竹詰仁の発言 (本会議)
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○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
会派を代表し、ただいま議題となりました日本学術会議法案について質問いたします。
まず、今回の法案提出に至るプロセスについて触れざるを得ません。
政府は、これまで学術会議と丁寧なコミュニケーションを取ってきたと説明されていますが、それであればなぜ、本法案の閣議決定と同日の三月七日、学術会議の光石会長が、学術会議が自主性、独立性の観点から指摘してきた懸念が払拭されていない中で法案の閣議決定が行われたことについては遺憾との談話を公表されたのでしょうか。丁寧なコミュニケーションとはどのようなコミュニケーションだったのか、坂井大臣に説明を求めます。
学術会議が懸念を指摘してきたことに対し、学術会議の理解、納得を得ずに法案が提出されたため、四月十五日の日本学術会議総会において、国会に対し法案の修正を求める決議や様々な懸念を指摘する声明が採択されています。これでは、法案提出のプロセスに瑕疵があったと言わざるを得ません。
学術会議の法案修正を求める決議や声明を政府としてどのように受け止めているのか、坂井大臣の答弁を求めます。
衆議院での審議が始まると、全国の学会からも次々と懸念や反対の声明が発表されるようになりました。日本物理学会、日本心理学会、日本社会学会、日本法社会学会など、主要な学会が声明を出しています。こうした学会の声明を坂井大臣は読んでおられますか。読んでいるか読んでいないか、坂井大臣にお尋ねします。
衆議院内閣委員会で坂井大臣は、有識者会議には学術会議にも毎回御参加いただき、会長自ら参加いただき、合計三十三回の議論を重ねた、様々な学術会議の意見も踏まえながら検討を重ね、会員の選考方法、評価、監事の仕組みなどを取りまとめたと発言されています。最終報告書の取りまとめ後も学術会議と協議を行った、学術会議の意見も法案に反映したとも言われています。これは本当ですか。私も数名の学術会議会員の方から直接お話を聞きましたが、政府と学術会議との協議もないし、意見の反映もないとおっしゃっていました。政府と学術会議と主張が食い違っています。
学術会議自身、法人化そのものには反対しておらず、我が国のナショナルアカデミーとしてより良い役割発揮ができる組織へと変革する必要性については一致するところだと思います。目指すべきゴールが同じであるならば、真摯な協議を粘り強く積み重ねることで、政府と学術会議の双方が納得する解を出せるのではないでしょうか。
学術会議との協議をもう一度やり直しませんか。そして、合意形成に取り組まれてはいかがでしょうか。坂井大臣の答弁を求めます。
現在、立憲民主党と我が党とで法案の修正案の提出を検討しておりますが、政府案が学術会議の機能強化に寄与するものとなっているかという観点や、学術会議からも懸念を示されている論点について大臣に質問いたします。
政府は、日本学術会議の機能強化に向けて、その独立性、自律性を抜本的に高めるため、新たに特殊法人としての学術会議を設立すると説明しております。独立性、自律性を高めることが学術会議の機能強化にどのように資することになるのか、説明を求めます。
政府は、現行の学術会議が内閣府の特別の機関であるのに対し、新たな学術会議は特殊法人として設置することから、政府から独立していることが自明であるとして、現行法に規定されている独立性という文言を本法案には規定していない旨説明しています。
しかし、本法案では、内閣総理大臣が任命する監事を学術会議の役員として設置することや、学術会議の運営状況を評価する日本学術会議評価委員会を内閣府に設置し、内閣総理大臣が委員を任命する仕組みが設けられております。
これらはいずれも現行の学術会議には存在していない仕組みであり、特殊法人化して形式的には独立性を高めているように見えますが、実質的には政府の関与が現行学術会議よりも強化されることになりませんか。実質的に独立性が低下すれば、本法案の目的である機能強化に逆行することになりませんか。大臣の説明を求めます。
学術会議の自律性について伺います。
会員の選任については、現行の総理が任命する仕組みから総会が選任する仕組みに変わることで自律性が高まるとされています。しかし、現行法の下でも、令和二年十月に任命拒否問題が生じるまでは、総理の任命は形式的なものにすぎないとの昭和五十八年の中曽根総理の答弁のとおり、学術会議が推薦した会員が推薦どおりに任命されてきました。つまり、元々、会員選任は自律的な運用がなされていたと言え、むしろ任命拒否問題で政府が自律性を損なわせてしまったのではないでしょうか。
会員以外の委員から成る選定助言委員会の設置や、六事業年度にわたる中期的な活動計画、毎事業年度の年度計画の作成などが法的に義務付けられており、むしろ自律性が低下するように思えます。自律性の観点から、会員の選任方法、選定助言委員会の設置、活動計画、年度計画について説明願います。
国費により財政的支援を行う以上は、国として、学術会議の活動や運営が適切、適正であることなどを国民に説明できるようにする必要性は理解いたします。そのための方法が、監事や評価委員会の法定、中期的な活動計画の策定を義務付けることとしていますが、これらの方法が学術会議の独立性、自律性を低下させることにならないのか、大臣の見解を伺います。
学術会議の機能強化を図るためには、財政基盤と事務局体制の強化も重要です。これまでの審議の中では必要な人的、財政的支援がどのように確保されるのかが不透明で、学術会員から不安の声を聞きました。財政基盤や事務局体制は学術会議に丸投げとお考えですか。学術会議の機能強化の観点で、財政基盤、事務局体制の強化について大臣の考えをお尋ねいたします。
学術会議の活動が国民に見えにくいという指摘があります。活動が見えにくいので、学術会議の存在自体を後ろ向きに思う人が多いことも否めないと思います。これを機に政府としても、学術会議の歴史や活動内容、政策提言、国の政策、国の施策との関係、社会への影響などについて、国民により積極的に発信していただけませんでしょうか。学術会議を多くの人に正しく知ってもらうことも重要だと考えますが、大臣の見解を求めます。
また、学術会議の提言などが国や地方の政策に反映されにくい、社会に余り影響を与えていないとするならば、どのような点が阻害要因になっているのかを分析し、政府と学術会議のコミュニケーションにより改善を図るべきと考えます。学術会議の提言等と政府の政策との関係についてどうあるべきか、坂井大臣の見解を求めます。
以上、法案内容について質問いたしましたが、やはり令和二年十月の任命拒否問題について、政府には改めて誠実な説明を行うよう求めます。と申しましょうか、説明を求められなくても、政府は自ら起こした行動について自ら説明すべきと考えます。私は、この件で、学術会議は政府から拒否されるような人を推薦するのだと誤ったレッテルを貼られてしまった気がいたします。同時に、政府と学術会議との信頼関係も損なってしまった、学術会議の活動も国民に見えにくくなってしまったと思っております。
学術会議と政府との間の信頼関係が損なわれ続ける状態は、社会課題の複雑化、深刻化が進み、国民生活や政策立案に科学的な知見を取り入れていく必要が非常に高まっている中で、国益を毀損していると言えます。
任命拒否問題の情報を開示し、説明をし、学術会議と政府との信頼関係を再構築した上で、本法案はやり直すべきと考えますが、坂井大臣の見解を求め、質問を終わらさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