武藤容治の発言 (本会議)

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○国務大臣(武藤容治君) 古賀之士議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 安全保障の観点からの日米の半導体産業についてお尋ねがありました。
 米国には、エヌビディア等の有力な設計メーカーのほか、大手半導体メーカー等による製造基盤も存在します。また、我が国は製造装置や部素材の分野で強みを有しています。このように、半導体のサプライチェーンは幅広い産業・技術領域から構成されています。一国だけでサプライチェーン全体を賄うことは困難であり、米国を始めとする同盟国、同志国等との連携が不可欠です。
 日米間については、二月七日の日米首脳共同声明において、先端半導体等の重要技術開発で世界を牽引するための協力を追求されることが明記をされています。引き続き、日米連携を深めてまいります。
 次に、次世代半導体の国内生産の意義についてお尋ねがありました。
 二ナノの次世代半導体は、DX、GXなど産業構造が大きくパラダイムシフトを迎える中、生成AIや自動運転等に不可欠なものです。経済安全保障上も重要であり、グローバルの需要も特に大きく増大すると見込まれております。
 このように、今後の経済、産業、生活に不可欠となる半導体を他国に依存して購入しなければ生きていけない国になるのか、あるいは、日本の中でこれを生産することによって国内に富を生み、世界にも貢献できるようになるのか、まさに今その分岐点に立っているところです。
 二ナノの次世代半導体の量産は、海外のトップ企業を含め、いまだ実現に至っていない野心的な取組です。しかし、これを諦めては我が国の国益を大きく損ねることになりかねません。こうした強い問題意識の下、国として一歩前に出る形で本プロジェクトを推進しています。
 次に、次世代半導体の販売先についてお尋ねがありました。
 次世代半導体の需要は、まずは最先端のデジタル関連企業が集積する北米が中心となると考えています。一方、我が国産業全体の国際競争力の強化に向けて次世代半導体の国内利活用の拡大が必要であり、国内外の取組を並行して進めることが重要です。
 ラピダスは、米国のIBMがAI・半導体の製造委託先にラピダスを活用すると公表したほか、他の北米の新興企業との連携も進んでいます。また、国内においても、プリファードネットワークスとさくらインターネットとの間での提携が発表されています。
 半導体政策に関する過去の反省と今後の方針についてお尋ねがありました。
 過去の半導体政策の失敗の要因として、一九八〇年代、日米半導体協定による貿易規制が強まったこと、国内企業の再編や日の丸自前主義の技術開発に注力する傾向にあり、海外との連携やグローバルな技術動向への対応が不十分だったこと、機動的かつ適切な投資支援策を講じることができなかったことなどが反省点があると考えているところです。
 こうした反省点を踏まえ、現在の半導体政策では、例えばラピダスプロジェクトにおいて、米国のIBMやベルギーのImecといった海外トップクラスの機関との密接な連携を進めるとともに、顧客開拓につながる設計開発支援も実施しています。また、機動的に適切な支援を実施できるよう、AI・半導体分野へ七年間で十兆円以上の公的支援を行う財源フレームを措置することとしました。引き続き、過去の反省点をしっかり真摯に受け止めながら政策を進めてまいります。
 ラピダスプロジェクトの進捗状況及び最新のデータについてお尋ねがありました。
 ラピダス社の研究開発に関するデータは、同社の競争上の優位性を阻害するおそれがある機微情報に当たるため、公表することは適切ではないと考えています。
 その上で、同社の研究開発の進捗については外部有識者による審査を受けています。先月実施した審査では、IBMの米国拠点における研究開発で得た技術データの確認も含めて順調な進捗と評価されています。これを受けて、約八千億円の予算追加を承認しました。今月からは千歳においてパイロットラインの立ち上げが開始されており、今後、歩留り改善等に向けた量産製造技術の高度化を加速させる予定となっています。
 次に、ラピダスプロジェクトにおける歩留りの向上についてお尋ねがありました。
 ラピダスでは、全工程枚葉式の生産プロセス等を採用し、競合他社よりも短納期の生産方式の構築を目指しております。これにより、生産に関する多くのデータが得られ、また得られたデータを用いた改善サイクルを高速で回すことで迅速な歩留り向上が期待されます。こうした取組も含め、引き続き、適切なマイルストーンを設定をし、外部有識者による審査も踏まえながら、プロジェクトの成功に向けて全力で取り組んでまいります。
 プロジェクトの状況把握や、支援を決断する組織と責任についてのお尋ねがありました。
