坂井学の発言 (本会議)
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○国務大臣(坂井学君) 竹詰仁議員の御質問にお答えいたします。
学術会議とのコミュニケーションについてお尋ねがありました。
懇談会の最終報告書で提言された法人像の基本的な考え方は、国が設立する他の法人のような人事、業務へ国の関与はなく、学術会議だけで会員を選べるようにして会員選考の自律性を高め、法人の適法、適正な運営を担保するための仕組みも必要最小限のものとするなど、学術会議の意見を踏まえたものになっていると承知しております。
また、個別の論点についても、議論の過程でお互いの理解が進んだものもあり、学術会議の懸念や意見を受け止めて、会員の選考方法、評価、監事の仕組みなどに反映した部分もあったと承知しています。
この法案は、このような報告書を踏まえ、また、二月十三日の学術会議の幹事会で内容的にほぼ法案と言えるような詳細な資料で説明するなど、学術会議と引き続きコミュニケーションを取りながら作成したものでございます。さらに、閣議決定後も、学術会議に対しては、法案に関して示された懸念事項について四月八日に内閣府から詳細な見解を文書で示すなど、丁寧な説明に努めてきたところでございまして、学術会議には法人化及び法案自身に反対ではないというところまでは御理解いただいたものと認識をいたしております。
この法案の意義及び内容について、更に広く御理解いただけるよう、引き続き丁寧に説明してまいりたいと思います。
学術会議の決議や声明についてお尋ねがありました。
先日の学術会議総会において、決議「日本学術会議法案の修正について」及び声明「次世代につなぐ日本学術会議の継続と発展に向けて」が可決されたことは承知しています。また、決議については、提案者自身が、総会において、法案に対する反対ではないかという御指摘も聞きますが反対ではございません、法案反対だとか法案を撤回せよというものではないと述べられたことも承知しております。
政府としても、この法案の趣旨、内容について、法案審議の中でしっかりと説明を尽くしてまいりたいと考えております。
全国の学会等から寄せられている声明などについてお尋ねがありました。
御指摘の声明等については、内閣府に寄せられたものについては私も読ませていただいております。
学術会議との協議や合意形成についてお尋ねがありました。
法案においては、このような報告書の内容を踏まえ、学術会議とコミュニケーションを取りながら、独立した法人である学術会議の自主性、自律性に配慮しつつ、学術会議にふさわしい固有の制度設計を行いました。
また、総会では、学術会議の懸念に対してゼロ回答ではなかった、やり取りを通じて相当の内容を勝ち取ることができた、予算、活動面や会員選考の独立性など一部の懸念については学術会議側の活動次第で問題にならない可能性もあるなどという議論もあったと聞いています。
政府としては、この法案の趣旨、内容について、更に広く御理解いただけるように説明してまいりたいと考えております。
学術会議の機能強化についてお尋ねがありました。
この法案は、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化、説明責任の担保を図るものでございます。
国の機関から特殊法人に移行することにより、組織面でも機能面でも国から独立して職務を行うことが明らかになって、政府の方針と一致しない見解も含めて政府等に助言を行う機能を果たしやすくなるとともに、海外アカデミーから見て、日本は政府組織だが独立性が保たれるのかなどという懸念が生じることがなくなります。また、学術会議だけで自主的、自律的に会員を選べるようになり、外国人会員を登用しダイバーシティーを高めることも可能になります。
組織運営の自由度が高まり、海外アカデミーのような柔軟な活動や必要な体制強化が可能になり、外部資金を獲得する努力を通じて、財政基盤の強化や活動の活性化にも資することになります。
現状では、人事・組織関係制度や会計法令の制約があり、外部資金の受領や柔軟な人材登用などができないため、例えば、海外アカデミーや内外シンクタンクとの共同事業に対等な立場で参加ができない、専門人材の登用、官民や外国との研究者の交流に制約があるなど、海外アカデミーとの交流促進や、国内の各種学術団体との連携強化等に必要な活動や体制強化には限界があると考えられます。
