竹詰仁の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
 会派を代表し、ただいま議題となりましたサイバー対処能力強化法案及び同整備法案について質問をいたします。
 令和四年十二月に策定した国民民主党安全保障政策二〇二二の中では、アクティブサイバーディフェンスの早期導入を提唱し、サイバー対処能力の強化を訴えました。一方、その後もアクティブサイバーディフェンス、能動的サイバー防御の導入は実現には至らず、令和五年七月には名古屋港のターミナルシステムが大規模なサイバー攻撃を受け、名古屋港は三日間機能停止に陥った事案が発生してしまいました。
 こうした重大事案を踏まえ、令和六年四月、我が党は議員立法で、サイバー安全保障を確保するための能動的サイバー防御等に係る態勢の整備の推進に関する法律案を提出いたしました。また、同月、いわゆる経済安全保障版セキュリティークリアランス法案の参議院本会議質問で私自身が質問に立ち、その際にも、アクティブサイバーディフェンスは待ったなしで、すぐにでも法整備が必要である旨を訴えました。
 今回の政府案は法案提出までにかなりの時間を要しましたが、その方向性は従前から我が党が主張してきたことと合致しており、責任ある国家安全保障体制の構築に向けた大きな一歩と評価した上で、石破総理に質問をさせていただきます。
 まず、現状の日本のサイバー防御能力が本法案によりどれだけ強化されるのかについての展望、あるいは目標についてお伺いいたします。
 各国のサイバー防御能力についての国際的な比較を行うため、一つの参考として、米国のハーバード・ケネディ・スクールが実施した国家サイバーパワー・インデックス調査があります。この調査によると、日本のサイバー防御能力の順位は二〇二〇年の九位から二〇二二年には十六位まで落ちています。また、アメリカの元国家情報長官であるデニス・ブレア氏が二〇二二年、そして二〇二四年にも日本のサイバー防御能力はマイナーリーグレベルと酷評しています。
 石破総理は三月十八日の衆議院本会議で、今回の立法措置により、既に欧米主要国で取組が進められている官民連携の強化や、通信情報の利用、アクセス・無害化のための権限付与などを通じ、サイバー攻撃に関連する情報収集、分析能力や、重大なサイバー攻撃の対処能力の大幅な強化が可能となりますと答弁しておりますが、真にサイバー対処能力を欧米主要国と同等以上に向上させるためには、その制度を効果的に運用するとともに、日本が弱いとされるインテリジェンス能力を高める必要があります。
 日本のサイバー防御能力はマイナーリーグレベルなどと評価されないために、具体的にどのようなことに取り組んでいくのか、石破総理の見解と決意を伺います。
 次に、官民連携の強化、そして目指すべき成果について伺います。
 官民の協議体について、例えば米国では二〇二一年にJCDC、ジョイント・サイバー・ディフェンス・コラボレーティブが設置され、政府機関とセキュリティーベンダー、グーグルのようなビッグテック等が連携し、情報共有が行われてきています。そして、JCDCでは、未公開情報を官民で共有し、起こり得る危機のシナリオを共同で研究しているとされています。
 今回の法案では、米国のJCDCなども参考にして、協議会を設置するとの規定が盛り込まれると思いますが、民間企業が協議会に参加するインセンティブとして政府はどのようなことを考えているのか、それによってどれくらいの数の民間企業が協議会に参加することを見込んでいるのか。また、基幹インフラ事業は現在十五分野で二百を超える者が特定社会基盤事業者として指定されていますが、全ての者が協議会に参加することを想定しているのか、そして新たな協議会をどのように活用し、どのような成果を得ようとしているのか、石破総理の見解を伺います。
 さらに、衆議院本会議で石破総理は、協議会においては、重要経済安保情報保護活用法のセキュリティークリアランス制度も活用して、適切な情報管理がなされるよう取り組んでいく旨の答弁をしておりますが、本年五月から始動する重要経済安保情報保護活用法のセキュリティークリアランス制度と今回の法案との関係、そして、これらの取組を産業競争力の強化につなげていくためのポイントや課題について、総理に伺います。
 次に、通信情報の利用について伺います。
 基幹インフラ事業者や電気通信事業者が政府に提供した通信情報について、仮に情報漏えいが発生した場合には、それらの企業の信用を毀損することにつながってしまう懸念があります。情報漏えいを回避するためにも、政府においては厳格な安全管理措置を講じることが重要になると思いますが、具体的にどのような措置を講じていくのか。また、今後、情報漏えいを回避する措置に伴う予算規模とその確保について、総理の見解を伺います。
 次に、アクセス・無害化措置について伺います。
 有効なアクセス・無害化措置を実行するために警察、自衛隊はどのようにしてそうした能力を身に付けるべく訓練等を実施しているのか、また、今後その能力をどのように強化していくのでしょうか。例えば、サイバーに係る共同演習等を通じ、アクセス・無害化措置を先に実施している米国や英国などの知見や技術を学んでいく必要もあるのではないでしょうか。また、我が国が誤ってアクセス・無害化措置をとることは避けなければなりません。ミスを防ぐにも先行する国に学ぶべきことがあると思います。誤ってアクセスし、無害化措置をとることをどのようにして回避していくのか。単にミスがないように留意するというものではなく、具体的なミス防止策について伺います。
 次に、サイバーセキュリティ人材の育成、確保について伺います。
 昨年十一月末の有識者会議提言では、政府が官民の人材育成の取組をしっかり把握した上で、産学官の共通認識を醸成するため、政府主導で、技術者に限らず、経営等に関わる者も含めたサイバーセキュリティに関わる人材の定義付けや資格の活用による可視化等を行うとされています。こうした提言を踏まえて、政府はサイバー人材の育成、確保についてどのような取組を行っていく考えなのか、総理の見解を伺います。
 また、石破総理は防衛庁長官や防衛大臣を歴任されておられますが、特に自衛隊のサイバー能力についてはどのような認識をお持ち、今後どう高めていく必要があるとお考えなのか、考えを伺います。
 最後に、偽情報対策をサイバー防御能力の強化と併せて行う必要性についても伺います。
 サイバー攻撃と同時並行で、偽情報によって国家を混乱に陥れるようなことも十分想定されることであり、偽情報対策についても可能な限り早期に法整備を行う必要があるのではないでしょうか。
 国民民主党は、令和六年四月に提出した議員立法の中で、偽情報対策について調査研究を行い、その成果を踏まえ、偽情報の拡散が国家及び国民の安全を損なうことがないようにするための措置についても提言しています。偽情報対策はこれまで主に内閣官房や総務省が担当してきたと思いますが、これまでどのような取組を行い、どのような成果を上げてきたのか。あわせて、サイバー攻撃と偽情報により社会的混乱が発生している事案も踏まえ、偽情報対策について法整備を行う必要性についても総理の認識を伺います。
 能動的サイバー防御を導入するという趣旨に賛成ではありますが、重要となりますのは実効性の高い運用の確保だと考えます。本法案による能動的サイバー防御の制度についてどのようにして実効性の高い運用を行っていくのか、丁寧な説明と真摯な議論を求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121715254X01420250418_021

発言者: 竹詰仁

speaker_id: 3781

日付: 2025-04-18

院: 参議院

会議名: 本会議