竹詰仁の発言 (本会議)
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○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
会派を代表し、ただいま議題となりました日本学術会議法案について、反対の立場から討論いたします。
まず、今回の法案提出に至るプロセスについては、政府は学術会議と丁寧なコミュニケーションを取ってきたと主張しておりますが、内閣委員会での坂井大臣及び政府参考人への質疑、参考人の意見陳述及び質疑を通じて、政府答弁に納得性は見出せませんでした。
坂井大臣は、有識者懇談会の最終報告書で提言された法人像の基本的な考え方は、国が設立する他の法人のような人事、業務へ国の関与はなく、学術会議だけで会員を選べるようにして会員選考の自律性を高め、法人の適法、適正な運営を担保するための仕組みも必要最小限のものとするなど、学術会議の意見を踏まえたものになっていると答弁されました。また、個別の論点についても、議論の過程でお互いの理解が進んだものもあり、学術会議の懸念や意見を受け止めて、会員の選考方法、評価、監事の仕組みなどに反映した部分もあったと答弁されました。そして、学術会議の幹事会で内容的にはほぼ法案と言えるような詳細な資料で説明するなど、学術会議とコミュニケーションを取りながら作成したと述べられ、結果として、学術会議には法人化及び法案自身に反対ではないというところまでは御理解いただいたと答弁されました。
しかし、内閣委員会の質疑では、学術会議の光石会長から大臣と同じ認識であるとはお聞きしませんでした。また、参考人質疑においても、学術会議の現第一部の会員である川嶋四郎参考人からは、十分なコミュニケーションがあったとは言えず、法案修正を求めたにもかかわらず、受け入れないまま法案が提出されたとの意見がありました。
当事者である日本学術会議が理解、納得しないままに進めても、いずれうまくいかなくなると思われ、日本学術会議の機能を強化できなければ本末転倒という結果を招きかねません。
全国の学会、例えば日本物理学会、日本心理学会、日本社会学会、日本法社会学会など主要な学会などが本法案には反対の声明を出しています。政府対学術会議、政府対学会のような構図は避けるべきです。
学術会議自身、法人化そのものには反対しておらず、我が国のナショナルアカデミーとして、より良い役割発揮ができる組織へと変革する必要性については一致するところだと思います。真摯な協議を粘り強く積み重ねることで、政府と学術会議の双方が納得する解を見出せるのではないでしょうか。このまま突き進むのは大きなリスクとなる気がして仕方ありません。
ナショナルアカデミーたる五要件があります。その五要件とは、一、学術的に国を代表する機関としての地位、二、そのための公的資格の付与、三、国家財政支出による安定した財政基盤、四、活動面での政府からの独立、五、会員選考における自主性、独立性の五要件とされています。
この五要件については、川嶋四郎参考人、吉村忍参考人からは、現行法では五要件が満たされているが、政府案では満たされていないという意見がありました。すなわち、政府案では五要件のうち、三の安定した財政基盤、四つ目、活動面での政府からの独立、五つ目、会員選考における自主性、独立性が満たされていないという指摘でした。
また、政府案では、現行法にはない監事、評価委員会、選定助言委員会、運営助言委員会、分野別業績審査委員会等を設置するなどしています。非常に複雑かつ多岐にわたり、学術会議の活動を縛るものになりかねず、果たして政府からの独立性、自律性が担保されるのか疑義があり、内閣委員会での坂井大臣、政府参考人からの答弁ではそうした疑義は払拭できませんでした。
学術会議からの意見にあるように、監事及び評価委員については、学術会議の役割や業務にある程度精通している者が適当であり、任命に当たっては学術会議の意見を尊重すべきです。また、選定助言委員会、運営助言委員会、分野別業績審査委員会などはボランティアベースで運営している中で、現実として担える人がいるのか、委員会の業務を遂行できるのかも甚だ疑問であり、それらは規定から削除すべきと考えます。
学術会員の選定に当たっては、コオプテーション方式が確実に機能する仕組みでなければなりません。また、学術会議の財源については、学問の自由の保障及びナショナルアカデミーの位置付けから、安定した財源基盤の確保につながる規定があるべきと考えます。こうしたことから、我が会派は、立憲民主・社民・無所属会派が提出した修正案に賛成いたしました。
最後に、令和二年十月の任命拒否問題について、政府には改めて誠実な説明を行うよう求めます。
黒塗り部分、黒塗り問題は一体誰が納得しているのでしょうか。政府にとっても、隠している、やましいに違いないと追及され続けており、内閣委員会で政府参考人として答弁に立った日本学術会議事務局長の答弁も苦しく、お気の毒にさえ思えました。当然、学術会議側も納得しておりませんし、国権の最高機関である国会に情報開示されないままでの学術会議の在り方を変えようとする政府案の審議は、一番大事なことが抜け落ちた審議をさせられてしまったと思えて仕方ありません。この問題の解明がないまま新たな日本学術会議をスタートさせても、政府と学術会議との信頼関係が再構築できず、ずっと不信感が続いたままとなり、双方にとって良い結果が得られないのではないかと思います。
任命拒否問題の情報開示をし、説明をし、学術会議と政府との信頼関係を再構築した上で、本法案はやり直すべきことを改めて指摘し、反対討論といたします。(拍手)