永沼美保の発言 (内閣委員会)

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○参考人(永沼美保君) ありがとうございます。
 経団連のデジタルエコノミー推進委員会で国際戦略ワーキンググループというのがございまして、そちらの主査を務めております永沼でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 経団連として本日意見を述べさせていただきますが、同時に、私は、日本企業である日本電気株式会社においてCDO Officeというものが今年から新設されておりまして、このCDOはチーフ・デジタル・オフィサーでございます、このデジタルに関する内容に関して、弊社のCDO、これは当然、役員級の、副社長級の者が入っているところで、やはりこれから議題になってまいりますこのAIに関しまして、特に私の場合はガバナンスというところに関しまして、今プロフェッショナルという立場で推進をしているところでございます。
 まずは、最初に、今回のAIの法案を取りまとめられました行政府の皆様並びに国会の審議に関わる立法府の皆様の御尽力に心より敬意を表します。また、本日はこのような機会をいただきまして深く感謝をしております。
 経団連では、このAIの制度及びそれからAIの法案に関する議論に関しては深く参画をさせていただいておりまして、特に経済界からの意見を入力をさせていただいております。その観点からも、本日、私どもの考えを述べさせていただきたいと思いますが、皆様のお手元に一枚、こちらの、本日、これから私の方で申し上げる三つの点がまとまっております。本日は、この三つの、我々の経団連としての基本的な考え方、それからAIの法案に対する考え方、それから、あと最後に、お願いというか、今後の制度の運用に当たってのお願いですね、要望といったようなところを中心にお話をさせていただきます。
 まず、経団連の基本的な考え方でございますが、まず、経団連では、この持続的な社会ということの実現に向けてソサエティー五・〇フォーSDGsというものが掲げられております。こちらでは、AIを始めとする先端技術の積極的な活用、あとはデータの連携ですとか、それから利活用というところを積極的に推し進めるというところが基本的な考え方でございます。
 こうした認識の下に、まず人間中心のAIというこの理念を明確にした上で、AIがもたらす生産性の向上ですとか、またイノベーションの創出といったような、こういったプラスの面、恩恵につきましては、あらゆる主体が享受をできるべきであるというこのAIパワードな社会の実現というものを目指しております。
 こちらについては、二〇二三年の十一月、二年前になりますけれども、一年半前ですね、二〇二三年の十一月に、AI活用戦略のセカンド、二番目というところでの提言を公表をしております。
 ここで申し上げているのは、産業の競争力の向上というところは当然なんですけれども、やはり健全な競争環境を確保するという観点が必要であって、その観点から、我が国におけるこのAIの開発能力の強化というところも提言をさせていただいております。
 これらの提言の取りまとめに当たりましては、AIの開発、それから利用、済みません、開発、提供、利用というこの三つの主な各フェーズに携わる様々な企業の方、あるいは有識者の方々から御意見を伺っております。ここでは、世に言う大企業と言われるところのみではなくて、AIに関してはやはり多様な事業者が関わっておりますので、中小企業ですとか、特にAIのスタートアップといったような方々からの御意見の方も取り入れさせていただいております。特に、この提言においては、先ほど申し上げましたが、AIの利活用を後押しする環境の整備ということと、リスクに対する適切な対応を両立していくということが重要であるということを強く提言をさせていただいております。
 こちらが経団連としての基本的な考え方なんですけれども、これを基に、今回のAIの法案につきまして、私どもの考え方を述べさせていただきます。
 まず、こちらのAIの法案でございますが、経団連のこの基本的な考え方とまずおおむね方向性が一致をするものであるというふうに認識をしております。我々としては、これから申し上げる四つの点につきましては特に評価をしておるところでございます。
 まず一つ目でございますが、基本理念として、イノベーションの促進とリスク対応の両立ということが明確に打ち出されているという点がございます。これちょうど、私が先ほど我々のこの基本的な考え方として提言をさせていただいた内容とほぼ一致している内容でございますので、やはり経済界としてはこの両立の部分というところがキーポイントだと考えております。
 それから二つ目でございますが、今回の司令塔機能が明示をされたというところで、内閣総理大臣を本部長とするAI戦略本部、こちらの設置によりまして、関係府、また省庁間の連携というところ、それから司令塔機能の強化というところが図られるということで、日本でもこういった機能がきちんと機能をするというところが明示化されていると。この点につきましては評価をしております。
 また、次、三番目なんですけれども、先ほど村上様のところからもあったんですが、やはり経済界として一つ大きなポイントになるのが、国際的なこの整合性というところがございます。国際的な規範との整合性ですとか、あと、日本は今中心にやっていますが、データの越境流通、これよくDFFT、信頼性のある自由なデータ流通というような議論が今行われておりますけれども、そういったようなものにも配慮をして、データの流通部分ですね、越境を含んだ流通部分といったところにも配慮がされていて、日本企業のグローバル展開を後押しする内容であるというところを私どもとしては非常にポイントであると考えております。
 また、最後になりますが、四つ目のポイントとしましては、事業者の協力が、これが我々一番関わりますけれども、我々のこの協力というところが努力義務として整理をされたというところと、それによって、我々のこの民間による自主性の尊重をしつつ、過度な規制とならないというところの配慮がされていると。ここ、先ほど一番目に申しましたイノベーションの促進とリスク対応の両立というところにも関わってまいりますが、この四つの点につきまして大変高く評価をさせていただいております。
