和田政宗の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○和田政宗君 自民党の和田政宗です。
東日本大震災を経験した身として、民主主義の根幹である選挙を守るためにあらゆる事態を想定して憲法で備えることは必須であると考えます。
東日本大震災では、直近で予定されていたのは国政選挙ではなく統一地方選挙でしたが、各地方選挙の延期は国会で決まったものの、最大六か月の延期でできるのか、想像も付かない状況でした。実際に、臨時特例法案は再改正され、全ての選挙が終わったのは十一月二十日でした。
大災害時に国政選挙においてどういった事態が想定されるのか。過去、安政年間においては、南海トラフ地震の翌年に首都直下地震が発生しており、もしかなり近接して発生すれば全国全てで選挙が行えない可能性が生じます。衆院解散後に全国一律に選挙が行えない事態については、衆院議員の不在が長期化する可能性があり、参議院も任期満了を同時期に迎えれば、参院議員の半数による緊急集会で決めていくことになります。その際に決められることの内容については、衆参の憲法審で議論が続いています。
次に、衆院解散後の大災害で被災地では繰延べ投票となり、ほかの地域では通常の状態で衆院選が行われる場合についてはどうなのか。
平成二十四年に近藤三津枝衆院議員が提出した質問主意書ではこう問うています。衆議院の解散中に大災害が発生し、被災地では繰延べ投票となった場合、被災地住民の民意を反映せずに構成された衆議院が総理を指名し、解散中に参議院の緊急集会でとられた措置に同意を与えることになる、緊急事態が発生し、大きな被害を受けた被災地の代表が最も求められているときに、その被災地から繰延べ投票が行われるまで衆議院議員が選出されない事態は、被災地の国民の参政権は保障されていると言えるのか、憲法第十五条第三項で保障されるべき参政権が侵害されている事態であって、憲法上極めて大きな問題であると考える。これに対する野田佳彦内閣の答弁書は、緊急事態においても公職選挙法の下で有権者の投票の機会ができる限り確保すべきものと考えると答えています。
私は、投票機会の平等において同一選挙における投票日の平等も確保されるべきとの考え方は一理があると考えます。それは、衆参の憲法審のこれまでの議論でも出てきていますが、繰延べ投票では、繰延べ投票に先行して行われた投票結果を受けて繰延べ投票の選挙結果に影響が出かねないという可能性をどう考えればよいのかという点が一つの論点であるからと思うからです。
また、被災地での繰延べ投票に先行して、ほかの地域での衆議院選挙を受けて特別国会が召集された場合、特に災害対応や復旧復興に全力を注ぐべき重要な局面で被災地の意思が反映されないまま国会において様々なことが決まっていくことは、円滑な行政活動の遂行に支障が出ることを危惧する向きがありますし、私もそういう懸念はあってしかるべきとも感じます。
災害時において民主主義の根幹である選挙を守るために、繰延べ投票などの現行制度について論点を整理しつつ、同時に、あらゆる事態を想定して憲法で備えることについて、現行憲法のままで対応可能なのか、そうでなく憲法改正が必要なのか、議論を更に深めるべきと考えます。