吉田はるみの発言 (本会議)

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○吉田はるみ君 立憲民主党・無所属の吉田はるみです。
 会派を代表して質問いたします。(拍手)
 高市総理、内閣総理大臣の御就任、誠におめでとうございます。女性初の総理大臣として注目を集め、その重責は想像をはるかに超えるものとお察しします。男性中心の政治の世界に風穴を空けられました。政治への信頼を回復し、是は是、非は非、党派を超えて活発な議論をする国会に変える、その先頭に立ち、リードされることを御期待申し上げます。
 高市政権の最優先は物価高対策。私たちも同じです。国民は今何を望んでいるか、明らかです。直近のJNNの世論調査によれば、物価高対策で期待する政策として、食料品の消費税ゼロが三〇%で、二位以下を引き離してトップです。
 立憲民主党は、まさに食卓の危機とも言えるこの状況を乗り越えるため、十月三十一日に食料品消費税ゼロ法案を衆議院に提出しました。
 円安が物価高に追い打ちをかけており、命と直結する食料がますます値上がりしています。来年四月からは小学校の給食が無償になります。しかし、その給食の食材購入には消費税が重くのしかかっています。その分を子供たちの給食の質の向上に使いましょう。また、子供食堂では、米の高騰も相まって、食材購入費の負担が非常に厳しい状況です。
 直接暮らしに届ける食料品消費税ゼロ法案の審議、是非やりましょう。
 自民、維新の連立合意に、飲食料品に関しては、二年間に限り消費税の対象としないことも視野に、法制化につき検討を行うと書かれていますが、法制化につき検討とは、具体的にどこで何をすることなのでしょうか。総理、お答えください。
 食料品の値上がりで国民不安が高まっています。とりわけ、私たちの主食である米の高騰です。
 時事通信のスーパーでの販売数量、価格推移報道によりますと、十一月二日現在、全国のスーパーで販売された米の平均価格は五キロ四千四百七十九円です。昨年の五月は二千百二十二円ですから、僅か一年半で二倍以上に値上がりしています。これは異常事態です。
 しかし、多くの国民はその原因がよく分かりません。米価が二倍になった、その原因の究明なくして、米の安定供給、そして消費者の望む価格の実現はできません。この一年半で米の価格が倍になった、その原因は何だと分析していますか。高市総理にお伺いいたします。
 この米高騰の対策として、新しく農水大臣になられた鈴木農水大臣は、お米券を明日にも配りたいと意欲を見せていらっしゃいます。お米券を実施する場合、発行のための行政コストも気になるところです。
 そこで、伺います。お米券の補助をこの臨時国会で補正予算に入れますか。配付する範囲はどこまでですか。全世帯に配られますか。また、その予算規模は幾らと見積もっていらっしゃいますか。総理にお伺いいたします。
 米が高くなれば消費者は苦しい。一方で、価格が下がれば生産者が苦しい。消費者と生産者を対立させてはなりません。実は私も、鈴木農水大臣の選挙区と同じ、米どころ山形県の出身です。親戚に農家も多く、農業に携わる方々の御苦労を身近に見て育ちました。そして今は、お米の最大の消費地である東京の衆議院議員として、消費者の切実な声を聞いています。
 瑞穂の国である日本、価格が高いからとお米離れを起こしてはなりません。輸入米ではなく、国内で自給できる国産のおいしいお米を国民に届ける、これが政治の使命ではないでしょうか。
 僅か二か月前は米の増産を指示しましたが、鈴木農水大臣は需要に応じた生産を打ち出されました。これまで減反政策の際によく使われた言葉です。生産現場からは、この方針の大転換に大きな混乱と先行きに対する不安が広がっています。米の価格の乱高下、増産、減産と、消費者も生産者も振り回されてはなりません。
 立憲民主党が提案している、生産者の所得を保障する食農支払い制度を導入するなど、生産者に十分なセーフティーネットの手当てをした上で、消費者が安定した適正な価格で国産米を入手できる施策を取るべきと考えますが、お米券と生産調整で対応するのでしょうか。総理の方針を伺います。
 高市総理は厚労大臣に対して、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うことを指示しました。いわゆる残業規制の緩和です。この方針は、過重労働や過労死を助長するおそれがあります。
 そもそも、残業時間の規制は、二〇一七年、当時の安倍総理が不退転の決意で取り組むとおっしゃった働き方改革です。過労死、過労自殺ゼロの実現への強い意思で、労働政策審議会において労使間であまたの厳しい議論を経て、ようやく到達した合意です。この合意をほごにして、際限なく残業し放題にすることは許されません。
