酒井啓亘の発言 (内閣委員会)
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○参考人(酒井啓亘君) 御質問ありがとうございます。
まず、最初の方の御質問でございますけれども、国内法、失礼、国際法上許容される範囲というお話でしたけれども、先ほど御報告したとおり、アクセス・無害化措置については、そもそも合法だと、国際法上合法であるというふうに評価される場合もあれば、残念ながら、相手方の評価から見て違法と疑わしい場合というのももちろんあります。いずれにしても、諸外国の間、日本も含めてですけれども、国家間では、いかなる行為が域外管轄、執行管轄権の適用で主権侵害になるか、つまり国際違法行為になるかという点について、その基準自体は、どの国もこれは国際違法行為だということでは一致していると思います。そういう意味では、国際法の許容範囲というのはおおむね、抽象的には、一般論としては各国とも合意があるだろうと思います。
ただ、問題は、具体的に、じゃ、どの行為がその許容範囲に入るか入らないかという当てはめの問題でありまして、いかなる基準において執行管轄権の域外行使だというふうに見ているかとか、そういった点で各国にばらつきがある。その点で、国際法規則がやや不明確な部分がないわけではない。
本件の、本法案においては、むしろ日本政府の立場というのは、比較的多数の立場の、国家の立場に立って行動して、そしてこの法案を作っているわけでありますので、自信を持って国際社会でこれを主張していくということが、先ほど報告で申し上げたとおり、国際法規則を明確にしていく、そういった貢献をするものになるのではないかというふうに個人的には考えています。
それから、後半の御質問ですけれども、アクセス・無害化のような措置が外国によってとられて、そしてそれに対する国際法違反だという主張があったかどうかという御質問ですけれども、これはまず、私が知る限りは、明確にそういった違反ということを主張した例は存じ上げません。攻撃があったという、サイバー攻撃があったということで国際法違反だというふうに主張する場合はあるんですけれども、日本がこの法案で想定しているようなアクセス・無害化措置のような措置について、これは国際法違反だというふうに明言した例というのは、実際に事例があって明言したというのは私が知る限りはございません。
ただ、もしかしたら私が知らないだけであって、いろんなところで情報が共有されているのかもしれませんけれども、それはなぜかというと、やっぱり、もし仮にそれが国際法違反だというふうに主張する場合には、自らの領域においてそういう事例があったというふうなことを認めざるを得ないわけですね。それが、自己の領域の管理責任を問われる可能性があるだとか、ある意味自分の責任が国際法上問われる可能性があるということも一つの要因でしょうし、それから、そういった違法行為があったということを認めることによって自己の察知能力だとか対処能力というものを対外的には知られたくないということももしかしたらあるのかもしれません。
いずれにしても、余りそういった事例というのが顕在化していないということと私は承知しております。