坂井学の発言 (本会議)

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○国務大臣(坂井学君) 石川大我議員の御質問にお答えいたします。
 組織変更の必要性についてお尋ねがありました。
 学術会議の在り方については、これまで様々な場で議論されてきました。例えば、平成十五年、二〇〇三年の総合科学技術会議の報告書においては、国の行政組織の一部であるよりも、国から独立した法人格を有する組織であることがよりふさわしいのではないかと述べられていると承知しています。その後約十年を経て、御指摘の有識者会議の報告書となったものと承知しています。
 昨年十二月の有識者懇談会の最終報告書においては、その後十年余りの学術の進歩と社会の変化、また、いわゆる政策のための科学が強く求められるようになっているという世界的な潮流なども踏まえて、学術会議には拡大、深化する役割に実効的に対応していくことが求められており、国の機関のままの改革では限界があり、機能強化に向けて独立性、自律性を抜本的に高めることとし、より良い役割、機能の発揮にふさわしい組織形態として学術会議を法人化することが提言されました。
 先日発表された学術会議の外部評価有識者による評価書においても、例えば、国民のアカデミアへの期待に応えるためには喫緊の社会課題をしっかり取り上げて検討していくべきである、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故が起きたとき、放射線の生体影響に関する科学的知見が国民に正しく伝わらなかったのではないかという反省もあるなどと指摘されているものと承知しています。
 また、少なくとも一部の人たちが、これまで特定の思想の人たちを排除するような選考を行ってきたという懸念が生じており、このような懸念を払拭するためには、直ちに会員の選考方法を改める必要があります。
 私としても、学術会議が社会と向き合い、国民と対話をしながら、ナショナルアカデミーに求められる現代的な役割を果たしていくためには、海外アカデミーのような柔軟な活動ができる組織にステップアップしていくことが必要であり、それが今回の法人化の趣旨だと考えています。
 墨塗り箇所の内容及び二〇二〇年の任命との関係についてお尋ねがありました。
 御指摘の箇所は、内閣総理大臣による日本学術会議の会員の任命に関する考え方の検討途中の部分であり、情報公開法の不開示事由に該当すると判断したことから不開示としているものであるので、その内容に関する御質問へのお答えは差し控えさせていただきます。
 審議の前提についてお尋ねがありました。
 令和二年十月の会員任命については、現行の学術会議法に沿って任命権者である当時の内閣総理大臣が判断を行ったものであり、一連の手続は終了していると承知しています。
 その上で、我が国の研究力の向上や国際競争力の強化などの観点から、学術会議の機能強化は先延ばしできない喫緊の課題であると認識しています。
 このため、有識者会議懇談会において、学術会議の会長等にも毎回御参加いただき、合計三十三回の議論を重ねながら、学術会議に求められる機能及びそれにふさわしい組織形態の在り方を検討し、より良い役割、機能の発揮にふさわしい組織形態として学術会議を法人化することが提言されたところです。
 この法案は、こうした報告書の内容を踏まえ、学術会議とコミュニケーションを取りながら取りまとめたものであり、学術会議には、法人化及び法案自身に反対でないというところまで御理解いただいたものと認識しています。
 文言の削除の理由についてお尋ねがありました。
 御指摘の箇所は、最終版には記載されなかった未成熟な記載の部分であり、最終版を作成する過程において変更されたり、削除されたりしたものです。
 また、政府としての日本学術会議法第十七条による推薦と内閣総理大臣による会員の任命との関係についての考え方は、平成三十年十一月十三日の日付が付された最終的な文書に記載しているとおりです。
 法案と現行法の法解釈などについてお尋ねがありました。
 御指摘の文書の不開示部分には、内閣総理大臣による学術会議の会員の任命に関する考え方の検討途中の部分が記載されていると承知しており、その内容についてはお答えできません。
 この法案は、国が設置する法人として必要な規定を整備するものであり、国の機関である現行の学術会議について規定する現行法の解釈と関係はないと承知しています。
 会員の解任についてお尋ねがありました。
 会員の解任については、現行法でも、会員として不適当な行為があった場合、学術会議からの申出に基づいて、任命権者である内閣総理大臣が退職させることができることになっており、この法案により新設するものではありません。
 その上で、この法案では、会員の解任は、会員が学術会議の業務に関し著しく不適当な行為をしたと認められる場合に限り、会員候補者選定委員会の求めを受けて、総会の決議により行うこととされています。すなわち、国が会員の解任に関与する仕組みにはなっておりません。
 学術会議の会員が個人として政治的、社会的又は宗教的な意見を持つことはもとより自由であり、アカデミーにおける学術的な議論の結果としての助言等が結果的に特定の政治的、社会的又は宗教的な立場からの主張に沿っているように見えるものであったとしても、学術的な議論を経て示されたものである限り、アカデミーとしての使命、目的にかなうものであると考えます。
