古賀之士の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○古賀之士君 立憲民主・社民・無所属の古賀之士です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
冒頭、米国トランプ政権による関税政策について、林官房長官にお尋ねをいたします。
四月九日に発動される予定だった米国トランプ政権による相互関税は、一旦九十日延期されました。ただ、今この瞬間も世界各国は対応に追われております。最新の日本の交渉状況、また今後の見通しについてお尋ねをいたします。
この法案は、今お尋ねした米国と密接な関係を築き、前へ進むことが前提条件となります。米国の現政権の政策において、科学や技術の進歩によって社会課題を解決する革新的な技術、いわゆるディープテックに資する半導体産業は大きな柱であり、安全保障上も極めて重要です。日米双方の安全保障上の観点から、武藤経済産業大臣はどのように日本と米国の半導体産業を考えているか、お答えください。
半導体産業は、ますます世界に欠かすことができない時代になりました。スマートフォン、その情報を扱うデータセンター、自動車や家電製品、ありとあらゆる生活シーンでもはや誰もがその影響や恩恵を受けています。
恩恵といえば、実は今、国民の皆様、議場の皆様にお伝えしているこの質問原稿も、私のしゃべる言葉をスマートフォンが聞き取って瞬時に文字起こしをしてくれたものです。ありがとう半導体、質問原稿作成になくてはならない存在になりました。口述筆記をしてくれたそのスマートフォンですが、おととし発売されたもので、半導体は今は海外製です。
今回取り上げるのは、私のスマートフォンに搭載されている半導体、現在は三ナノですが、それを更に上回る二ナノの次世代半導体の国内産業支援に向けた法律の改正案です。二ナノを目指す次世代半導体は、国内で生産する意義は何でしょうか。経済産業大臣に伺います。
半導体の製造に関しては、TSMCが米国に投資し、工場建設の計画があるなど、激しく厳しいグローバルな競争にさらされることが予想されています。その際、我が国の次世代半導体を買ってもらえるのは、どんな国やエリアを想定されていますか。経済産業大臣にお尋ねをいたします。
かつての我が国の半導体産業について、栄光と、残念ながら凋落の歴史に触れておかなければなりません。かつては日の丸半導体と言われ、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。一九七九年に出版された米国エズラ・ヴォーゲル氏の著書「Japan as No.1」の象徴的な産業で、一九八八年には世界シェアの実に五〇%以上を占めていました。
しかし、昨年、令和六年、二〇二四年のシェアは七%台にまで落ち込んでいます。主な凋落要因として、日米貿易摩擦、設計と製造の水平分業の失敗、デジタル産業化の遅れ、国内企業の投資縮小と海外の国家的事業育成などが挙げられます。
このような過去の半導体政策の反省を踏まえた上で、今後の半導体政策についてどう臨もうとしているのでしょうか。経済産業大臣にお聞きいたします。
既に有力とされている北海道の企業に対し、昨年度までに上限九千二百億円の公的支援が決定しています。その有力企業では、令和九年、二〇二七年量産開始に向けて、最先端半導体の技術開発ではIBMとの共同研究を行っているとされています。その進捗状況はいかがでしょうか。経済産業大臣に伺います。政府や経済産業省に報告を受けていると思われる最新のエビデンスを、データを含めお示しください。
さらに、北海道の有力企業はこの四月からパイロットラインの立ち上げが開始されており、試作品ができたとしても、量産開始に向けては歩留りを向上させていくことが重要と考えますが、どのように歩留りを上げていくのか、経済産業大臣、御答弁願います。
さらに、経産大臣に伺います。
量産に数兆円、更に中長期的に総額八兆円規模と、空前の産業支援となる見込みです。成功してもらいたいのは山々ですが、もし様々な要因で不幸にも中断や別の道を進まざるを得なくなったときに、その状況を捉え、また支援について決断するのはどの組織、誰の責任となるのでしょうか。少なくとも、政府がしっかりと進捗を管理すべきではないでしょうか。その際、どのような指標をもって、どのように進捗管理を行っていくのか、経産大臣、お答えください。
また、加藤財務大臣に伺います。
このような大型の産業支援に関して、現状、今回のやり方を今後も踏襲されるお考えなのか。問題、課題はないのでしょうか。お尋ねいたします。
半導体への投資は、地域への波及効果をもたらすことが期待されています。北海道の有力企業の周辺地域では、関連企業の進出を当て込んだオフィスビルやマンション、アパート、またショッピングセンターなど、建設ラッシュも始まっています。雇用、賃金、投資、中小企業を含めた地域の産業について、政府として、この半導体投資によりどのような効果があると考えているでしょうか。経産大臣、御答弁願います。