 二〇一七年合意で規定された、過労死ラインと言われる、発症前の直近一か月の時間外労働が月百時間を超える労働を総理はよしとするのでしょうか。これは、現代社会に、ブラック労働を推進するという大きなマイナスメッセージを発することになります。それでも総理は、過重労働や過労死を助長するおそれのある労働時間の規制緩和を進めるのでしょうか。総理の御答弁を求めます。
 厚労省の労働政策審議会では、労働基準法改正に向けた検討が行われ、使用者側の委員から、裁量労働制の適用範囲の拡大が必要といった意見が出されています。しかし、制度が悪用され、実際に残業代がつかない長時間労働に陥る危険性があります。裁量という名の働かせ放題。安易な裁量労働の適用拡大はすべきではありません。総理が目指す労働時間規制緩和には、裁量労働制の適用拡大も含まれるのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 現行の時間外労働の上限規制は過労死認定ラインであり、これを緩和することは、働き方改革の逆行にほかなりません。本来目指すべきところは、仕事と生活の調和を図りながら働き続けられる環境整備と基本給のベースアップ、賃上げです。
 立憲民主党は、ワーク・ライフ・バランスの取れた生活を支援するため、残業代割増し率の引上げ、勤務間インターバル十一時間以上の義務化、自分の希望に応じて短時間正社員を選べる環境の整備などを提案しています。立憲民主党の提案に対する総理の見解を伺います。
 労働経済白書によると、介護士、保育士など社会を支えてくださっているエッセンシャルワーカーの平均賃金は、それ以外の職種と比べて百万円低く、五十代後半ではその差が二百万円に広がっています。
 賃金が上がらない一つの要因が、人材紹介会社に支払われる報酬です。例えば、一人の保育士さんの紹介料で百万円近くが人材紹介会社に支払われていますが、この紹介料は、四か月後にその人が辞めた場合、返金されません。四か月ごとに百万円を支払って欠員の補充をしている保育園の運営者は、この紹介料は人材紹介会社ではなく保育士さんのお給料として支払ってあげたいと嘆いていました。
 ハローワークなどの機能強化や、紹介手数料の高騰に歯止めをかける実効的な措置を講じるなど、求められると思いますが、総理はどう受け止めていらっしゃいますか。お伺いいたします。
 次に、高市総理の教育観についてお伺いします。
 総理のホームページのコラムにおいて、国家の基本は教育であると述べられ、教育勅語を見事と称賛され、次のように述べていらっしゃいます。現代においても尊重すべき正しい価値観ですし、子供も大人も覚えて繰り返し唱和することで、日本人全体が心を合わせて道徳を実践する空気を醸成したものだと思います。
 しかし、教育勅語は、一九四八年に、日本国憲法や教育基本法に反するとして、軍人勅諭とともに衆参両院の全会一致で排除、失効が決議されています。
 高市総理は、教育勅語を今の教育に組み込むお考えがあるのでしょうか。お伺いいたします。
 総理は所信で、地方から人口流出が激しいのは女性や若者世代であり、住み続けたいと思えるかが重要だと御指摘されました。
 近年、地方から都市へ転出する若い女性が増えています。この点、内閣府の調査では、家事、育児、介護は女性の仕事というような固定的な性別役割分担意識が特に地方において強く、若い女性が地方から都市へ転出する要因の一つになっていると分析しています。
 これ以上地方から人が流出しないよう、固定的な性別役割分担意識を解消すべきと考えますが、高市総理の見解を伺います。また、その解消のための対策があれば、お聞かせください。
 例えば、結婚すれば女性は男性の名字になるのが当然という意識が根底にある夫婦同氏から、夫婦の希望に合わせて同じ氏も別の氏も選べる選択的夫婦別姓制度を導入することは、固定的な性別役割分担意識を解消する一つの突破口になります。
 選択的夫婦別姓制度は、法制審議会が一九九六年に制度の導入を盛り込んだ民法の改正案の答申を出しており、立憲民主党はその法制審の答申に沿った民法改正案を本年四月に衆議院に提出し、現在、継続審議となっています。
 選択的夫婦別姓は、女性活躍の一丁目一番地だと経団連は強く要請していますし、労働組合の連合からも、各党が力を合わせて実現してほしいと要望が寄せられています。労使とも、旧姓の通称使用では根本的な解決にならず、駄目だと明言しています。しかし、自民と維新は、旧姓の通称使用の法制化法案を二六年通常国会に提出し、成立を目指すと合意しています。総理は、経済界そして労働界の声を無視してこれを進めようとされているのでしょうか。お伺いいたします。