 しかしながら、アカデミーの活動は、政治的、社会的又は宗教的な諸勢力からの影響を受けずに学術的な見地のみによって行われるべきものと承知しており、特定の思想たちを排除するような選考を行ったり、政治的な主張や活動を行うようなことがあれば、アカデミー本来の在り方に沿ったものであるかどうか懸念が生じることになると考えられます。
 その上で、私が五月九日の衆議院内閣委員会で述べたのは、政治的、社会的勢力や特定の外国勢力から独立して学術的な活動をしていただくというのが望ましいということは言うまでもない、特定のイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員は学術会議が解任できる、どのような場合が解任に該当する事由となるかについては学術会議において適切に判断されるべきであろうということです。
 このため、仮に政治的な中立性を疑われるようなことがあるなら、それが学術会議の業務に関する著しく不適当な行為に当たらないのかどうか、国民や社会にきちんと説明できるように、学術会議において自主的、自律的に適切に判断されるだろうということを申し上げたものです。
 なお、御指摘の文書の不開示部分には、内閣総理大臣による学術会議の会員の任命に関する考え方の検討途中の部分が記載されていると承知しており、その内容についてはお答えができません。
 内閣法制局審査の過程の文書についてお尋ねがありました。
 御指摘の箇所は、最終版には記載されなかった未成熟な記載の部分であり、最終版を作成する過程において変更されたり、削除されたりしたものです。
 また、政府としての日本学術会議法第十七条による推薦と内閣総理大臣による会員の任命との関係についての考え方は、平成三十年十一月十三日の日付が付された最終的な文書に記載しているとおりです。
 御指摘の文書の不開示部分には、内閣総理大臣による学術会議の会員の任命に関する考え方の検討途中の部分が記載されていると承知しており、内容についてはお答えできません。
 この法案は、国が設置する法人として必要な規定を整備するものであり、国の機関である現行の学術会議について規定する現行法の解釈と関係はないと承知しています。
 墨塗りの開示についてお尋ねがありました。
 御指摘の箇所は、内閣総理大臣による日本学術会議の会員の任命に関する考え方の検討途中の部分であり、情報公開法の不開示事由に該当すると判断したことから不開示としているものです。
 また、政府としての日本学術会議法第十七条による推薦と内閣総理大臣による会員の任命との関係についての考え方は、最終的な文書に記載しているとおりです。
 令和二年十二月十七日付けの内閣委員会理事会協議案件についてお尋ねがありました。
 理事会協議案件については、政府としても、都度必要な御対応をさせていただいているものと承知しております。
 いずれにせよ、この法案は、国が設置する法人として必要な規定を整備するものであり、国の機関である現行の学術会議について規定する現行法の解釈と関係はないと承知しております。
 独立性の尊重についてお尋ねがありました。
 まず、国から独立した法人になること自体が、国から独立して業務を行うことを明らかにしています。これにより、政府の方針と一致しない見解も含めて政府等に助言を行う機能を果たしやすくなるとともに、海外アカデミーから見て、日本は政府組織だが独立性が保たれるのかなどという懸念が生じることがなくなります。
 現行法では、学術会議は国の行政機関であるため、関係府省庁との調整等によって自由な意思表出などができなくなることを避けるために、独立して職務を行うという規定が置かれていますが、法人化によって組織面からも国からの独立性が明確になるため、法案では独立して職務を行うとの規定を置いていません。
 その上で、御指摘の趣旨は、学術会議の運営の自主性、自律性を尊重という趣旨だと理解しますが、法案では国の責務として学術会議の運営の自主性、自律性に常に配慮しなければならない旨も明記し、学術会議がナショナルアカデミーとして独立して自律的に活動することを明確にしています。
 なお、教育基本法第七条第二項には「大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。」との規定がありますが、これは、国に限らず、広く一般にこれらの性質が認知され、肯定的に捉えられるべきとの趣旨で定められたものです。
 一方、国の責務を定めた国立大学法人法第三条においては、「国は、この法律の運用に当たっては、国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に常に配慮しなければならない。」としています。国立大学法人法第三条の規定は、国立大学法人法において国立大学の自治を法制的に確立させる規定のうちの一つであり、条文の趣旨に照らしても、日本学術会議に対する国の責務の規定はこれに倣うことが適切と考えています。
 特別な選考の仕組みについてお尋ねがありました。
 新法人設立時の会員選考について、よりオープン、慎重かつ幅広く選考することは必須であるところ、新分野、融合分野、ダイバーシティーを踏まえた会員の多様性の拡大などの観点から、現会員だけによる候補者の研究、業績の卓越性の精査では必要十分な選考を行うことは難しいことから、平成十七年制度改正時を参考に、学術会議の意見を踏まえながら、会員も含め科学者コミュニティー全体で選ぶ仕組みを設計しました。
 学術会議の意見を踏まえて、現会員の意向が反映され、コオプテーションの考え方が維持されるようにするとともに、人的な継続性も担保されるようにしています。
 また、法人発足時の会員だけでなく、三年後の会員も同じ方法で選考するのは、新法人発足時には半数の会員しか選考しないため、二百五十人の会員全体の構成を最初に一括して考えておく必要があるからです。