一方で、例えばTSMCが立地した九州熊本では、渋滞等による生活環境の悪化や地下水の枯渇等を危惧する声も当初多く聞こえました。そのため、TSMCが時差出勤や通勤バスの導入を積極的に図ったり、地下水は七五%再利用することを約束し、熊本県も地下水の枯渇や汚染を常時監視するリアルタイムモニタリングを導入したりするなど、地域に配慮した対策が取られています。
こうした半導体投資に伴って発生しかねない地域社会の環境的なネガティブな側面にもしっかり対応していくべきではないでしょうか。経産大臣、お答えください。
半導体産業の復活に向けては、何より人材育成が不可欠です。一般社団法人電子情報技術産業協会によれば、全国で今後十年間に四万人以上の半導体人材が不足すると言われています。半導体人材の育成に向けてどのように取組を進めますか。経産大臣に伺います。
次は、提案、問題提起を含めた質問です。
経産大臣は、二ナノの国産最先端半導体で何をしたいですか。それこそが、我が国の古くて新しい課題です。
日の丸半導体が絶頂期の半導体は四十ナノでした。それ以上の最先端の半導体の需要は国内にはありませんでした。設計を得意とする米国は、日本以外の国々へ製造を依頼して、米国内で四十ナノを上回る半導体を使った商品を次々と開発していきました。それがパソコンや携帯、スマホへとつながっています。
半導体産業の栄枯盛衰は僅か四年のサイクルとも言われています。今年の一月から三月までの僅か三か月間で、速報値ではありますが、TSMCは過去最高の三兆八千億円の売上げを記録しました。しかし、このように我が世の春状態のTSMCですが、二年後には反動が襲ってくるかもしれません。世界一とされるTSMCでさえ、将来が保証されているとは言い難いのが今の半導体市場の現状です。
冒頭お尋ねした最近の関税問題を考えると、一日先でさえ分かりません。となると、量産開始が予定される令和九年、二〇二七年から世界に最先端半導体を輸出することを事業の主なミッションとするのは心配です。
そこで、お尋ねしたいのが、国内での最先端半導体の活用です。
経産大臣、令和九年、二〇二七年以降、最先端半導体を使って何が国内で作れますか。そして、最先端半導体を使った日本製の製品やサービスの何が私たちを、我々をわくわくさせてくれますか。最先端の半導体で何を作って、世界の皆様に何を提供できて、どんな貢献ができるのでしょうか。
一つは、人間の代わりになるヒューマノイドロボットです。人型ロボットです。私たちは、鉄腕アトムやドラえもんのようなアイデアだけではなく、いや、それだけでもすばらしいアイデアですが、ASIMOのような実在するロボットなど、人間のような動きをするヒューマノイドロボットを既に誕生させています。
しかし、それを使った具体的な需要が日本の経済社会になかったために、その先に進めなかった日本。ちょうど今月十三日に大阪・関西万博が開幕しましたが、振り返ってみると、一九七〇年の大阪万博には、実は数多くのヒューマノイドロボットが登場していました。今、日本でヒューマノイドロボットの存在感は際立っているとは強くは感じられません。国が余り支えてこなかったのが、ヒューマノイドロボット産業の凋落の一因ではないでしょうか。
一方、二〇二五年、今年一月、米国ラスベガスでの最先端デジタル産業見本市CESでは米国や中国を中心にヒューマノイドロボットの展示が多数あり、人に代わって工場で働いたり、人に代わって家事を担ったりすることが想定されています。鉄腕アトムやドラえもんのように、一家に一台、一家に一人の時代も遠くないかもしれません。ヒューマノイドロボット産業のような最先端半導体を使う国内産業の育成が喫緊の課題ではないでしょうか。経済産業大臣に伺います。
ところで、今世界を席巻しているGAFAMと呼ばれる企業は製造業でしょうか。グーグルは、アップルは、アマゾンは、マイクロソフトは。恐らくサービス業ではないでしょうか。
経産大臣に伺います。
大量生産、大量消費のための製造業の効率化、我が国が、日本が最も得意としてきた分野ですが、世界ではサービス業と製造業の融合が進み、サービスでもうける仕組みを着々と構築しています。先ほど取り上げたヒューマノイドロボットも人の代わりをする、言わばサービスの担い手です。日本を豊かにしてくれる日本製のロボット。世界の後追いではなく、独創性に満ち、我々をわくわくさせてくれるようなものであってほしいものです。
技術に裏打ちされた有力な製造業が製品を製造するだけでも多くの知恵や努力が必要です。そして、今後望まれるのは、サービス業との融合であり、そこに楽しさ、癒やし、憩い、エンターテインメントなど芸術文化などまで、バージョンアップしたり、アフターケアとして更なる楽しさをも提案してくれたりする、そんな複合、総合産業を後押しするのが国産の最先端半導体であってほしいものです。
そんな動きが期待できますよね、経産大臣。社運ならぬ国運を懸けた力強い責任と覚悟を御答弁願います。
日本の将来と未来が懸かる極めて重要な法案であることを広く皆様に御理解していただき、闊達な審議が行われることを期待して、質問を結びます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