 選択的夫婦別姓は、同姓、別姓、どちらでもいいという選択肢を広げるものであり、まさに多様な生き方を肯定し、そしてアイデンティティーへの尊重を進めるものです。選べる道が多いほど未来は輝くと日本弁護士連合会も後押ししています。自由と選択肢を増やす選択的夫婦別姓の実現に向けて、一緒に議論してまいりましょう。総理の見解を伺います。
 二〇二四年時点で、不本意な非正規雇用労働者は女性が約九十一万人、男性は約八十九万人です。合計で百八十万人。規模からいうと、福岡市の人口と同規模です。それだけ多くの労働者が、正社員になりたいと願いながらも非正規雇用の状態にあるということになります。一方で、企業の内部留保は約六百三十八兆円と、十三年連続で過去最高を更新しています。大企業は十分に、正社員の数を増やす、そして賃金を上げる体力があります。内部留保は労働者に還元すべきです。
 人手不足が大きな社会問題になっていますが、現在仕事をしていないが就業意欲のある男性は七十六万人、女性は百四十九万人に上ります。この方々が就職できるように、正社員の採用を増やし、そしてリスキリングや学び直しへの予算を拡充すべきです。不本意非正規雇用の百八十万人と就業希望者を合わせて四百五万人、この雇用対策が急務と考えますが、総理の御認識を伺います。
 企業の利益などのうち人件費に回る割合を示す労働分配率は二四年度に六四・二%と、ここ数年は下落傾向です。企業は株主へは手厚く還元し、株の配当金はこの十年右肩上がり。一方、労働者の給与はこの三十年横ばいが続きました。そして、今は実質賃金がマイナスです。株価は先週五万円を超え、今日はちょっと下がっているようですけれども、高騰しています。株などの金融資産を持たない人にとっては、恩恵はありません。
 金融資産を持ち、収入がどんどん増えた人と、一生懸命に働いても収入がなかなか増えない勤労者との格差がより一層拡大しています。この格差を是正し、分厚い中間層をつくることこそ、最大の経済政策です。高市総理は、この格差を是正するためには何が必要で、どんな政策を実行しますか。お伺いいたします。
 日本の相対的貧困率は一五・四%と、OECD加盟国の平均値より高く、七人に一人が貧困状態にあります。とりわけ一人親世帯の貧困率は四四・五%となっており、一人親の二人に一人は貧困状態です。特に母子世帯では、非正規雇用者が多く、低所得で、仕事も安定しません。子供の教育機会に格差が生じており、経済格差の再生産につながり、苦しい生活から抜け出せない構造になっています。二〇二一年の例でいうと、一人親家庭の半数近くが等価可処分所得が百二十七万円未満で暮らしており、厳しい生活実態です。
 その原因の一つに、養育費の不払いがあります。母子世帯の約七〇%が養育費を受け取っていません。そんな状況を改善すべく、自治体が養育費を一時的に立て替えているさいたま市や明石市の例などもあります。養育費の一時的な立替え払い、国として取り組みませんか。総理のお考えを伺います。
 デジタル時代の今、若年層の性被害、そして性加害が広がっています。生まれたときからスマホがある世代の若者たちは、簡単に写真や動画を撮り、友人同士で交換し合っています。それが近年、非常に個人的な性的なものまでがその対象となっています。
 私自身も信じられない思いでありましたが、女子大学生数名にヒアリングをし、実際、隠し撮りをされて、それが恋人の男性からその友人に回っているケースは身近に多数あると、皆声をそろえてその実態の深刻さを語ってくれました。こうして恋人同士で撮られた性的な写真や動画は、二人の関係が崩れたときに、リベンジポルノとして脅しのツールになってしまいます。
 これまでの日本の性教育は、妊娠しないように、性被害に遭わないようにと、女性の側に防衛を求めるものでした。しかし、このデジタルネイティブ、そしてAIネイティブの子供たちの時代においては、子供たちを守るためには、性暴力を個人の問題として片づけるのではなく、しっかりとした、性加害は許されないという教育と、性暴力を生まない法整備が必要と考えますが、総理の見解を伺います。
 総理はかつて、さもしい顔してもらえるものはもらおうとか、弱者のふりをして少しでも得をしようという言葉を使われたと承知しています。この発言に深く傷つき、不安を覚える方々が少なくありません。
 今回、総理の所信演説の中に、障害者、貧困、また弱い立場の方々に寄り添う政策への言及がありませんでした。障害者支援や貧困対策、そして福祉政策に力を入れる方針はあるのか、総理に伺います。
 次に、憲法の理念と総理の姿勢に関して伺います。
 そもそも憲法とは、国民を縛るものではなく、権力の行使に歯止めをかけ、国民の自由と尊厳を守るための最高法規です。歴史を振り返れば、国のための大義が掲げられたときほど、権力が暴走し、自由が奪われ、社会が戦争へと突き進みました。戦後日本が歩んできた立憲主義とは、この苦い歴史への反省に根差した、二度と過ちを繰り返さないという誓いそのものです。