 その上で、組織としての人的な継続性にも配慮しつつ、三年間掛けて二回に分けて具体的な人選を行い、学術の進歩や社会の変化にも対応できるようにしたものです。
 監事への公務員OBの就任についてお尋ねがありました。
 監事は法人の適法、適正な運営を担保するための機関であり、国が設立し、国の財政的支援を受けて運営される法人に共通して求められる運営の健全性を担うものです。アカデミーの自主性、自律性とは別な、国民への説明責任からの要請です。
 この法案における監事の所掌事務は、国が設置する他の法人と同じものであり、学術的な内容、価値に立ち入るものではありません。監査事項も他の法人と同様のものです。
 この法案に国家公務員であった者が監事に就くことを禁じる規定はありませんが、それも他の国が設立する法人と同様です。なお、国家公務員法等に基づく再就職に関する規定も、他の法人と同様に適用されるところです。
 内閣総理大臣においては、関連するルール等も踏まえつつ、適材適所で判断されるものと考えます。
 中期的な活動計画や評価委員会についてお尋ねがありました。
 学術会議における評価制度の役割は、人事、業務への国の直接的な関与の代わりに、業務の改善、活性化に関する法人自身の自律的なサイクルを整えることにあり、主務大臣が法人に中期目標を指示し、業務の実績を主務大臣が評価する独立行政法人の評価制度とは大きく異なっています。
 評価委員会の所掌事務は、活動内容そのものの評価ではなく、学術会議が行った自己点検評価の方法及び結果に意見を述べることに限定されています。評価委員会は、学術的な内容や価値を評価するものではありません。評価委員会の意見には法的拘束力はなく、意見を踏まえた最終的な判断は学術会議が行います。意見を述べる相手は学術会議であり、内閣総理大臣には意見の内容を通知するだけです。こうした評価の在り方も、学術会議の意見を反映したものです。
 中期的な活動計画については、独立行政法人等の中期計画とは異なり、国からの目標の指示や計画の認可はありません。作成に当たって評価委員会の意見を聴くことになっているのは、計画期間終了後に行われる自己点検評価に沿って評価委員会の評価が適切に行われるように、あらかじめコミュニケーションを取るという趣旨です。評価結果は、業務の改善や活性化に活用していただくためのもので、予算配分を直接連動させる仕組みにはなっていません。
 以上のように、評価委員会は、政府の意向に沿った活動を求めるものではなく、学術会議が政府から独立して自律的に活動していることを国民に説明し、理解と支持を得るための仕組みです。
 自己点検評価の結果の計画等への反映状況は公表することになっており、この際に評価委員会の意見も併せて公表されることになるので、評価委員会が不当な評価をするのではないかという懸念については、十分な抑止効果が働くものと考えています。
 この法案は、学術会議が懸念するような運用を許容するようなものではないことを改めて申し上げます。
 外部資金の獲得についてお尋ねがありました。
 海外アカデミーの状況は様々でございますが、我が国のような国が設立し国の財政的支援を受けて運営される法人であり、特別な地位、権限が法律で明記されている国はなく、民間組織からの資金の獲得、委託調査など柔軟な活動を適切に実施しているものと承知しており、日本学術会議においても、アカデミーとしての中立性や信頼性を担保しながら活動していかれることと考えています。
 ナショナルアカデミーが特定の政治勢力や外国勢力から独立して活動することが大事であることは言うまでもなく、学術会議において必要な基準やガイドラインを定めるなど、適切に御対応いただきたいと考えております。
 政府全体としても、各大学、研究機関等において、採用や競争的研究費の申請に際して、研究者自身による適切な情報開示を所属機関に対し報告することなどを求めており、各大学、研究機関等において、こうした研究者からの報告等も踏まえた上でマネジメントを行っているところです。
 我が国の科学者を代表する機関である学術会議は、このような我が国の科学者コミュニティー全体としての取組も当然踏まえながら、不透明な資金提供を受けるなど公平、公正性に問題があるような人物が会員とならないよう、適切に対応されるものと考えています。
 トランプ政権及びこの法案の趣旨についてお尋ねがありました。
 まず、アメリカでの状況については、他国の内政に関わる事項ということで、直接のコメントは控えさせていただきたいと思います。
 その上で、この法案は、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化と説明責任の担保を図るものであり、アカデミーとしての自由な活動を阻害するようなものではありません。
 今回の改革により、学術会議は、中国やロシアと同じ、国の機関であり、会員の選考に国が関与するアカデミーから、先進諸国と同じ、国から独立した法人で、国が会員、会長の選考に関与しないアカデミーに移行することになります。法人化により学術会議の独立性が組織面でも明確になり、政府とは別の法人である海外アカデミーと同様の高い独立性を有する組織になるものと考えています。(拍手)
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発言情報

speech_id: 121715254X02220250528_014

発言者: 坂井学

speaker_id: 24099

日付: 2025-05-28

院: 参議院

会議名: 本会議