ましくない方向に向かっています。ネットやSNSを利用する時間が増えた結果、読書の時間が減っています。ネットの既存メディアに対する影響は恐ろしいぐらいで、若者は既に地上波のテレビをほとんど視聴せず、ユーチューブやティックトックを見ています。
また、かつては通勤途中によく見られた電車内で新聞を折り畳んで読む光景は、今では全員がスマホの画面を見ている状況です。そうした影響もあり、一月末日をもって夕刊フジは休刊となりました。また、東京中日スポーツは、デジタル配信に全面移行し、紙媒体の販売を取りやめとなりました。
鉄は熱いうちに打てという言葉があるように、子供の頃から本に親しむ機会を増やすことで、今こそ読書離れを食い止める必要があると考えます。教育の現場でもこうした危機感が共有され、子供や生徒が本を好きになるように、読書離れを少しでも食い止めるような取組は行われているのでしょうか。
そこで、読書離れに対する認識とその対策についてお伺いします。