坂井学の発言 (本会議)

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○国務大臣(坂井学君) 井上哲士議員の御質問にお答えいたします。
 黒塗り部分の開示及び法案を提出する資格についてお尋ねがありました。
 御指摘の箇所は、内閣総理大臣による日本学術会議の会員の任命に関する考え方の検討途中の部分であり、情報公開法の不開示事由に該当すると判断したことから不開示としているものです。政府としては、当時の不開示決定は適法なものであると考えているため、控訴したものです。
 法案審議との関係についてお尋ねがありましたが、この法案は、国が設置する法人として必要な規定を整備するものであり、国の機関である現行の学術会議について規定する現行法の解釈と関係はないと承知しております。
 会員の解任についてお尋ねがありました。
 会員の解任については、現行法でも、会員として不適当な行為があった場合、学術会議からの申出に基づいて、任命権者である内閣総理大臣が退職させることができることになっており、この法案により新設するものではありません。
 その上で、この法案では、会員の解任は、会員が学術会議の業務に関し著しく不適当な行為をしたと認める場合に限り、会員候補者選定委員会の求めを受けて、総会の決議により行うこととされています。すなわち、国が会員の解任に関与する仕組みにはなっておりません。
 私が五月九日の衆議院内閣委員会で述べたのは、政治的、社会的勢力や特定の外国勢力から独立して学術的な活動をしていただくというのが望ましいということは言うまでもない、特定のイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員は学術会議が解任できる、どのような場合が解任に該当する事由となるかについては学術会議において適切に判断されるべきであろうということです。
 このため、仮に政治的な中立性を疑われるようなことがあるなら、それが学術会議の業務に関する著しく不適当な行為に当たらないのかどうか、国民や社会にきちんと説明できるように、学術会議において自主的、自律的に適切に判断されるだろうということを申し上げたものです。
 学術会議解体法案ではないかとのお尋ねがありました。
 新法人の設計に当たっての基本的な考え方としては、独立した法人としての学術会議の自主性、自律性に配慮し、独立行政法人等のような人事、業務への国の関与を行わず、評価制度等を通じて業務の改善、活性化に関する法人自身の自律的なサイクルを整えるにとどめています。
 このため、新法人に対する内閣総理大臣の関与は、他の法人の主務大臣の権限に比べて大きく限定しており、国が設立する他の法人のような人事、業務への国の関与はなく、内閣総理大臣は、法人の長の任命、目標の指示や計画の認可は行わないこととしています。したがって、学術会議解体法案という御指摘は当たらないと考えます。
 科学者の総意についてお尋ねがありました。
 七十六年前に科学者の総意の下に設立されたという基本的な在り方及び前文に書かれている設立時の理念は、我が国のナショナルアカデミーの基本理念として、時代の変化に合わせた形で新法、新法人に引き継がれていくものです。
 学術会議においても、四月十五日の総会における声明において、日本学術会議の理念と位置付けは変わらず存続する、これまでの歩みや取組を、世界及び国内の社会課題の解決に寄与しつつ、学術の更なる発展のために自ら行動し、次世代へと引き継いでいくと宣言されているものと承知しています。
 学術会議の同意についてお尋ねがありました。
 繰り返しになりますが、有識者懇談会の最終報告書は、学術会議の会長等にも毎回参加していただき、三十三回の議論を積み重ねて取りまとめたものです。このような報告書の内容を踏まえ、学術会議とコミュニケーションを取りながら、学術会議にふさわしい固有の制度設計を行いました。
 四月十四日の学術会議総会では、学術会議の懸念に対してゼロ回答ではなかった、やり取りを通じて相当の内容を勝ち取ることができた、予算、活動面や会員選考の独立性など一部の懸念については、学術会議側の活動次第で問題にならない可能性もあるなどといった議論もあったと聞いております。
 このように、学術会議には、法人化及び法案自身に反対でないというところまで御理解いただいていると認識しており、引き続き丁寧に説明してまいりたいと考えております。
 学術会議の管理監督の仕組みについてお尋ねがありました。
 まず、国の機関から特殊法人に移行することにより、国から独立して職務を行うことが明らかになり、政府の方針と一致しない見解を含めて政府等に助言を行う機能を果たしやすくするとともに、海外アカデミーから見て、日本は政府組織だが独立性が保たれるのかなどという懸念が生じることがなくなります。学術会議だけで自主的、自律的に会員を選べるようになり、外国人会員を登用し、ダイバーシティーを高めることも可能になります。組織運営の自由度が高まり、海外アカデミーのような柔軟な活動や必要な体制強化が可能になり、外部資金を獲得する努力を通じて、財政基盤の強化や活動の活性化にも資することになります。
 その上で、新法人の設計に当たっての基本的な考え方としては、評価制度等を通じて活動、運営の実施と改善に関する法人自身の自律的なサイクルを整えるにとどめています。
 選定助言委員会は、委員は総会が選任し、意見に法的な拘束力はなく、個別の選考について意見を言わないことから、学術会議が行う会員の選任に直接的な影響力を及ぼすものではありません。
 運営助言委員会は、その意見に拘束力はなく、会長の諮問機関にすぎません。
