高良鉄美の発言 (憲法審査会)

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○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 沖縄戦が三月二十六日、八十年前、慶良間諸島上陸から始まりました。九月七日まで続いています。そういったことで、もう平和主義、戦争放棄というのをまず考えるということ。憲法の中の三原理、もう一つは主権在民です。民の方から憲法改正の声があるかどうかというのをしっかり見なきゃいけないということ。それから、基本的人権の尊重ですけれども、基本的人権は日本国憲法が世界で初めてこのファンダメンタルという、基本的という言葉を人権に付けました、憲法としてですね。そこをしっかり意識をして、今の政治状況を含めてこの三つの原理から見るということを沖縄の風の方では考えております。
 今日は、法の支配と憲法審査会の在り方を少しお話ししたいと思います。
 意見として、この法の支配、これは毎回私は聞いておりますけれども、この専断的な国家権力の支配、これを法で拘束するということですから、この専断的な国家権力は誰によってあるのかというと、人の支配、あるいは人の集団の支配ということでしょうから、これはもう歴史的に、国民の方の権利あるいは自由というものを擁護しなきゃならないと、この国家権力の横暴に対してですね。
 これが法の支配ということですので、このルール・オブ・ローという言葉がありますけれども、これをマスコミによっては間違った訳をしています。法原理と言ったり、あるいは法の規則と言ったり、そういう言い方をしていますけれども、法の規則になったらこれは意味がないですね。それから、法律の支配というのは、ましてやこの中には基本的な意味ではないということです。
 ところが、議論している場合にいろいろ法律の支配と考える方が非常に多いということで、法の支配と法律の支配は全く違うということですね。ですから、法というのはここではもうまず憲法です。憲法に当てはまるかどうかという問題です、適合しているかどうかという問題だと思います。
 それから、憲法改正、この改正議論をする、国会議員の義務だと言ってますけれども、どこにそこが書かれているかということです、憲法の中に。それ勝手に創出したらいけないということです。人の支配をやらないための手段として憲法の支配があるのに、これを変えるのが義務だというふうに、あるいは変える議論をするのが義務だというふうになるというのは、どこに書いているのか。遵守する義務の方がむしろ九十九条にあるということですよね。
 その辺もしっかり踏まえた上で、国会議員が何で国会議員たるものかというのは、これ、憲法で国会議員と書かれて、そこに地位があるから国会議員なんですよね。それが憲法よりもあたかも上にあるかのように、ここがおかしいから変えるというのは、基本的な視点でまず間違っているだろうと、構造的にですね。
 ですから、これは、国民がこの憲法の規定によって自分たちの人権が侵害されている、あるいはこの憲法では生活がもたないとか、そういうようなことならまだしも、規定上、憲法が求めているのは、むしろ国民の人権の保障と暮らしの安定であるということが生存権の問題でもあろうと思います。ですから、そういったところを法の支配との関係でこの憲法審査会の在り方を考えると非常に問題があろうと思います。
 というのは、問題が具体的に出てきて、これが国民的な議論になってお願いしますと、国民の方で問題になっているという場合に、憲法審査会というものが設置をされて、その議論をしていくということだと思います。ところが、これを重箱の隅をつつくような形であらを探して毎回考えていくというのは、これは憲法と国会議員の在り方あるいは法の支配の在り方としては非常に大きな問題があるだろうと思っています。
 そして、この憲法の規定によって、先ほど言ったような国民の人権、自由を侵害しているなら、これは、国民は主権者として国会に依頼をする、あるいは立法によって解決をする、あるいは司法に憲法訴訟を起こして、それで足りないというような結論が出れば、それは、そういったものを変えていくなり、あるいは早い場合には行政によってということもあると思いますけれども、この国民主権、憲法制定権力を持っている国民の憲法との関係での主権者としての在り方だろうと思います。そして、そうであれば、憲法審査会はアドホック、つまり、問題に対処するためにそのままこの問題を直結して集中審議をするということだろうと思います。
 しかし、議論をすべき問題として、この八十年、戦後八十年近くのこの憲法の歴史の中で、これだけ長い間やっていながら、特定の問題がある形になっているかどうか、この特定の問題をやってくださいというのを国民が言っていることがあったのかということ、それが今問題だろうと思います。
 国民からの提起として、憲法によってこの人権をしっかりともっと充実させてくださいというようなことを考える場合には、これ憲法を変えなきゃいけないという状態まで行くのか行かないかですね。ですから、一番大きな問題としては、憲法事項と法律事項をしっかり区別しなきゃならない。学費の問題など、そういった問題も憲法に書くんではなくて、これは法律事項です。ですから、基本法としての法律を生かしていくということを考えなきゃならないだろうと思います。
 憲法事項というのは、やっぱり大きな構造ですので、それは抽象的な部分もあると思います。あると思いますが、これは司法権との間、あるいは国会での議論の間、そういった中で法創造力をしっかり生かしていくということが重要だろうと思います。細かい点まで憲法で書いていると駄目だというふうにして、私の意見の表明をしたいと思います。

発言情報

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発言者: 高良鉄美

speaker_id: 17859

日付: 2025-04-02

院: 参議院

会議名: 憲法審査会