ナショナルアカデミーに求められる現代的な役割を果たしていくためには、海外アカデミーのような自由度が高く活動しやすい組織にステップアップしていくことが必要だと考えております。
特殊法人化後の学術会議に対する政府の関与についてお尋ねがありました。
新法人の設計に当たっての基本的な考え方としては、独立した法人としての学術会議の自主性、自律性に配慮し、独立行政法人等のような人事、業務への国の関与は行わず、評価制度等を通じて業務の改善、活性化に関する法人自身の自律的なサイクルを整えるにとどめるものとしております。
新法人に対する内閣総理大臣の関与は、他の法人の主務大臣の権限に比べて大きく限定されており、例えば国が設立する他の法人のような人事、業務への国の関与はなく、内閣総理大臣は法人の長の任命、目標の指示や計画の認可は行いません。内閣総理大臣による会員の任命は行わず、学術会議だけで会員を選べるようにし、会員選考の自律性を高め、法人の適法、適正な運営と説明責任を担保するための仕組みも必要最小限のものとしています。
また、監事や日本学術会議評価委員会は、法人の適法、適正な運営の確保や国民に対する説明責任の観点から設けているものであり、政府による不当な介入を許容するものではありません。
したがって、実質的に独立性が低下するという御指摘は当たらず、法人化により、機能強化とより良い役割の発揮が図られると考えております。
会員の選任方法、選定助言委員会の設置、活動計画、年度計画についてお尋ねがありました。
新法人の設計に当たっては、独立した法人として学術会議の自主性、自律性に配慮し、法人自身の自律的なサイクルをとどめるところに国の関与をとどめています。
会員の選任については、内閣総理大臣による任命は行わず、学術会議だけで会員を選任できるようにして自主性、自律性を高めており、会員選任の基準や手続等の詳細は学術会議に委ねることとしております。
選定助言委員会は、選定の基準や方法を決定するに当たって外部の意見を聴くことを制度的に担保するために設けられているものであり、学術会議が国民からの信頼を維持するために不可欠です。委員は総会が選任し、その意見に法的な拘束力はなく、個別の選考について意見を述べないことから、学術会議が行う会員の選任に直接的な影響力を及ぼすものではありません。
中期的な活動計画については、独立行政法人等の中期計画とは異なり、国からの目標の指示や計画の認可はなく、学術会議の自主性、自律性に配慮した仕組みとしています。
年度計画については、予算編成過程において、翌年度に行おうとする活動を御説明いただく際に必要となるものであり、かかるプロセスを経て必要な金額が措置されることになります。
いずれも国が設立する法人が適正、適切に運営されるために必要最小限の仕組みになっており、学術会議の自主性、自律性を損ない、過度な制約を課すということにはならないと考えております。
監事、評価委員会及び中期的な活動計画についてお尋ねがありました。
監事は、法人の適法、適正な運営を担保するための機関であり、国が設立し、国の財政的支援を受けて運営される法人に共通して求められる運営の健全性を担うものです。アカデミーの自主性、自律性とは別な、国民の説明責任からの要請です。
監事の所掌事務は、国が設置する他の法人と同じものであり、監査事項も他の法人と同様のものです。監事が他の役員のように運営に直接携わったり、その職務において、学術的な内容、価値を評価するものではありません。
評価委員会の所掌事務は、活動内容そのものの評価ではなく、学術会議が行った自己点検評価の方法及び結果に意見を述べることに限定されています。評価委員会は、学術的な内容や価値を評価するものではなく、また、その意見には法的拘束力はなく、意見を踏まえた最終的な判断は学術会議が行うこととなります。
中期的な活動計画につきましては、独立行政法人等の中期計画とは異なり、国の目標の指示や計画の認可はありません。学術会議の自主性、自律性に配慮した仕組みとしています。
これらの仕組みは、学術会議の意見を踏まえ、国が設立する法人が適正、適切に運営されるために必要最小限の仕組みになっており、学術会議の自主性、自律性を低下させるということはないと考えています。
学術会議の財政基盤や事務局体制の強化についてお尋ねがありました。