 憲法は、国家のためにあるのではなく、主権者である国民のためにあります。
 総理は所信で、総理の在任中に憲法発議を実現したいと述べられました。それは、具体的に憲法の何を変えることを想定しているのでしょうか。連立政権合意書では、日本維新の会の提言、二十一世紀の国防構想と憲法改正を踏まえ、憲法九条改正に関する両党の条文起草協議会を設置する、設置時期は二五年臨時国会中とするとされていますが、憲法九条改正に関する条文起草協議会をこの臨時国会中に設置するのでしょうか。維新の求めに応じるのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 総理は所信演説で副首都構想に言及され、首都及び副首都の責務と機能に関する検討を急ぎますと述べられました。地方制度にも関わる問題であり、自民と維新の二党が協議して合意すればいいという問題ではありません。総理の諮問機関である地方制度調査会などで、丁寧に、幅広い角度から議論すべきではないでしょうか。副首都構想の検討を急ぐとのことですが、どこの場で検討を行い、誰が参加し、いつ検討会が開かれる予定ですか。お伺いいたします。
 副首都という発想自体は、首都直下地震や大規模災害に備えたリスク分散の観点から一定の意味があります。ただし、大阪を副首都とすることだけを目的化すべきではなく、慎重な検討が必要です。副首都として想定されているのは大阪以外もあり得ますか。副首都は一つの都市とは限らず、複数の都市もあり得ますか。総理の御見解を伺います。
 総理は所信で、インバウンド観光も重要ですと述べられました。昨年の訪日外国人の数は三千六百八十七万人で、本年は、伊藤忠総研の調査によると、四千六百二十三万人と予測されています。急増しています。政府は、二〇三〇年までに訪日観光客六千万人の目標を定めていますが、この方針は変わりませんか。総理に伺います。
 このような状況で、観光公害と言われるオーバーツーリズムの問題が顕在化しています。住民がバスや電車などの公共交通が利用できず、日常生活に支障が生じています。ホテルや旅館など宿泊施設の人手不足、そして宿泊施設の不足により、民泊が急増しています。民泊として稼働している件数は、二〇二二年九月時点では一万八千百九十件でしたが、本年九月時点で特区の民泊も含めると四万二千五百十一件と、この三年で二・三倍と急増しています。現在、近隣住民の苦情や不安の声が聞かれるようになりました。こうした状況にしっかりとした対策を講じなければ、住民と外国人観光客の間でトラブルが生じてしまい、排外主義を助長しかねません。この事態は避けなければなりません。
 受入れ体制が十分でないと、外国人に対していたずらに偏見や差別をあおってしまうことにもなります。二年前に出入国在留管理庁が行った外国人との共生に関する意識調査によると、ふだんの生活で外国人と交流する頻度がある人は全体の約二七%、一方で、外国人に対する偏見や差別があると答えた人は約七割に上ります。つまり、ふだんは外国人との交流はないけれども、偏見や差別を持っている人が多いという結果です。
 人は知らないことに対して恐怖を抱きます。遠ざけます。差別のない共生社会の実現は、まず相手を知り尊重することからと考えますが、総理はどのようなお考えをお持ちなのか、伺います。
 次に、外国人政策に関連し、総理は、土地取得等のルールの在り方について検討を進めるとおっしゃいました。私たちは、正確な事実関係に基づいた施策の立案、実行のために、まずは早急な実態把握が重要との視点に立った検討を進めているところです。
 政府の検討の方向性について、また、検討の前提となる実態把握の重要性について、総理の答弁を求めます。
 立憲民主党は、一人一人との対話を通して実現する草の根の民主主義を掲げ、信頼の政治を取り戻します。科学技術、研究、そして教育で人の力を引き出し、日本経済が再び世界の先頭に立ち、格差を是正し、豊かな暮らしを実現します。安心の社会保障で国民を支え、平和主義を堅持し、ぶれることなく、ひるむことなく、力強く前に進みます。
 立憲民主党は、全ての人が尊重され、あらゆる違いを力に変える、自由で寛容な、活力に満ちた日本をつくる、その決意を申し上げ、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

発言情報

speech_id: 121905254X00420251105_003

発言者: 吉田はるみ

speaker_id: 24486

日付: 2025-11-05

院: 衆議院

会議名: 本会議