武藤容治の発言 (本会議)
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○国務大臣(武藤容治君) 梅村みずほ議員の御質問にお答えします。
今回の法案と世界の軍事バランスや台湾有事との関連性、そしてTSMC熊本工場への影響についてお尋ねがありました。
台湾有事についてお答えを差し控えますけれども、一般論として、最先端半導体の供給についてはその大部分を台湾に依存しており、国際秩序が不安定化し、軍事バランス含めた地政学リスクが高まる中、その重要性は一層高まっております。こうした点を踏まえ、今回の法案は、次世代半導体の生産を国内で安定的に行うために必要な支援措置を講ずるものです。
また、TSMC熊本工場につきましては、支援の要件として、十年間の生産継続や需給逼迫時の増産等を通じた国内の安定供給に資する措置を求めており、支援対象となる半導体の供給に何らかの支障があれば適切に対応することとなっております。
次に、半導体製造装置や部素材に関する戦略についてお尋ねがありました。
製造装置・部素材産業は、日本企業が世界市場で大きな存在感を有しています。世界の半導体サプライチェーンの中で、技術的な観点でも不可欠な存在です。こうした我が国の強みを生かしていくことは、日本の産業競争力強化や世界の半導体サプライチェーンの強靱化の観点からも重要と認識しています。
このため、製造装置、部素材について、経済安全保障推進法に基づく国内生産能力の強化に向けた設備投資支援や研究開発支援を講じています。
今後とも、製造装置・部素材領域も含め、半導体関連の国内エコシステムの強化に努めてまいります。
続けて、露光装置市場を取り戻す仕掛けについてお尋ねがありました。
極端紫外線を活用したいわゆるEUV露光装置、これについては最先端半導体を製造する上で最も重要な装置です。我が国でも、過去、開発に取り組んでいましたが、国際連携の視点が不十分であったことも一因として実現に至りませんでした。
こうした過去の反省も生かしつつ、現在は露光装置等の製造装置、部素材について、海外のトップ半導体メーカーや研究機関等と連携した開発支援を行っています。今後も、こうした取組を通じて必要な支援を講じてまいります。
ラピダスに対する民間企業からの出資についてお尋ねがありました。
ラピダスは、これまで、研究開発の初期段階であることや、量産を開始し売上げや利益を上げるまでに相応の時間が掛かることもあり、民間企業の出資は合計七十三億円でした。その後、外部有識者から評価された研究開発の順調な進捗や本年四月からの試作ラインの立ち上げ開始などを踏まえ、現在、ラピダスにおいては一千億円規模の追加出資に関する調整が本格化していると認識しております。
経済産業省としても、本法案による出資や債務保証等の金融支援を通じて、民間からの資金調達を後押ししてまいります。
特会縮減との整合性や、財政の複雑化、肥大化についてお尋ねがありました。
今般のAI・半導体産業基盤強化フレームにおいては、財投特会投資勘定からの繰入金などを半導体・AI関連措置に活用します。これらの歳入と歳出を明確化するとともに、特別会計の数を不用意に増加させないという特会改革の趣旨も踏まえ、目的が近似するエネルギー対策特別会計に新たな勘定を設け、区分経理いたします。
その上で、各年度に必要な予算については、国会に予算案を提出し、御審議いただいた上で措置してまいります。その際、行政の都合で財政を肥大化させているとの疑念を生じさせないよう、丁寧な説明を尽くしてまいります。
IPAの人材育成業務についてお尋ねがありました。
今回の法改正により、例えばIPA独自の人材育成コンテンツの作成や提供等を新たに行うことができます。こうした業務が適切に実施されるよう、主務大臣として、中期目標の指示や中期計画の認可、事業年度ごとの評価等を通じて対応してまいります。
また、IPAにおける情報処理技術者試験やデジタル人材指針作成などのこれまでの実績を土台としつつ、人材育成業務の能力を更に向上させるため、体制強化等に取り組んでまいります。
債務保証に関するIPAの体制についてお尋ねがありました。
IPAの金融支援の実施に向けては、審査等の専門的な知見を有する職員を金融機関など外部から登用することなどにより、機構内に万全の体制を構築してまいります。
また、IPAが債務保証を行う際は、必要性やリスク等を総合的に勘案しつつ、出資等業務基準に基づき、国と十分に協議しながら、その適正性を判断することとなります。また、債務保証を行った後は事業者に対する適切なモニタリングを実施し、状況に変化があれば速やかに適切な対応ができるよう、国とIPAで緊密に連携を図ってまいります。
地域経済への配慮についてお尋ねがありました。
半導体への大規模投資は、地域経済を牽引する起爆剤となり、歓迎する声も多い一方で、地域の企業で人材確保が困難になるなどといった周辺地域への悪影響を懸念する声も上がっているものと承知をしています。
このため、産学官が連携をし、地域の実情やニーズに応じて取組を進める地域人材育成等コンソーシアムを北海道を含む各地に設立し、人材のパイを増やすことで半導体企業と地元企業の人材確保の両立を図っています。
加えて、中小企業の人手不足の課題に対しては、省力化投資への支援を進めるとともに、経営課題への相談体制を整えることなどを通じ、懸念の解消につなげてまいります。
引き続き、地元自治体等とも密接に連携をし、地元の声に耳を傾けながら、課題に一つ一つ丁寧に対応してまいります。
最後になりますが、関係者の責任や政府のチェック機能、情報開示の体制についてお尋ねがありました。
政策については、その時々の社会経済情勢を踏まえ、必要かつ適切と判断したものを実施しています。その上で、期待された成果が伴わなかった場合、その要因等をしっかりと検証し、次の政策立案に生かすことが政府の責任であると考えています。
今回の法案に基づき、支援対象事業者を選定する際は、経済産業省の責任の下で、事業所から提出される計画について、外部有識者も交えて事業の実施体制も含めて精査することでその適切性を確保してまいります。
また、政府のチェック機能につきましては、外部有識者による委員会の下、適切なマイルストーンを設定し、事業計画等の進捗をモニタリングするとともに、必要に応じて事業計画の見直しも検討する仕組みを構築しています。
モニタリングの結果等については、個社の競争上の優位性を阻害することがないよう、ビジネス上の機密事項等に配慮しつつ、国民への説明責任を果たすべく、適切なタイミングで可能な限り公表してまいります。事業者自身による事業状況等の情報開示についても促してまいります。(拍手)
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