山口和之の発言 (本会議)

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○山口和之君 日本維新の会の山口和之です。
 会派を代表して、令和五年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、そして、内閣に対する警告決議案には賛成の立場で討論をいたします。
 今、日本の政府債務残高はGDP比で約二五〇%超という異常事態に達しており、国と地方を合わせた借金は千二百兆円もの規模に膨らんでいます。これらの国債発行は、日銀による発行残高の約半分、計五百八十八・五兆円にも及ぶ買入れに支えられてきましたが、この構造も日銀によるテーパリングによって先行きが不透明になっています。
 財務省が先月実施した二十年物国債入札は極めて不調であり、また三十年債や四十年債等の超長期債の利回りも過去最高を更新するなど、財政懸念を背景とした投資家による債券の買い控えが国債の消化不良につながっています。金利が更に上昇すれば、国にとっては利払い費の増加により財政の自由度が低下し、日銀にとっては資産価値の低下を通じて財務リスクを着目され、通貨信認の低下につながり、また我が国経済そのものも景気後退に陥る、まさに八方塞がりの状況に陥る可能性を指摘する声もあります。
 令和七年度予算によると、一般会計歳出総額約百十五兆円のうち、国債費は約二十八兆円に上ります。社会保障関係費の膨張により赤字国債に依存する我が国の財政を考慮すれば、無駄を徹底的に排除し、可能な限り国債の発行量を圧縮することは、我が国財政の信認を確保し、財政を持続可能とするための喫緊の課題です。
 まず、このことを申し上げ、以下に具体的な問題点を指摘します。
 第一に、増え続ける社会保障関係費に対して抜本的な対策がなされていない点です。
 社会保障関係費は国における最大の費目で、令和七年度予算では、一般歳出約六十八兆円のうち社会保障関係費が約三十八兆円を占め、割合は五六%に達しています。医療費全体では毎年一兆円単位で増え続けており、国の財政と国民の懐を急激に圧迫する有様は、膨張がとどまることを知らなかった昭和十六年の軍事費にオーバーラップします。政府は改革工程等に基づき医療費抑制の姿勢は見せていたものの、この間の医療費の伸びを見れば、更に抜本的な改革を速やかに進める必要があったと言わざるを得ません。
 そこで、我が党は、社会保険料を下げる改革と銘打ち、与党に対して、過剰な病床数の適正化、OTC類似薬の保険適用除外、応能負担の徹底、医療DXの加速化等の提案を続けてきたところです。与党とは過剰な病床数の適正化で合意し、石破総理にもOTC類似薬の保険適用除外に前向きな姿勢を見せていただいているものの、変化の激しい世界の中で増え続ける医療費を抑制するためには、矢継ぎ早に打ち手を重ねなければなりません。四兆円の医療費削減は必ず速やかに成し遂げなければならないのです。
 第二に、コロナ禍に端を発する予備費の過大計上と不透明な運用が続いている点です。
 令和五年度の当初予算において、一般予備費五千億円に加え、物価高騰・賃上げ対策予備費四兆円、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費一兆円が計上され、予備費総額は五・五兆円に上りました。補正後に一部減額されたとはいえ、三兆円の巨額を擁しており、通常数千億円規模にとどまるべき予備費としては異例の規模と言わざるを得ません。
 とりわけ問題なのは、このような巨額の予備費が、新型コロナウイルス感染症が五類に移行し、国全体が平時に戻りつつあった段階においても継続的に計上されているという点です。
 本来、予備費とは、憲法第八十七条及び財政法第二十四条に基づき、予見し難い予算の不足に備える例外的措置であり、必要最小限にとどめるべきものですが、近年、政府はその趣旨を逸脱して常態的かつ巨額の予備費を計上し、数兆円もの支出が事後承認の枠内で可能となっています。これは、憲法第八十六条に定める予算の事前議決の原則を形骸化させ、国会の予算審議を軽視しているものと批判を免れません。今こそ予備費の目的を見直し、抜本的制度改革を検討しなければなりません。
 第三に、巨額の不用額が発生している点です。
 令和五年度決算では歳出予算のうち約六・九兆円もの不用額が発生しており、うち約一・五兆円、二割程度が予備費の使い残しとなっています。中でも着目すべきは、令和五年度予算でも、前年度に引き続き、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費として一兆円が計上され、前年度同様に一円も使用されず、全額が不用額となっている点です。
 予備費は、国民の命と暮らしを守る観点から、予測困難な事態に対して万全の備えを行うために計上するもので、予測し難い性質がある点は理解いたします。しかし、二年連続で巨額の予備費を計上しながら一切執行されなかったという事実は、予算の見積り精度や執行の計画性に疑念を抱かざるを得ません。
 第四に、政策の管理体制に不十分な事例がある点です。
 我が国の危機的な財政状況から、徹底した行財政改革を行う必要があることは当然です。しかし、このようなときに、非常に憂慮すべき事例が会計検査院の検査によって明らかになりました。
 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のうち、感染拡大の影響を受けている事業者の支援等に用いる事業者支援交付金による事業では、支援金等が事業者の過誤又は不正により受給されている事態が判明すれば、各都道府県は支援金等の返還命令を発出するなど対応を行う必要があります。しかし、令和五年度調査において、内閣府と総務省は、国庫返還を要する交付金の額や件数、返還が生じた理由等を把握していませんでした。
 支援金が不正に受給されているのであれば、各省各庁は当然、責任を持って国庫返還を求めるべきであり、その額を把握していないのは、都道府県との連携を含めた政策の管理体制に問題があると言わざるを得ません。再発防止のため、執行体制の徹底的な見直しを求めます。
 ここまでるる指摘してきましたが、膨張する社会保障関係費に対する対応不足、予備費の濫用による財政民主主義の空洞化、巨額の不用額に現れた予算編成のずさんさ、管理体制の不備、巨額のコロナ対策の物価高対策への衣替えと、本決算には看過し難い問題が山積しています。いずれも政府の財政運営に対する国民の信頼を損ねる重大な事態であり、是認することはできません。
 少子高齢化が進展しつつ、戦後最も厳しい安全保障環境にある我が国において、未来にわたって財政を守り続けるためには、無駄遣いを徹底的に排除しなければなりません。政府・与党には、これらの課題を真摯に省みることで、今後の予算編成と行政運営に活用することを強く求め、反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 山口和之

speaker_id: 15717

日付: 2025-06-11

院: 参議院

会議名: 本会議