伊波洋一の発言 (外交防衛委員会)
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○伊波洋一君 話を変えます。
四月二日、米国トランプ大統領は、貿易相手国に対して相互関税を課すと発表しました。その後、日本には九十日間の猶予が発表され、協議が予定されています。二日の関税発表の際、トランプ大統領は、米国は全く別の国になると宣言しました。日本政府は、米国が政治的にも経済的にも世界をリードするという国ではなくなったことを直視すべきです。
現在、既に中国は世界一位の経済大国となっています。配付資料⑤のように、世銀の統計によれば、二〇二三年の購買力平価GDPは、一位は中国で三十四・六兆ドル、二位は米国で二十七・七兆ドル、日本は五位で六・二兆ドルです。購買力平価ベースのGDPは経済の生産力をより反映するとされ、中国は米国と日本を合わせた三十三・九兆ドルよりも大きいのです。
また、配付資料⑥のように、文科省の科学技術・学術政策研究所の昨年八月に公表した「科学技術指標二〇二四」の研究活動の国別比較で、科学技術力を示すトップ一〇%、それからトップ一%の補正論文数で、中国は三一・八%と三二・七%で一位、米国は一七・四%と二〇・二%で二位、日本は十三位と十二位です。既に経済力でも科学技術力でも中国が米国を追い抜いて世界第一位となっています。
確かに、経済安全保障政策の観点からは日米が組めば中国に対抗できる領域もありますが、それとて、中国の成長を阻害して覇権を維持するというアメリカの、米国の国益にはなっても日本の国益にはならないことは、失われた三十年というこの間の日本経済が物語っています。さらに、経済安全保障の名の下に世界一の科学技術力と市場、マーケットを持つ中国を排除することは、日本の成長を断念することにつながります。
中国は、二〇二三年から、新たな質の生産力、新質生産力の発展を目指し、イノベーション、協調、グリーン、開放、共有の理念の下で、AIを製造業など他の分野の高度化に活用するAIプラス政策を推進しています。
米国は、先端技術の優位性を維持するために技術の囲い込みと輸出管理を強化し、米国オープンAIなどがクローズドなモデルを採用する一方、中国のディープシークはオープンソース戦略を推進しています。日本企業、特に中小企業のAI導入の普及しない一因として、導入コストと人材不足が指摘されています。低コストで可能なディープシークなど中国AIのオープンウエートモデルを日本の製造業が導入すれば、ローカル環境でのカスタマイズによって長期的なコスト抑制も可能となり、生産向上が見込めます。
米国のクローズドモデルはいわゆるサブスクのイメージですが、継続的なライセンス費用とクラウド依存によるデータ主権の問題があります。これからキャッチアップしていこうとする日本などAI後進国は、完全な米中のいずれかの依存を避け、中国と米国のAI技術を組み合わせるハイブリッドなアプローチが合理的ではないでしょうか。
外務大臣にお尋ねします。
政治的な課題はあっても、先端科学技術や経済面で中国との連携、交流を一層深めていく必要があるのではないですか。