学術会議に対する国の財政的支援については、有識者の最終報告書を踏まえ、学術会議の業務の財源に充てるため、必要と認める金額を補助することができることとしています。
学術会議に関する経費は、これまでも予算編成過程のプロセスを経て、ほかの組織と同様に必要な金額が措置されてきたところであり、今後も必要な財政的支援は行っていくことになります。
必要な金額が支援されるためには、活動、運営についての考え方が明確に示されていなければならず、年度計画の中にしっかり位置付けられ、意義やコンセプトが説明できることになっている必要があります。
また、事務局体制については、法定事項等は必要最小限にとどめ、内部規則に委ねるべきであるという学術会議の意見を踏まえて、学術会議において弾力的に対応していただくこととしたものです。
法人化によりマネジメントの自由度が高まることから、現在は内閣総理大臣が行っている職員の任免は学術会議が行えることになり、自前の職員を採用し、長期間配置しておくことなども可能となります。また、給与の格付、応募資格、採用手続なども学術会議が定めることができます。
いずれにせよ、独立性、自律性を高めるというこの法案の趣旨を踏まえ、学術会議において適切に対応していただくということだと思いますが、政府としても、学術会議の本来の活動に支障が出ることのないよう、しっかり対応していきたいと考えています。
学術会議の活動の発信についてお尋ねがありました。
日本学術会議がその役割を発揮していく上で、活動内容を国民に分かりやすく発信していただくことは極めて重要であります。
これまでも、日本学術会議においては、定期的な記者会見やパンフレット、ウェブサイト等を通じて、日本学術会議の歴史や公表した提言とその内容等について周知に努めてきたものと考えておりますが、今期示されております日本学術会議第二十六期アクションプランにおいて情報発信強化の強化が掲げられているところであり、今後、国民に向けてより一層積極的な発信をしていただくことを期待しております。
学術会議の提言等と政府の政策との関係についてお尋ねがありました。
そもそもアカデミーとは、学術的知見に基づいて助言をしたり見解を述べたりすることを期待されているものであり、その際に、政治的、社会的あるいは宗教的な諸勢力からの影響を受けずに、学術的見地からのみによって行われるべきものと理解されているものと承知しています。そして、アカデミーから提示された学術的知見を踏まえて、何をどのように取り入れるかを検討し、政治的、社会的に決定するのは、政治や行政、社会、国民であると理解されています。
その上で、世界的にサイエンス・フォー・ポリシーが強く求められている中、学術会議が国民や社会からの理解と信頼を得て支持を拡大していくためには、学術的助言等の実効性を高めること、すなわち国民、社会の関心やニーズを適切に拾い上げ、実現、実装の視点も加味した課題設定や審議を行うこと、学術的な知見を提供していただくことが必要です。また、発出した学術的助言等が理解され、実現されるよう、必要なフォローアップを行うとともに、法人化により、自由度が高く活動しやすい組織になり、国民と対等でフラットな立場から国民に届くような発信や対話に努めていただきたいと考えております。
既に学術会議におきましても、アクションプランに基づき、より良い役割発揮に向けて、タイムリー、スピーディーな意思表出、産業界や国民等とのコミュニケーションなどに取り組んでいるものと承知をいたしているところでございます。
学術会議と政府との信頼関係についてお尋ねがありました。
この法案は、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化と説明責任の担保を図るものです。
この法案は、そのような報告書を踏まえ、二月十三日の学術会議の幹事会で内容的にほぼ法案と言えるような詳細な資料で説明するなど、学術会議とコミュニケーションを取りながら作成したものであり、この閣議決定後も、四月八日に内閣府から詳細な見解を文書で示すなど、丁寧な説明に努めてきたところです。
この法案の趣旨、内容について、更に広く御理解いただけるよう、法案審議の中で丁寧に説明してまいりたいと考えております。(拍手)
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