石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 柴田巧議員の御質問にお答えをいたします。
 衆議院での法案修正に対する政府の受け止めについてのお尋ねをいただきました。
 衆議院における法案修正では、通信の秘密の尊重を明記する規定、サイバー通信情報監理委員会から国会への報告内容に含まれるべき事項を具体的に列挙する規定、通信情報の利用に関する規定の施行後三年を目途として法の施行状況等について政府が検討を加えることとする規定の三点が追加されたものと承知をいたしております。
 国会で行われました法案修正について政府の立場から評価をすることは差し控えますが、この法案が可決された場合には、こうした修正に至る御議論の内容を十分に踏まえながら、関係職員への周知と啓発等により、通信の秘密の尊重を徹底するとともに、サイバー通信情報監理委員会による公正な審査、検査等と丁寧な国会報告により、法の運用状況を的確に国会に御確認いただけるよう取り組んでまいります。
 セキュリティークリアランス制度の活用による官民の情報連携の強化等についてのお尋ねです。
 サイバー対処能力強化法案におきましては、政府が、事業者からインシデント情報、通信情報など様々な情報を得て、これらを整理、分析するとともに、サイバー攻撃による被害の防止に必要な情報を政府が事業者に提供するなど、官民双方向での情報共有を推進することといたしております。
 政府から提供する情報にはサイバー攻撃の目的や背景などの機微な情報も含まれ得ることから、例えば、協議会の構成員となる事業者についてはセキュリティークリアランス制度の活用も想定し、適切な情報管理に努めてまいります。
 同志国、同盟国とギブ・アンド・テークの関係を構築するにはインテリジェンス能力の向上が不可欠であるとの議員の御指摘はそのとおりであって、令和四年に閣議決定をいたしました国家安全保障戦略におきましても、サイバー安全保障分野における情報収集、分析能力を強化することとしております。
 政府におきましては、昨年七月に内閣サイバーセキュリティセンターにサイバー空間におけるインテリジェンスを担当するユニットを設置するなどの取組を進めているところであり、引き続き、政府全体として、サイバー空間と実社会の双方においてインテリジェンス機能の強化に努めてまいります。
 基幹インフラ制度への医療分野追加の必要性と検討状況についてのお尋ねであります。
 近年、医療機関がサイバー攻撃を受ける事例が生じておりますほか、医療DXの推進やそれに伴う医療機関のシステム環境の変化が見込まれること等も受け、経済安全保障法制に関する有識者会議等において、基幹インフラ制度に医療分野を追加することについて検討を進めております。具体的には、医療の安定的な提供を確保する観点から、個別の医療機関や、今後医療DXに関するシステムの開発、運用の母体となる社会保険診療報酬支払基金のそれぞれについて、今年の夏までに結論を得るべく、政府として着実に検討を進めてまいります。
 中小企業のサイバーセキュリティ対策についてであります。
 我が国の経済の基盤となる中小企業のサイバーセキュリティ対策の強化は喫緊の課題であり、サプライチェーン全体の防護の観点からも重要であると認識をいたしております。
 中小企業への支援策としては、例えば経済産業省において、サイバーセキュリティ対策の実施に役立つガイドラインの作成、システム異常の監視、緊急対応の支援などのサービスをまとめて提供するサイバーセキュリティお助け隊サービスを利用する中小企業への補助などの取組を実施しているところであり、引き続き、様々な施策を通じて中小企業のサイバーセキュリティ対策を支援をいたしてまいります。
 また、今回のサイバー対処能力強化法案では、官民で必要な情報共有等を行うための協議会を組織することといたしており、基幹インフラ事業者と取引のある中小企業も、必要があると認める場合には協議会の構成員となっていただくことを想定いたしております。
 協議会の構成員には資料の提出等の求めへの応諾義務等もありますことから、協議会の構成員に加えるに当たっては当事者から事前の御同意を得ることといたしております。そのため、法が施行されていない現段階において協議会に参加する事業者数の見込みをお示しすることは困難でございますが、必要な企業に御参加いただけますよう、協議会の意義等について適切に周知を図ってまいります。
 総合整理分析情報についてでございますが、お尋ねの総合整理分析情報は、サイバー対処能力強化法案の規定に基づき政府が取得することとなるインシデント報告や通信情報のほか、委員御指摘のような関係省庁や外国政府から提供される各種情報や、サイバーセキュリティの専門企業が公表したサイバー情勢等に関する情報なども活用し、これらを一体的に分析することにより作成していくことを想定いたしております。
 政府として様々な情報を収集、分析し、有用な総合整理分析情報を作成、提供することで我が国のサイバー対処能力の強化につなげてまいります。
 内閣官房と内閣府に置かれる新組織についてでございます。
 内閣官房に新設されることとなる事務次官級の内閣サイバー官は、国家安全保障局次長も兼ね、サイバーセキュリティ及びサイバー安全保障の事務について政府全体の総合調整を強力に行うものでございます。この内閣サイバー官を補佐する内閣官房の新組織は、現在の内閣サイバーセキュリティセンターが担っております行政各部の情報システムに対する不正な活動の監視、分析や、サイバーセキュリティの確保に関する助言などの事務に加えまして、アクセス・無害化措置などの運用に係る総合調整や重大なサイバー攻撃が発生した際の官民一体となった対処の調整などにも取り組むものでございます。
 これに対しまして、内閣府に置かれる新組織は、サイバーセキュリティインシデントの発生時における基幹インフラ事業者からの報告の受理、基幹インフラ事業者等からの通信情報の取得とその分析など、新法に基づき、官民の連携強化や通信情報の利用等の事務を自ら行うものでございます。
 内閣官房と内閣府に新設される組織は相互に密接に関連する事務を行うものでありますことから、担当職員を兼務させるなどして一体的に運用していくことを想定いたしております。これにより両組織の緊密な連携が確保され、サイバーセキュリティ及びサイバー安全保障の分野における取組を強力に推進することができるものと考えております。
 アクセス・無害化措置についてでございます。
 アクセス・無害化措置は、比例原則に基づき、重大なサイバー攻撃による危害を防止するために必要最小限度の措置として行われるものでございます。とるべき措置の具体的な内容は、個別具体の事案に応じてその都度適切に判断していく必要があり、法の規定以上の判断基準や措置の限界を定めることは困難ですが、警察官や自衛官による措置の実施については警察庁長官等又は防衛大臣が指揮を行うこととしているところであり、御指摘のように、現場の担当者がちゅうちょして判断が遅れるというようなことがないよう、適切に指揮を行ってまいります。
 内閣官房に設置されることとなる新組織につきましては、警察や自衛隊を始めとする関係機関との間で、サイバー空間の脅威に関する情報、個別のアクセス・無害化措置の内容、結果などの様々な情報を共有し、御指摘のような事態の変化にも的確に対応しながら、司令塔機能を十分に発揮できるよう努めてまいります。
 アクセス・無害化措置に関する国際法上の判断を行うに当たっての姿勢についてのお尋ねをいただきました。
 国外に所在するサーバー等にアクセス・無害化措置を行うに当たりましては、国際法上許容される範囲内で措置が行われることを確保する観点から、実施主体が警察庁長官又は防衛大臣を通じてあらかじめ外務大臣と協議を行うこととされております。
 この点、差し迫った危害に対処する上で、この協議を適切かつ迅速に行うことは極めて重要であり、平素から内閣官房、警察庁、防衛省及び外務省との間で緊密に連携して、協議を適切かつ迅速に行うことができるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2025-04-18

院: 参議院

会議名: 本会議