羽田次郎の発言 (本会議)

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○羽田次郎君 立憲民主・社民・無所属の羽田次郎です。
 私は、会派を代表して、令和五年度決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、国有財産無償貸付状況総計算書の是認及び内閣に対する警告案に賛成の立場から討論を行います。
 その前に、一言申し上げます。
 石破総理は本院予算委員会で、我が国の財政状況はギリシャよりもよろしくないとの発言をされました。減税論議にくぎを刺す意図があったのかもしれませんが、財政健全化が重要とお考えならば、最初にやるべきことがあります。決算審査への真摯な対応です。
 国の予算の執行実績である決算を審査する意義は、審査結果を後の予算編成や政策遂行に反映させることにあります。
 にもかかわらず、今国会の決算審査では、これまで決算委員会で繰り返し決議を行っている案件や、会計検査院が再三指摘している案件が幾つも取り上げられました。さらに、我が会派の青木愛理事が行政事業レビューシートに記載されている執行率に基づいて質問したにもかかわらず、環境省は既に使用されていない計算方法を用いて執行率を答弁し、後日、副大臣が委員会冒頭で陳謝するという異例の事態も発生いたしました。
 財政健全化のため、まずやるべきなのは、決算審査に真摯に向き合い、予算の無駄遣いや不適正な会計経理を即刻正すことです。以上を述べた上で、令和五年度決算等の是認に反対する理由を申し上げます。
 第一の理由は、財政運営の平時化に向けた取組が不十分な点です。
 令和五年度一般会計歳出決算では、翌年度への繰越額は十一・一兆円、不用額は六・九兆円にも上りました。いまだコロナ禍前の水準には戻っておらず、正常な予算執行とは言えません。
 政府はコロナ禍以降、経済対策の財源として毎年度巨額の補正予算を編成していますが、会計検査院によると、令和四年度一般会計補正予算の中で全額が補正予算によって追加された予算科目十・九兆円のうち、その半分以上の五・九兆円が翌年度に繰り越されて年度内に支出されていなかった実態が明らかになりました。
 財政法において、補正予算は特に緊要となった経費の支出を行う場合などに限り作成することができるとされているにもかかわらず、多額の繰越しが生じている実態は、規模ありきで補正予算を編成してきた証左にほかなりません。
 国の決算書では、補正予算や予備費による追加額を特定し、執行状況を把握することが原則としてできず、政府はこれまで、財源別に執行状況を管理することについて、各省庁の執行管理が複雑することにより追加的な事務負担が生じるなど実務上の課題があるとの答弁をしてきました。しかし、実際には、多くの事業で補正予算の執行状況を区分管理していた実態を会計検査院が明らかにしました。なぜ実態と異なる答弁を繰り返してきたのでしょうか。財政の健全化を訴える前に政府は国の財政状況を国民に丁寧に説明する必要がある、そう指摘せざるを得ません。
 加えて、政府は令和五年度を新たな防衛力整備計画の一年目と位置付け、防衛関係費を増大させた結果、前年度の二倍を超える決算額となりました。その財源について、五年度は国有財産である大手町プレイスの政府保有分売却などで捻出しましたが、今後は防衛増税により国民に新たな負担を求めようとしています。そのような中、海上自衛隊の潜水艦修理契約をめぐり、契約先企業から乗組員に対する不正な便宜供与が行われていたことは誠に遺憾です。不正の全容解明とともに、国民理解が得られない状況下での防衛増税の撤回を求めます。
 第二の理由は、冒頭で触れたとおり、会計検査院から同様の指摘を再三にわたって受けているにもかかわらず、実効性のある再発防止策が講じられていない点です。
 令和五年度決算検査報告において、会計検査院が不適切な支出などと指摘した事項は三百四十五件、金額にして六百四十八億円に上りました。
 政府開発援助では、カンボジアの通信基幹ネットワーク整備事業において、固定電話サービスの利用率が目標値六一%に対して令和四年時点で〇・一六%と大きく下回っていた事態や、ガーナの保健センター建設計画では、スタッフ宿舎等は完成したものの、肝腎の保健センターが未完成であった事態など、合わせて五事業、四十一億円で効果が十分に現れていなかったことが指摘されました。
 このほか、環境省所管の循環型社会形成推進交付金が過大に交付されていた事態や、第一の理由で申し上げた補正予算の多額の繰越し実態も、これまで再三にわたり会計検査院から指摘を受けているものです。その都度、政府は再発防止策を講じたとしていますが、これまで何事もなかったかのように翌年度以降も指摘を受け続けていることは看過できません。政府には、会計検査院からの指摘を真摯に受け止めるとともに、形だけの再発防止策ではなく、実効性のある再発防止策を徹底することを強く求めます。
 第三の理由は、公共インフラの老朽化が進行する中、維持管理を担う地方自治体に寄り添った支援が不十分な点です。
 平成二十四年の笹子トンネル天井板落下事故を契機として、政府はインフラメンテナンスの強化に取り組んできました。
 そうした中、今年一月、埼玉県八潮市において、下水道管の老朽化に起因すると見られる道路陥没事故が起こり、トラック一台が巻き込まれ、ドライバーがお亡くなりになるとともに、約百二十万人に下水道の使用自粛が求められるなど、自然災害でいえば激甚災害に相当するような重大事故が発生しました。
 お亡くなりになられたドライバーにお悔やみを申し上げ、いまだ様々な御不便を強いられ、不安を抱えていらっしゃる住民皆様にお見舞いを申し上げます。そして、ドライバーの救出、陥没箇所と管路の修復、復旧、市民の衛生と水環境への影響を最小限とすべく現場作業に奔走されてきた関係者皆様には、心より敬意と感謝を申し上げます。
 この事故を踏まえ、政府は、国土強靱化実施中期計画に老朽化対策を位置付けるなど、強靱で持続可能な上下水道の構築に向け取り組むとしていますが、事故が起きてから腰を上げる政府の対応は遅きに失したと断ぜざるを得ません。
 我が国の社会資本ストックは高度経済成長に集中的に整備され、今後二十年間で建設後五十年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みであり、一斉に老朽化するインフラの戦略的な維持管理、更新が求められています。
 一方で、公共インフラの大部分で維持管理の担い手となる地方自治体においては、全国の下水道事業における職員数が令和五年度で約二万六千六百人と十五年前から二〇%も減少しており、業務従事者不足が懸念されています。そのような中、政府は、DX技術による業務効率化のカタログを公表する一方、技術を導入するか否かは自主財源に限りのある各自治体の判断に委ねています。
 下水道の維持管理を自治体任せにしていた結果、今般の事故が起きたと考えられます。それでもまだ自治体任せを続けるのでしょうか。そのような姿勢で本当に安心で安全な国民生活を守れるとは到底考えられません。
 物価高で多くの国民にとって苦しい生活が続いている今だからこそ、より一層、国民の皆様から政府の予算、決算に厳しい目が向けられています。予算は適切に使われたのか、無駄な使われ方はなかったのか。決算重視の参議院において、立憲民主・社民・無所属は、これからも行政に対し厳しく意見し、改善を求めていくことを結びに申し上げ、会派を代表しての討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 羽田次郎

speaker_id: 29203

日付: 2025-06-11

院: 参議院

会議名: 本会議