 これらはいずれも先ほど申し上げましたAIパワードな社会というものの実現に向けた重要な一歩であると捉えておりまして、私ども経団連として本法案を支持しております。
 次に、四つ目の観点でございますが、制度運用というところのお願いの部分になります。
 これ、今申し上げたことの一方で、今後、法律に基づくその政策の運用ですとか、具体的な施策のこの設計というものが行われてまいります。この際も、これから申し上げる四つの点を是非御考慮いただいて、重視をいただくというところが私どもからのお願いとなってまいります。
 まず一つ目は、何度も申し上げておりますが、恐縮でございますが、イノベーションとリスク対応のバランス、ここについては是非柔軟な設計をお願いをしたいと思っております。
 この観点は、やはり日本のAI産業の振興並びに国際競争力と、この部分の強化という観点は、これはもう不可欠なものでございまして、やはりそのときには、国内技術の開発、それからその育成というものが不可欠でございます。海外の技術への過度な依存と、現実的なところもありますけれども、過度な依存ということを減らすということについては、やはり今後、経済安全保障の観点からも、私どもにとっても非常に重要であると捉えております。
 その上で、開発者、提供者、この開発をするものを提供をする方々のこの責任分担の明確化というところが必要かなと。かつ、AIの製品ですとか安全対策といったところに関しては、認証制度等がこれから出てきてまいります。我々はそれを活用して、組織的なガバナンスの強化をやはり行っていくということが必要になりますので、こういった部分でのガバナンスの強化。また、先ほどからもお話出ておりますけれども、高度なAIリテラシーを備えた人材の育成といった取組をバランスよく着実に推進をいただきたいと思います。
 特に人材については、先ほど村上様からも細かくあったところでございますが、やはり今の時代に沿った形の多様性も含めたところでの専門家というところの育成が必要になってくると考えております。
 それから、二番目でございます。柔軟で実効性のある制度設計というところでございます。
 これは、経済界なので、やはりここの部分のところは経団連のメンバーも非常に気にしておりまして、やはり技術の進歩はAIにつきましては相当速いと、それから、それに伴ってビジネスの環境も変化をするというところがございます。そちらに対応するべく、経済界の意見を政策に反映する仕組みというところについては、引き続き整備をお願いをしたいというふうに考えております。
 また、政府が全体のゴールを示して、具体的なところは我々の方に、民間側の方に委ねると。これはゴールベースアプローチというふうに呼んでおりますが、こういった民間側の方の柔軟な動きというものを後押ししていただく、そういったアプローチを期待をしております。
 それから、三つ目でございます。ここは我々非常に重要でございまして、国際的整合性の確保でございます。
 グローバルでは、今欧米もそうですし、それ以外の国々、途上国も含めてなんですが、多くの場でAIの議論がなされております。国際機関も、影響力のある国際機関でも、いろんなフレームワークですとかいろいろなことが議論をされている中で、これらの動向を踏まえて、国際的な相互運用を確保していただくと。
 そのために、広島AIプロセスと、広島AIプロセスについては報告の枠組みがありまして、これは特に日本がリードをしてつくったものでありますし、今国際的にも認知をされていると。こういったような枠組みですとか、あとは国際の標準化といったようなところを推進するとともに、AI関連の国際ルール形成に当たっての日本のプレゼンスというものを確保いただきたいというふうに考えております。
 この部分はルール形成というところでございまして、今後の我々の社会のところに大きく響いてまいりますので、是非この点については官民の連携を強化をいただきたいというふうに考えております。
 そして最後、四つ目でございますが、政府調達の先導的な役割という観点でございます。
 政府自らがAIを積極的に調達し利活用するという、そういう姿勢を示していただくということは、民間の活用の促進ですとか市場の形成に大きく影響を与えてまいります。
 その際のこの調達の透明性の確保というところが一つポイントではあるんですが、できればこの透明性の確保をした上で、やはり先ほど申し上げたように、日本は多様な民間の事業者がおりますので、スタートアップを含めて多様なこの我々の事業者に公正な機会を与えていただくというところがやはりこれから我々が非常に期待をしていくところでございます。
 こちらにつきましては、経団連の中で実はアンケートを取ったりしまして、我々の意見の集約をしております。詳細につきましては、皆様のお手元のこの参考人関係資料の中に入っておりますので、是非御覧いただきまして、こちらの四点の観点からの、この今後の日本における制度の運用の設計をお願いしたいと思っております。
 最後になりますが、いろいろと申し上げましたが、改めまして、本法案の審議に当たりまして、経済界の考え方を述べる機会を頂戴し、感謝をしております。今後の施策のところの具体化に当たりましても、引き続き、実務を担っていく我々企業側の声をお酌み取りいただけますと大変幸いに存じます。
 また、経団連としましても、AIパワードな社会の実現に向けて、官民で緊密に連携をして取り組んでいくという決意を持ってまいります。先生方の御理解を賜りたく、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私からは以上です。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 永沼美保

speaker_id: 30883

日付: 2025-05-22

院: 参議院

会議名: 内閣委員会