 監事の所掌事務は、国が設置する他の法人と同じもので、学術的な内容、価値に立ち入るものではありません。監査事項も他の法人と同様のものです。
 また、日本学術会議評価委員会は、自主性、自律性に配慮し、独立行政法人のように業務の評価を内閣総理大臣が直接行う代わりに、学術に関する研究の動向等に広い経験と高い識見を有する委員に専門的な見地から審議していただくために設けるものであります。
 以上のように、この法案は、学術会議の独立性、自律性を抜本的に高めることになる機能強化を目的とするものであり、監事などの国が設立する法人が適正、適切に運営されるための仕組みも必要最小限のものになっております。
 学術会議の表明についてお尋ねがありました。
 有識者懇談会での議論の中で、学術会議から御指摘のような意見の表明があったと承知していますが、四月十四日の学術会議総会では決議の提案者自身が、法案反対だとか法案を撤回せよというのではないと明確に述べており、学術会議には、法人化及び法案自身に反対でないというところまでは御理解いただいていると認識しています。
 いずれにせよ、この法案は、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化と説明責任の担保を図るものであり、アカデミーとしての自由な活動を阻害するようなものではありません。
 学術会議の懸念に対する具体的対応についてお尋ねがありました。
 監事については、その所掌事務を国が設立する他の法人と同じものとし、法人に対する忠実義務も課すとともに、常勤でなくてもよいこととしました。
 評価委員会については、意見を言う対象を自己点検評価書に記載されている自己点検評価の方法及び結果に限定し、学術会議の活動の学術的な価値を評価するものではないことを明確にしました。
 中期目標や中期的な活動計画については、国による目標の指示や計画の認可は行わず、活動計画も独立行政法人のような細かいものとはしないこととしました。
 会員の選考方法については、選定助言委員会が意見を言う対象を選定方針に限定する、つまり、各会員の個別の選考には意見を言わないこととしました。
 このように、この法案では様々な点で学術会議の意見や懸念を反映しており、学術会議には、法人化及び法案自身に反対でないというところまで御理解いただいていると認識しております。
 アカデミーとしての国際的信用についてお尋ねがありました。
 法人化により、学術会議の独立性が組織面でも明確になり、政府とは別の法人である海外アカデミーと同様の高い独立性を有する組織になるものと考えています。
 先日、学術会議の元会長が述べられていたように、海外アカデミーから見て、日本は政府組織だが独立性が保たれるのかなどという懸念が生じることもなくなります。
 会員の選任についても、内閣総理大臣による任命は行わず、海外アカデミーと同じように、学術会議だけで自律的に選任できるようにして、会員の選任についても自主性、自律性を高めています。
 このように、この法案の目的は、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化です。学術会議の独立性が組織面でも明確になり、海外アカデミーと同様に、政府とは完全に別な立場で活動できるようになるということを海外アカデミーに対してもきちんと説明していくことは大事なことだと考えています。
 学問の自由についてお尋ねがありました。
 憲法第二十三条に定められた学問の自由については、政府としてこれまで答弁してきたとおりに、広く全ての国民に保障されたものであり、特に大学における学問研究の自由、その成果の発表の自由、教授の自由を保障したものであると承知しています。
 その上で、この法案は、学術会議の会長等にも毎回参加していただいた有識者懇談会の最終報告書を踏まえ、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化と説明責任の担保を図るものであり、我が国の科学者や学術会議の自由な活動を阻害するようなものではありません。
 選定助言委員会についてお尋ねがありました。
 この法案における選定助言委員会は、委員は総会が選任し、意見に法的な拘束力はなく、個別の選考について意見を言わないことから、学術会議が行う会員の選任に直接な影響力を及ぼすものではありません。
 その上で、有識者懇談会の報告書においては、学術会議の活動が国民から納得感をもって受け入れられるためにも、コオプテーションが適切に機能する前提としても、より良い選考基準や選考手続等の検討のために外部の意見を幅広く聴くこと、会員が仲間内だけで選ばれる組織だと思われないために外部に説明できるような選考の仕組みを整えることを国民との約束として制度的に担保することが必要であると提言されたものです。
 政府としては、報告書に沿って選定助言委員会を設けることとしたところであり、狭い範囲内でのコオプテーションは独善的な結果に陥る可能性があるということは、学術会議自らも指摘しているところと承知しています。
 特定の思想の人たちを排除するような選考が行われてきたという懸念を払拭するためにも、選定の基準や方法を決定するに当たって外部の意見を聴くことを制度的に担保することは、学術会議が国民からの信頼を維持するために不可欠であると考えられます。(拍手)

発言情報

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発言者: 坂井学

speaker_id: 24099

日付: 2025-05-28

院: 参議院

会議名: 本会議