片山大介の発言 (本会議)
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○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
会派を代表して、城内大臣に質問します。
世界でAIの開発や活用が進む中、日本は後れを取っていて、二〇二三年のAI開発の民間投資額は、アメリカの六百七十二億ドルに比べて日本は七億ドルにすぎず、グローバルに勝負できる企業もほとんどない状況です。
振り返れば、一九八〇年代、マイクロソフトやアップルが登場したとき、日本では世界でメジャーとなるOSは開発できず、CPUもインテルなどに席巻されました。また、二〇〇〇年代にアメリカのスタートアップから成長したプラットフォーマーがクラウドビジネスで大規模な成長を遂げたときも、日本ではグローバルなクラウドカンパニーは登場しませんでした。
今回のAI革命でデジタル敗戦を繰り返してはならないと思いますが、過去の敗因とともに、現在の日本のAI開発力や活用の遅れについてどのように分析し、今回、勝機を得ようと考えていますか。
AIをめぐる我が国の対応は、去年四月のAI事業者ガイドラインなど、法的な根拠を求めないソフトロー中心となっています。
そうした中、去年の八月以降、法制度の要否を含むAI制度の在り方を検討するため、内閣府のAI戦略会議の下、AI制度研究会が開かれ、今年二月に中間とりまとめを公表。今回の法案はそれを踏まえてのものですが、中身は、イノベーションの促進とリスクへの対応の両立や、国際協調といった基本的な考えの下、政府の司令塔機能の強化や戦略、それに安全性の向上に向けた施策など、これまで取り組んできた内容を法的に規定したにすぎません。
法的な根拠を与えれば良くなるというだけでは立法事実にはならないと思いますが、法案によって、これまでの取組から何がどう変わるのか、どのような効果があるのか、教えていただけますか。また、AI事業者ガイドラインを始め、これまで作ってきたガイドラインなどとの関係性はどうなるのでしょうか。
法案の柱の一つは、第十六条の調査研究です。
条文には、AIの開発、活用の動向に関する情報収集のほか、不正な目的などによって国民の権利利益の侵害が起きた場合の対策、それにAIの推進に資する調査研究を行い、それらの結果に基づき、事業者に指導や助言など必要な措置を講じるといった内容が一続きの文章で書かれています。これだと、調査研究が、AI推進のために行うのか、それとも不正への対策のために行うのか、どちらなのかよく分かりません。今回の法案はあくまで推進法なので、不正への対策を独立させると規制法と捉えられかねないとの判断からだと思いますが、これでは悪質な事業者への抑止効果は薄いと思います。
悪質な事業者名の公表についても、政府はケース・バイ・ケースと遠慮ぎみですが、本来なら、原則公表する、ないしは罰則を設けるべきではないでしょうか。これで実効性を担保できるのでしょうか。
政府が規制を緩くしているのは、EUなどに比べて緩くすることで、日本に多くのAIの研究開発を呼び込みたい思惑があるからだと思います。でも、規制を緩めた場合に想定されることは、規制が厳しいEUに準拠したAIは引き続き海外で研究開発が行われる一方、日本にはそうではない危険なAIの研究開発が集まるおそれがあることです。
規制を緩めることが誘致につながるという考えは甘く、逆に日本発のAIの信頼性、安全性が損なわれ、AIのリスクが高まってしまうのではないかと危惧しますが、どのようにお考えですか。
AIに限らず、リスクを抱える技術は社会において受け入れられません。なので、技術における規制はリスクを低減させるための手段と考えるべきです。
実際のところ、規制がイノベーションを誘発することも多く、一例を挙げれば、一九七〇年代、アメリカが厳しい自動車排気ガス規制を掛けたことがありました。それに対し、イノベーションを重ねて世界に先駆けて準拠したのが日本の自動車メーカーで、それが今の地位につながりました。
AIに対する規制を通じてAIリスクを減らすことで不安を和らげ、その結果、AIの普及を促進するという考え方もあると思いますが、いかがお考えですか。
リスクを過小評価すると技術に対して緩い規制となり、国民の権利利益が侵害される可能性が生じます。また逆に、過大評価すると技術に対して厳しい規制となり、技術の発展が阻害されます。なので、リスクの判断は重要で、それが分からないと規制の必要性も認識できません。
AI制度研究会の中間とりまとめでは、AIのもたらし得るリスクの例が関係法令とともに整理されていますが、それぞれのリスクについて、現在の規制が適切か否かにまで踏み込んだ考え方は示されませんでした。
今回のこの法案は、AIの利活用がもたらすリスクとそれに対する適切な規制の在り方について十分に議論していないまま、法律の枠だけを作ったように感じますが、どのようにお考えですか。
今回の法案は、日本国内でサービスを提供する海外の事業者にも適用され、アメリカのいわゆるビッグテックにも対象になります。
ビッグテックは海外の法律に対して敏感で、例えば、EUで去年五月に成立した罰則付きの規制があるAI法を受けて、アップルは一部のAI機能のEU域内での提供を取りやめ、また、メタもマルチモーダルモデルのAI投入を見送ることを決めました。今回の日本の法案に対し、アメリカのビッグテックからはどのような反応が出てきていますか。
また、アメリカ政府は、バイデン前政権のときはAI開発に関して法規制をする方向で動いていましたが、トランプ政権になって、AIのリスク管理などを企業に求めた前政権の大統領令を廃止して、AI開発の推進を打ち出す新たな大統領令を発効しました。こうしたAIのガバナンスをめぐる国際的な潮流が我が国のAI施策に及ぼす影響について、どのように考えますか。
そして、日本でサービスを提供する事業者の中には、日本に法人を置いていない事業者も多くいます。こうした事業者に対して、政府は、国が実施する施策に協力をする責務を定め、アメリカやヨーロッパなど諸外国の政策当局及び事業者と連携を図り、情報収集に取り組んでいくとしています。この責務は第七条に規定され、条文には協力しなければいけないと、この手の条文にしては珍しく強い表現になっているのも、そうした考えがあるからだと思います。
でも、この第七条や先ほどの第十六条だけで、日本法人を置かない海外の事業者に対して十分な調査や指導を行えるのか疑問です。友好国との間であればある程度対応できるとも思いますが、そうでない国の事業者の場合、当局との連携や情報収集を行うことができるのでしょうか。海外の事業者に対する実効性のある対応について、政府の具体的な取組を教えてください。
与えられた指示に基づいてテキストや画像、音声などのコンテンツを作成する生成AIは、今、日常生活やビジネスシーンで広く活用されています。また、今後は、自律的にタスクを実行し、問題を解決するエージェントAIが普及すると見られています。
AIが高性能化すればするほど、そしてAIへの依存度が高まれば高まるほど、社会への影響は大きくなり、人間の能力を超えるASI、人工超知能が実現する時代もやがて訪れます。
今回の法案では、基本計画を定め、指針を作ることになっていますが、こうした変化の激しい技術に対応するには迅速にPDCAサイクルを回していかなければいけないと思いますが、どのようにお考えですか。
変化の激しいAI技術のガバナンスに日本が初めて取り組む今回のAI推進法案。適切な法整備を実施すべきことを改めて訴え、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣城内実君登壇、拍手〕