 本法案における支援対象の選定や選定後の事業の進捗管理については、経済産業省の責任の下で外部有識者等の意見を踏まえて行います。進捗管理に必要なマイルストーンを設定をし、説明責任を果たしながら全力で取り組んでまいります。
 進捗管理の必要性及び指標についてお尋ねがありました。
 ラピダスプロジェクトについては、これまで、外部有識者による厳格な審査を毎年度実施し、研究開発等の進捗状況を確認の上、追加の支援を決定してきました。また、本法案に基づく次世代半導体事業者への量産支援についても、外部有識者による委員会の下、量産技術の開発状況や半導体設計事業者との提携状況等のマイルストーンを設定をし、支援の継続等の要否も含め、進捗管理を徹底してまいります。
 半導体投資に伴う地域への波及効果についてお尋ねがありました。
 TSMCが立地した熊本県では、一人当たり雇用者報酬が年三十八万円増加し、十年間で関連産業全体で一万人以上の雇用効果が見込まれるとの試算があります。また、TSMCの進出決定以降、公表されている情報だけでも、中小企業を含めて八十六社の企業が熊本県への進出又は設備拡張を決定しております。
 ラピダスが立地した北海道では、製造装置の海外大手企業が新たな拠点を設立しています。ラピダスと地元企業とのマッチング事例も少しずつ増加しています。今後、量産段階を含めた十四年間で約十九兆円の経済波及効果が期待されるとの試算があります。このように、半導体への大規模投資は、地方経済に広範な波及効果をもたらすと認識をしております。
 次に、半導体投資に伴う地域社会へのネガティブな影響についてお尋ねがありました。
 半導体への大規模投資は、地域経済を牽引する起爆剤となり、歓迎する声も多い一方で、周辺地域への悪影響を懸念する声も上がっていると承知をしています。
 御指摘の渋滞や地下水への懸念に対応するため、内閣府の地域産業構造転換インフラ整備推進交付金を通じて、北海道千歳市や熊本県菊陽町等に対し、道路や工業用水等の整備について支援を行っています。
 このほか、環境対策に対する懸念も含め、地元の声に耳を傾けながら、一つ一つの課題に対して、関係省庁や地元自治体等との連携をしっかりしながら丁寧に対応してまいります。
 次に、半導体人材の育成に向けた取組についてお尋ねがありました。
 我が国の半導体産業の復活に向けて、大学等の教育機関を始め地域の産学官と協働しながら、半導体人材を育成、確保することが重要です。
 経済産業省では、各地域に半導体人材育成等を担うコンソーシアムを設立し、地元産業界のニーズや地域の実情に応じた取組を推進しています。また、国際連携の下で最先端半導体の研究開発、人材育成等を行う技術開発組合LSTCが最先端の半導体設計に必要な高度専門人材の育成にも取り組んでいます。
 引き続き、関係省庁や関係自治体等と密接に連携しながら、人材育成、確保に必要な取組をしっかり進めてまいります。
 次に、二ナノの国産最先端半導体の活用と、ユースケースや最先端半導体を使う国内産業の育成についてお尋ねがありました。
 生成AIの利活用範囲が急速に拡大する中、情報処理の高度化と低消費電力化の実現を念頭に、自動車やロボティクス分野など様々な分野で、最先端半導体と一体となったAIを用いた新たなサービスの展開が期待をされます。このため、経済産業省としては、自動車分野における先端半導体の利活用促進に向けた設計支援や、ロボティクス分野等における高度なAI基盤技術の開発などを進めております。
 こうした取組を通じて、最先端半導体の国内におけるユースケース創出とユーザー産業の育成の両立を図り、新たな製品やサービスの提供につなげてまいります。
 いわゆるGAFAMと呼ばれる企業についてお尋ねがありました。
 これらの企業は、いずれも多様な事業を複数展開しており、製造販売だけではなく、サービスで収益を上げる仕組みを構築しているものと認識しているところであります。
 本法案に関する責任と覚悟についてお尋ねがありました。
 今後、自動運転やAIロボット等の社会実装が予想される中で、我が国も革新的な製品、サービスの創出を通じて、産業競争力の強化と経済成長を実現していくことが重要です。その実現に向けて不可欠となる半導体を他国に依存して購入しなければ生きていけない国になるのか、あるいは、日本の中でこれを生産することによって国内に富を生み、世界にも貢献できるようになるのか、まさに今その分岐点に立っております。
 こうした強い問題意識の下で、次世代半導体の量産と、それを活用したAIの活用及び利活用を一体的に進めてまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 武藤容治

speaker_id: 5964

日付: 2025-04-16

院: 参議院

会議名: 本会議