武藤容治の発言 (本会議)
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○国務大臣(武藤容治君) 礒崎哲史議員の御質問にお答えをさせていただきます。
想定しているマイルストーンの内容についてお尋ねがありました。
本法案に基づく次世代半導体事業者への量産支援については、半導体の技術や経営、金融などの専門家が参画する産業構造審議会の次世代半導体等小委員会においてマイルストーンを適切に設定をし、その達成状況等を確認していきます。
マイルストーンとしては、例えば量産技術の開発状況や半導体設計事業者との提携状況について設定することが想定されますが、同小委員会の意見を踏まえつつ、今後、具体化に向けた検討を進めてまいります。
マイルストーンの評価時期や形式、実施手順についてお尋ねがありました。
今後設定するマイルストーンについては、産業構造審議会の次世代半導体等小委員会において、それぞれ達成すべき時期や形式、実施手順などをあらかじめ設定した上で、各マイルストーンごとに同小委員会の意見を踏まえつつ評価、確認していくことを想定しております。
過去の政策におけるマイルストーンの設定についてお尋ねがありました。
過去に政府が支援した案件においても、当時の工程管理プロセスの下で一定の目標設定や進捗管理はなされていたものと認識しています。他方、個々のプロジェクトの内容や体制、進め方については、国内企業の再編や日の丸自前主義の技術開発に注力する傾向にあり、海外との連携やグローバルな技術動向への対応が不十分であったこと、またアカデミアによる研究開発面が強調され、民間企業の巻き込みが十分でなかったこと、機動的かつ適切な投資支援策を講ずることができなかったことといった点が反省点として挙げられると考えています。
マイルストーンの進捗が思わしくない場合の対応についてお尋ねがありました。
本法案に基づく次世代半導体事業者の支援については、外部の専門家が参画する次世代半導体等小委員会において事業の進捗管理に関するマイルストーンを適切に設定、確認をし、必要に応じて事業計画の見直しも検討することとしております。支援事業の進捗管理は重要な課題であり、経済産業省として適切に対応してまいります。
黄金株の保有についてお尋ねがありました。
本法案に基づき出資の対価として取得する株式の設計につきましては、選定された事業者の事業計画の内容や産業構造審議会の次世代半導体等小委員会の意見等を踏まえて検討するため、現時点で株式設計の具体的内容は決まっていません。ただし、同小委員会においては、例えば重要な経営事項に拒否権を有するいわゆる黄金株も参考にしながら株式の設計をしていく必要がある旨の方向性も示されております。こうした方向性にも沿って、同小委員会の意見等を踏まえて具体的な株式設計を検討していきます。
特許権の帰属など、高度な技術やデータの保護対策についてお尋ねがありました。
ラピダスに対する委託研究開発事業では、知的財産権について開発者であるラピダスに帰属させるなど、NEDOが定めたルールに従って適切に運用されています。その上で、機微な技術情報にアクセスできる者を限定するなど、適切な情報管理体制の確保を求めております。技術流出の防止は重要なポイントであり、引き続き適切に対応してまいります。
今後の支援フレームでの支援規模や日本の支援の特徴についてお尋ねがありました。
十兆円以上という公的支援については、各国に見劣りしない支援規模の確保や、AI・半導体関連分野における十年間で五十兆円超の国内投資の誘発を通じた国内の産業基盤の充実といった観点を踏まえて措置しており、十分な規模を確保したものと考えています。
我が国の支援策は、他国と比較し、支援決定が迅速で着実に執行されるとの評価を海外からも受けています。AI・半導体産業基盤強化フレームを活用する中で、こうした我が国の強みも生かしながら、我が国半導体産業の復活に向けて取り組んでまいります。
今後の半導体の産業構造についてお尋ねがありました。
我が国の半導体産業が競争力を失った主な要因として、自前主義による垂直統合型の産業構造から、ユーザー企業、設計企業、前工程製造企業、後工程製造企業などから成る水平分業型への変革を捉えることができなかった点があったと考えております。
現在は、海外の大手デジタル企業やEV企業等では、自社製品に最適化された専用半導体を自ら設計し、製造を委託することで競争力を高める流れが拡大しつつあります。
政府としては、こうした産業構造の変化に対応するべく、例えばラピダスプロジェクトでは、専用半導体の需要を獲得するため、前工程と後工程を統合することなどによる短納期製造に取り組んでおります。また、自動車、通信等の需要側における先端半導体の設計開発支援も行っており、これらの取組を通じて産業構造の変革を促してまいります。
次に、日本のDX投資に対する認識と今後の方針についてお尋ねがありました。
我が国では、データセンターの整備を含め、DXに必要な投資が十分に増加してこなかったと認識しております。その背景として、ベンダー企業が個別のITシステムを開発し、ユーザー企業に納入する受託開発の構造の中で、ユーザー企業の内部にデジタルに関するノウハウが蓄積しにくく、積極的なデジタル投資が行われなかったこと、両者とも十分な人材投資を行わなかったことが構造的な課題であったと認識しております。
こうした課題を踏まえ、経済産業省では、経営者の意識改革やデジタル人材育成、先端的なAI等の研究開発等を進めることで、新たな付加価値を生み出すDXに向けた投資を促進しています。また、経済安全保障や産業競争力強化の観点から、国内事業者が計算資源を整備することは重要であり、国内事業者による投資を促すための政策を講じてまいります。
日本がリードする分野を伸ばす戦略についてお尋ねがありました。
御指摘のパワー半導体や部素材を始め、日本が高い技術力や競争力を有している領域においても国際競争は激化しています。このため、経済産業省では、パワー半導体を含む従来型半導体や部素材等の国内生産能力の強化に向けた設備投資支援を行うとともに、先端的な研究開発支援も行っています。
こうした取組を今後も推進し、我が国が競争力を有する分野を更に伸ばすことでグローバル市場における存在感を示してまいります。
デジタル人材育成についてお尋ねがありました。
二〇二六年度末までにデジタル人材を二百三十万人育成するという目標に向け、経済産業省とIPAは、情報処理技術者試験の運営、デジタル人材育成の指針策定等を行っております。本法案を通じ、IPAのデジタル人材育成業務を拡大させ、IPA独自の人材育成コンテンツの作成や提供等を新たに検討しています。
また、半導体の人材育成については、地域の教育機関と協働することも重要です。経済産業省では、各地域で産学官連携のコンソーシアムを設立しており、今後も地域の実情に応じた人材育成、確保の取組を推進してまいります。
APB社の全樹脂電池の技術流出の可能性についてお尋ねがありました。
経済産業省として、本年三月に改めてABP社の技術について不正な流出が起こっていないか確認を行った結果、同社は、海外企業と面談を行った実績があるものの、技術的な秘密情報を含まない内容で面談を実施したこと、全ての工場視察や情報、失礼、重要情報の取扱いに当たっては、技術流出が生じないよう、事前に社内承認を要する運用を徹底して確認を行う体制を構築していることを確認いたしました。その他、二月の質疑で指摘のあった内容について確認をいたしましたけれども、技術的な秘密情報の不正な流出は確認されませんでした。
引き続き、国の事業で開発した技術が流出しないように万全を期してまいります。(拍手)
〔国務大臣あべ俊子君登壇、拍手〕